藤島武二〜近代画家と絵葉書A〜

2010年12月03日(金) 11時05分
藤島武二は日本洋画界を代表する大家の一人です。
彼は生涯かけて様々な画風に挑戦し、それぞれ時代に代表作を残しました。
画風に展開がある画家の批評をする場合、ある時期をピークとみなし、
いずれかの画風に評価が集まります。
しかし彼の場合はどの画風の作品も高く評価される稀有な画家でした。




トンボ(花と虫)

藤島は最初日本画を学んでおりましたが、
やがて洋画に転じ帰国した黒田精輝に指導を受けました。
そこで彼は外光表現というみずみずしく明るい画法を学び、
独自の表現へと目覚めていきました。
そして彼は浪漫的な装飾に満ちた代表作
『天平の面影』を明治35年に発表したのです。
今回紹介した絵葉書にも、当時の藤島らしい
装飾的な美しさで満ちております。
アール・ヌーヴォの影響を色濃く感じさせるこれらの絵葉書は、
渡欧する直前の明治38年に発行されたものです。





月の女神(三光シリーズ)


その中でも女性の描かれたこちらの絵葉書は、
『三光』と呼ばれるシリーズの一枚で、
「第一回日本絵葉書展覧会」にて一等賞金牌を獲得しました。
アール・ヌーヴォを意識しながらも、
和の情緒が盛り込まれており、真似するだけでなく、
新たな表現に挑戦し昇華していく彼の好奇心と
意気込みを感じさせる絵葉書です。




ハートと蛾(花と虫)


帰国後も彼は精力的な活動を続け、
印象派やイタリア古典絵画など様々な画法を習得していきました。
そして日本の近代洋画の構築を目指した努力は
大家と呼ばれる地位を獲得するまでになったのです。



次回も素敵な絵葉書を紹介致します。
お楽しみに!



次回は1月7日の予定です
P R
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19世紀末以降、私製絵葉書の使用が認められるようになり、世界各国で絵葉書文化の花が開きました。
当資料館では来館された皆様に、 絵葉書を通して、古き良き時代にタイムスリップして頂きたいと思っております。
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