明治最高のスペクタクル〜滑稽新聞絵葉書世界 @〜

2009年06月05日(金) 13時00分

最近雨が多くなりました。
梅雨らしいしっとりとした空気が漂うようになりましたね。



さて今回から数回にわたって、
芸術的でありながらユーモアもたっぷりな、
滑稽新聞絵葉書世界の魅力に迫っていこうと思います。




馬の図



滑稽新聞は明治時代に
宮武外骨なる人物が発行した新聞です。
それはただの新聞ではなくヒネリを利かして、
面白可笑しく編集した記事をたくさん載せていました。

ブラックジョークのきつい内容でしたが、
逆にそれが大変な話題を呼んで大成功しました。


そして当時は絵葉書がブームになりはじめた頃。
絵葉書の可能性に目をつけた宮武外骨は、
滑稽新聞の別冊として
『滑稽新聞絵葉書世界』を創刊しました。



この雑誌は美しいカラー印刷の
イラストが30枚掲載されており、
それら全てが切り離して絵葉書として使えました。





絵葉書世界第15集



もちろん普通の絵葉書ではなく、独特のユーモアセンスにあふれており、
一言では言い表せられない魅力で溢れています。

大胆な構図と色彩で描かれたイラスト、
美しい浮世絵美人、斬新なデザイン画……
そしてお得意のブラックジョークをきかした、奇抜な絵葉書がありました。


百聞一見に如かず。まずはこの絵葉書をご覧ください。



    
鬼外福内                      鯉の飛躍



こちらの絵葉書は二つとも滑稽新聞絵葉書世界です。

まず左の絵葉書を見ますと、
鬼の面の内側がお福さんになっていますね。
豆まきのかけ声である“福は内、鬼は外”を
そのままイラストにしていることがすぐ分かります。


直球な解釈を真面目なふりして、
ふざけて描くところが何とも可笑しいと思いませんか ?


そしてもう一つの絵葉書をご覧ください。
こちらは黒地に鮮烈な赤色の鯉が滝登りをしています。
とても明治とは思えないモダンなデザインは
現在も通じるものがありますね。


このような荒唐無稽と前衛アートが
両隣に存在する稀有な絵葉書雑誌でした。


これはひとえに編集者たる宮武外骨が大変な趣味人であり、
ユーモアと美意識を兼ね合わせた彼の人柄に、
有名無名に関わらず様々な人物が手を貸したことで誕生しました。



そのおかげで他には類を見ない、
バラエティ豊かな雑誌として存在することになりました。




さて次回も、滑稽新聞絵葉書世界を特集いたします。
お楽しみに!



次回は7月3日の予定です
P R
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■絵葉書資料館では、明治後期から昭和の始めにかけて国内外で発行された絵葉書を、常設展示と定期的に行う企画展にてご覧頂けます。
19世紀末以降、私製絵葉書の使用が認められるようになり、世界各国で絵葉書文化の花が開きました。
当資料館では来館された皆様に、 絵葉書を通して、古き良き時代にタイムスリップして頂きたいと思っております。
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