シルエットロマン絵葉書展3 〜日本の影絵芸術〜

2008年10月24日(金) 12時45分

23日よりシルエットロマン展が開催されました。
展示されている絵葉書はどれもあたたかみがある、
素敵なシルエットのデザインばかりで、
まるでおとぎ話から飛び出したようです。



今回は日本の影絵のお話です。
日本は西洋とは違い、
体を使う一種の遊びとして発展しました。
お座敷遊びの一つとして
影絵遊びは人気があったのです。




 体や小道具を使って
 障子にうつる影を
 動物や生活に
 馴染み深い物の姿に
 変身させます。

 アイディア満載の
 変身に驚いたり、
 楽しんだりしました。




             宴会




また明かりさえあれば楽しめることから、
自宅でもできる遊びが数多くありました。




 例えば行灯の前で切り絵を指で
 摘み、壁に映してするお芝居ごっこ。
 熱を利用して笠がくるくる回り、
 色とりどりの切り絵の動く
 走馬灯を楽しみました。
 みんなが気軽に遊べるように、
 影絵の指南書や制作キットなどが
 売られていたそうです。

 やがて明治時代に移り、
 国をあげて西洋文化を
 取り入れるようになると、
 ちょうどヨーロッパで流行中だった
 シルエットの似顔絵も伝わってきました。



       冬景色




似顔絵としてのシルエットはあまり定着しなかったようですが、
絵筆で影を描いて表現する方法は、挿絵やイラストの中に残っていきました。

そんな背景があったことからか、絵葉書の時代のシルエットもどこか庶民的。
思わず切り取って遊びたくなるような、そんなイラストばかりです。



2回にわたって特集しました、シルエットロマン展
紹介させて頂いた絵葉書はほんの一部です。
まだまだたくさんの絵葉書が展示しております。
ぜひ一度お立ち寄り下さい!
ロマンチックなシルエットの世界が皆様をお待ちしております。








シルエットロマン絵葉書展2 〜ヨーロッパのシルエット・アート〜

2008年10月10日(金) 13時44分

このごろ気温の寒暖の差が激しくて、
着る物に悩んでしまう日が多いです。
でも青々とした木々が少しずつ姿を
変えていくのを眺めるのが楽しみな季節でもあります。

寒いのは苦手ですが、いつの間にか色づいた葉を発見すると
ちょっと嬉しくなってしまいますね。

さて今週はヨーロッパのシルエットについて特集します。
ヨーロッパ産のシルエットはどこかロマンチックで
アンティークな雰囲気があります。
その魅力はどこからきたのでしょうか?




最初の“シルエット”は18世紀に安上がりの肖像画として登場しました。





 黒一色で
 塗りつぶされた絵は、
 表情のかわりに
 おおまかな特徴と
 仕草を加えることで、
 その人物を
 表現しようとしました。
 またさらに影の部分を
 より美しく鮮やかに
 みせるために、
 色彩をほどこす
 工夫もしました。


     婦人の肖像




影を紙に簡単に写し取る装置の開発や、
素早く写す技術が上達したことにより、
スピーディに正確にシルエットが描けるようになりました。


ものの数分で完成し、しかも安いことから、
観光地のお土産や庶民が頼める肖像画として、
スナップ写真のような気軽さで流行しました。





 やがて人々は
 輪郭だけで
 描かれた絵が、
 逆に想像を膨らませる
 魅力に気付きます。
 しかも何気ない
 日常の姿も
 シルエットにするだけで、
 おとぎばなしのような
 雰囲気になることを
 発見したのです。



     恋人の訪問










 そこで影絵は
 個人の肖像画ではなく、
 童話の主人公と
 想像の世界が
 描かれるようになりました。

 そのため妖精や
 お姫様など、
 ファンタジックなモチーフが
 繊細な影の中で動き、
 物語を語るシルエットが
 登場したのです。


    ガチョウ番の娘
  (horse with girl&goose)






童話や小説の挿絵として活躍したシルエットは、
20世紀初頭に流行した絵葉書の中でも
存分にその魅力を発揮しました。


そして今でもアンティークな香りのする、
影絵のロマンチックな魅力は後世にも残り、
現代でもグラフィックアートの一つとして生き続けております。




さて次回もシルエットの特集をいたします。
同時に素敵な季節もの絵葉書も紹介します。
お楽しみに!






次回は10月24日の予定です
P R
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■絵葉書資料館では、明治後期から昭和の始めにかけて国内外で発行された絵葉書を、常設展示と定期的に行う企画展にてご覧頂けます。
19世紀末以降、私製絵葉書の使用が認められるようになり、世界各国で絵葉書文化の花が開きました。
当資料館では来館された皆様に、 絵葉書を通して、古き良き時代にタイムスリップして頂きたいと思っております。
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