華麗な絵葉書2〜お姫様ヘアースタイル〜

2008年05月30日(金) 12時09分
本格的に梅雨入りし、
空気もなんだかどんより重たいですね。
湿っぽい毎日が続くと外出しにくいですが、
こういう時こそ美術館に行くことをお勧めいたします。
涼しくて快適な美術館で一日のんびり過ごすと気分もリフレッシュしますよ!


前回に引き続いてお姫様ファッション特集。
ドレスよりも個性的だったヘアースタイルを紹介いたします。


フランスの女王、マリー・アントワネットが贅沢な毎日を送っている頃、
ヘアースタイルはドレス以上に重要なおしゃれポイントでした。

 
Silhouette Deco
Couple on Couch Steen

 


カリスマ美容師は礼服に身を包み、
馬車でお宅まで訪問します。
ご婦人の髪を前にじっくりイメージを膨らませて、
おもむろに櫛を取り出し……

髪にパッドを仕込んでつけ毛をたっぷり使い、
芸術品ともいえる奇怪な建築物を作り上げるのでした。

              
なかでも豊富なヴァリエーションで人気があったのが
「オセンチ・プフ」と呼ばれるヘアースタイルです。



依頼主の心を表現するために、
蝶の舞う庭園やドールハウス、牧場、生の果物や花など、
あらゆるものを頭に乗せ、さらに羽で飾り立てたのでした。


他では類を見ないあまりにも奇抜なヘアースタイルは、
貴族を批判する風刺の標的になり、
巨大な髪型のせいで馬車の天井を突き抜けるという、
コミカルな風刺画が描かれるようになりました。


ちなみに18世紀は貴族でも
何日もお風呂に入らないのが当たり前だったため、
相当痒かったそうです。


ファッションが時として、美しく見せることより目立つことに先走ってしまう、
いい例ではないでしょうか?


絵葉書資料館では、企画展の絵葉書以外に、常設でたくさんのコレクションを展示しております!可愛い絵葉書もたくさんありますよ!!



次回はお姫様のファッションをひきたてた小道具を紹介いたします。
お楽しみに!




次回は6月6日の予定です

華麗な絵葉書1〜お姫様ドレス〜

2008年05月23日(金) 12時06分


いよいよ絵葉書資料館の貴重なコレクションから
毎週一枚、素敵な絵葉書を紹介します。

今回テーマは“お姫様”です!

ただ今神戸市立博物館にて開催中のルーブル美術館展。
企画展では究極のセレブと呼ばれた、
18世紀フランス王家や貴族たちの日常を見ることができます。
私もつい先日お邪魔しまして、その豪華さに思わずため息をつきました。
特にご婦人方の衣装の豪華さには目をみはるばかりです。


そこで今回は感銘を受けた記念に、
絵葉書で描かれた彼女たちのファッションについて連載していきたいと思います。

絵葉書が流行したのは近代に入ってからですが、
隆盛を極めた貴族文化の代表として、脳裏に残っていたのでしょう。
美しいドレスに身を包んだ貴婦人のイラストを度々目にします。


 
Carl Bring God Jul 



革命から100年以上経っても、華麗な貴族趣味といえば、
18世紀に栄華を誇った王宮風俗でした。
現代でもファンタジーや絵本などで見られるお姫様のイメージも、
やはり当時の雰囲気が土台にあるように思えます。

さて、そんなきらびやかなロココファッションで有名といえば、
大きく膨らんだドレスではないでしょうか?
    

18世紀前半から登場したゴージャスなドレスは、
硬い素材の輪を何十にも重ねた、パニエと呼ばれる下着を着けました。

パニエはたっぷりとした布とフリルを広げ、
造花やレースで飾られたスカートを美しく見せました。
パステルカラーであつらえられた衣装は、
まるでデコレーションケーキのような甘くて綺麗なドレスになりました。



しかしパニエはだんだん装飾を演出するよりも、
スカートを大きく広げることが目的になりました。
その結果、横幅2メートルまで広げるパニエが登場しました。



次回は引き続き、お姫様のファッションを紹介いたします。
他の時代では見られない、
元祖セレブたちの個性に触れていきたいです!
お楽しみに!!





次回は5月30日の予定です

日本の絵葉書 ●加藤まさを●

2008年05月16日(金) 14時46分
ブログ立上げからはや1ヶ月。
ようやくブログにも慣れてきました。
さてさて今回は日本の作家を紹介いたします。
日本の味わい深い絵葉書を少しでもお伝えできれば幸いです……



ご紹介する日本絵葉書作家は、
叙情絵葉書を代表する作家・加藤まさをです。



 
加藤まさを花の精4輯 水蓮のお友達



大正〜昭和にかけて描かれた、センチメタルで儚げな
雰囲気を持つイラストは叙情画と呼ばれるようになりました。

童謡『月の砂漠』でも知られている彼は、
大学在学時に絵葉書作家としてデビューしました。
この蓮に寄り添う可愛らしい妖精の絵葉書は、
代表作でもあり高い評価を受けている「花の精」シリーズの一つです。

彼は英国のイラストから影響を受け、イラストレーターを志しました。
その中でも特に力を入れたのが、イギリスでも人気があった、花と妖精のモチーフです。
 




彼はライフワークとして
花に宿る妖精たちのイラストを発表し続けました。



愛らしさの中に少し寂しげな表情を見せる妖精たちは、
見る人に懐かしさと感傷的な気分を与えてくれる、
不思議な魅力に満ちています。





今回で企画展の紹介を終了させて頂きます。
「花の美術絵葉書展」は8月30日まで開催中です。



来週から企画展から離れて、
当館の資料から選りすぐりの絵葉書を
テーマを決めて紹介していこうと思います。
お楽しみに!!





次回は5月23日の予定です

絵葉書作家●アルフォンス・ミュシャ●

2008年05月09日(金) 8時34分
ようやく板に付いてきた第3回目は、
展示品の作家を紹介いたします。
個性的なイラストには、
やはり個性的な作家の手によるものが多いです。


企画展示の中でも一際輝くセンスをお持ちの作家を紹介しますね!


 
アルフォンス・ミュシャ
  サラ・ベルナール1897年プリュム誌刊行




アール・ヌーヴォーの芸術家、アルフォンス・ミュシャ。
アール・ヌーヴォを代表する作家として
紹介されているので、知っている方も多いでしょう。

彼の描く優雅で美しい女性像と繊細に装飾されたポスターは、
現代の日本でも人気がありますが、
19世紀末のパリでも大変人気がありました。
熱心なコレクターがいるほどでした。
しかしポスターは高価で中々手に入りません。
そんなファンの懐具合に合わせて、人気のあるポスターは、絵葉書化されたのです。



     

日本でもアール・ヌーヴォ風の絵葉書の中には、
彼の画風を真似たものまであります。
そこまで人気の芸術家であったアルフォンス・ミュシャでしたが、
意外なことに約160種類もある絵葉書の中で、
彼が絵葉書用に起こしたデザインはたったの4種類です。

今回ご紹介させて頂いてたこちらのポストカードも、ポスターの複製なんですよ。


きっと忙しくて、仕事を請けられなかったのでしょう(*)


*彼は次から次へと舞い込む依頼に嫌気が差し、自分のデザインブックを発表しました。
掲載されているデザインは誰でも好きなだけ使ってよい、という本でした。
しかし、彼の仕事が減ることはなかったそうです。




さて、次回は展示している日本の作家を紹介いたします。
日本にも西洋とはまた違った、素敵な作家さんがたくさんいらっしゃいます。
お楽しみに!!


次回の予定は5月16日です

日本のアール・デコ

2008年05月02日(金) 11時30分
ゴールデンウィークもそろそろ後半に入りました。
皆さんどのようにお過ごしですか?

本日第2回目の連載は、「日本のアール・デコ」です。
ホームページをご覧になれば分かるかと思いますが、
絵葉書資料館は日本の絵葉書に力を入れております。
今回は企画展にてメインで展示されている日本の絵葉書を紹介しながら、
日本のアール・デコの魅力についお話しいたします。



瓢箪と梅 彩色(作者不詳)

明治以降、文明開化の目的で西洋文化を取り入れていきました。
最初は目新しさから、西洋的なものを何でも真似しました。
しかしすぐに人々は馴染んでいき、
欧風と和風が入り混じった新しい生活文化が誕生します。

美術界でも例外はなく、積極的に西洋美術を学び、
独自の美術表現に昇華させていきました。



 
中澤弘光 5月
   日本葉書会1905明治38


 

 郵便制度も明治時代に取り入れられ、
 絵葉書も西洋風から日本以外では見られない、
 独特のデザインが登場するようになります。
 
 特にこちらの一枚は、
 アール・ヌーヴォー風のアヤメに流水を横らせる、
 写実と単純化が融合した面白い絵葉書です。

 日本美術は形式に捕らわれず、
 直接感覚に訴える、
 独自の美術表現があります。
 そのため現実味や写実性よりも、
 インパクトやユニーク性を追求しました。
 このような美学が根底にあるため、
 日本のアール・デコ風絵葉書には、
 他国にはないモダンな雰囲気があります。

     


もみじ(作者不詳)

規則に捕らわれることのない自由な発想。
それがあったからこそ、大胆で面白いデザインを考えられたのでしょうね。



企画展にて展示されている主な絵葉書の芸術スタイルを、
二回に分けて簡単に紹介させて頂きました。
日本絵葉書にも西洋絵葉書にも、甲乙付けがたい魅力が溢れています。

花の美術絵葉書展では、
花という分かりやすい題材から両者のセンスの違いを比べながら、
優れたデザイン性を感じて頂きたいと思っております。

ゴールデンウィークはもうすぐ終わってしまいますが、
企画展はまだまだ開催しておりますので、
ぜひおいでくださいませ!!





さて次回から少し趣向を変えて、
企画展にて展示している絵葉書から、
代表的な作家を紹介していきたいと思います。

イラストレーターから、意外な大物芸術家まで実にたくさんの方々が
絵葉書のイラストをかいているんですよ!


次回は5月9日の予定です。お楽しみに!!

P R
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■絵葉書資料館では、明治後期から昭和の始めにかけて国内外で発行された絵葉書を、常設展示と定期的に行う企画展にてご覧頂けます。
19世紀末以降、私製絵葉書の使用が認められるようになり、世界各国で絵葉書文化の花が開きました。
当資料館では来館された皆様に、 絵葉書を通して、古き良き時代にタイムスリップして頂きたいと思っております。
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