文明開化と西洋時計

2019年04月26日(金) 20時34分

1492年コロンブス使用の時計


日本が西洋文化を積極的に取り入れたのは、
生活水準の高さを国内外にしめす目的がありました。



そのため舶来品の日用品や贅沢品などが次々と紹介され、
物珍しく高価な西洋時計は富裕層に熱狂的にもてはやされ、
紳士淑女は懐中時計を持ち、置時計は応接間のシンボルになりました。



供給が追いつかず、仕入れた商品を店へ運ぶ間に
売り切れてしまったこともあったそうです。
それだけ人気のあった時計ですが、西洋式の機械時計について
国内の技術はまだ追いついておらず、輸入販売が中心でした。



今では世界有数の時計メーカーとして名を馳せているセイコーも、
輸入販売から始めたそうです。




東京や大阪を中心に輸入時計商が開業し、
販売ノウハウや修理技術が向上しました。
経験を積んだことにより、日本でも本格的な時計製造工場ができました。
そこから日本の時計産業は急速に発展するのです。




次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!






次回は5月の予定です

神戸時計デザイン博物館

2019年03月29日(金) 20時58分



時間という考え方は、人の労働を生活の基準になっただけでなく、
宗教的儀式の指針ともなりました。
時間を目に見える形で表すものとして、日時計や水時計が作られ、
人が集まる街の中心施設などが、鐘を鳴らす役割を担いました。



太陽の傾きや水の流れなどを利用した時計は天候など環境に左右されやすく、
誰かが読み取り報せる必要があったのです。



しかしゼンマイが発明されてから、その様相は一変します。
自動で時を刻み音で報せる機械式時計を作り出され、
鐘を動かす大掛かりな装置から小型化が進み、
現在の私たちが知る様々な時計が制作されました。



日本では遣唐使が持ち帰った漏刻(ろうこく)と呼ばれる水時計から、
本格的な使用が始まったと言われております。
太陰暦に基づいた日本独自のゼンマイ式和戸時計が発展しましたが、
明治時代に入りグレゴリオ暦に基づく一時間単位で時刻を合わせた
機械式時計の輸入、国産の生産・販売されたのです。





この度、姉妹館として時代を彩る
デザイン時計を楽しむ博物館をテーマにした、
「神戸時計デザイン博物館」を4月11日に開館いたします。

デザインに拘った世界の時計をご高覧ください。





次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!






次回は4月の予定です

日本の近代化と植物3〜温室〜

2018年11月29日(木) 22時25分

御苑内植物館内部
昌徳宮大温室




日本庭園とは、八百万の神の宿る神聖な
山岳や泉を模して造られた、儀式の空間だったそうです。
時代の変遷と共に、宗教的価値観から離れ
、交流を深める場として癒しや遊び心が加えられました。


建築の変化とともに伝統を守りつつ、
高めた技術力を発揮し、原風景とモダンが融合した新しい庭が創造されました。


その中でも温室は最新鋭の贅沢な
室内庭園として、富裕層に好まれました。
1851年に開催されたロンドン博覧会の目玉だった、
巨大な温室型展示場「クリスタルパレス」は、
複雑な鉄骨の骨組みとガラス板の大量生産が
可能になったことにより実現できました。



この技術は、園芸の飛躍的な
発展に大きく貢献しました。
新しい植物の開発や貴重な植物の研究や保存。




さらに観賞用、遊興の場所と多種多様な
利用方法を生みだしたのです。
室内で植物を鑑賞する習慣のあった日本でも、
賓客を招く社交場として設けられたそうです。




次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!






次回は12月の予定です

猫の浮世絵〜猫と遊び絵〜

2018年08月31日(金) 15時58分

歌川国利
新板猫の温泉





猫の擬人化が、国芳の国利を始め
多くの弟子たちへと引き継がれ、
明治以降に猫で庶民の生活や
小噺を描いた「おもちゃ絵」が流行します。



おもちゃ絵は子ども向け。遊びながら、
生活の知恵や昔話などを学ぶことができます。
すごろくは特に人気で、様々なテーマで、
世俗的なことを描きました。



おもちゃ絵を手掛ける多くは駆け出しの新人の仕事でした。



おそらく師匠から画名をもらってない絵師が手掛けていたと思われ
、その多くの作者名が記されておりません。




しかし、そのユニークな魅力は損なわれず、
むしろおおらかで滑稽な
猫だけの世界を表現しています。




次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!



猫の浮世絵展は12月27日まで開催しております。
お近くに御寄りのさいは、ぜひ御高覧下さいませ!



次回は9月の予定です

猫と擬人化

2018年07月29日(日) 16時51分

新板猫乃狂言つくし



贅沢禁止令がたびたび発令され、
庶民が贅を凝らした衣装や調度品を持つことだけでなく、
歌舞伎や遊女も贅沢を促す存在として取り締まり対象になりました。



姿を絵にすることまで禁止され、浮世絵師たちは苦難を強いられました。



そこで考えられたのが擬人化。人の姿に扮した猫を実在の人に置き換えて描いたのです。



これらの浮世絵は、一見ただの猫のキャラクターのように見えましたが、
持ち物や仕草から連想する謎かけを解けば、
人気の芸妓や歌舞伎役者だとわかる仕掛けがあったのです。
反骨心あふれる絵師らは、この技法を用いて
時の政治家を茶化す浮世絵も発表されたのです。




彼らの努力とユーモアあふれるセンスで
誕生した人型の猫は人気が出て、
風刺目的から離れて使われるようになりました。




次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!






次回は8月の予定です

猫と歌舞伎

2018年06月29日(金) 15時54分

歌川国輝
東海道岡部宿猫石由来之図




化け猫伝説が日本各地に存在します。



太平の世が続き、旅行ブームが起きたことで、
化け猫は知れ渡るようになり、歌舞伎に題材にもなりました。



猫は人間に近い生き物と考えられ、人間に化けて人を襲ったり、飼い主の恨みを引き継いで報復をしたりします。



猫又と呼ばれる妖怪は、妖しく、恐ろしい化け物として舞台を盛り上げました。




特に三代目菊五郎の歌舞伎芝居
「独道中五十三駅」にて彼の化け猫に変化する歌舞伎は
ドラマティックで人気のある舞台であり、
度々浮世絵のモチーフになりました。




次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!






次回は7月の予定です

日本美人と猫

2018年05月30日(水) 8時22分




はるばる中国から連れて来られた猫は、貴重な存在として貴族を中心に珍重されていました。



しだいに数を増やし、庶民にも手が届くようになり、
江戸時代には犬、金魚と並ぶ三大ペットになりました。



ネズミ対策として、遊郭でも飼われるようになりましたが、
犬と違って室内で飼えることから、遊女自身が好んで飼うようになったそうです。



室内で大事に飼われていた猫には首輪に紐を結んで逃げないようにします。



その姿はしなやかな体つきと相まって、遊女を連想させました。

絵師はメタファーとして、好んで美人と猫はセットで描いたのです。



次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!






次回は6月の予定です

猫の浮世絵展

2018年04月09日(月) 22時25分


浮世絵の猫はたびたび登場します。

時には擬人化され歌舞伎役者。
時には怖い妖怪。
ほか様々な人々の風俗や生活の姿形を中で、猫に見る事ができます。

神秘的な魅力を持ち、幸運をもたらすとも信じられ、
愛された猫たちの絵葉書資料館所蔵の浮世絵本画をご高覧ください。

また大変珍しい廣重の直筆「干網之図」や歌麿「松風」等も特別展示致します。

当館にて「猫の浮世絵展」
を開催いたします
4月26日(木)〜12月27日(木)
ぜにご高覧くださいませ

日本と猫〜幸運象徴と怪のけ伝説〜

2018年02月17日(土) 19時55分

MEIKO TOKEI 黒猫


日本と猫の付き合いは、他国にない独特のものです。
貴重なペットから、時代を下るにつれ数を増やし、
人々にとって身近になると、様々な伝承や創作に登場するようになります。



猫は人の人間の魂の依代(よりしろ)となる霊的な存在と考えられていました。
時には亡くなった人のメッセージを伝えるイタコ的存在や、怨念や恨みをはらす復讐者になると考えられたのです。



また神秘的な魅力を持つがゆえ、幸運をもたらすと信じられたのです。
招き猫の由来は神社の横で老婆が売り出した今戸焼の猫の置物や
全国の神社仏閣、民間信仰説など、様々な由来があります。
その中で有名なお寺の一つ、世田谷の豪徳寺を紹介いたします。



お寺の猫がある日、雨で困っていた武将を寺へ案内したことから、
寺の僧と武将が交流するようになり、徳の高い知恵を得た武将は出世しました。
そのエピソードは瞬く間に広がり、手招きする猫の置物(まねき猫)が
幸運を呼ぶお守りをして人気を博したのです。




その信仰は現代でも変わらず、家内安全、
商売繁盛をもたらすラッキーアイテムとして、知れわたっております。




時代が進むにつれ、幸運をもたらす招き猫の姿は、
置物を絵葉書や時計など様々グッズが作られました。




猫の絵葉書展好評の為継続展示致しております
皆様、ぜひご高覧下さいませ






次回は3月の予定です

猫とアカデニズム

2017年12月29日(金) 20時01分




猫の画は人気があるだけでなく、画家自身をアピールする材料にもなりました。
絵画技法はアカデミーで習得することが主流であった時代、
アカデミー出身の生徒はほぼ必ず猫をえがきました。
アカデミーの最重要課題である展覧会にて、人物画と静物画は数多く出品され、
その中に猫は何度も登場しました。


人の体やガラスや金属の質感、果物の艶やかさと対比するように、
猫の毛並みを表現することで、技量をみせることができたのです。


インテリアとしても人気の高い動物画は、
よい稼ぎになったらしく、なかなか芽の出ない新人画家や女流画家の主な収入源となっていました。


しかしモダン芸術が台頭したことにより、アカデミーは衰退。
古典主義は過去の遺物として嫌厭されるようになりました。
そしてアカデニズムの代表でもあった動物画も廃たれました。


そのあおりで、動物画で人気を博した画家たちのほとんどが忘れ去られた存在となったのです。


次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!






次回は1月の予定です
P R
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■絵葉書資料館では、明治後期から昭和の始めにかけて国内外で発行された絵葉書を、常設展示と定期的に行う企画展にてご覧頂けます。
19世紀末以降、私製絵葉書の使用が認められるようになり、世界各国で絵葉書文化の花が開きました。
当資料館では来館された皆様に、 絵葉書を通して、古き良き時代にタイムスリップして頂きたいと思っております。
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