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ポーラ美術館の印象派コレクション展  2006年01月23日(月)
 渋谷のBunkamuraで行われている【渋谷で出会うポーラ美術館の印象派コレクション展】を見に行った。
 
 今回の一番の収穫は、ピサロやスーラ・シニャックなどの点描派の絵を生で見られたこと。近くで見たり印刷物で見たりすると、大きな原色の点に分解された画面は不思議で不気味なのだけど、絵から一歩一歩離れていくと、画面はどんどん表情を変え、ある地点で点が柔らかく溶け合う。そのとき、混色しておらず、濁りのない絵の具は、他の絵にない透明感と明るさを帯びている。
 
 そう、他にも、生で見ることの醍醐味を感じる場面は多かった。【睡蓮】など、刻々と移り変わる水面の一瞬の印象を描くモネをはじめ、光の印象を大切にする印象派の作品だからこそ、原画でしか見られない色や質感に感激した。
 
 あと、これは画家が意図した訳ではなく、油絵の特性が生み出した偶然の体験なのかもしれないのだけど、朝や海の情景を描いた絵を間近で見たとき、油が照明を反射し、キラキラと光る様子がたまらなく美しかった。朝露や海面が陽光を浴びて輝くような感じがして息を呑んだ。

 様々な画家の絵を目の当たりにした経験。更に、喫茶店(西武百貨店中2階【EARL】)で、私と違う感受性を持つ彼と感想を語り合った経験。私の関心やものの見方を捉え直す機会になった。
 
 絵を鑑賞する経験は、誰にとっても同じものでは決してない。(日本人の場合、一般に「名作」と評される作品に感動しようとするような、修正の思考回路が働いて、鑑賞体験が皆似たようなものになるということはあるかもしれないけれど。) 鑑賞体験は、多かれ少なかれ、それまでの経験や自分の属するカテゴリーによって影響され、規定される。鑑賞はゼロからの出発ではなく、人は、あらかじめ興味のあることに興味を持つのだ。
 
 例えば、私の場合は、自分が少女マンガを描いていた経験から、人物、特に女性を描く画家のまなざしに共感を覚える。例えば、ルノワール。二の腕や胸などの柔らかな肌の質感、バラ色に輝く頬、撫でたくなるような流れる髪…そこにこめられるこだわりは、愛情と言っても良いもので、絵が生まれる背景のストーリーや絵を描く画家の表情を連想させて興味深い。
 
 こうやって、個人個人が勝手に意味付けを行っていくことを、画家は制御できるだろうか?(この問いは、画家だけでなく、作家など全ての表現者に立てられる。) 決してできないだろう、と思う。
 
 さて、話は変わるのだけど、商業面では今、レクサスやi podの成功に代表されるように、広告や商品デザインなどの各種マーケティング戦略により、「ブランド」という形で、受け手のイメージを制御する=「ブランディング」の手法がもてはやされている。私は、「個人の鑑賞体験がバラバラの要因に規定される中で、ブランディングがどこまで可能なのか?」ということに興味があって、これを、卒業論文のテーマに据えようと思っている。
Posted at 09:50 / おすすめするもの / この記事のURL
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