ライナーノーツ 5 決意

May 30 [Tue], 2017, 20:00
2012年10月、ライナーノーツ 1〜4 を書いた。
今思えば曖昧なところも多々あったと思うけれど、それも含めて あの時の自分には違いない。
微妙に考えが変わったり深まったりしながらあれから4年半
その実践の中、私は今日も生きている。
このタイミングで 今のライナーノーツを書こうと思い立った。

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< 脱却 >

とても個人的な話をする。

薄々感じてはいたが
私がミュージシャンとして生きていこうとするこの先には 「 壁がある 」 と意識するようになった。
このまま行っても いつか行き止まりなのではないか?

ある時から目立つようになった事柄がある。

ライブで出演していた店の相次ぐ閉店。
自他共に脅かされる健康状態、金銭事情。

具体的には身近な人達が思わぬ体調不良に陥ったり、
一緒に演奏していた相手がやむを得ずできなくなったり。

何人か目の当たりにした現役ミュージシャン達の
焦り、弱さ、虚栄、不誠実さ。
急に不自然な売れ方をしたり、持ち上げられるミュージシャン。
勝手に作られる虚像、自分を大きく見せようとしているミュージシャン ( ですらないのかもしれない )。
何だか詐欺師のように見えてくる人もいた。

その中には尊敬していたミュージシャンもいたかもしれない。
壊れていくミュージシャン。
亡くなったミュージシャン。
そしてミュージシャンどころではない社会情勢。

その背景には信頼性の薄い政治、
何の為だか分からないオリンピック、原発問題、社会の風潮・・等、
不安を煽るものが揃っている。

私が勝手にそう見えているだけかもしれない。
けれど、悲しく感じる事は多かった。
一番悲しかったのは
様々な条件に負けて、ミュージシャン自身が 保身のため
自分達の道を生きにくいものにしている事だった。
それは いつかミュージシャンという道そのものが
この世から無くなると連想させた。

肯定したいものより、否定したいもののほうが多くなってしまった事 
行き場や希望が見えにくく、閉塞感が生じた事
否定の感情が免疫異常のように 自分自身にも向いていた事で
辛さを感じる事が多くなっていた。
どこかで無意識に崩れるはずがないと 勝手に思っていた身近なものが
次々と脅かされるのを見ているしかできない歯がゆさ。

変わらないものはない。
今までも幾度となく遭遇してきた。
残念な事や悔しい事は多いけれど私にはお手上げ状態、とひとまず降参するしかなく
この際だから何でもかかって来い、現実を全部見てやるという感じで、この流れをしばらく観察した。
そして一通り見てしまうと今度は見飽きてしまい、
だんだん腹立たしく、
早くこの状況から抜け出したい気持ちがムクムクと湧いてきた。

いろんなスタンスの人がいる。
否定するつもりは全くないし、どう生きようと自由。
好きに生きたら良いと思う。
でも こんな環境だからこそ、自分らしく本気で生きていかなきゃならないと私は思う。 

私は全く違うルートで たくましく生きていきたいと思った。
自分の道を作る。
将来の事や未来が想像できなくて不安も感じていたけれど、考えるのはやめた。
今を全力を持って自分のやり方で生きる事ができなくては
ロクな未来なんてないだろう。

それは、不安からの脱却だった。



< 自分の道 >

世界中の情報が目に入る。

政治の話や国の事はもちろん、芸能関係から話題のお店、今流行っているもの。
隠されたり操作されている情報やデマも多く含まれているし、
利害関係がからむメディアの信頼性は今やかなり薄くなっている。

世の中の動向はとても大事だ。
ずるい人がずるく国民を騙しているのを黙認したくはないし
社会が傾いたら音楽どころではないだろう。

でもそれよりも。

私はもっと自分の事、生きる事を考えたい。
今自分がいる世界でどう生きるか。
もちろんより良い世界ならなおいいし、
大きな事から小さな事まで言いたい事はいっぱいある。
けれどここで生きる以上、この体制の中で戦いながら生きていくしかないのは確かだ。
それがどんな世界でも。

今の世の中これでいいのか?
これでいい、なんてありえない。

でも思い通りにはならないこの世の中で、生きていかなきゃならない。
この世の中で生きていくというのは
従うとか流されるとか我慢するという事ではなく、
本来の自分のあり方を求めて戦っていく事ではないか?
ぶつかったり誤解されたりは当然で、うまくやっていく方が不自然だと思う。


勉強不足かもしれないけれど、私の目には
国民が何か言って動くような国ではないように見えている。
だいたい誰に言えば通じるのかさえ分からない。
豪邸でなくても みすぼらしくても、雨風しのげれば充分。
雨風すら しのいでもらえなくなる日が 来るかも分からないけれど、
私は誠実さのかけらもない相手の事を
そこまで考えていられない。
決して黙認はできないけれど、共存し、抗っていかなくてはならない。
人生は短く、ガッカリするヒマもないから。

私は、今の政治のあり方に真正面からぶつかって
良くしていこうと活動している人には敬意を持っている。
自分のやりたい事をいったん諦めて脇に置いて、
そういう人達がいるおかげで世の中が良くなった場合も多々あるのだし、
希望が全くないわけではなく、応援したい人もいる。

でも私はミュージシャンだ。
音楽をやらなければいけない。
どうにかなるのを待ってる時間もない。
どんな世の中であっても
そこで生きている人間が本気でなくては意味がない。

現実逃避せずに
自分と向き合い 戦い続ける限り
何度裏切られようと自分の行く先は充分明るいだろう。

それに、これまでに犠牲にしてきたものを思うと
足を止める気にはなれない。
私には 愛情を持って見返さなきゃならない人がいっぱいいるのだ!


ありとあらゆる複雑な問題に
直面しなきゃならない社会で生きているのに
ただ逃避するだけの音楽では
本当の渇望は埋められない。

今、必要なのはどんな音?



< 自分のジャズ >

コルトレーンがかかっている。
「 そのまんま 」 だ。
そのまんま、現状とは違う何かにリアルに向かっている。
感動する!


私が考えるジャズは、人間本来の音楽。
生きる = ジャズ だとも思っている。

一切の肩書き、
誰と共演したとか誰に習った、
ミュージシャンである事や
ジャズ、ドラマーというものも取っ払って残る 自分というもの、
「 ただの自分 」 にならなければ成し得ない。

仲間内で群れていても意味がなく
より自分である事。
そこに嘘があっては自分のジャズではない。

また、生命力がなければ自分のジャズではない。

思考を止めない、動きを止めない。
どんなに歩きにくくてもゆっくりでも、
どうしようもなくてたまに卑怯な手を使わざるを得なくても、
確実に前に進んでいく。

ちゃんと汗をかいて 血を流し 呼吸して もがいて 大地をける。
熱いのだ。


イイ感じの要素をいくつも並べて装う人は多いけれど、
この人!これ!というもので勝負している人は少ない。

多くの人が見栄を張ったり自分を演出してる中で、
極たまに ありのままを貫いている人に出会うと
ヒトという生き物に会った気がして 嬉しくなる。

生々しく、原始的なものに惹かれてしょうがない。


人間が人間らしくあるための 根源的であたりまえの主張、
その表現が芸術だと思っている。
だから尊く、純粋で、パワーに溢れていなくては意味がない。

例えば 「 生きたい 」 という主張。

ブラック企業の問題やなんかで自殺してしまう。
芸術が足りなかったのだと思う。
追い詰められた彼らや追い詰めた側の彼ら、関わった人達に
人間らしさや生きる事について考え、諦めずに行動するパワー、
そんな当たり前の事を思い出せる音があったなら。
愛する人の一人でもいたなら。
地球上から戦争は無くならないだろうけど、人ひとりの心も救えないで何が音楽だ。

ジャズもそう。


私よりも積極的に言いたい事を言い、
分かりやすく導いていく事ができる人はいっぱいいる。
優れた技術や表現力で、感動させられる人もいっぱいいるだろう。

でも私は自分を主張せずにはいられない。

黙っていても嘘を言ってもしょうがなく、ここからは本音で生きていくと私は決めた。
今、音楽の力をより信じている。


どんな状況でも生きていく。
戦っていく。

とことん人間の音楽を!
本音のジャズを!


後はライブでやる。






4ge4








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