なぜ若者は献血を避けるのか
2006.05.14 [Sun] 15:59

 ここ近年、若者の献血離れが進んでいる。その理由に「針を刺すのが痛くて嫌だから」、「何となく不安だから」、「健康上で出来ないと思ったから」、「恐怖心」がある。このことは厚生労働省の「若年層献血意識調査」でわかった。この調査で驚いたのが献血を知らないと答えたのが26.2%にも上ったことだ。

献血は1964年(昭和39年)の閣議で「輸血用血液は献血によってのみ確保する」と決定して行なわれるようになった。その時以来日本赤十字社が献血の受け入れている。その後平成14年、献血など血液事業の基本理念として設定された。

「安全な血液製剤の安定供給の確保などに関する法律」(新血液法)が施行された。もともとわが国の血液事業は買(売)血方式から始まったといわれている。当時は商業血液銀行が一手を引き受けたが、輸血後の肝炎の続発や頻回献血者の健康悪化が問題になったり、血液を営利に売買したため社会の批判を浴びた。その為政府は倫理面と安全面の確保を重要視し現在の血液事業とした。

献血には成分献血、400ml献血、200ml献血がある。400ml献血と200ml献血は血液中の成分を献血していくものである。日本赤十字社では献血基準を満たした人に輸血時の安全性を考え400ml献血を勧めている。

しかし、最近は若年層の献血離れが多いため、様々な無料サービスを実施している。大阪では高級ホテルの宴会場の一室を無料提供し、献血後の水分補給のためジュースやお茶およびコーヒーや紅茶を配布するなどのサービスを提供し献血活動をしている。

ただ、ここの総支配人は外国の方のようでなるほど!とうなずける。またユニークな献血サービスとして献血ルームをつくり雑誌・漫画・ビデオを提供したり、ハンバーガーやドーナツを無料で食べられるコーナーを作りデザートとしてハーゲンダッツのアイスクリームを用意しているところもある。その他にも若い女性を対象として「ネイルカラー」「カラーセラピー」「手相占い」などのイベントが目白押しである。

なぜ無料サービスを充実させてまで献血が必要なのか。2004年輸血用血液の84.8%が50歳以上の医療に利用された。それに対して献血者の80.8%が50歳未満であったという。このまま少子高齢化が進めば、高齢者が利用する血液を若年層だけでは支えきれなくなるのは必至だ。

人間は病気をしないと病人の気持ちを理解することが出来ない。自分が血液を必要とする時に血液がもらえず外国からの輸入に頼る事態になった場合、エイズ感染などいろんな問題が生じてくる。他人の痛みを自分のものとしてもう少し真剣に考え、献血の重要性を再認識し、いつかは自分も血液の利用者になるということを痛切に考え献血に協力して欲しいものである。

※「読売新聞関西版」「スポニチ」「日本赤十字社」「産経新聞」「厚生労働省」などの記事を参考にして作成しました。

健康コラム