結婚式のマナー パンその1

December 11 [Mon], 2006, 19:25


結婚式にはマナーがつきもの。
結婚式以外にも、マナーはつきものだけれども、人の一生に一度というイベントに参加、あるいは実施する場である結婚式には、特にマナーが要求される。

しかし、マナーの本を作ってみてわかったのだが、マナーの世界は、
1+1=2が通用しない。
時には3にもなるし、あるいは−5にもなりうる。

また、マナーには絶対的にこれが正解、というものがない世界でもある。
ある人にとって、ある場面において正解であっても、他の人の違う場面では
不正解となるのがマナーなのだ。

それだけに、実に、ややこしく難しい。
マニュアルの世界ではなく、臨機応変の世界に属するのがマナーというものなのだ。
そうした原則を前提として、結婚式のマナーについて考えてみようと思う。


結婚式のマナーといえば、まずおおかたの方が気にするのは、フランス料理の食べ方だろう。実際、結婚式における洋食指向は高く、ウエディングにおけるフランス料理のポジションは、芸能界にたとえるならば和田アキコくらいの存在感を持っている(笑)。

私がもっとも意外だったのは、パンの食べ方。
知らなかった。
きちんとした正式な席では、パンは「主食」ではないことを。
日本人はこのヨーロッパ渡来のパンという食品について、食卓におけるご飯と同じ存在と思ってしまいがちだ。
ところが正式な場では、違うのである。

考えてみればわかる。
フレンチのマナーは王侯貴族が発達させてきたもの。
一般庶民が作ってきたものもあるが、食事に関するものの大部分は、金持ちや高い身分の人たちが実践しつつ作り上げてきたものなのだ。

したがって、フォアグラだのイベリコ豚だの、ホロホロ鳥や白トリュフなんぞがズラリと並ぶ食卓において、何か悲しくてパンでお腹いっぱいになる必要があるだろうか。
お正月ということで奥さんが奮発してマグロのトロを買ったのに、貧乏性の夫はカッパ巻きばかり食べてお腹をいっぱいにしてしまった――そんなたとえ話と同じ(笑)。
高級料理のためにお腹はパンなんぞで満たしてはいけないのである。

パンでお腹を膨らませるのは、私のような下層階級の人間(笑)。
お金持ちは、けっしてパンでお腹をいっぱいにしない。ゆえに、彼らにとってパンは主食ではないのだ。そして彼らが主体となって作ってきたマナー作法であるから、正式なフランス料理の席では、どんなに美味しいパンであってもつけ合わせの食材の地位にとどまることになる。

だから、各テーブルにサービスされるバスケットに盛られた焼きたてのパンは、ひとつかふたつを取る。けっして3つも4つも取らない。
さらにお代わりはいかがですか? とサービスが再び回ってきたとき、最初に2コ以上取った人は、
「パンはもう十分美味しくいただきましたので…」と断る。
これがマナーというものだ。

ところがマナーには例外がある。これがやっかいで誤解のもとなのだが、たとえば高校・大学のスポーツクラブに属する青年や、育ち盛りの少年少女。
ある程度、ガツガツ食べても許されるのがこの人たちである。
したがって、パンのお代わりをしても、その後に出てくる豪華料理も当然ながら平らげることが推定されるため、同席した他のゲストから顰蹙を買うことはあまりない。
いうまでもなく、出された料理を残すということは、わが国の飲食マナーにおいて最大のマナー違反となる。これが守れるのであればと見てもらえる部分もあるのだ。

なにしろ結婚披露宴における食べ残し率は、2000年農林水産省の調査によると、23・9%にもなる。およそ4分の1が捨てられているのだ。
「もったいない」の観点からも結婚披露宴において、まずもって最優先事項として守らなければならないマナー、それが食べ残さないという原則なのだ。
それを考えると、20代後半以降の人々は、フードファイター並みの胃袋でない限り、せいぜいパンを取るのは2つくらいに留めておくのがよいのではないだろうか。
  • URL:https://yaplog.jp/doujyo/archive/89
Comment
小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー 絵文字 プレビューON/OFF

不正な自動コメント投稿を防ぐため、チェックボックスにチェックをしてください。

利用規約に同意
 X 
禁止事項とご注意
※本名・メールアドレス・住所・電話番号など、個人が特定できる情報の入力は行わないでください。
「ヤプログ!利用規約 第9条 禁止事項」に該当するコメントは禁止します。
「ヤプログ!利用規約」に同意の上、コメントを送信してください。
ビジネスマナーさま 堂上です
ありがとうございました。
ブライダル業界でも、転職者は特に
基礎的なビジネスマナーが身についている人が有利です。
貴社のサイトはとても役立ちますね。
November 10 [Thu], 2011, 17:32
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
November 08 [Tue], 2011, 20:18
<ミーさま>堂上
加藤茶は芸人ですね〜。
かとちゃんペッを会見でやってました。
まだまだ若いですから
長生きして笑わせて欲しいです。

ジェームス・ブラウンもショックでした。
December 27 [Wed], 2006, 16:29
加藤茶も危ない状態だったとは…

子どもの頃,有名映画俳優の訃報を聞くたび
親はしみじみしていまして
生意気にも「知らない人が死んで,何でそんなに悲しいの」と
そのときは思っていましたが
「楽しませてくれた人」「思い出に残る有名人」の悲しい知らせはどーんと響きますねー
December 26 [Tue], 2006, 11:44
<ミーさま>堂上
ミーさん、こんにちは。
岸田今日子の怪演といえば
「傷だらけの天使」ですよね。
あと、個人的には
「御家人・斬九郎」のうるさい
お母さん役(笑)。

すごい女優さんでした。
December 23 [Sat], 2006, 14:40
食事のマナーといえば
とんねるずと
「まあああああ,ホモ男ちゃんったら♪
こんなに食べこぼして。だめよ〜」と
まったりしたコントをしていた岸田今日子の怪演がなつかすぃーです…
December 21 [Thu], 2006, 17:54
<ミーさま>堂上
ミーさん、こんにちは。
さすがミーさんですね。
そうなんですよ。

普通のレストランの食事においては
むしろシェフ心づくしのソースを
パンに絡めて食べることはよい事とされているのですが、正式の席ではご法度とされています。

が、しかしホテルのシェフでも
「結婚式でそうやっても問題ない。われわれとしては
むしろそうまでして味わっていただけるなんて
職人冥利につきる」
という方もいるので、実にケースバイケースです。
December 15 [Fri], 2006, 10:07
「おいしい料理だと皿に残ったソースも
パンで綺麗に吸い取らせて頂くのがマナー」と
ある番組で言っていましたが
イギリスの小説(「お菓子とビール」だったか?)で
主人公がマナー知らずのイナカモノだという証拠に
「パンで皿を掃除して,それまで食う」みたいな描写がありましたっけ…
ほんと,時と場合と慣習にも寄りますねー(しみじみ)
December 14 [Thu], 2006, 17:57
2006年12月
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
最新コメント
アイコン画像ビジネスマナーさま 堂上です
» 結婚式のマナー パンその1 (2011年11月10日)
アイコン画像ビジネスマナー
» 結婚式のマナー パンその1 (2011年11月08日)
アイコン画像<フィジーさま>堂上
» 81ダイバーにはまりまくり (2008年06月22日)
アイコン画像フィジー
» 81ダイバーにはまりまくり (2008年06月19日)
アイコン画像<ミーさま>堂上
» ヤンキース松井秀喜選手の結婚 (2008年05月21日)
アイコン画像ミー
» ヤンキース松井秀喜選手の結婚 (2008年05月20日)
アイコン画像<ミーさま>堂上
» ヤンキース松井秀喜選手の結婚 (2008年05月09日)
アイコン画像ミー
» ヤンキース松井秀喜選手の結婚 (2008年05月06日)
アイコン画像<ミーさま>堂上
» ヤンキース松井秀喜選手の結婚 (2008年04月24日)
アイコン画像ミー
» ヤンキース松井秀喜選手の結婚 (2008年04月21日)
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:doujyo
読者になる
婚礼記者歴30年。それ以前はテレビ雑誌の記者でした。結婚式、新生活までの一連の流れを語れる唯一の存在としてブライダル業界にも重宝される存在です。また医療関係の取材・ライティングも行っています。2016年12月時点で取材したドクターは120人を突破。各種メディアからのお問い合わせ&詳しいプロフィールは
ホームページ「オリ婚☆堂上」
http://orikon-doujyo.com/
に記されておりますのでよろしくお願いします。
Yapme!一覧
読者になる