「仮面ライダー×仮面ライダー ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス」 感想

January 03 [Sun], 2016, 14:46
 

 注:以降ネタバレ有り

 毎年恒例となった、仮面ライダーの現行作と一個前の作品の共演するMOVIE大戦。
 今回は今までのシリーズで恒例だった「作品ごとのパート分け」が廃されていたり、特撮未経験のライターさんにホンを依頼したりと色々と新しいことをやろうとしていた感はありましたが、それが却ってマイナスに働いていた、というのが全体的な印象です。

 このシリーズは二作の共演がメインとなるわけですが、超常現象関連の事件の現場にいつもいる二人組(御成とアカリ)に事情聴取する為に進ノ介と霧子が大天空寺に向かって、という導入はなかなか上手いと思いました。
 しかしながら、ゴーストとドライブはそもそも「ゴーストの事件」「サプライズ・フューチャー」で繋がりがあるのにそれが全く活かされていない、というのはどうかと思います。

 
 ゴーストの4話で「それって、あの時のニュートン眼魂じゃないか!」って台詞が出てきた時に「『ゴーストの事件』を踏まえて登場させるのか―!」と思っただけに、互いの変身した姿を見てもゴーストとドライブが初対面のような描写になっていたのは残念ですね

 今作に期待していたことの一つが「サプライズ・フューチャーの矛盾」の解消だった、というのもあります
 これは何かといえば、

 
 サプライズ・フューチャー(ドライブ40話と41話の間の物語)でゴーストニュートン魂が助けに来る
 ↓
 ロイミュード108体撲滅(ドライブ47話)
 ↓
 ゴーストの事件、この話でゴーストがニュートン眼魂を手に入れる(ドライブ48話)
 ↓
 ブック眼魔の能力で浮き上がった街に対してニュートン魂に変身、この時ニュートン眼魂を自分たちが持っていたことをタケルが知る(ゴースト4話)
 

 という風にゴーストのニュートン眼魂を手に入れた時期と登場した時期が矛盾していたこと、本編で『ゴーストの事件』に言及されたことからMOVIE大戦ではこの矛盾について説明が為されると思っていたので、全く言及されないにしても完全に初対面、というのはいただけないですね
 情報が告知されたときに「タイムトラベル要素がある」と聞いていたので余計に期待値も高まっていましたし……
 
 いつものMOVIE大戦はパート分けによって

 「前作の後日談」
 「現行作の特別編」
 「二つの物語が繋がる共演」


 に分かれているわけですけど、前述の通り今作ではこれらが廃されて最初から共演していたことで、各作品の「色」を出すのが難しくなってメタメタになっていた、とはあると思います

 
 特にドライブ周りの描写は酷すぎる、の一言。
 「バタフライ・エフェクト」で理由付けするのはまだいいですけど、ハート、ブレン、メディックの三人は本編で壮大なドラマと共に逝ったというのに舞台装置同然に復活させられて、何の感慨も無しに消滅してしまう為「ふざけんなよ」
 「オールライダーもの」の着ぐるみだけ出てくるモブ怪人扱いと違って、役者さんたちがしっかり演じている分ショックが大きいです

 チェイスも同じように復活するんですけど、ハート達三人が進ノ介たちと戦ったり死んだ記憶が無いのに、チェイスだけが記憶があるのも不自然。
 あまりにもあっさり剛の前に登場するから、終盤の感動があるだけに台無し。
 消える時も割とあっさりですしネ
 
 10年前の大天空寺にドライブドライバー(ベルトさん)が落ちていたのも「ンだよそりゃあ!」
 いくらなんでもそんな空き缶みたいに転がってるわけがないでしょうに
 しかもそこに特に理由付けも無いですしね……
 
 
 「ゼロドライブ」「デッドヒートドライブ」と何気に新形態が二つも登場しているわけですけど、デッドヒートドライブの方は「ベルトさんがいないけど話の都合上変身させないといけないから出した」感が強かったですね……
 剛が「ハーレー博士に頼んで予備のベルトを作ってもらった」って言ってますけど(だから封印したはずのライドマッハーにも乗ってる)、そもそも「コア・ドライビアを正しく使える未来が来るまで」というベルトさんの強い意志で封印したのにそれは良いのか? という気がします

 地下に眠っていたベルトさん自身も現代パートで「この時間、この場所でわたしが必要なことは十年前から解っていたよ!」とトライドロンと共に登場しちゃいますし……
 47話のあの別れは涙が出るほどグッときただけにぶち壊しだよなあ、というのが正直なところ

 進ノ介の霧子へのプロポーズも「もう戻ってこれないかもしれない」ということを考えると指輪を埋めたってのも解るんですけど、いかんせん事態が進んでいく途中のあそこでやるのは不自然ですよね
 
 
 今回の映画で一番駄目だな、と思ったのは仮面ライダー純周りの描写。
 テレビシリーズでは変身しただけだったので「どこかで活躍があればいいなあ」と当時言ってたんですけど、今回は実戦に出るもダヴィンチ眼魔相手に瞬殺。
 それはまあ良いんですけど、その後に「瞬……殺!」ってやってギャグっぽく葬式のシーンになるのが本当に不快でした
 人の死をギャグにするとか何考えてるんだ、と
 『仮面ライダー3号』での「見ていてください……! 俺のトップギア!」に繋がる課長の死は良かっただけに余計にネ

 しかも、その後のあの世での仙人とのギャグパートが長すぎる、ってのも問題。
 もっと短くできたでしょうに、役者さんありきの冗長なシーンが延々続くってのはどうかなーと
 竹中さんの有名な「笑いながら怒る人」は好きなんですけどネ
 
 
 逆にゴーストの方の描写はまだテレビシリーズ序盤ということもあってか、大きな齟齬もなく割ときれいでした
 タケルと龍の親子の繋がりがしっかりと描写されていて、テレビシリーズでは直接的な絡みが無いだけにグッときます
 進ノ介とタケルが「父を殺された者同士」ってのも深みを持たせてましたね
 
 強いて問題点を挙げるなら時系列の問題。
 マコトがある程度協力的で闘魂ブースト魂がまだ登場していない(ラストに登場する)ことを考えると11話と12話の間にも見えるんですけど、西園寺が1カットながら登場しているんですよね……(西園寺は11話で退場)
 ここら辺を踏まえるとどうしてもパラレルとして考えざるを得ないかなーと
 
 後はマコトの「ダブルヒーローのご帰還だな!」「お前そういうこと言うキャラだっけ?」って感じ
 
 
 
 今回のオリジナル敵は、「ルネサンス三大巨匠」の眼魔たち。
 テレビシリーズでは「モデルになった偉人への配慮」として
 
 
 「刀眼魔(佐々木小次郎)」
 ・ムサシ魂(宮本武蔵)の初戦の相手、「燕返し」にかけて燕の意匠がある、巌流島の決闘を意識してか砂浜で戦う

 
 「斧眼魔(ユライ・ヤーノシーク)」
 ・ロビン・フッドとは義賊という共通項、斧を持って馬に乗った姿の伝承がモチーフ

 
 「青龍刀眼魔(関羽)」
 ・弁慶とは「忠義を尽くした男」という共通項、髭のような意匠で「美髯公」のイメージ

 とぼかした名前になっていますけど、今回は映画ということで少しばかり規制も緩いのか、「ダヴィンチ眼魔」「ミケランジェロ眼魔」「ラファエロ眼魔」と直接的に名前が出ていました。
 これは映画ならでは、って感じもあって面白いと思います

 それぞれのデザインも

 ダヴィンチ眼魔→『ウィトルウィウス的人体図』(手足)、ダヴィンチのヘリコプター(帽子)、ダヴィンチの自画像(髭)、『モナ・リザ』(胸から腹にかけて)
 ミケランジェロ眼魔→ダビデ像、システィーナ礼拝堂の『原罪と楽園追放』の蛇とリンゴ
 ラファエロ眼魔→『ガラテアの勝利』の天使


 と偉人の要素がこれでもか! と詰められているのが好きですね
 怪人のキャラクターデザインは毎回楽しみにしている部分だったりします
 
 総合的に見るとドライブの後日談要素のお粗末さが際立ち、褒められた出来の映画では無かったと思います
 正直、ドライブが好きな人ほど見るのはお薦めできないですね……
プロフィール
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  • アイコン画像 ニックネーム:度近亭心恋
  • アイコン画像 性別:男性
  • アイコン画像 誕生日:1992年7月13日
  • アイコン画像 血液型:AB型
  • アイコン画像 現住所:福岡県
  • アイコン画像 職業:会社員
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特撮・アニメ好き。SSも書いてたりする。
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