仮面ライダーアマゾンズ シーズン1 感想

June 29 [Wed], 2016, 21:00
 
 先日最終話が配信され、シーズン1の完結を迎えた『仮面ライダーアマゾンズ』
 配信は毎週見てたんですけど、結局各話ごとの感想は無理でしたね……
 観終わって、自分なりに思ったことを書いていこうと思います

 
 今作の「アマゾン」は「人を食らう新種の細胞から生まれた生物」の総称として使われており、敵にも味方も「アマゾン」が存在するというのが、仮面ライダーの本質である「同族殺し」をより強調しているものになっていたと思います
 原典である『アマゾン』だとアマゾンと獣人って出自が微妙に違うから「同族」って感じではなかったですもんね

 それでいて、「アマゾン」達の特色である「人間のタンパク質を欲し、その為に人間を食らう」というのはゲドンの獣人たちが人間を食べていたことのオマージュにもなっているのがまた上手い。
 「アマゾン細胞から生まれた存在であり、人に近いが人ではない」というのも、獣人の「獣に人の知能と体格を与えた」というところのリスペクトなのかなーと(凶悪犯を改造した獣人トゲアリって例外がいますけど……)


 テーマとしては、「『正義』、『命』。その線引きはどこなのか、そもそも線引きを設けることが正しいのか」といったところ。
 人工の生命を産み出すこと、それを人間の都合で殺すことの是非という部分でそれを描いていましたけど、劇中の描写ほどじゃないにせよこれは現実にも起こり得ることなんですよね 
 そこが独特のリアリティを産んでいたと思います
 「命を作り出す」ということが果たして「善」なのか、「悪」なのか。明確な定義づけのできない事象であるそれを主軸に持って来たことによって、それぞれの思惑や主張が時に同調し、時にぶつかるというのが作中で機能していたんじゃないかと
 
 
 既存の作品のタイトルを敢えて挙げるなら、『寄生獣』が近いんじゃないかなーと
 グロテスクに人間を貪り食うパラサイト、命に対する考え方の是非、それに対しての人間の戦いってところは両作ともに通じるものがあると思います
 アマゾン細胞と人間の細胞から生まれた第三のアマゾンである悠と、ミギーと一体化している新一ってそもそも出自が似てるんですよね

 
 「平成一期のライダーに近い作風」とは度々見ましたけど、どちらかと言えば今作は『真・仮面ライダー 序章』『仮面ライダー THE FIRST/NEXT』の系譜を色濃く受け継いだ作風だと自分は思っています
 『真・仮面ライダー』のクリーチャー、グロテスク要素、『THE FIRST/NEXT』の一般邦画要素が今作は強いんですけど、それらは微妙に平成一期のノリとはズレてるんですよね……
 今ほど過剰じゃないにしろコミカル要素、演出もあったアギト〜響鬼辺りを鑑みると、『アマゾンズ』と『平成ライダー』って実はあまり結びつかないのではと
 むしろ「アマゾンズドライバー」って名前で商品化されてるベルトが若干作中のノリから浮いてるぐらいですしね

 ただ、序盤の1〜2話ぐらいは正直だらだら長くてあまり面白くないですね……
 特に一話は駆除班の戦闘シーンに時間割きすぎなのと、世界観の説明的な部分が少ないって前提の上で50分近いッスからね
 3話で「アマゾンマンションだ……!」から4話の大乱戦、って辺りになってやっと見る側としてもエンジンかかって来たって感じでした

 
 7、8話の『ドライブ』にも通じる「怪物以上の悪意を持つ人間」って話も「『戦う理由』の線引き」に関して切り込む内容になってて好き
 
 
 それだけに9話の未覚醒アマゾン達の話は「?」と思うところが多いんですよね
 「ひっそりと暮らしていければ」とは言ってもモズアマゾン2と違って自分たちで意図的に人肉を口にして薬剤切れを伸ばそうとしていたわけで、精神構造的にはかなりタチが悪い。
 「怪人だけど悪い奴ばかりじゃない」ってのを描こうとしているのだったらあまりにもお粗末じゃないか? と
 ミカだけ最後にハチアマゾンに覚醒して殺される辺りで帳尻合わせた感はありますけどネ
 
 
 前述の通り、今作はネット配信、しかもクレジットカードが無ければ契約すらできないという完全に「大人」でなければ見れない環境での配信ということがあり、地上波で流すのは難しそうなグロテスクなシーンが結構多いです
 例に挙げた『真・仮面ライダー』もオリジナルビデオとしての販売形態でしたしね
 もともと原典の『アマゾン』からしてライダーの中では血しぶきが上がったりと若干グロテスクなところがあったこと、怪奇ホラー要素もあるのが第一作『仮面ライダー』の作風だったことを考えると、全然ありなんじゃないかと
 アマゾン達がやられると溶けるシーンも、旧一号編でさそり男や蜂女が溶けるシーンを今の技術でやったらこんな感じなんやろなーと

 3話の「生首のラップ包み in 冷蔵庫」、9話の「人肉ハンバーグの『調理』シーン」はカットの対象になりそうだなーとなんとなく
 ジョジョや寄生獣である程度耐性はあったんですけど、やっぱり見てて「ウッ!」ってなりましたもんあそこ

 
 キャラクターの描写に関しては、序盤辺りはパンチが弱いとは少し思ってました
 会話のシーンが淡々とした流れで描かれていくから、ってのもあるんでしょうけど悠も仁さんもメインキャラの筈ながら、微妙な邦画にありがちな「キャラが濃いのか薄いのかよくわかんねー」な感じになってるんですよね
 あと、「自分で殺したものしか食わない」つってた仁さんがハンバーガー貰おうとしてたのはどうなん? と
 6話辺りからそれぞれの主義主張がはっきりしてきてやっとキャラ立ってきたなっていう

 「おれ達はまだお前らに喰われる覚悟が出来てなかった」と、どこまで行っても「人間を守る」為にアマゾンを殺す仁さんと、「アマゾンだって心があって考えながら必死に生きている。その全てを殺すなんて間違ってる」「アマゾンを守る」悠という対立構造に落ち着いたのも結構好きですネ

 
 今作で一番印象に残ったのはマモル/モグラアマゾン
 原典のモグラ獣人のオマージュキャラながら、敵から味方になった原典と逆に「人の味方だったのが人肉の味を覚え、本能に苦しみ人の側を離れていく」という立ち位置が何とも切ない
 「チームのみんなは一緒じゃなきゃ」と誰よりも考えていた彼が、三崎の腕を食ったことでチームから離れていくというのがまた……
 最終回のサブタイトルが「M」の一文字だったので彼に何か大きな変化があるかと思ったんですけど、意外と彼に関しての話は「今後の余地を残す」って感じでしたね
 オマージュ元がオマージュ元だけに、彼の顛末は本当に気になってます

 
 「『金』以外のところに戦いの意義を見出してはいけない」っていう駆除班の立ち位置も結構良かったなーと
 8話の「自分たちの線引きを越えて戦うことの危うさ」を踏まえた上での「おれ達は正義の味方にはなるな」ってのはシビれました
 三崎君の軽口の多いキャラもほんとすき

 
 後、アマゾンシグマってシーズン1のラスボスになるとばかり思ってたんですけど意外にもラストの前段階で倒されちゃいましたね
 シーズン2だとシグマを基に新たなドライバータイプのアマゾンが出てきそうだとは思うんですけど……


 来年配信されるシーズン2はこれを踏まえてどうするのか気になるところ。
 残った1000体のアマゾンとの戦いはまずあるでしょうけど、未覚醒組を率いる悠、自分を含めて最後の一匹まで狩ると宣言した仁さんの終着点はどうなるのか。
 最終話で再結成された駆除班はどのような立ち位置に落ち着くのか。
 アルファ、オメガ、シグマに続くドライバー使用アマゾンは登場するのか(これは高い可能性であるとは思う)。
 既存のアマゾン達の「強化フォーム」のようなものは登場するのか。
 野座間製薬側の人間たちの顛末は。
 
 こうして考えると、半分くらいはシーズン2に投げっぱなしな部分も多いですね……

 
 兎にも角にも、作品としてひとつの区切りを迎えた『アマゾンズ』
 シーズン2によってその物語がどのような終着点を迎えるのかが楽しみです
  • URL:https://yaplog.jp/dokintei0713/archive/851
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