キエフ・オデッサの旅 10

2019年03月 31日 (日) 15:06
10時少し前にクリューコフから電話。なんかあわてている、時間が進んでいるという意味がしばらくわからなかったが、今日から夏時間になり1時間時計が進むことになるということだった。なななにすぐにラインで電話。スマホの時計が一時間いきなり進んだのでなにか混乱していたようだ。ただみんな知らないだろうと思っていたら、えっ知らないのというような反応だった。知らなかったのはクリューコフ夫妻と日本人ふたりだったようだ。なななは劇場へ。われわれはミハイル・レムというオデッサで有名な彫刻家のアトリエを見学。この人はコメディアーダにいろいろ協力しているらしい。素晴らしい作品だった。このあと劇場へ。なななの稽古をというところで、頭に使う音楽がないというこれはCDなので、前回の公演ですでにとりこんでいたばかり思っていた。とりあえず頭は音楽なしでやる。なななはホテルに戻って探すが、ないという電話。音はネットでひろえるはずだが、ないわけはないはず。なななは劇場に戻る。帰りは乗っていた車が接触事故を起こしたらしい。劇場でどこかにないか探すと、なぜないんだと言っていたクリューコフが、自分が持っていたのに気づく。ほっとするというか、おいおいだよな。
リハはぎりぎりまでつづけられ、順番もぎりぎりまでわからない。開演1時間ぐらい前にやっとなななは二番目の出番、トゥイチの次ということがわかる。
本番中途中つけていたハンカチがおちるというアクシデント、なんとか対応。かなりはらはらした。
公演後すぐにホテルのレストランに連れて行かれ、審査会。15人の審査員が集まって賞を決めるのはたいへんである。自分はトゥイチーをグランプリに押したが、ロシアの5人組がグランプリ、トゥイチーは演技賞ということになった。審査では審査員がそれぞれ5人を推薦したが、なななもこの中に入り、特別賞を送ろうということになる。なななは出演者のなかで作品をつくるということでは一番丁寧にやっていた、それを高く評価していたのがなななが目指すようなクラウニングをつくっているチャバだったことがうれしかった。自分にとってはグランプリがロシアの五人組というのが納得はいかなかったが、みんなで決めることなので仕方がない。
審査が終ってほっとしたということで、ドイツとフランスから来た酔っぱらいたちがみんなクリューコフの部屋に集まって二次会。自分は2時ぐらいに退散。

2019年03月30日のつぶやき

2019年03月 31日 (日) 0:00
  • コメディアーダいよいよ開幕。今日到着したトゥイチと、オープニングにショーをする子どもサーカスのメンバーと記念撮影 https://t.co/vsc6le113D Posted at 09:31 PM
  • あらためて、昨日のコメディアーダの「農婦たちのコメディアーダ−クラウンの女王たち」の感想をまとめてみました。 https://t.co/K4y7JMjd8o Posted at 02:10 PM
  • ななな無事公演終了、かなり手ごたえを感じる公演でした。いろんな人から、いいパフォーマンスだったとお褒めの言葉をもらった。どんどん良くなってるので、明日からのコンペッションも楽しみになってきたぞ。 https://t.co/Ait34YwtKN Posted at 05:08 AM
  • RT @nekonoyama: あした、3/30、練馬文化センターで【森と劇場のサーカス・フェスタ】に浅草雑芸団出演です。文化センター内はふくろこうじさん達の公演、野外の特設ステージで、10時、13:10、15時に浅草雑芸団のショウがあります。外は無料です! Posted at 03:27 AM
  • https://twitter.com/IZJ00257

キエフ・オデッサの旅 9

2019年03月 30日 (土) 15:58
ベットから起きたときの感じは昨日よりも少しはいいかなという気がする。シャワーを浴びるとき腰に当ててみる。今日到着した審査員もかなりいるようだ。10時過ぎに出発。クラウンの家はすでにプレスの人たちとクラウンでごった返ししているのは毎年のこと。なななもすでにコスチューム姿でロビーにいた。誰か探しているようでしたよという。トゥイチーが今日到着しているはず。楽屋とかあっちこち探してやっと会える。2年半ぶりの再会となる。去年モスクワの自宅に行くはずが、トゥイチーに急に仕事が入って会えなかったのだがそのことをとても気にし、今回はわざわざ自分に会うためにオデッサまで来てくれた。つもる話しをいろいろしながら過ごす。フェルーザが再婚しふたり目の子どもを妊娠中、いまキエフで暮らしていること、ズフラの商売は順調でほとんどいまはくわせてもらっていること、いまはがつがつ仕事をとらず、工芸にはまっていること、開演まで時間があったのでゆっくり話せた。
12時からプレス。オープニングはチェルノモーリェにある子どもサーカスグループのステージ。これが本格的で感動的だった。このあとヤーナの司会でプレス会見。ここでデリーエフが粋な演出。プレスを壇上にあげて記者に質問する。さすが愚者の祭である。無事セレモニーが終わったところで記念写真をとろうというところで、昨日自分の腰の状態をとても心配していた事務所のおばちゃんがすぐに来いとひっぱられる。そこに整体師のような人が待っていて、すぐにうつ伏せになれと言われ、身体をいろいろねじられる。時間にして3分か5分ぐらいだった。これで良くなればいいのだが。整体師は自信たっぷりにどうだよくなったかと聞いてくるがあまりその実感はない。トゥイチーの知り合いのクラウンがいまオデッサのコーカスで働いているというので16時からの公演を見せてもらうことにした。去年は招待されたのだが、別の人形劇を見なくてはならずできなかったのでやっとオデッササーカスを見ることができた。
この建物はとんでもなく古く130年前に建てられた、自分にとってはあのサーカス映画の傑作「レスラーと道化師」に出てくるサーカス場なので中に入ってみたかった。さすがに古い。2年前にここで働いたということでトゥイチーはあちこちで声をかけられる。貴賓席で見ることに。ここでドゥーロフにからかわれたゼリョンヌィ市長が座っていたところかもしれない。トゥイチーの知り合いのクラウンは大活躍、父と子夫妻の4人が出ているのだが、お父さんのクラウンがめちゃめちゃ張り切っている。あとで歳を聞いたら73歳というのでびっくり。ショー自体はまあまあ、ただ最後の幻想的なポニーのショーはすごかった。ポニーたちがまるで自然の中で自らが望んで演じているように見えた。公演後楽屋に挨拶にいく。猫がいた。さすが猫の街オデッサである。
「クラウンの家」に戻り、19時からのコンペッションを見る。これについてはまた別項で書くことにしよう。
およそ3時間半の公演が終わったあとロビーでパーティー。あっと言う間に料理と酒がなくなるのは毎度のこと。審査員たちはホテル近くのレストランで二次会。あいかわらずクリューコフのテンションが高い。だんだん腰の痛みがなくなっていく。サーカスを見終わったあとは、立ったときやはり痛みがあったが、コンペッションを見終わったあと席を立ったときにあまり痛みは感じなかった。ただ一晩寝るとまたもとに戻るかもしれない。とにかくこの状態に慣れないといけない。

2019年03月29日のつぶやき

2019年03月 30日 (土) 0:00
  • 今晩のコメディアーダは、女性クラウンたちによる特別ショー。ただいまリハーサル中。なななも今晩この公演に出演しますよ https://t.co/1GxOqG1uYn Posted at 08:56 PM
  • 今晩のコメディアーダは、女性クラウンたちによる特別しょー。ただいまリハーサル中。なななも今晩この公演に出演しますよ https://t.co/LaiqaYakvP Posted at 08:55 PM
  • .笑いの祭典「コメディアーダ」が本格的に始まりました。イタリアの足をつかったパフォーマンス、そしてこんなすごいコメディーは見たことがないというのを見せてもらったアレクセイ・クラースヌイで、みんな終わったあとは興奮状態になりました。… https://t.co/wIduIVu4iI Posted at 05:28 PM
  • https://twitter.com/IZJ00257

キエフ・オデッサの旅 8

2019年03月 29日 (金) 13:19
朝起きてベットからおりるとき腰の激痛が走る。よくなってきたと思っていたが完治はしていないわけで、薬を飲んだり湿布薬をつけ、マッサージをしてもらっても一時的な効果しかないということだ。朝飯を食べて10時半すぎにホテルを出て劇場まで歩く。腰にとって一番自然な楽な状態とはどんな状態なのだろうと思う。歩く時がいちばん痛みを感じない気がする。11時過ぎに劇場に着くと、サーカスアカデミーの若者たちが今日の公演のオープニングの稽古。ロビーに昨日素晴らしい公演をしたアレクセイ・クラースヌイがいたので挨拶。彼はふだんはサーカスで働いているという。真面目そうな男だった。
なななたち第二陣はホテルを12時出発という。今日のショーで実質「コメディアーダ」が始まることになる。クリューコフはプレス対応やら明日から進行などについて打合せなどもあり忙しそう。ただ今日のショーのことも気になるので事務所とステージを何度も往復。なななが到着したときには一部の稽古の真っ最中。一応順番通り照明と音響を決めていくということなのだが。ひとつ問題が発生。なななのエンディングで使う曲が入っている携帯プレイヤーから音響の設備にはダウンロードできないという。ヤーナがネットで同じ曲山本リンダの「どうにもとまらない」を探してダウンロードしてくれる。2時半から二部のあたまに登場するなななの稽古。頭のフスマダンスのところはクリューコフのアイディアからでたもので、彼も立ち会い、動いてもらい、明かりを決めていく。3度稽古をしてかたちができる。できたところでなななが通しでリハ。前回サーカスアカデミーでやったときより短くしたほうがいいと言われていたが、なにより動きがなぞったものではなく、自分からだに馴染んだ状態から出てくるので見ていて、気持がいい。ほとんどの人たちはランチを食べにでかけていたが、残っていた人たちから笑いがなんども起きる。稽古が終わるとクリューコフがよくなったと安心したように笑っていた。なななも手応えを感じたようだ。その後も稽古が続く、腰バンドをきつくしているせいか食欲もわかない。腰の状態はどんどん悪くなっていく。いままでで最悪かもしれない。これ座ってみるのは無理なので稽古を見学しているなななを置いて、散歩にでかける。結局ホテルまで戻る。今日は金曜日ということもあるのだろうメインストリートや公園には人がいっぱいでている。
18時過ぎに劇場に戻る。
19時から「農婦たちのコメディアーダ−クラウンの女王たち」と題したプログラムが5分ほど押しで始まる。出演したのはウクライナのサーカスアカデミーから三つの女性グループ「プランシェット」(過去2回コメディアーダに参加)、トリオのトリコ」(去年参加)と「ビオメハニカ」(今年のコンペッション参加)とロシアの男女二人組、ロシア人でいまはパルセロナで多く活躍しているというアレクサンドル・フリッシュの知り合いでもあるカトリーン、ポーランドのドミニカ、イスラエルの男女ペア、デリーエフの娘のヤーナ、ウクライナのベテラン女性クラウンオクサナ、司会と最後の強烈なネタをしたオクサナの旦那のオレクたち。トリオトリコは去年も見たネタで面白かったが、存在感で圧倒したのがオクサナだった。彼女は大柄でふだんの様子もなにか笑わせるものをもっている、ヤーナが演技するのを見るのは初めてだったが彼女はこちらの方でも才能がある。二部のあたまは女性たちのダンスのあと、ふすまダンスからなななの番。あたりまえの気持では見ていられない。あとで一番前で見ていたクリューコフは電気椅子に座っているようだったと言っていた。クリューコフが思いついたふすまのダンスは、かつてななながメンバーのひとりだった五人囃子の時につかったものを、「ビオメハニカ」のメンバーが手伝ってくれる。客席から見ているとどうしても「五人囃子」を思い出してしまう。「さくら」の琴の演奏が流れる中、フスマのダンスが行われる中、ゴミバケツをもったななながどこに置くからその場所を探すように登場。ふすまの動きに翻弄されながらうすまが横にならんだところで、4つのふすまがはけ、ひとつ残ったふすまでなななは影絵を演じる。そしてそのふすまがはけたところで、なななの今回のネタが始まる。リハを見て少し安心していたが、客席の反応も生かしながら、落ちついて演技しているのがわかる。あがってはいないようだ。動きも自然になっている。客席からクスクス笑いがおこる。いわゆる爆笑の世界ではない。でもみんなが笑っているのがよくわかる。前に座っていた女性の客は完全にはまっていた。最後山本リンダの曲ではけるときは手拍子、そして拍手も。さっそく隣で見ていたシルクドソレイユのスカウト担当シェリフが「イッツナイス」と声をかけてきた。ほっとしたらなにか力が抜けてきた。プログラム自体はこのあとも続くのだが、印象に残ったのはポーランドのソロマイムダンス、なななともすっかり仲良くなったようだが、とてもなめらかな動きをしていた。
最後のオレクのネタはバケツを持ってきてそのなかにいろんなものを入れてミックスしようというはちゃめちゃのものだったが、洗剤丸ごと、ビール、最後はシャンパンを瓶ごといれるなどかなりあぶないギャグだった。
エンディングでなななが紹介されたとき場内から大きな拍手がまきおこる。ななな、来て良かったなとつくづく思う。間違いなくクラウンのなかで、クラウンの女王のひとりになっていた。
公演後ナージャがとてもよかった、笑えたし、演技も見事だったと彼女もほっとしていたようだった。イタリアのデビットが大好きな作品だと言ってくれたり、カナダのジョンもひとつひとつのネタがクリーンで大好きな作品だと言ってくれた。カトリーンもほんとうに素晴らしかったと。イスラエルのマイムの先生のゲンナージ、ポーランドのマイム劇団の代表のニコライも絶賛。なによりもクリューコフが興奮しまくっていた。今日は自分は飲まないことにしたのだが、彼はもうすっかり酔っていた。そしてなななに最後のダメだし。客席の反応を感じろ、それによってまた次回いいショーができるはずだと力をこめて語っていたのも大きな手応えを感じたからであろう。いちばん手応えを感じたのはなななに間違いない。客の顔がしっかり見れていたと言っていたので、クリューコフのダメだしの意味もすぐに理解できたようだった。
24時前におひらき、バスに乗ってホテルに戻る。クリューコフの部屋によって薬をもらう。効いてくれるといいのだが。とにかく今日はこのまま寝ることに。酔っているクリューコフは客席の反応を感じることだと繰返し言っていた。一緒に飲みたそうだったが、今日はとにかく腰がいたいのでもうこれ以上座りたくない。部屋にもどり薬を飲んで、就寝。

キエフ・オデッサの旅 7

2019年03月 27日 (水) 16:54
10時すぎにクリューコフ夫妻と朝飯。ここでハンガリーのチャバと会う。今回は自分の生徒6人を連れてきての参加という。楽しみ。夕方のショーまで時間があるので今日は今月一杯の締め切りの原稿書きに専念。なんとか第一稿ができあがるまでいく。16時ナージャと一緒に歩いて「クラウンの家」まで。途中道に迷い、スマホの地図を確認してから劇場まで。公演前ニ続々と審査員や参加者がやってくる。チャップリンの息子のユージイ、シルクドソレイユのスカウト担当のシェリフ、ポーランドのマイムニコライ、フリッシュの知り合いというカテリーナ、皆と再会を喜び合う。なななからライン、劇場にくるのに道にまよったという。いったんホテルに戻ってもらい、タクシーで迎えに行ってもらう。公演は15分ぐらい押したのでほぼ最初から見れたようなのはよかった。
審査員のユージ・チャップリンやシルクドソレイユのスカウト担当シェリフなど去年一緒だったメンバーが続々到着。再会を喜び合う。
最初の演し物はイタリアから来たデュオ。足をつかったパフォーマンス。間に奥さんのダンスなど入れて1時間。足を使うという意外性でふたつぐらいのネタはめちゃ笑えたが、1時間というのはきつい。でも例えば吉本の「舶来寄席」なんかはぴったりのパフォーマンスだろう。二部のアレクセイ・クラースヌイのコメディは、久々ににすごいものを見たという気にさせた。自分はこういうものがやりたいんだというエネルギーに満ちあふれた実験作。しゃべくりも入るが、ロシア語がわからない審査員たちも絶賛していた。セリフがわからなくても笑いを奪う迫力がある。ひとつのちいさな動作、例えば猫らしきものを抱いていたのが、いつの間にか鳴き声をまねしているうちにオートバイになったりという転移のおかしさがふんだんにちりばれている。道具の使い方も見事だった。ふだんはサーカスで働いてるというが、こういうコメディーが創りたかったということで今回参加したらしい。これなんか日本でもいけるんじゃないかな・・・
公演後はカフェ「マナマナ」で審査員でロシアからやってきたアレクセイの手製のワインを飲む。そして料理はオデッサ料理。ついに再会できたボチュカもでる。この魚のフライはほんとうに絶品。24時までワイワイ言いながら呑み続ける。今日は休肝日にしようと思ったが、それは無理でした。
腰の痛みはまただんだんひどくなってきているのだが、これはこういうものだとあきらめるしかないようだ。

キエフ・オデッサの旅 6

2019年03月 27日 (水) 12:36
夜中に目が覚めトイレに行こうと思って下に降りてドアを開けようとするも開かず。押してもだめなら引いてもだめ。あきらめてまた上にあがる。まもなく車掌がまもなく到着ということでドアを開ける。押しても引いてもダメなはずである。横にスライドさせるドアだった。すぐにトイレへ。
6時半オデッサ到着。年寄りと腰の悪いおやじとけなげな女性のクルーなので荷物を降ろすのが大変。クリューコフはまだ酔っぱらっているようで、オデッサに着いたとおおはしゃぎ。迎えに来たバスに乗って、ホテルへ。オペラ劇場隣のモーツァルトというホテル。まずは朝飯を食べようということでレストランへ。レストランマネージャと意気投合しちゃって、今日は国際演劇でーで五人囃子初演の日でもあると言ったら、ウォッカを持ってきてくれた。これでまた寝れる。
昼過ぎに目が覚める。すっかりよくなっていたと思った腰にまた痛みが。そう簡単には治らないということだろう。今月一杯に出さないといけない原稿書きを始める。キエフではほとんど時間がなかったので何もできなかった。
16時過ぎにクリューコフ夫妻と歩いて「クラウンの家」に向う。ホテルらか20分ぐらいだった。キエフに比べて2・3度低いかな。マスキの劇場「クラウンの家」に到着。一年ぶりになる。デリーエフと再会を喜ぶ。クリューコフはいろいろ知り合いがいるようでそっちにかかりきり。
19時からコメディアーダの初日の演目、マスキの「夜のシンフォニー」を見る。ナージャがこの作品が大好きなのだが、あまり上演されない作品なのでとても楽しみにしていた。不思議なコメディーだった。マイムだけではなくシャベリも入る。デリーエフとバルスキイの二枚看板俳優の激突ということで、ふたりの役者としてのうまさが引き立つ。随時はさまれるマイムもそうだが、このふたりの演技力は図抜けている。笑いの抽象画を見ているようだ。笑いの大事な要素である状況設定をまったく無視して、強引に笑いの世界にもっていく。セリフがわからなくても笑える。現にとなりでみていたななながげらげら笑っていた。
公演後劇場内のカフェ「マナマナ」でマスキの宣伝を担当している女性の誕生日ということで簡単なお祝いの会。カナダから昨日到着したという審査員のひとりも加わって一杯。この中でモスクワから来たテレビ関係の仕事をしている男が空港で入国検査の時大変だったという話と、デリーエフがいまクラウンと言ってもすぐに風船をつくったりグリーティングしたりということぐらいしか思ってくれない、クラウンにとってはやっかいな時代になったというのが印象に残った。
24時過ぎにお開き、タクシーでホテルに戻り、そのまま就寝。かくして今回の旅の第二章がはじまった。

キエフ・オデッサの旅 5

2019年03月 26日 (火) 19:33
やはり腰の状態は変わらず。食後なななに整体マッサージを本格的にしてもらう。これでだいぶ楽になった。11時過ぎに出発。サーカスアカデミーに着くと今日の講演のポスターが貼られている。なななは個人練習。自分は今日の講演のメモをつくる。14時前に講堂に行って映像チェック。続々と知っている顔が。ナージャ先生、ジーマ・オーレル、トランポブラザーズのパーシャ、NGKにも出てもらったイリーナ・クセッブス、講演するというので来てくれたみたいだ。ジーマがどきどきするというが、それはこっちの話しだ。およそ15分押しで始まる。校長が長々と日本の紹介、クリューコフが自分のことを紹介してくれたあとに、講演。今日の講演の話しは3日前に校長とクリューコフと飲んでいたときに突然言われ、その時自分は酔っていたのですぐに引き受けてしまったとまずはつかみの話しをすると、これが予想以上に大受け。ずいぶん話しやすくなった。それからは日本の三つのサーカス団のプロモーションビデオをみせたあと、こうした既存のサーカス団の他に若いパフォーマーたちが小さなサーカスグループをつくりはじめているということでクロワッサンサーカスの映像。日本のパフォーマーはたくさんおり、そのほとんどは大道芸で働いている。ただこうしたなかに自分たちで新しいショーをつくろうという動きがある。それはジャグリングをやってきた人たちが中心になっているということで、去年のJJFの映像、ながめくらしつの映像をみせたあと、自分が一番いま興味をもっているパフォーマーということで頭と口の渡邉君のふたつの映像を見てもらう。これはかなりの衝撃だった。こうした若いいろいろな動きをつくっているパフォーマーは西田さんが20年前につくった沢入サーカス学校の生徒たちが中心になっていると言ったあとに、聞きに来てくれたナージャ先生に大きな拍手が送られた。そのあとサーカスにやってきたスポーツの人たちということで、一輪車の下山君と、いま一番自分が推薦したいと思っている人ということでバトンの岩渕君の映像をみせた。結語として仕事としてサーカスの仕事から引退はしたが、自分の魂は死ぬまでサーカスと一緒だ。サーカスで一番大事なのは友情である、今回またこうして新しい友情の場ができたことに感謝したいと締めくくると、多くの人が立ち上がって拍手をしてくれた。このあとクリューコフが五人囃子の映像をみせたあと、なななの紹介をして、ななながパフォーマンスを披露。きっとやりづらかったと思う。実際にウクライナの客を相手にしたことで受けの具合がよくわかったかとは思う。公演後自分・ななな・ナージャ先生、ジーマ・オーエル・ジャグリングの先生のユーラが壇上にあげられ最後のあいさつ。突然マイクを向けられたなななは、ボリショイ・ボリショイ・スパシーバと言って満場の拍手をもらう。このあと記念撮影、この時のアカデミー専属の女性カメラマンの仕切りがめちゃめちゃおかしかった。ジーマがほんとうに素晴らしい講演だった、とにかくホットしたと真剣な表情で語っていたのがおかしかった。自分のように思ってくれたんだね、ありがたいことだ。
このあとなななのショーの時手伝ってくれることになる女性たちのダンスの稽古にお邪魔して、出だしのところを実際にやってみる。
クリューコフの家に戻り、なななはシャワー、自分は丸一日ぶりのビール。クリューコフがかなり興奮して、とにかく今日のミキオの講演は素晴らしかったとナージャに何度も説明。このあと息子のボーバが手伝ってくれて、オデッサ行きの電車がでる駅へ。なんとか荷物を入れて21時15分出発。そして今度はシャンパンで乾杯が始まる。

キエフ・オデッサの旅 4

2019年03月 25日 (月) 13:33
起きるとき腰が少し軽くなっているような気がしたが、やはり起きると状態はあまりかわらない。どうやらだましだましやるしかないようだ。明日の講演の件でいろいろ連絡がくる。ポスターをつくっているというので、自分についての情報を知らせる。映像もできれば事前に準備したいということだが、まだどれを見せるか決めていない。クリューコフが早くしろという。作業開始。クリューコフの元にインタビューが来て1時間ほど待機。慌ただしく昼飯を食べさせられ、なななのショーのなかで使ったらどうだとクリューコフが言っていたネタをつくってもらうために、知り合いのマジシャンの家へ。町の中心地の共同住宅の一室がマジシャンの家。なかなか雰囲気のある部屋、まさに魔法使いの家。Titorenkoというマジシャンはネタをつくりながら、自分がいままでにつくったネタをいろいろみせてくれる。大受けしたら喜んで4つぐらいのネタをみせてくれた。なななにそのうちのひとつをプレゼントまでしてくれた。やっと完成。これをどこでどう使うかが問題。これはなななが自分で考えるしかない。このアレクセイさん、とにかくあっという間にネタをつくったが、好きなんだろうな。聞くと彼は孤児で、孤児院で育ったらしい。淡々としゃべっていたが、いろいろ苦労してここまできたのだろう。なにかいい出会いだった。サーカスアカデミーに着くと、なにやら演芸家の生徒の発表会のようなものがあるようで昨日使ったステージで公演中。これを見せられる。喜劇のようだが、なかなかエネルギーを感じさせる公演だった。公演終了後校長先生の部屋で明日の講演の段取り。ポスターを見せられる。なにか大事になっている。キエフサーカスの総裁やら文化省の役人やら、いろいろな要人が来ることになっているらしい。飲んだときの話しが、まえ大きくなってしまったもんだ。コメディアーダの2日目はなななも出演する女性クラウンたちだけによるショー。そのオープニングを練習しているところで少し見学させてもらう。なななはかなり大きな刺激を受けたみたい。三組の女性クラウンが参加するとのこと。なななもコンペッションの前に出演することになったようだ。今日はじめて聞いた話しなのだが・・・
そのままクリューコフの家に戻り、自分は明日使う映像探し、なななは自分なりの稽古。クリューコフはアカデミーに戻り、もうひとりのクラウンの稽古に立ち会う。今日はタイ風パスタとサラダ。今日は休肝日。映像リストをアカデミーに送るのにいろいろあったがとりあえず送ったところで、寝ることに。やはり疲れは溜まっていると思う。

キエフ・オデッサの旅 3

2019年03月 24日 (日) 15:01
朝起きてすぐに腰の異常に気づく。出発前から調子が悪く、心配していた。それもあって腰バンドは持ってきてあった。なにかの拍子にぎっくりというわけではないがやはり移動の疲れが溜まっていたのだろう。朝飯を食べてから整体の免許をもっているなななに手当てしてもらう。かなり疲労がたまっているとのこと。あとはだましだましやるしかない。まずはキエフの秋葉原に寄って、道具をつくるための部品を買う。それからサーカスアカデミーに行って稽古。今日は舞台付の部屋だったのだがすでに予定が入っているらしく1時間ほどでちがう部屋へ。昨日のおさらいとまた生れた新たなアイディアのチェック。これを自分のものにするためになななは少し整理する必要がある。15時半まで稽古をしてからサーカス場へ。ここに来るのも久しぶりだな。今日の公演の演出は以前日本にも来たことがあるジーマ・トゥルキーエフ、出発前にぜひ見てほしいと連絡があった。日曜日ということもあってほぼ満杯。とてもいいショーだった。演出も凝っていた。生のボーカルをつかったり、太鼓をつかったり、シーソではデュエルのようなかたちで競い合わせ、それを出演者全員がふたてに分かれて応援するという見せ方をしていた。クラウンはコメディアーダで2年連続参加していた4人のイケメン。新しいネタばかりだが面白かった。圧巻はフィナーレのオートバイジャンプ。これをサーカス場でやるとは、見事な演出であった。途中でリトルワールドのウクライイナサーカスにも参加、ルスツと姫路にも出演していた空中ロープのジーマ・オーレルがやってくる。いまはサーカスアカデミーで先生をしているという。クラウンの楽屋に寄って挨拶したあと、ジーマとは別れて、なんと今日はクリューコフの家の隣にあるオペラ・バレー劇場の「白鳥の湖」の券がとれたというのでそれを見に行く。初めて見る「白鳥の湖」、バレエも何十年ぶりなのだろう。3幕あるのだが途中腰の按配がよくなく、幕間の休憩は立ってお散歩。
22時帰宅。今日はカレー風チキン。美味しかった。食後マッサージには自信があるというナージャが今度はマッサージしてくれる。そのまま気持よくなって就寝。
クマのイチオシ
東映映画「鯨と斗う男」鮎川上映会決定!

「鯨と斗う男」上映プロジェクト

ロケ地鮎川での上映会決定!
高倉健が主演し、60年以上前の鮎川や石巻の活気がいきいきと描かれているこの映画を、ぜひ皆で一緒に見ましょう!

2019年11月30日(土)
牡鹿半島ビジターセンター


「石巻学」第4号!

「石巻学」Vol.4 石巻にはいつも音楽があった

2019年7月10日発売!
3号刊行から約2年。今回は音楽の街石巻の間口の広さと奥深さをたっぷりと味わってもらう一冊となりました。



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ちょっと信じられないような、愛と豪快さに満ちた人生!


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