8月も終わり

2011年08月 31日 (水) 6:50
今日は赤い靴のトイレとお別れしようということで、留寿都村まで走る。いつもより遠く留寿都村の端まで走る。赤い靴公衆便所に入る。流れてくる赤い靴の曲にあわせて、歌を口ずさむ。それにしても悲しい歌だ。
朝飯を食べてからエンギバロフの詩を訳す。ほんとうにロシア語に自信がなくなるぐらいわからない。難しい。
午後ひとつ打ち合わせをこなす。
夜は最後のかかしの晩。トゥイチーは今日しんどそう。
部屋に戻り、ずっと頭だけにあった企画を文字にする。文字にすればペラ二枚にすぎないのだが、およそ2カ月間ああでもない、こうでもないと考えていた。ひとつ区切りがついた。
さあ今日で8月は終わり、明日から姫路である。台風も近づいているようだが、がんばろうぜ。

カルパチアの城

2011年08月 30日 (火) 12:07
書名 「カルパチアの城」
著者 ジュール・ヴェルヌ   訳 安東次男  出版社 集英社(集英社文庫) 出版年 1993

吸血鬼伝承が残るトランシヴァニアのカルパチア山中の城を舞台にした怪奇小説。ここを舞台にするというヴェルヌの炯眼に脱帽。ヴェルヌの風景の描写というのは、翻訳するとききっと大変なのだろうなと思う。当たり前のことかもしれないが、彼の中には明確な風景についての絵があるのだろう。その絵を描くイマジネーションがすごいと思う。この城の描写を読んでも、彼の中に明確なイメージがあるのだろう、それを挿絵かなんかで見たくなる。
この小説も一挙に読んだ。城の謎の解明のために旅人であるテレク伯爵が登場してから、急展開、さらにゴシック小説のような怪しげな世界が立ち現れる。ゴシックスタイルのなかにも科学の要素を取り入れるのは、さすがヴェルヌであった。
ヴェルヌとしては随一の伝奇ロマンという。快作である。

完全休養

2011年08月 30日 (火) 9:21
さわやかに朝5時に目覚める。昨日休肝日にしていたので、身体は走ることを要求している。今日は泉川のゴルフコースを全部回ることにする。肌寒いぐらい。いやあ気持ち良かった。10キロ以上走ったことになる。
今日明日は特に予定なし。せっかくなのでここは完全休養にして、夏の疲れをとって、姫路にそなえることにする。
持ってきたDVDの中から、今日は黒沢の「天国と地獄」を見る。面白かった。あの有名なピンクの煙のシーンも凄かったが、黄金町のシーンには圧倒された。
トゥイチーに電話して、19時にかかしで一緒に飯を食うことにする。
朝早いから、24時前には眠くなる。

荷積み

2011年08月 29日 (月) 8:48
完璧二日酔い。10時に集合ということになっていたので、なんとかその時間にテントへ。女性陣の他はだいたい揃って準備。10時半すぎにトラックが到着。この荷積みの風景を8年間見ているわけだが、チームの状態というか、仲のよさというのがよくこの荷積みに反映されると思う。今年のチームはよくまとまっている。みんな和気あいあいと助け合いながら、自分の荷物のことだけでなく、みんなのことを考えて積んでいる。トラックが出たあと、みんな揃ってミーティング。姫路に入ってからのスケジュールとアパート暮らしなどについての注意、そのあと台本を配って姫路でやる桃太郎イリュージョンについての説明。このロシア語の台本は自分がつくったのだが、いそいでつくったので配役の名前のつづりにミスが多く、これが笑いの種に。これも和気あいあいと進む。本格的には11日から稽古をやりながらということになる。ここで解散。
トゥイチー家族と昼食。昼食後は通訳さんに録ってもらった「トンイ」を見る。何もする気がしない、完全に二日酔いモード。
夕食もトゥイチー一家とバイキング。今日は休肝日。ティミールがなんとなく自分に慣れてきたような感じなのだが、きっとまた離れると忘れてしまうのだろう。
部屋に戻って世界陸上を見る。室伏の金メダルは立派。特に5投目の投擲は魂が込められていた。金メダルが決まってコーチが持ってきたのが、石巻門脇中学校の生徒たちが応援メッセージを書いた国旗。思わず涙してしまう。
とにかく今日は完全休養。

ルスツ千秋楽

2011年08月 28日 (日) 16:12
昨日飲み過ぎだよという感じの目覚め。
一回目の公演が終わると、トゥイチーがメンバーに、大島さんが認めたから、二回目の公演はおぶざけバージョンでいいよと告げる。どんな公演になるか?マーシャと写真を撮る。マーシャのお母さんに見せたいと思った。あとで見ると完璧にデレデレ顔。
15時半からルスツで65回目の公演。トゥイチーの息子ティミールも登場、さらにはビーチャがマトリックス風に仕込んで、ロシアンバーのファイヤートーチを渡したり、トゥイチーとマクシムがトイレットペーパーのネタをやったりと、ほどよい感じのおふざけ(ゼリョンカ)公演。こういう公演ができるということは、みんなが仲良くないとできない、いつのまにかいいチームに仕上がったようだ。公演後楽屋に行き、ザ・カンチャーニェ(千秋楽おめでとう)のお祝い。そのあと全員で記念撮影。

撤収は早かった。18時半にはすべて完了。
19時半からかかしで打ち上げ。いい会になった。ハプニングで、26日に誕生日だったトゥイチーと20日に誕生日だったじぶんのために誕生日のお祝いをしてもらったこと。ズフラーが特別にケーキを頼んでくれたという。誕生日のお祝いまでもらう。
この年で誕生日って言うのもなあ・・・でも嬉しかった。
かなり飲んだ。

ルスツへ

2011年08月 27日 (土) 9:25
ひんやりとした朝。ルスツに行くので、久々に上着を着て家を出る。9時半の飛行機で千歳へ。前も食べたカレーラーメンを食べてから、ルスツへ。8月最後の土日となるのだが、去年よりはお客さんが断然多い。チェックインしてからテントへ。15時半からのショーを見る。いいショーになっている。お客さんもこの時期としては多い。補助席まで出る。来場者の数もすでにいままでの最高の記録を塗り替えているという。
公演後ケガとかポールが折れたりとか、いろいろトラブルが続いているブランコチームを集めて、事情を聞いたうえ、再度注意を促す。ずいぶん反省していた。
トゥイチーと一緒に夕食。今回のショーで途中から入れたトイレットペーパーのギャグについて、聞いてみる。子供を相手に、トイレットペーパーをちぎった紙をうしろに飛ばし、右手か左手のどっちにあるかというよく大道芸でも見れるおなじみのネタなのだが、トゥイチーのやりかたはマジシャンらしく、人の心理をうまく利用している、サイコロジーマジックとでもいえるかもしれない。例えば、ちぎった紙ではなく、もっとわかりやすくということで、トイレットペーパーまるごとだったり、靴だったり、どんどんものは大きくなるのだが、つまり手の中では入らないものなのに、どっち?と聞くと、子供は右手、そして左手を示す。いままで見て、誰一人としてどっちでもないとか、手に入らないということを示す子供はいない。トゥイチーはここに子供の心理をうまくつかっているところがあるという。ただ女の子や女性は、いままでつかったことがない、不安なのだという。面白いもんだ。
こんな話をしながら、空の徳利はどんどん並んでいく。ずいぶん飲んだかもしれない。

紅梅

2011年08月 26日 (金) 22:22
書名 「紅梅」
著者 津村節子   出版社 文藝春秋社  出版年 2011

読んでいて胸に突き刺さるような痛みを何度感じたことか。辛かった。尊敬する吉村昭さんが亡くなってもう5年になるという。まだ残暑が残っていた時だったかと思う。日暮里のサニーホールでお別れ会が開かれた。その時の津村さんの挨拶の言葉がいまでも忘れられない。吉村さんがご自分でカテーテルをひきむしったと涙ながらに語ったとき、場内は静まり返り、そしてあちこちですすり泣きが聞こえた。自死の道を選んだということで、翌日の新聞の社会面で取り上げられた。あれから5年の月日が妻であり、作家であった著者には必要だったのだろう。静謐な筆致から、吉村さんが病と死に対していかに処し、そして妻であり同志である著者がなんとか死を、病を乗り越えて欲しいと思い看病、世話をしながら、ふたりの人生に大きな節目をつくった夫である吉村さんと同年代の知人たちの死を重ねながら、ふたりの作家生活もふり返っていく。なにより吉村昭という作家、人間の生や文学に対する真摯な構えが浮かびあがってくる。若い頃肋骨5本をとり、死の見つめ合ったからこそ、死や生、そして文学に対しての目線、姿勢が、せつないまでに誠実なのである。だからこそ舌ガンが発覚、そのあと膵臓ガンが見つかり、手術を受け、膵臓全摘出、さらには胃の一部摘出と、過酷な治療を受け入れようとする、生や死に対しての身構え方が凄い。自分も同じような目にあったらどう処するのだろうということを否応なく考えてしまったのだが、とてもこれだけ受け入れ、耐え、そして自死ということで、超越していくそんな生きかたはできるわけがない。
著者は、吉村昭の妻であり、そして作家である。妻としてだけの視線ではなく、作家としての本質を見抜こうという視線が交錯することによって、この傑作が生まれたのだと思う。だからこそ5年という時間が必要だったのだろう。
最期の場面には息をのむ。
そして次の言葉に出会ったとき、思わず唸ってしまった。
「育子(著者)が夫の背中をさすっている時に、残る力をしぼって軀を半回転させたのは、育子を拒否したのだ、と思う。情の薄い妻に絶望して死んだのである。育子はこの責めを、死ぬまで背負ってゆくのだ」
絶望などしていないはずだと思うのだが、それは最期に面した人間でしかわからない。
「あなたは世界最高の作家よ」と臨終の時に叫んだという。残る力をしぼって拒否したのは、この言葉に対してだったのではないだろうか。
それにしても凄い小説であった。

ペーパーバード

2011年08月 26日 (金) 14:08
作品名『 ペーパーバード 幸せは翼にのって』
出演者
イマノル・アリアス
ルイス・オマール
カルメン・マチ
ロジェール・プリンセプ
監督・脚本・音楽 エミリオ・アラゴン
劇場 銀座テアトルシネマ

フランコ独裁時代のスペインが舞台、そして中心となるのは旅回りのヴァラエティー一座。見なければいけないだろう。
フェリーニの初期の作品に同じように、ムッソリーニ独裁下の寄席劇場を舞台にした『寄席の脚光』という映画があったが、軽いタッチのものだった。しかしこの『ペーパーバード』は、フランコ批判を厭わない芸人を主人公にしているぶん、終始緊張感が漂う。そしてさらに反政府派の企みも絡み、後半は一挙にサスペンスの色合いが濃くなる。エンターテイメントとして十分に楽しめる映画である。
ただこの映画の魅力は、この一座で働く芸人たちのき生き方を見事に描いてることである。主人公となる内戦で妻と子供を失ったコメディアン、ホモの相棒、そして戦争孤児で一座に飛び込んできたミゲルという少年の三人のやりとりが、秀抜である。三人それぞれいやされない傷を持ちながら、決して慰め合うのではなく、その傷を舐めあうのではなく、生きるためにもがきあうようにして、共に生きていく。そして最初はあれだけいがみ合っていた息子を失った男とミゲルの間に、パパと呼べる関係ゔうまれていく。ネタバラシはしたくないので、詳しくは書けないが、だからこそ最後、映画だと知っているのに、生き延びて欲しいと真剣にスクリーンに向かって語りかけていた。
この三人以外の芸人さんたちの生き方も短いながら、こってりとしっかりと描いている。犬の調教をしている老夫婦が、巡業先で犬を盗まれ、一座を去らざるを得ないときの、あのミゲルとの別れのシーンはほんとうにしみじみとしたものとなった。この巡業先の村長に惚れられ、村に残ることにした歌手のおばさんと一座のメンバーの別れのシーンも小粋だった。独裁下で明日もしれず、生きていく芸人たちのほんとうに切羽詰まった生活をよく描いたものだと思う。
そして特筆すべきは、劇中演じられるこの三人のコントの素晴らしさ。ミゲルという天才的な子役のせいもあるのかもしれないが、腹話術をつかったコント、ベースを三人で弾くコントなどは、見事であった。
これをつくった監督さんのお父さんは有名なサーカスの道化師だったという。かなり取材をして、芸人さんたちのエピソードのひとつひとつに血を通わせたことによって、こうした傑作が生まれたのだろう。


今日はトゥイチーの誕生日

2011年08月 26日 (金) 6:20
出社前に銀座の床屋で散髪。銀座の裏通りも行くたびに変わっている。今日はちゃんぽんの話しで盛り上がる。交通会館の下に美味しいチャンポン屋さんがあるらしい。長崎の人は、皿うどんもちゃんぽんもソースをかけるという。リーガルハットでもいいからちゃんぽんが食べたくなった。
教文館で本を購入。同僚からメール、モザイクにあるペットフード屋で猫のエサ「血合抜きけずり節」を買ってこいとのこと。立ち寄ったが残念ながらないという。
今日はトゥイチーの誕生日、1週間前自分の誕生日の日に電話をもらっているので、こっちも電話しないといけないべえ。ということで公演が終わったあたりのタイミングで電話。恒例の誕生日のお祝いの常套句を言う。喜んでいた。ロシア人にとって誕生日は一年で一番大きなお祭なんだね。
午後から突然空が真っ黒になり、雷雨。帰るときまで雨。
明日からまた出張暮らし、パソコンを持って帰宅。

大旅行記1

2011年08月 25日 (木) 22:59
書名 大旅行記1
著者 イブン・バットゥータ  訳 家島彦一  出版社 平凡社(東洋文庫) 出版年 1996

ずっと読みたいと思った旅行記。全部で8冊あるので古本屋で揃いで購入してからなんて思っていたら、古本屋でもネットでもなかなかセットの出物はなく、ずっとそのままになっていた。つい最近伊勢佐木町の古本屋で分冊ではあったのだが、1000円という安さに思わず購入。1巻と2巻だけなのだが・・・
そしてまずは第一巻、エジプトとシリアの旅をたどった旅行記から。面白い! 14世紀にジブラルタル海峡を越え、北アフリカに出て、エジプトへ。イブン・バットゥータの旅の目的が、メッカ訪問と同時にイスラム教を深く学習するためにさまざまな学者や宗教家と会うことであった。街としてはエジプトのアレキサンドリア、シリアのダマスカスが長く滞在するところとなるのだが、その街の様子が活写されているのが、なんとも歴史の旅心をくすぐってくれる。特にダマスカスには相当惹かれる。以前「黒いキャバレー」という小説を読み、その舞台となったダマスカスのもつ、ベルリンとか上海にもまけないコスモポリタンたちが巣くう怪しげな魅力に惹かれていたのだが、あれは20世紀初頭の話し、これは14世紀の時代なのだが、やはりとても魅力的である。
それとイスラム教という宗教のもつ懐の深さに少しずつ惹かれていったということがある。旅人に優しいのである。
まずは軽く第一章、これからすごい波乱の旅路が待っている。楽しみだなあ・・・


クマのイチオシ
東映映画「鯨と斗う男」鮎川上映会決定!

「鯨と斗う男」上映プロジェクト

ロケ地鮎川での上映会決定!
高倉健が主演し、60年以上前の鮎川や石巻の活気がいきいきと描かれているこの映画を、ぜひ皆で一緒に見ましょう!

2019年11月30日(土)
牡鹿半島ビジターセンター


「石巻学」第4号!

「石巻学」Vol.4 石巻にはいつも音楽があった

2019年7月10日発売!
3号刊行から約2年。今回は音楽の街石巻の間口の広さと奥深さをたっぷりと味わってもらう一冊となりました。



アートタイムズ最新号!

アートタイムズ11号
『タキエさんがいた!』

デラシネ通信社 / 2014年4月25日発売
ドイツの肝っ玉母さん
ルジチカ多喜枝の生き方

ちょっと信じられないような、愛と豪快さに満ちた人生!


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