炎の回廊

2008年10月 31日 (金) 1:17
書名 「炎の回廊 満州国演義 4」
著者 船戸与一 出版社 新潮社 出版年 2008

この作品は叙事詩をめざしているような気がする。昭和初期舞台は満洲なのだが、戦争、侵略、軍部の独走、それを制御できなかったのは何故だったのか、確かに敷島四兄弟の運命を軸にはしているが、著者は昭和史を書こうとしているのではないだろうか。今回のクライマックスは満洲ではなく本土の叛乱、2・26時件である。満洲を舞台にしながらこの2・26時件を書くことを意識しているので、伝聞というかたちで書かなくてはいけないというのは結構辛い作業だったと思うが、なんとか乗り切ったと思う。さてこのあと話しはどう展開していくのであろう。満洲を舞台にした傑作漫画『虹色のトロツキー』は、壮大なロマンであるが、途中で不意に終わらされてしまったという気がして残念だっのだが、船戸のこの連作は最後まで行くような気がする。でも次回作はいつ出るのだろう。

無勝手流ロシア語通訳

2008年10月 31日 (金) 0:49
書名 「無勝手流ロシア語通訳 ジグザグ道をまっしぐら」
著者 三浦みどり 発行 東洋書店(ユーラシアブックレット 126) 出版年 2008年 定価 600円(+税)

いつもロシアやチェチェン関係の貴重な情報を送ってくれるみどりさんが長年通訳として活動してきた裏話、裏技を暴露してくれる。通訳になりたい、そしていろんな現場でいろんな人たちと出会うことを喜びをもって受け入れるというか、飛び込むというその姿勢のすがすがしいこと。自分は本職の通訳ではないが、通訳をしなければならないことは多々あるわけだが、いつも嫌々ながらやっているのに、これだけ喜びをもって通訳できるなんてうらやましいと思う。もちろんそれにはこの短いブックレットでは書き切れないいろいろ大変なことがあったのだろうと思う。でもこの仕事が好きだ、愛しているそんな気持ちがあるから、この本を貫いているまっしぐらになれるのだろうと思う。なにより共感したのは「迷った時には恋愛と同じで自分がホントに好きであることに自信がもてれば先に進める」というさりげない言葉である。
みどりさんの通訳としての喜びの源泉となっている現場でのさまざまな出会いもいくつか触れられている。ブックレットという限られた分量のなかでは書き切れないたくさんの出会いがもっとあったのだろうと思う。例えば自分が最も敬愛するアレクシェーヴッチとの出会いなんかは読みたかったなあと思う。またそれは別の機会にじっくりと書いてもらいたいものである。

再会の夜

2008年10月 31日 (金) 0:16
10時にお客さんがお見えになるので、ちょっと早めに出社。1時間ほど打合せ。
急に頼まれた仕事で、DVDを見ながら、プログラムの解説を書くことに。文化庁の助成金申請の締め切りの日。同僚はなんとか申請書を書き上げ、投函。かなりホットしていた。解説をメールで送付。ナターシャから頼まれたマジックショップのことを調べる。
17時半会社を出て、早稲田の図書館で頼んでいたコーピーを受け取る。そのあと露文時代の同級生たちと正門前で落ち合い、文学部近くの飲み屋へ。バラバラには会っていたのだがこうして一同に集まるのは何十年ぶりということになる。昔話に華が咲き、焼酎を何杯も飲んでいたら、いい時間になっている。また再会を約し、別れる。馬場までタクシーで行き、品川発磯子行きの最終になんとか辛うじて間に合う。滑り込みセーフというやつだ。
でも同窓会なかなか楽しかった。また集まりたいものである。

急に寒くなってきて

2008年10月 30日 (木) 16:46
いままで半袖でも大丈夫だったのに、昨日の夜ぐらいから急に寒くなってきた。いままでは短パンと半袖で走っていたのだが、さすがに今日は寒いのでジャージをはいて走る。
文化庁の助成金申請の締め切りが明日に迫っているので、同僚のふたりはそれに専念。あとは時間との闘いという感じ。自分は、提案しなくてはいけないプレゼン用の資料づくりに集中する。映像資料については手がだせないのだが、紙資料の方を担当。
今日は円安に、メンバーから両替を頼まれているのだが、このレートでいいのかどうか不安になる。それにして変動が激し過ぎる。判断を求められても、答えようがない。
ブラジルに資料一式送付。
サーカス村通信が出来てきたので、その発送作業のお手伝い。21時すぎに退社。外はやはり寒い。もうこれから寒くなるということなのだろうか。

半ば死に体

2008年10月 29日 (水) 12:29
目が覚めたら、宿舎のアンドレイの部屋。昨日はあのままつぶれたらしい。メンバーは大阪に行くことになっているのでその支度。お茶だけ飲ましてもらう。昨日の記憶が断片的にしかない。西田さんから頼まれていたことをまだ聞いていないのだが、その質問の内容を忘れている。再度西田さんに電話して、聞いてから、アンドレイに質問。情けない。メンバーは最初笑っていたが、もしかして自分たちが昨日話していたことも忘れているのではと、質問してくる。やはり憶えていない。みんな半ばあきれ顔。我ながら嫌になる。ホテルに荷物を取りにいき、新幹線の切符を買ってから、また好評だった千年杉のロールケーキをお土産用に購入。喫茶店でモーニング、時計を見たら11時すぎ、二日酔いにはバチヌードルだよなあということで、朝飯食べてから15分も経っていないのに、昨日行った中華屋でバチヌードルを食べる。朝飯と昼飯を食べたことになる。何をやっているのやら。
11時45分発ののぞみに乗って、東京へ。船戸与一の本の続きを読みはじめるも、すぐに眠りの世界へ。15時半会社に戻る。今日幸いなことに気功の日。半ば死に体の身体に気をいれてもらい、少しすっきり。さすがに今日はアルコール抜きにして早めに就寝。

姫路

2008年10月 28日 (火) 16:41
下の娘が今日から修学旅行で沖縄へ、ウコンを買ってきてもらおうかと思い、これをいいかけたところで逃げられてしまう。9時すぎに家を出て、姫路へ。車中はまた船戸与一の満州国演義の続編を読む。姫路に着いて、バチヌードルを食べてバスでセントラルパークへ。2回目の公演を横から見る。公演後食事代を支払う。みんな帰りの準備の早いこと早いこと。16時前にはバスが出る。途中スーパーに寄って、宿舎へ。みんなよい休日をと言い合いながらお別れ。ホテルにチェックインしてから、駅前で軽く飲んで、宿舎へ。軽くのつもりだったのだが、結構飲んで、西田さんからフライングの連中に聞いてもらいたいという電話があったのだが、内容がよく把握できない切ってしまう。宿舎までタクシーで行ったのだが、途中で道がわからなくなり、アンドレイに迎えに来てもらう。マヤのお手製のボルシチを食べながら、かなり飲む。エリセイとちゃんばら遊びにやって、酔いがどんどん回ってしまった。

ボリショイサーカスの人々

2008年10月 27日 (月) 23:17
作品名 「ボリショイサーカスの人々」
製作 1958年(たぶん) 協力 アートフレンドアソシエーション
観覧日 2008年10月25日 会場 昭和館
(財)土木建築厚生会寄贈
上映時間 43分

意外なところに思いもかけない貴重な資料が眠っていたものである。まさか記念すべきボリショイサーカス初来日公演の映像がこんなところに残っていたとは。まだ当時のプログラムと照合していないが、おそらくこの時公演されていたプログラム全部がこの中に収められていると思う。番組全部ではないが、いいところをピックアップして編集している。

オープニングは、あの「サーカスマーチ」(アレクサンドロフの映画『サーカス』で初めて使われ、その後ソ連のサーカスのパレードやフィナーレで使われる定番の曲)が流れ、出演者全員が旗をもって登場する。
・空中バレー
 オープニングにふさわしい華麗な空中芸。かなりスリリングな技を演じている。
・クラウン(ベルマン)
 この時の団長はボリス・エーデルであったが、出演者のまとめ役をしていたのはこのベルマンであった。彼はアクロバットがかなり出来るクラウンである。
・音楽アクロバット
 楽器を演奏しながら、組体操のようなグループアクロバットを演じるというオリジナリティーあふれる演目。
・犬の曲芸
・クラウン
・円型鉄棒
 いま演じられている鉄棒は、立方体形の鉄棒を4〜6人ぐらいが旋回、回転するのだが、この鉄棒は円形になっているのが味噌。冒頭この円形の鉄棒を4人が一度にぐるぐる回るのに度肝を抜かれた。かなり高度な技術を要するアクトである。
・クラウン
・ゆかいなペンキ屋さん
 この芸もすごい。コミカルな演出がほどこされているが、これも高度な技術が要求されるパーチ芸のバリエーション。日本のくだけ梯子のような趣向を取り入れている。
・クラウン
・人間ボール
 いわいるイカロスと呼ばれる人間蹴合を集団で演じる。足の上で蹴り上げられた男の子たちがさまざまな回転技を見せる。スピード感がすごい。ペンキ屋さんやこの人間ボールを見ると、日本からロシアに渡った芸人の影響があるのではないかとフト思ってしまった。
・アクロバットバレエ
 男女ペア(兄妹)によるコントーション系のアクロバット
・クラウン
・ジャグリング
 ソビエトサーカスを代表するジャグリングの名手キスとその妹が演じる。
・コーカサスの綱渡り
 このハイワイヤーも凄い芸である。トリをとってもいいような番組である。ピラミッドをつくって綱を渡るのはソ連のハイワイヤーの大きな見どころになっているが、それを軽々と演じるだけでなく、飛び移りや宙返りも入れている。
・空中ブランコ
 フライングトラペーズなのだが、これが唯一見どころが少ないアクトであった。いま姫路で公演しているマヤと同じぐらいの年齢の婦人がリーダーのようだが、回転技が少ない。まだ当時はフライングの技術はまだまだだったのだろう。
・熊の曲芸
 トリはフィラートフの熊のサーカス。熊のショーをアトラクションにしたフィラートフの芸がこうして見れるなんて、なんたる幸せ!17頭の熊が次々に登場して、さまざまな芸を見せてくれる。日本中が興奮したというのがうなづける。いま姫路で公演しているイリュージョングループのワーリャは、このフィラートフの孫娘にあたる。目元と鼻筋がそっくり。

見ながら、何度もスゲエとため息が出てきた。当時のソビエトサーカスの技術的な高さを思い知らされた。音楽アクロバット、愉快なペンキ屋さん、円形鉄棒、綱渡りははっきり言って、いま同じものをやれと言われても出来ないだろう。そして初来日ということもあり、当時日本に対して文化攻勢を仕掛けていたソビエトが威信をかけて持ってきたプログラムであることもわかる。日本中が興奮したのもわかる。
サーカスに関心のある人は絶対に見るべき作品である。映像でこれだけ興奮することはあまりなかった。シルクドゥソレイユもすごいのだろうが、それ以上のインパクトがあったのではないだろうか。
満足度 ★★★★★

戦争は女の顔をしていない

2008年10月 27日 (月) 18:12
書名 「戦争は女の顔をしていない」
著者 スヴェトラーナ・アレクシェーヴッチ 翻訳 三浦みどり
出版社 群像社 出版年 2008 定価 2000円(税別)

最も尊敬するノンフィクションライターのひとりアレクシェーヴッチの翻訳。またしても完膚無きまでに打ちのめされてしまった。第二次世界大戦に志願して前線で闘った女性たちのインタビューから構成されている。アレクシェーヴッチらしく、500人以上のたくさんの女性の証言を集め、実に奥行きのあるノンフィクションになっている。私の認識不足もあったのだが、タイトルだけ読んで、銃後の女性たちを描くと思っていたのだが、これだけたくさんの女性が自ら志願して戦争の現場にいたことに驚いてしまった。そして彼女たちが語る戦争のすさまじさ、悲惨さに何度も目をつぶってしまった。井上ひさしの『父と暮らせば』も、原爆の悲惨さを何度も何度も娘にいわせているが、アレクシェーヴッチもまた彼女たちの生きた証言を重ね合わせ、戦争の悲惨さを訴えていく。何十年も経ってからも、彼女たちが戦場でうけた傷跡は消えることができない。身体に受けた傷だけでなく、心に受けた傷の深さを思うとき、戦争がいかに恐ろしいものであるかを痛感させられる。何故彼女はこれを書かなければならなかったのか、それは命のいとおしさ、生きることの大事さをもう一度われわれに思い起こさせるためである。戦争は国同士の闘いかもしれないが、その前面に立つのはあくまでも人間なのである。国家を論じることよりも、小さなひとつひとつの命、生きることがどれだけ大切なものであるかをかみしめるべきなのである。ちいさき者の命の大事さこそ一番人間が守るべきことなのである。多くの人たちに読んでもらいたい本であるし、読まなければならない本であると思う。
お薦め度 ★★★★★

DVD漬け

2008年10月 27日 (月) 0:22
11時すぎから打合せ。今週のテーマは明確である。来春用のプレゼンための資料をつくること。モスクワ、中国、カザフにメールを出したあと、机の上に未整理のまま積み上げられているDVDをひたすら見続ける。いつも思うことだが、受け取った時に見て、メモでもしておけばかなり楽なのだが、必要がないと結局積んでおくだけになってしまう。これがいけないのがどういう経由で入手したものかわからくなることである。まあなんとかなるのだろうが・・・・
ひたすら見続けるなか、いくつかいい番組をピックアップする。いい番組が見つかるとうれしくなる。当たり前だけど。
17時過ぎ突然雷鳴と共にすごい雨、なんだこりゃという感じ。音があまりにもすごいのでベランダに出ると、雹が降っていた。家にメール、横浜は何も降っていないという。局地的なものかもしれない。
明日は姫路。

トルパングランプリ獲得!

2008年10月 26日 (日) 12:57
朝ジャスト10キロ走る。銀杏の木がすっかり黄色くなっている。朝飯を食べて、親分と張さんのカツを見てから九段下の昭和館に向かう。「ボリショサーカスの人々」を、かつてこの公演を実際に見たという知人と観覧。映画館ではなく研修室のようなところ。昨日は5人ぐらいしかお客さんがいなかったらしいが、今日も10人ぐらい。観覧後映像資料室に寄って、ニュース映画を検索しながら見る。ドンコサックの初来日の映像がないかと思ったのだが、残念ながらここには所蔵されておらず。ボリショイバレエ初来日と二回目のボリショイサーカスの映像があった。満州ものが結構あったのは収穫。また日をあらためて見に来よう。近くで食事して京橋のフィルムセンターへ。伊藤大輔と大河内伝次郎の特集をやっているのだが、今日はスペシャルイベントが組まれている。昨日朝日の文化欄に案内がでたのでちょっと心配になり早めに行ったのは正解。1時間前に着いたのだが長蛇の列。満杯になり、入館できない人も結構いた。ただ待ち疲れで、席に就いたら居眠りしてしまう。映画を再現したのではなく、残っているスチール写真を編集して、それに活弁をつけるというやりかただったので、かなり退屈してしまった。後半でフィルムセンターが所蔵しているフィルムが断片だけど上映されていたが、やはり動くものが見たかった。期待していなかった梶田さんという大河内伝次郎研究一筋のおじいちゃんの話が面白かった。帰るとき携帯にメール。先日見たカザフ映画「トルパン」が東京国際映画祭で受賞したとの連絡。紹介してくれたKさんから。ちょっと興奮していた。下の娘に約束していたハーゲンダッツの新製品のドルチャシリース第3弾を購入して帰宅。奥さんの話で、「トルパン」が監督賞を受賞し、またグランプリも受賞したとのこと。なんか自分まで嬉しくなって、明日お祝いの食事でもごちそうしようと思い、Kさんにメール。残念ながら明日帰国とのこと。
クマのイチオシ
東映映画「鯨と斗う男」鮎川上映会決定!

「鯨と斗う男」上映プロジェクト

ロケ地鮎川での上映会決定!
高倉健が主演し、60年以上前の鮎川や石巻の活気がいきいきと描かれているこの映画を、ぜひ皆で一緒に見ましょう!

2019年11月30日(土)
牡鹿半島ビジターセンター


「石巻学」第4号!

「石巻学」Vol.4 石巻にはいつも音楽があった

2019年7月10日発売!
3号刊行から約2年。今回は音楽の街石巻の間口の広さと奥深さをたっぷりと味わってもらう一冊となりました。



アートタイムズ最新号!

アートタイムズ11号
『タキエさんがいた!』

デラシネ通信社 / 2014年4月25日発売
ドイツの肝っ玉母さん
ルジチカ多喜枝の生き方

ちょっと信じられないような、愛と豪快さに満ちた人生!


2008年10月
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:クマ
読者になる
しばらくコメントとトラックバックはお休みします。
メールフォーム
タイトル

内容
最新コメント
アイコン画像クマ
サーカス学会募集 (2019年06月16日)
アイコン画像多聞
サーカス学会募集 (2019年06月15日)
アイコン画像ちはる
寒い一日 (2017年11月19日)
アイコン画像ちはる
ポルトガルサーカス (2017年11月14日)
アイコン画像0machi
阿修羅に会って (2017年10月16日)
Yapme!一覧
読者になる
P R
デラシネ通信
デラシネ通信 最新記事

石巻若宮丸漂流民の会
桑野塾
雑誌「アートタイムズ」

月別アーカイブ