【RCTのサブ解析】敗血症性ショックでEAAが0.6-0.9のサブグループでPMXは死亡率低下と関連する(EUPHRATES)(Intensive Care Med 2018; 44: 2205)

December 10 [Mon], 2018, 11:39
Polymyxin B hemoperfusion in endotoxemic septic shock patients without extreme endotoxemia: a post hoc analysis of the EUPHRATES trial

【RCTのサブ解析】敗血症性ショックでEAAが0.6-0.9のサブグループでPMXは死亡率低下と関連する(EUPHRATES)(Intensive Care Med 2018; 44: 2205)

PMX-DHPは死亡を減少させる効果が全くないという結果であったEUPHRATES
なんとか効果の期待出来るサブグループがないか、ということで探索的におこなわれたpost hoc解析。

EUPHRATESはEAA ≥0.60以上の患者を対象としているが、そのうち治療介入をきちんとおこなえていたPP集団を取り出し、さらにEAAが0.6-0.9だったサブグループを対象として死亡率を比較したところ有意差がでたとのこと。
28日死亡はPMX群とシャム群で23/88 (26.1%) vs. 39/106 (36.8%)(P=0.047)でありギリギリ有意にPMXで改善していた。
生存期間分析でも同様にPMX群での生存期間延長が認められた。

セカンダリアウトカムをみても平均血圧の上昇はPMX群の方が高く(8 vs. 4 mmHg; P=0.04)、VFDはPMX群の方が多かった(20 vs. 6 days; P=0.004)。

他にも明らかな起炎菌が検出されなかったサブグループ(6/30 [20%] vs. 13/31 [42%], P=0.005)とか経過中にEAAがよく下がったサブグループ(6/38 [16%] vs. 15/49 [31%], P=0.08)ではPMXが有効な可能性がありそうだった。

結論。EUPHRATESのpost hoc解析においてはEAA 0.6-0.89の患者群ではPMXが有効である可能性があるという仮説を得ることができた。

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なんとか差のあるサブグループを探そうと無数の解析をおこなったことは想像でき、多重比較の問題から額面通りに受け取れない結果であるのは当然として。
また、PP集団のさらにサブグループ解析なのでランダム化が維持されていない可能性もある。

EAAが高いほどPMXの効果が期待できるという関係が認められていないというのは理屈に合わない話であり、これも妥当性を下げる要素である。
また、サラっとsupplementaryで提示しているけれど、PMX群とsham群で経過中のEAAに全く差がみられていないというのも地味に衝撃的な事実。エンドトキシンの経過に差がないとすれば、一体PMXは何を吸着しているのだろう。。

ちなみに第2,3著者はPMXを海外で取り扱っているSpectralの社員だそうです。

【DB-RCT】高齢者の一次予防のアスピリンは悪性腫瘍による死亡を増やし全死亡を増加させ心血管イベントを減らさない(ASPREE)(N Engl J Med 2018; 379: 1499)

December 09 [Sun], 2018, 0:30
Effect of Aspirin on Disability-free Survival in the Healthy Elderly

【DB-RCT】高齢者の一次予防のアスピリンは悪性腫瘍による死亡を増やし全死亡を増加させ心血管イベントを減らさない(ASPREE)(N Engl J Med 2018; 379: 1499)

高齢者の一次予防としてのアスピリンの効果を検討した研究
オーストラリアとUSでおこなわれた二重盲検RCT
有効性が期待できないため中断となった研究

家に住んでいる70歳以上の高齢者のうち心血管疾患、認知症、身体機能障害がない19114人を対象としてアスピリン群とプラセボ群にランダム割付し中央値で4.7年追跡し比較した。
患者の年齢の中央値は74歳で56.4%は女性だった。

プライマリアウトカムは死亡、認知症、身体機能障害のいずれかが発生することとしたところ、アスピリン群とプラセボ群において1000人年あたり21.5件vs. 21.2件の発生が認められた(HR 1.01; P=0.79)。
観察期間の最終時点において試験薬をきちんと服薬していた割合はそれぞれ62.1%, 64.1%だった。

心血管疾患の発生は10.7件vs. 11.3件(HR 0.95)と差を認めなかった。
重篤な出血は3.8% vs. 2.8%(HR 1.38; P<0.001)であり、頭蓋内出血は2.5件vs. 1.7件(HR 1.50; 1.11-2.02)、上部消化管出血は2.1件vs. 1.1件(HR 1.87; 1.32-2.66)でアスピリン群で多く発生していた。

全死亡は12.7件vs. 11.1件(HR 1.14; 1.01-1.29)とアスピリン群で増加してしまっており、悪性腫瘍による死亡の増加がアスピリン群で認められていた。
悪性腫瘍関連死亡は3.1% vs. 2.3% (HR 1.31; 1.10-1.56)とアスピリン群で多かった。

結論。高齢者の一次予防としてのアスピリンは寝たきりや死亡を減少させず出血は増加させた。
心血管疾患の予防効果は認められず、悪性腫瘍関連の死亡の増加による全死亡の増加が認められた。

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一つのRCTでアウトカムを変えて3本が一挙掲載。
ただし、いずれも重要な結果を提示している。
高齢者は心血管リスクは高いものの、アスピリンの副作用が生じるリスクも高いためにこのような結果になってしまったのかもしれない。
アスピリンは悪性腫瘍の予防効果があるかも、と言われていただけに悪性腫瘍による死亡が増加したのは驚きの結果。

【DB-RCT】心血管疾患の既往のない糖尿病患者でのアスピリンは心血管疾患を減らすが出血は増やす(ASCEND)(N Engl J Med 2018; 379: 1529)

December 08 [Sat], 2018, 17:02
Effects of Aspirin for Primary Prevention in Persons with Diabetes Mellitus

【DB-RCT】心血管疾患の既往のない糖尿病患者でのアスピリンは心血管疾患を減らすが出血は増やす(ASCEND)(N Engl J Med 2018; 379: 1529)

心血管疾患がある患者における二次予防としてのアスピリンは有用であることが判明しているが、心血管疾患の既往がない患者における一次予防としてのアスピリンの有用性については不明である。
特に心血管リスクのリスクが高い患者群においては有用である可能性があり、今回の検討では糖尿病患者における一次予防を検討した。

これまでに心血管疾患の既往がない糖尿病患者15480人を対象としてアスピリン群とプラセボ群にランダム割付して平均7.4年追跡をおこなった。
プライマリアウトカムは有効性に関するアウトカムと有害事象に関するアウトカムの二種類を設定した。
有効性に関するアウトカムとしては頭蓋内出血を除く重篤な血管疾患の発症とし、心筋梗塞、頭蓋内出血以外の脳卒中及び心血管疾患による死亡とした。
すると、アスピリン群とプラセボ群において8.5% vs. 9.6%(P=0.01)とアスピリン群の方が有意に減少していた。

一方、有害事象に関するアウトカムとしては重篤な出血の発生とし、頭蓋内出血、眼球など重大な部位での出血、消化管出血、その他の重大な出血と定義した。
すると、アスピリン群とプラセボ群において4.1% vs. 3.2%(P=0.003)とアスピリン群の方が多く発生していた。
重大な出血の種類としてはほとんどが消化管出血を含めた頭蓋外出血で差がついており、頭蓋内出血のリスクについては両群で差を認めなかった。

消化管の悪性腫瘍の発生率は2.0% vs. 2.0%と差がなく、すべての悪性腫瘍でも11.6% vs. 11.5%と差を認めなかった。

結論。心血管疾患を持たない糖尿病患者におけるアスピリンによる一次予防は心血管疾患の予防効果があるものの、重篤な出血イベントを増加させうる。

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プライマリアウトカムを有効性と有害性について設定し、その両者を天秤にかけるという試験デザインはとても腑に落ちるというか、参考になる方法なように思える。
糖尿病患者のなかでも特に高リスクと判断される患者では、適切な潰瘍予防を考慮したうえで一次予防としてアスピリンを用いることはリーズナブルなように思える。

【pilot RCT】リリースの換気を抑えるため開発されたAPRV改をもってしてもリリースの換気量は抑えられず(Crit Care Med 2018; 46: 1943)

December 07 [Fri], 2018, 20:18
Randomized Feasibility Trial of a Low Tidal Volume-Airway Pressure Release Ventilation Protocol Compared With Traditional Airway Pressure Release Ventilation and Volume Control Ventilation Protocols

【pilot RCT】リリースの換気を抑えるため開発されたAPRV改をもってしてもリリースの換気量は抑えられず(Crit Care Med 2018; 46: 1943)

ARDSに対するLTV (Vt ≤6)は確立された治療法だが、代替となりうる治療法としてAPRVが挙げられている。
ただ、APRVはリリースの際に6ml/kgを超える換気がおこなわれてしまうことが多く、気になるところだった。

ということで、APRVのリリースの際の換気量が6ml/kgを超えて増えすぎないような新しいモードAPRV改を開発したため、その有用性について検討した。
急性呼吸不全の246人を予定して試験を組んだものの、組み込みが思ったように進まず52人を組み込んだ時点で中断された。
これらの患者はLTV群(N=17)、APRV群(N=17)、APRV改群(N=18)にランダム割付され、本当にリリースの際の換気量が抑えられるかを検討した。

しかしながら悲しいことにAPRV改によってもリリースの際の換気量は抑えられることはなかった。
通常のAPRVで8.6ml/kg、APRV改で8.0ml/kg、LTVで6.8ml/kgであり、前二者での差を認めなかった(P=0.58)。
また、3日めのPFRについても3群では全く差を認めなかった。
Nも少なかったこともあり予後については明らかな差をみとめなかった。

結論。APRV改をもってしても時折12ml/kgを超える換気がおこってしまっていた。
APRVを用いた換気では6ml/kgのLTVをおこなうことはできなさそうだ。


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APRVのリリースでたくさん換気されてしまうのはまぁ仕方ない、っていうのが通説かと思ってましたが、やっぱり気持ち悪いですよねぇ。

【前向観察】UKのICU生存退室患者の半数強に長期的な精神症状を認める(Crit Care 2018; 22: 310)

December 06 [Thu], 2018, 16:31
Anxiety, Depression and Post Traumatic Stress Disorder after critical illness: a UK-wide prospective cohort study

【前向観察】UKのICU生存退室患者の半数強に長期的な精神症状を認める(Crit Care 2018; 22: 310)

ICU退室患者の長期的な精神症状について大規模に調査した報告
UKの26 ICUsでおこなわれた。

24時間以上のICU治療を要した16歳以上の患者を対象として3ヶ月後と12ヶ月後の精神症状を調査した。
精神症状のうち不安とうつ症状はHADSで、PTSD症状はPCL-Cで調査した。

対象期間にICUに入室となった21633人のうち13155人の生存患者に対して質問票を郵送し、そのうち4943人(38%)から3ヶ月後、12ヶ月後のいずれかにおいて回答を得た。
これらのうち2731人(55%)ではいずれかの強い精神症状を認めており、不安が46%、うつが40%、PTSDが22%だった。
1つの症状を認めた患者の65%で他の症状を同時に認めており、870人(18%)の患者ではすべての精神症状を認めていた。

2年間での死亡との関連をみてみると、うつ症状があることは死亡リスクの上昇と関連していた(HR 1.47)が、不安症状やPTSD症状は明らかな関連を認めなかった。

結論。UKでの調査によると回答のあった生存退室者のうち半数以上でなんらかの精神症状を認めていた。
これらの患者ではしばしば複数症状を認めており、うつ症状があることは死亡リスクの上昇を関連していた。

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数千人を組み込んでおり、これまでに比べてかなり大規模な研究。
観察された精神症状の有病率はだいたいこれまでの研究と同等だった。

【Syst Rev】心不全、COPDなど非悪性腫瘍患者の生存期間の中央値が6ヶ月以内であることを予測する因子(Am J Med 2012; 125: e1)

December 05 [Wed], 2018, 12:01
Systematic Review of Noncancer Presentations with a Median Survival of 6 Months or Less

【Syst Rev】心不全、COPDなど非悪性腫瘍患者の生存期間の中央値が6ヶ月以内であることを予測する因子(Am J Med 2012; 125: e1)

非悪性腫瘍の慢性疾患患者での予後を推定する因子について調べたシステマティックレビュー。

一般的に悪性腫瘍より非悪性腫瘍の方が予後予測が難しく、終末期でも積極的に治療される傾向にある。
例えば心不全の終末期では悪性腫瘍の終末期より積極的に治療がおこなわれ、ホスピスへの入院が少ないことが報告されている。

また、USの医療費をみてみると死亡前の1年に総医療費の1/4が使用されており、そのうち40%が死亡前の1ヶ月に使用されていた。
一方でかなり進行した慢性疾患患者での積極的な治療が予後を改善させるかどうかは不明確である。

極度に進行した非悪性腫瘍の慢性疾患患者に対しては無益で(コスト的にも身体的にも)負担のかかる治療がしばしば行われている可能性があり、予後予測の難しさがその一因となっていると考えられる。
そのため、予後不良の非悪性腫瘍患者を予測する因子を同定することを目的として今回のシステマティックレビューがおこなわれた。

予後不良の定義としては生存期間の中央値が6ヶ月未満であることとした。(そのため、予後不良と分類された患者の半数は6ヶ月以上生存することとなる)
6ヶ月という期間を設定した理由はUSのメディケアでホスピスへの入院要件として余命が6ヶ月未満であることが挙げられていたから。

今回取り上げた慢性疾患は心不全、COPID、認知症、老衰、肝硬変、末期腎不全であり、これらの疾患群は非悪性腫瘍によるホスピス入院の約70%を占める。

関連しそうな1000文献のうち475文献が抽出され、最終的に解析対象となったのは74文献だった。
それぞれの疾患群における6ヶ月以内の死亡を予測する因子はそれぞれに異なっていたが、概ねperformance statusの低下、高齢、低栄養、並存疾患、臓器障害、急性期病院への入院で、それらのうち2-4個の因子が存在している場合に予後不良と分類された。
いくつか例外はあるものの予後不良群では治療抵抗性だった。

結論。このシステマティックレビューにおいて非悪性腫瘍の慢性疾患患者での予後不良を示唆する因子が抽出された。
予後不良の患者において治療により予後が延長するかどうかはわかっていない。

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慢性疾患を持つ患者に対してどこまでの侵襲的治療をおこなうのが妥当かを考える上で非常に重要なデータを提供している文献。急性期病院でのend-of-lifeを考える上での必読文献と思われる。
本文中の個々の疾患群に対する記載が特に重要なので、興味ある方は本文参照ください。

【pilot RCT】ICU日記やブックレット配布による教育はICU生存患者の精神症状を減少させる可能性がある(Crit Care Med 2018; 46: 1914)

December 04 [Tue], 2018, 17:39
Preventing Posttraumatic Stress in ICU Survivors: A Single-Center Pilot Randomized Controlled Trial of ICU Diaries and Psychoeducation

【pilot RCT】ICU日記やブックレット配布による教育はICU生存患者の精神症状を減少させる可能性がある(Crit Care Med 2018; 46: 1914)

PICSの精神症状に対する介入に関するRCTが実現可能かどうかを検討したRCT
カナダの単施設でおこなわれた研究で、今回はICU日記とブックレット配布による患者教育が評価された。

対象は18歳以上でICU滞在が72時間以上、人工呼吸管理が24時間以上になる見込みである症例で、どれだけの症例数が組み込めるて有効な介入を行えるかをプライマリアウトカムとした。
結果、3.5年間で58人の患者が組み込まれ(1.9件/mo)、ICU日記に関しては1日あたり3.2回の書き込みがあり医療従事者の印象も悪くなく負担もそれほど大きくなかった。

対象患者は50歳くらいで呼吸不全がほぼ全例、敗血症が1,2割だった。
これらの患者はICU日記をおこなうかどうか、ブックレットによるPICS教育をおこなうかどうかでの2 x 2のfactorialの割付をうけた。
結果的には通常治療群(n=14)、ブックレット群(N=14)、ICU日記群(N=15)、ブックレット+ICU日記群(N=15)に割付された。
通常群では鎮静薬の使用が多く、人工呼吸器管理期間が長くICU死亡が倍近く発生していることから、通常治療群での重症度が高かった可能性がある。

精神症状としては30日後、90日後のHADS, IES-Rが評価された。
HADSで不安を訴えた患者の割合がICU日記の介入により有意に減少(64%から19%; P=0.008)し、抑うつを訴えた患者の割合も減少傾向にあった(27%から8%; P=0.1)が、PTSD症状は変わらなかった(18%から12%)。

一方、ブックレット配布は不安や抑うつには影響を与えなかったがPTSD症状を減少させる効果があった(26%から0%; P=0.04)。

結論。カナダにおいてICU日記による介入は実現可能である。精神症状を減少させる可能性があり、今後検討すべき介入である。

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少数の研究で患者のばらつきも大きいのでなんとも言えない結果であるが、有望な結果ではある。
ただ、ICU日記はその地域での文化に受け入れられるか、というのもありそうなので、日本は日本でRCTを組んで評価しなければいけないだろうと思う。

【前向観察】日本のICUに入室する敗血症1184人の疫学的特徴(FORECAST)(Crit Care 201; 22: 322)

December 03 [Mon], 2018, 10:32
Characteristics, management, and in-hospital mortality among patients with severe sepsis in intensive care units in Japan: the FORECAST study

【前向観察】日本のICUに入室する敗血症1184人の疫学的特徴(FORECAST)(Crit Care 201; 22: 322)

日本の59 ICUsで1年ちょっとかけて前向きにおこなわれた観察研究。
興味深い疫学データを提供している。

対象としたのはSepsis-2で定義される敗血症の1184人。
年齢は中央値73歳と日本の研究だけあって恒例。並存疾患としては糖尿病が多い(23%)。
SOFAは9点、APACHE IIは23点、ショックが63%だった。ショックは輸液後の低血圧と定義しており乳酸値は定義には含まれない。
感染巣としては肺炎が最多(31%)で腹部(26%)、尿路(18%)、軟部組織(10%)と続く。血液培養陽性だったのが54%。

3時間バンドルの遵守率として乳酸測定が97%、広域抗菌薬投与が84%、抗菌薬投与前の血液培養採取が92%、ショックや乳酸値上昇を認めた症例での30ml/kgの輸液が76%で遵守され、すべてを遵守していたのが64%だった。
一方で6時間バンドルを全て遵守していたのは4%に過ぎず、CVPの測定が26%、ScvO2の測定が7%と低かった。
3時間バンドルの遵守と関連していた因子はclosed ICU、非大学病院だった。

全体の死亡率は23.4%でありショックでは27.9%、非ショックでは16.0%だった。
輸液を完了していたこと(OR 1.14)や広域抗菌薬投与(OR 1.04)は死亡との関連が認められなかった。
一方で肺炎に比べて腹部や尿路は死亡しないことと関連していた。

入院期間は24日で自宅へ退院できたのは生存例の37%だった。

結論。日本のICUでの敗血症症例をみてみると、3時間バンドルの遵守率は高かったがCVの挿入に関する遵守率は低かった。
自宅退院する率は低かった。

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ここでもやはり輸液や抗菌薬が予後と関連していないというのが興味深い。

【前向観察】アルゼンチンICU178人でのPRE-DELIRICモデルexternal validation(Rev Bras Ter Intensiva 2018; 30: 50)

December 02 [Sun], 2018, 12:31
Assessment of delirium using the PRE-DELIRIC model in an intensive care unit in Argentina

【前向観察】アルゼンチンICU178人でのPRE-DELIRICモデルexternal validation(Rev Bras Ter Intensiva 2018; 30: 50)

PRE-DELIRICモデルのexternal validation
初めてヨーロッパ以外でおこなわれた研究らしい。(同時期に香港からの報告が発表されているが)

アルゼンチンの単施設のICUに入室した178人を対象としている。
年齢は60歳ちょい、APACHEは15点弱、入室経路は病棟、手術室からが半数弱で救急外来からの入室が2割弱、ICU滞在期間が6日だった。

CAM-ICUでせん妄を発症したのが49例(28%)、院内死亡が26例(15%)だった。
せん妄を発症した患者としなかった患者で比較しても院内死亡率は変わらなかった(23% vs. 12%; P=0.07)。
せん妄発症の予測因子としては年齢、ICU滞在期間、オピオイド使用、腎不全があった。
PRE-DELIRICモデルのせん妄予測におけるAUROCは0.83だった。

結論。初めてヨーロッパ外で検討をおこなってみたが、PRE-DELIRICモデルはせん妄発症をよく予測することができた。

【前向観察】ICUでのせん妄発生を予測するPRE-DELIRICモデルの作成(BMJ 2012; 344: e420)

December 01 [Sat], 2018, 10:02
Development and validation of PRE-DELIRIC (PREdiction of DELIRium in ICu patients) delirium prediction model for intensive care patients: observational multicentre study

【前向観察】ICUでのせん妄発生を予測するPRE-DELIRICモデルの作成(BMJ 2012; 344: e420)

ICUでのせん妄発症予測のためのPRE-DELIRICモデルを提唱した前向き観察研究
オランダの5 ICUsでおこなわれた観察研究を元とした。

まずは単施設での1613人のコホートからPRE-DELIRICモデルを開発し同じ病院での549人のコホートを用いて妥当性を検討した。
さらに、他の4病院の894人のコホートを用いて外的妥当性の検討をおこなった。

患者群から除外されたのは24時間以内にせん妄を発症した症例、ICU滞在中のRASSがずっと-4/-5だった症例、ICU滞在が1日未満だった症例、重度の難聴や視覚障害、オランダ語がわからない患者、強い精神障害がある患者、失語、ICU滞在期間のうち80%以上の期間においてせん妄のスクリーニングがおこなわれなかった症例。

だいたい65歳くらい、APACHE IIは15点、緊急入室が約半数、術後が6割、内科疾患が25%くらい、外傷が4%、中枢神経疾患が1割弱だった。

アルコール依存、認知症など罹患率が少ない因子は除外してPRE-DELIRIC modelに選ばれた因子は10個。
年齢、APACHE II、昏睡の有無(昏睡があると高リスク)、入院形式(内科疾患、外傷、中枢神経疾患は高リスク)、感染の有無(感染があると高リスク)、代謝性アシドーシス、モルヒネの使用量(多いと高リスク)、鎮静の使用(使用していると高リスク)、BUN、緊急入室

このモデルのAUROCはderivation cohortでは0.87、同コホートを用いたブートストラッピング法で0.86だった。
temporal validation cohortでは0.89、external validation cohortでは0.84であり、すべてをあわせたコホートでは0.84だった。

ちなみに、医師や看護師といった医療従事者の予想(N=124)のAUROCは0.59と極めてあてにならないものであった。

結論。10個のリスク因子からなるPRE-DELIRIC modelはICU入室24時間で算出可能となり、強い予測能力を有していた。
PRE-DELIRICモデルを用いることによりせん妄発生を予測して予防の手段を講じることができるだろう。