一緒がいいんだ。

October 15 [Fri], 2010, 23:43
昨夜、母が突然語り始めました。

母「太ってキャーって悲鳴上げてる人ってそれなりに食べてる
  んだよね」

うん、でもアイス片手に言っても説得力ないぞ。
と突っ込んでみたところスルーされてさらに語られてしまった。

母「それに食べる量も違うしね。見て、このお腹」

徐々に支離滅裂になっていく母の語り。
母は妊娠してるんじゃねーかってくらいの腹をぽんぽんして
立ちあがり、アイスの空を捨てに行きました。
んで戻ってきた母を見やるとまたその手にはアイスが。

母「太るのって食べる量の問題なんだよね」
私「ねえ、さっき何つった?」
母「え。・・・(・ω<)てへ」

正直アラヒフ(50代)のてへぺろはキツいわ。
このように、家では突っ込み役に徹する私の様子を今日は
お届けしてみました。結構キツいんですよ☆

そして話題は本に。



最近ハマっているのがこちらの本。
どちらもシンメトリーちっくになっていたので並べてみました。
八雲は以前語った通りで、辻村深月さんについてここで語るのは
初めてじゃないでしょうか。

大学時代、友達づてに面白いと聞いたので読んでみたところ一瞬で
辻村深月ワールドにのめりこんでしまってね。大変でしたよ。
何回も言ってますが私は心理描写が豊富に書かれてある小説が
好きで、彼女の作品はまさにそんな私にぴったりだったのです。

内容はどれもミステリーちっくなサスペンスちっくな、だけど人間の
深みというか生き方が鮮明に描かれているとてもどのジャンルに
分類していいか分からないほど濃密な作品です。
人間の本質が垣間見られるような気がします。だからこそどっぷり
ハマってしまうんでしょうね。

そして彼女の作品は共感することが多い。
私もそう思うとか、そう思ったことあるなんて思って一人舞い上がり。
まあどの小説でもありがちなんですが、彼女の言い回しが凄く良い。
まるで思っていることをきちんと清書して代弁してくれるような感覚。
心理学専攻してたせいでしょうか。人の本質を自分なりに考察する
のが好きで。その私の雑な考察をビシッと決めてくれるというか。

何か変な感想になってきましたが、とにかくすごいんです。
是非読んでみてください。あ、読むときは刊行順に読んでいった方が
いいですよ。その方が感じるものがでかいと思うので。


では、以下リメイクSSです!


一緒がいいんだ



誰もいなくなった稽古場に眩し過ぎるくらいの西陽が斜めに差した。広がる濃い橙色、そこへ重なるようにして私の影が在った。
涼しげな風が一時だけ吹く。一つに結った髪が静かに靡いて、私は髪留めを外した。心地良い。仄かに秋の薫りがした。一礼した後、私は踵を返し生暖かい廊下に足を踏み出した。
向かった先は大浴場だ。今仕えている近衛家のもの程ではないが新鳴流の浴場はそれなりの大きさを兼ね備えていた。人数が人数だし、稽古場は隊舎にいくつか点在していた。同時間帯に修行ということも珍しくなかったので日によっては混雑する場合とそうでない場合がある。ちなみに今日は後者である。理由は“彼女”にある。

脱衣場で彼女は固まっていた。魔法にでも掛けられたかのように、その姿はまるで石像のよう。しかしその表情は「参った」と言った風に困り果てていた。道着の脱ぎ方が分からないわけではないのだ。彼女はただ、嫌なのだ。
見慣れた光景に私はどうした? と訊くまでもないと自分の袴を脱いだ。彼女がピクリと動いたのが気配で分かった。私が脱ぎ終わるとそそくさと風呂場へ行ってしまうと知っているのだろう。彼女は慌てて自分のそれを脱ぎ始めた。

「急がなくていい。ちゃんと待ってるから」
「はい」

私の真似をして体にタオルを巻こうと必死な姿につい笑ってしまった。

「お前にタオルは十年早い。ほら、行くぞ。風邪引く」

ポンポンと頭を軽く叩く。きょとんと首を傾げる彼女、刹那の手を引きながら私は湯気の漂う浴場へと向かった。
しかしそこに入った途端、刹那は思い切り顔をしかめた。刹那がこんな風にあからさまに嫌がるのはかなり珍しい。それ程嫌なのだ、風呂そのものが。
以前あまりにも嫌がるので私の姉、鶴子に相談したことがあった。結果的にそれは間違いであったと、姉上に刹那を任せたその夜分かった。廊下で涼みながら待っていると突然刹那が勢い良く飛び出して来た。身に纏っていたのは湯気のみで、顔からは大雨洪水注意報が発されていた。まるで命からがら逃げて来たといったところか。後で事情を訊くと「ちょっと叱っただけ」と姉上。絶対ちょっとではない。経験上、私は刹那に同情する他なかった。

それ以来刹那はますます浴場に行くのを嫌った。私が宥めて何とか洗髪から湯船に浸かるまで一通りできるようになったがあくまで私が宥めて、だ。それも始終顔も体も強張っているのでやりづらいったらありゃしない。

何故そこまで風呂を嫌うのか。小さく花車な背中を流しながら刹那に訊いてみたことがあった。すると刹那は「怖いんです」と呟いたきり後は何も言わなかった。普通に考えると水が怖いのだろうが私には別の理由があるように思えた。

翌日の修行を終えた夕方、刹那に宛行われた慎ましい部屋を訪れた。中の様子に思わずこっそり覗く。
刹那は鞄にせっせと着替えやらこの間買ってやった絵本やらを詰め込んでいた。ちょこんと正座し、表向きはきちんとしている風を装っているがその背中からはウキウキやワクワクと言った感情が滲み出ている。昨夜の泣きっ面とは打って変わっての変貌に私は苦笑せざるを得なかった。そう、今日は初めて近衛家の屋敷に泊まる日だ。
お嬢様たっての希望とあらば長も断れまい。そして刹那にその旨を伝えたときの様子と言ったらこの上なかった。「いつ? いつなん?」敬語を忘れ刹那はすっかりただの子どもになってしまった。要するに長も私も同じだ。子どもに振り回されることが嫌ではない。いや、むしろ……

「刹那、準備はいいか」
「はい!」

跳ぶようにして駆けて来る刹那に私はまた笑みが零れた。



まさか、こんなことが起こるだなんて。私は屋敷の中で打ちのめされていた。
目の前にはお嬢様と刹那、二人が縁側に並んでアイスクリームを食べていた。あまり食べたことがないせいか刹那は普段にもまして食欲旺盛のようだった。しかし問題はそこではない。風呂上がりにもかかわらずはしゃいだ様子を見せる刹那が問題なのだ。
いつも通りであれば肩を竦めてしょぼくれているはずなのに。これはいったいどういうことなのだろう。

「せっちゃんのちょっとちょうだい。うちのもあげるから」
「うん、ええよ」
「おおきに」

あの、あんなに風呂嫌いなあの刹那が、こんなこが本当に……半信半疑だったがその満面の笑みを見ているうちに確信に変わった。きっとお嬢様が何かしたのだ。まさか魔法? いや、長はお嬢様を普通の子として育てているはず。魔法については勿論、使い方など分かるはずもない。それも風呂嫌いが直る魔法だなんて尚更無理だ。ではいったいどうして?

「木乃香お嬢様、少し宜しいですか」

刹那がお手洗いに行っている隙に私はそれとなく尋ねてみることにした。私に出来なかったことをいとも簡単にこなしてしまったこの小さなお嬢様に。
お嬢様は不思議そうに首を傾げて私を見つめた。あ、と不意に思った。お嬢様の瞳は刹那のそれに似ている。私はしばらく吸い寄せられた。

「なぁに」
「あ、すみません。あの、お尋ねしたいことがありまして。その、刹那とのお風呂はどうでした?」
「たのしかったえ」

「え」予想外の即答に戸惑う。

「せっちゃんとせなかながしっこしたりな、みずかけっこしたりな、いっぱいあそんでうちむっちゃたのしかったえ」
「……そ、そうですか。それは良かった」
「うんっ」

お嬢様の緋色の瞳、キラキラと輝きを一層増した。


お泊まり会は何事もなく――私にとっては一大事なこともあったが――終わり、平凡な日常が戻ってきた。同時にその初日、風呂嫌いな刹那も戻ってきた。
表情だけでなく体も強張りいつものように固まる刹那を半ば強引に風呂場へ引っ張り込む。気が急いでいたせいか、少し乱暴になってしまった。刹那はいつも以上に敏感に察知し、嫌がる素振りを見せず無言で私の後に続いた。そんな姿がたまらなかった。

「刹那」

こく、と私を見上げる瞳はゆらゆら揺れていた。
私は刹那に目線を合わせるようにしゃがみ込んだ。そして改めて真正面から彼女を見据えた。

「私がどうして嫌がるお前をここに連れて来るか分かるか。決して義務とかそういうんじゃないんだ」

難しい言葉だったかもしれない。だけど刹那は黙って私の話に耳を傾けていた。

「お前と一緒がいいんだ。一人じゃ嫌なんだよ。刹那と一緒だから楽しいんだ」
「たのしい」
「そう。毎日楽しみなんだ。お前が来るまで私は一人でさっさと済ませていた。でもお前が来てからはどうだ。頭を洗ったり、背中を流したり、やることが増えた。今じゃそれが楽しくて仕方ない」
「………ない、ですか」
「え」
「めいわくやないですか」

拳をぎゅうと握り締め、刹那は歯を食いしばりながら俯き加減に呟いた。その姿はあまりに無防備で、鼻の奥がツンと沁みた。

「そんなわけないやろ、アホ」
「ししょお……」

ぬるま湯に浸かっているような、そんな優しい温もりを私はひたすら抱き締めていた。



おわり


元となったSSはこちらです。にの字さまが書いてくださった素敵SSです。
しかし書き終わってびっくりした。まるで違うやん、と。
リメイクでもアレンジでもないような気がします。すみません。
そして肝心のアヒル隊長が出てきてないいいいいいいいいい
何てこった・・・私何してんの。バカじゃないのアホじゃないの。

にの字さん、そしてリメイク待ってた方々すみませぬ。

んで今回で確信しました。
私・・・『もとせつ』という新CPにハマっています!
一人称でSS書くようになってから幼少期が書きづらくってね。
しかし素子が語ってくれればあら不思議!次々文章が書ける!

また書きたいと思います。
あ、つるせつも書いてみようかな・・・
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にの字
もとせつはどうも!
自分も一緒がええんじゃああああああっ!
混ぜてくれぇ!え?あ、だめっすか。すいません。

改めまして、このせつはどうも!にの字です。
元ネタとか、リメイクとかアヒル隊長とかそんなの関係ないです。
むしろこっちがメインストリーム!これこそジャスティス!
こんな素晴らしい師匠と弟子を読むことができて感動してます。
あんなネタがここまでの感動巨編になるなんて思いもしませんでした(T_T)
深い。まさに情景が浮かんできます。
初のお泊まりにわくわくする刹那とか、師匠のお嬢様への嫉妬?とか
そして鶴子姉さまがどう刹那を叱ったのかも気になります(笑)

さっちゃんさまにはかなわないや(´▽`)

是非これからも「もとせつ」を推奨していきましょう!
ありがとうございました!


October 17 [Sun], 2010, 1:22
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