グリーン・ゾーン

May 15 [Sat], 2010, 23:45
DEPOTのおすすめ度:★★★☆☆

公開日:2010年5月14日
配給:東宝東和
監督:ポール・グリーングラス
出演:マット・デイモン,グレッグ・キニア,ブレンダン・グリーソン

鑑賞日:2010年5月15日
MOVIX三郷 シアター12(座席数287)

【ストーリー】
通称“グリーン・ゾーン”――。そこは、死と隣り合わせの危険地帯に囲まれた、一触即発の「安全地帯(グリーン・ゾーン)」。ロイ・ミラーと彼の部隊は、砂漠地帯に隠された大量破壊兵器の所在を追う極秘任務に就くが、探せども探せども、兵器の痕跡すら発見できない。大量破壊兵器に関する情報の正確性に不信を抱いたミラーは、作戦会議の席で情報源についての説明を求めるが、「情報は精査されている。黙って従いたまえ」と上官に一蹴されてしまう。更に、激しい銃撃戦の末に拘束した、大量破壊兵器発見の糸口と思われた重要参考人さえも、国防総省のパウンドストーンの手によって、力づくで奪われてしまう。国防総省の動きを不審に思ったミラーは、同じ疑念を抱いていたCIAのブラウンと共闘し、部隊を離れ単独で調査を開始。飛び交う偽情報と激しい銃弾戦をすり抜け、パウンドストーンに極秘情報を提供している正体不明の大物キーマン“マゼラン”を追う。果たして、大量破壊兵器の行方は?そして、執拗な妨害工作を仕掛けるパウンドストーンの思惑とは?謎の核心に迫った彼が探り当てたのは、世界中に激震が走る衝撃的な“真実”だった…。

【レビュー】
本日の鑑賞は、“ジェイソン・ボーン”シリーズのポール・グリーングラスとマット・デイモンが再びタッグを組んで贈るサスペンス・アクション「グリーン・ゾーン」です。世界中で大ヒットを記録した“ボーン”シリーズのふたりが組んだ作品なんですから、もうちょっと話題になっていてもいいと思うんですが結構B級扱いというか、話題性が薄いですね。実際、デポも当初は鑑賞を予定していなかったんですが、MOVIXではチョークバッグやプレスシートが当たる「グリーン・ゾーン」シートを探せ!というキャンペーンが行われたので、僅かな期待を胸に急遽鑑賞したのですが、初日から3日間各初回上映に2名ずつという低確率では当然のことながら当たる訳もなく、悔し涙で霞むスクリーンをポップコーンをほおばることで紛らわせて観てきました(嘘です)。

映画のタイトルにもなっている“グリーン・ゾーン”とは、2003年3月にアメリカ、イギリスを中心とした多国籍軍が大量破壊兵器の保有とサッダーム・フセインによる独裁政権の民主化を理由に行われたイラク戦争において、バグダード中央部に作られた比較的安全な地域のこと。ただし、この映画の大半はこのグリーン・ゾーン以外の地域を舞台としており、マット・デイモン演じるロイ・ミラーはイラク戦争の根拠となる大量破壊兵器を追い求め危険地帯を奔走します。ジェイソン・ボーンのように鍛え抜かれた特殊工作員ではないので派手な立ち回りもなければ、ジョン・ウーのような壮絶な銃撃戦もほとんどありません。しかし、そのある意味淡々と行われる地味な戦闘と手ブレ全開の緊迫感ある映像がリアリティある戦場へと繋がっており、さすが“ボーン”シリーズのポール・グリーングラス&マット・デイモンと感心させられます。

ただ、この映画の最大の面白さはそんなところではなく、イギリス人の監督ポール・グリーングラスとアメリカ人俳優マット・デイモンがイラク戦争の真実!?を描いた映画を作っているというところ。彼らの祖国であるアメリカとイギリスは多くの国の反対を押し切りイラク戦争を開戦した当事国。その国の人間たちが“大量破壊兵器など始めから無かった”、“これがイラク戦争の真実だ”なんて映画を作ること自体が笑っちゃうというか、失礼なことこの上ない。何故ならあんたらの選んだ国のトップが最初から大量破壊兵器など存在しないことを知りつつ、自らの国の国益となるために多くの民間人を巻き込んだ戦争という名の単なる大量殺戮を行ったからですよ。イラク戦争そのものは開戦から二ヶ月にもならない5月1日にブッシュ大統領(当時)による戦闘終結宣言によって連合軍の圧倒的勝利という形で終戦しましたが、皆さんもご承知のように新政権誕生後も主導権争いにより内戦が続き、現在でもイラク国内は各武装勢力によるテロ活動などによって民主化はおろか、平安な日常生活さえも送れない泥沼の状況となっています。これがアメリカの言う“民主化”ならば、フレディじゃないけど「あんたらにこの国のことは決めさせない!」だよ。

そもそも大量破壊兵器を保有している大国アメリカが、自国のことは棚に上げて他の国に対して兵器の廃棄や武装解除を要求するのが頷けないことですし、“世界の警察”と称して国連無視ででかい顔をしていること自体が間違ってるとデポは思うんですけどね。また、このイラク戦争に関していえば、アメリカとイギリスだけじゃなく、戦争に参加したり支持をしたオーストラリアやポーランド、フィリピン、デンマークなどと共に当時の総理大臣小泉純一郎氏が「アメリカの武力行使を理解し、支持いたします」と表明した日本も同じ穴の狢です。アメリカの、アメリカによる、アメリカのための“平和”って本当の意味での平和なんでしょうかね?そして、イラクに大量破壊兵器がなかったことが疑う余地のない事実となった今、多くの犠牲者を出したあの戦争は一体何だったのでしょうか。

先程、イギリス人監督ポール・グリーングラスとアメリカ人俳優マット・デイモンがイラク戦争を描いたことに対し批判的なことを書きましたが、自らの国に対して反国、反戦的な作品を作ることは勇気ある行為でもあります。また、彼らのようなネームバリューのある人が作品を作ることによってあの不毛な戦争を振り返るきっかけとなる人も多いでしょう。興行的にはかなり苦戦を強いられているようですが、このような作品が作られることによって戦争という悲劇が繰り返されないようになることとイラクに本当の意味での民主化と平和が訪れることを願うばかりです。

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December 18 [Wed], 2013, 1:26
大量破壊兵器は なぜ見つからない公式サイト http://green-zone.jp監督: ポール・グリーングラス  「ボーン・スプレマシー」「ボーン・アルティメイタム」「ユナイテッド93」映画の原案
風に吹かれて  June 16 [Wed], 2010, 15:24
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