「そばにいる。つよくなる」17

April 12 [Tue], 2011, 23:44
見てはいけないものを。
見てしまったんじゃないかと。
そう、思った。
でも目を逸らすことも出来なくて。




「お疲れだったな、千鶴ちゃん」
縁側に座る私に声をかけたのは、永倉さんでした。
その手には包帯が巻かれていましたが。
顔に疲れは見えず。
でも、嬉しいだけの笑顔とも違う。
今までには見たことのない表情をされています。
「私は、なにも出来ませんでしたから」
「なに言ってんだ。千鶴ちゃんたちがいてくれなかったら平助だって危なかったぜ」
平助くんは。
大怪我を負いました。
額に大きな切り傷。
すでにその姿になることを知っていた姫ちゃんは、
お医者さんを待機させていたようです。
助手を任された私はとにかくいっぱいいっぱいでした。
「永倉さんは大丈夫なんですか?」
「こんなもんかすり傷だ。どってことねーよ」
かすり傷なわけはないです。
刀で手のひらの肉を削がれてしまったのですから。
でも。
きっと本当にかすり傷だと思ってるんだと思います。
「それより、総司見てねーか?」
「え?」
「布団がもぬけの殻でな。今左之と探してんだ」
沖田さんは…
「ってな。知らねーか」
沖田さんは、一昨日。
確かに担ぎ込まれてきました。
血だらけの沖田さんを見て、あまり動揺しなかったのは。
姫ちゃんが心の準備をさせてくれたからだと思います。
でも。
沖田さんはどこを切られたわけでもなく。
ただ。
ぐったりとそこにいただけで。
私には。
何も出来なくて。
「悪い悪い」
「いえ」
「でもな、総司好きでいるのは大変だ。
俺たちだって誰も勧めねーよ。
あんな人間的にめんどくせーの」
笑顔で言われると。
却って否定の言葉も出てきません。
「見かけたら、俺か左之まで教えてくれ。
土方さんたちにバレたらまたうるせーからな」
「何を見かけたら?」
後ろから現れたのは姫ちゃんです。
昨日今日と監察の仕事で走り回っていたので。
私も会うのはあの夜以降なのですが。
「え…?あ〜別に姫ちゃんは知らなくても…」
永倉さんはなぜか口ごもります。
その様子を見た姫ちゃんは私に不思議そうに目線を送るので、
「沖田さん」
と、返事をすると。
「はあああああああああああああああ!!!???」
姫ちゃんのよく通る高い声が。。
これでもかっていう声をあげます。。
「姫ちゃん…耳が…」
「何考えてんのっあのバカ!ちょっと私も出てくる!」
「いや、姫ちゃんは体キツイでしょ、俺らで探すから」
永倉さんも原田さんも。
昨日一日は仕事がありながらも割とゆっくりできたようです。
でも姫ちゃんはちゃんと寝れているのかも不安です。
「いいっ平気!見つけてから寝るから!」
姫ちゃんは言い放ってすぐに走っていきました。
「…姫ちゃんにもバレたくなかったんだけどなあ。。」
「そうなんですか?すみません…」
だから口ごもったのか。
「でも、なんでですか?」
「ああなるからだろうな」
納得して姫ちゃんの走っていったほうを見ます。
「斎藤を付けるから、姫ちゃんもついでに探して連れ戻して。
あの顔色じゃ倒れんのも時間の問題だろうし」
「え?いいんですか?私外に出て」
「バレたら俺が責任とっから」




「総司」
「うん。姫ちゃんが見つけやすい場所にした」
沖田は鴨川沿いに寝転がっていた。
姫子は沖田の隣に寝転がる。
蒸し暑い空気の中で。
入道雲の間に見える青を眺める。

「労咳?」

総司の薄い声に。
姫子はその表情を見遣る。
少しそのまま顔を見た。
「…勘いいね」
「一発で当てられないと、教えてくれないだろうし。
これでもいろいろ考えたんだよ。
ま、自分の体だしね」
「うん」
姫子は口数少なく。
表情を変えないようにしていたが。
それが却って。
少しの変化をも総司に気付かせた。
「あと半年?」
「違う!」
姫子は上半身を起こす。
半分泣いているような声で。
けれど。
力がこもっているのか、いないのか。
「でも治るわけじゃなさそうだね。
その様子見ると」
「でも、もしかしたら歴史が嘘かもしれないでしょ!?
何かのタイミングや理由で死んだことにされたのかもしれないしっ
本当はおじいちゃんまで長生きしてたのかもしれないし!」
「死ぬのはいい。
僕が刀を握って近藤さんを守れなくなるのはいつ?」
「…わかんない」
「歴史の表舞台からいつのまにか姿を消すわけだ」
「諸説ある。
だから。
発病も池田屋じゃないって信じてたのに」
「姫ちゃんのことだから心配してないけど。
まだ誰にも言ってないよね?」
姫子はただ首を縦に振った。
「これからも言わないよね。
バレるような状態に僕がなるまでは」
続けて縦に振る。
「新選組離れて静養しろなんてこと言わないでね」
「…そんな残酷なこと言わない」
「ありがとう」

沖田は寝転がったまま。
自分の右にいる姫子を少し見る。
その視線に姫子が気付くと。
左手を伸ばして姫子の右手首を掴む。
そのまま引っ張り。
自分の胸の上に重ねた。
全身に心地のいい重みを感じる。
「総司?」
両腕で姫子を捕まえたまま。
その腕はきつく締まる。
「しばらくこのままでいい?
ちょっと寝たいから」
かすかに聞こえたその声に。
姫子の目には涙が滲み。
糸が切れたようにしゃくりをあげて泣き出した。
とんとんと背中を叩かれれば叩かれるほど。
その腕が動かなくなるときを想像して泣く。
重なった心臓の鼓動がなくなるときを想像して泣く。
体温がなくなるときを想像して泣く。
そして。
それ以上に。
その優しい腕が刀を握れなくなるときが。
決して遠くないことを知っていて。
泣く。

歴史として知っていることがどんどんこうやって。
形を成して自分の前に現れていく。
傷つくのを。
姿を消していくのを。
自分はただ見ることしか出来ない。
こんなにも。
苦しいこと。
ダメだとわかっていても。
涙の洪水は止まってはくれない。




「帰るか」
斎藤さんの声にハッとするけど。
足は動かなかった。
「帰るぞ」
斎藤さんが歩き出しても。
足は斎藤さんを追ってくれなくて。
「・・・・」
斎藤さんの溜息が聞こえて。
斎藤さんは私の腕を軽く掴んで連れていってくれる。
「見なかったことにしろ」




「ただいまー」
「あ、おかえり」
帰ってきた姫ちゃんには。
いつもどおりにしたかった。
でも。
「めずらしい。一ちゃんどうしたの?」
平然とする自信がなく。
ついつい斎藤さんを引き留めてしまった。
「話をしていた」
「何の話?」
姫ちゃんはいつものように帯を緩めながら問う。
「おい、俺がいる」
斎藤さんが発した怪訝な声に。
何のことか、私も姫ちゃんも気付きませんでしたが。
すぐに2人とも思い当たりました。
「あー脱がないよ?」
半分笑っている姫ちゃん。
「姫ちゃん、帯が苦手なんで部屋も戻ったらすぐにへこ帯に巻き直すんです」
目の前で着替えられると思ったんでしょうか。
姫ちゃんならやりかねないと。
「いくら私でも気にするよ」
「わからん」
「うん、それより、何の話?」
少し戸惑いました。
本当は。
何にも話なんてしていなかったのです。
「つまらん世間話だ」
「ふーん」
姫ちゃんは深追いはしませんでした。
「もう夕飯の時間でしょ?
平ちゃんや総司のとこに配膳しなきゃね」
その単語に。
指先が反応します。
「…そういえば姫ちゃん。沖田さん見つかったの?」
「あ、ううん。見つかんなくて。
でも部屋に戻ってるって新八っつぁん言ってた」
「…」
「じゃ、また後でね」
素早く帯を結んだ姫ちゃんは部屋を出ていきます。
「深入りするな」
「違います」
「しているように見える」
斎藤さんの言葉は本当なんだと思います。
「何か訳があったとする。
その理由を姫子が話すと思うか」
思わない。
思わないけど。
見なかったことには出来ない。
じゃあ私は。
どうすればいいんだろ。




夜。
結局2人きりになってしまった。
姫ちゃんはいつもどおり。
のんびりとしている。
「姫ちゃん」
「なに?」
「私、沖田さん好きなのやめる」
「…え?」
姫ちゃんの表情はみるみる硬くなります。
「前向きになろうと思って。
私は父様を探さなきゃいけないんだし。
本当は恋愛なんかしてちゃいけないんだし」
「千鶴ちゃん?」
「無視されてしんどいのもヤだし。
みんなに気遣われるのも悪いし。
私が好きじゃなくなるのが、一番いいと思って」
「…」
「そうだよね?」
「千鶴ちゃん…なんか、見た?」
「…見てない。私が屯所出られるわけないでしょ」
失言だったと、口に出した瞬間気付きました。
でも遅いです。
姫ちゃんが気付かないわけがない。
「私、屯所の外で何か見た?ってきいたわけじゃないよ」
「でも、それが理由じゃないから」
「千鶴ちゃ…」
「もう寝るね」
姫ちゃんの言葉を遮って、布団の中にもぐりこみました。
しばらく姫ちゃんが困った様子でいるのを感じていましたが。
私は寝た振りをしました。
姫ちゃんが部屋を出ていったのを感じて。
涙が溢れました。
何で私は。
こんな幼稚なことしかできないんだろう。
うまく、かっこよくできないんだろう。




「なあ、なんかあったなら話せって」
「そうそう。飲みすぎは体によくないぜ?」
「なんにもないっ!!」
姫子が混ざりに行ったのは原田と永倉の飲み会だった。
ふらっと入ってきて、片っ端から酒に手を付ける。
誰が見ても何かあったのは明らかだった。
「土方さんに理不尽に怒られたか?」
「ああ、あるよなあ、そういうとき。腹立つよなあ」
「違う」
「じゃああれだ。監察の仕事でヤなことあったんだろ」
「最近大変だったろうしなあ、姫ちゃんホントよくやってるって」
「違う」
「「・・・・」」
2人は目を合わせて溜息を吐く。
「千鶴ちゃんと喧嘩したとか?」
「…違う」
そのトーンで2人は気付く。
「千鶴と喧嘩って、珍しいな」
「お兄さんたちに話してみろ、そうすりゃスッキリするって」
「違うもん。喧嘩ではない」
そう言ってまた酒を流し込む。
「女同士の喧嘩ってなると、まあ、理由は予測できるけどな」
「なんだよ左之、一人だけ」
「お前も考えてみろって。絶対わかる」
「だって姫ちゃんたちに限って男絡みってんでもねーだろぉ?」
「・・・・・」
姫子の表情が少し曇る。
のに、永倉も気付いた。
「え…マジで…?」
「だから違うって」
「そうなんだな」
原田のダメ押しに、姫子は杯を飲み干した。
「…おやすみ!!」
強く言い放つと部屋を出て行こうとする。
「あー悪かった、これ以上聞かねーからまだいろって」
原田が姫子の腕を引っ張り連れ戻す。
「今日はここ泊まればいーから」
「じゃ、俺は帰るとするかな」
「はあ!?」
永倉の帰る発言に、原田は抗議の声を上げる。
「明日の巡察早ぇーんだよ。悪い」
次は止める間もなく部屋を出ていった。
原田の部屋には姫子だけ。
泊める発言をしたが、永倉がいることが前提だった。
以前に避難させていたことはあったが。
あの頃は結局寝る時間をずらしまくって。
夜にずっと2人でいたことはない。
「新八っつぁん出てったけど、泊まってもいいの?」
なんとなく、よくはないんだろうと察した姫子が問う。
でも今更帰れというのも男らしくない。
意識しているのもバレバレで却って恥ずかしくもある。
「部屋に帰り辛ぇーんだろ。
この時間から他の部屋に行くの難しいだろうしな。
寝てるか、怒られるかだろ」
「ありがと」
「ここ何日かマトモに寝てねーだろ。
その布団使っていいから、寝ろ」
物言いが少しぶっきらぼうになる。
でも姫子はあまり気にしていない様子で。
言われる通りに布団にもぐりこむと。
「左之さん」
「ん?」
「千鶴ちゃんがね、総司諦めるって言うの」
「…そうか」
意外なような、そうでないような。
でも原田も悪い気はしなかった。
当人がそう言うのならそれはその方がいい。
誰の目から見ても。
「直接的なきっかけを作っちゃったのは私だと思うの。
でも。
私はほっとしたの。
千鶴ちゃんが総司のこと諦めるっていって。
これで千鶴ちゃんが辛い思いせずに済むって。
でも。
やっぱり見せる顔はない。
私はあのとき。
千鶴ちゃんのこと忘れてた。
頭になくって。
自分の感情だけで。
そんな自分がヤだ。
千鶴ちゃんのことが頭にあっても同じことしたかもしれない。
それでも。
忘れてたのは、自分がヤだ」
寝ぼけているような声で紡ぐ。
内容が見えるような見えないような。
いつもの姫子の言葉の紡ぎ方。
「一回寝ろ。
起きたらもっかい話聞いてやっから」
頷いた様子で、すぐに静かになった。
原田は少し気になって姫子の額に手を置く。
「熱っ」
この部屋に入ってきたときから気になってはいた。
酒を飲む前から少し目がうるんでいたのは。
泣きそうだったからではなかったらしい。
「風邪か疲れか知恵熱か…」




「あの、原田さん。姫ちゃん、昨日行ってませんか?」
朝食に現れた原田さんにすぐに詰め寄りました。
「あー。まだ寝かしてる」
と、いうことは原田さんの部屋にいるということです。
「よかった。。」
「熱出てるから、こっちで預かるぜ」
「えっ熱?」
「山崎に看てもらったとこ、疲れが出たんだろってことだけどな」
「山崎さんですか?」
「知らなかったか?医者の息子なんだ」
「そうなんですか…
私は医者の娘なのに。
姫ちゃんの様子に気付きもしなかった。
「何があったか知らねーけど、姫の熱下がってからゆっくり話せよ」
「…はい」
悪いのは、全面的に私で。
「姫ちゃん、熱?」
「総司、お前また起き出して…」
後ろには沖田さん。
「もう土方さんから許しもらったよ。
巡察と稽古はまだ禁止だけどね」
「沖田さん、おはようございます」
「…おはよ、千鶴ちゃん」
沖田さんは少し不思議そうな顔をしています。
でもすぐに原田さんに向き直って。
「熱ってなに?なんで?」
「ただの疲れだとさ。山崎曰く、ここ2,3日は寝ない食べないで調査だったらしい」
「全く。で、今どこにいるの?」
「俺の部屋」
「了解」
沖田さんはすぐに広間を出て行かれました。
姫ちゃんのところに行くのでしょう。
「姫からちょっと聞いたが、ホントに総司のこといいのか?」
原田さんは少し屈んで小声で訊ねます。
「いい、というより。私もちょっと楽です。
沖田さんに久々に【千鶴ちゃん】って言ってもらえました」
自然に笑えるようになったのは久々かもしれません。




「山崎くん、ちょっと外してもらっていい?」
姫子の隣には山崎が付いていた。
「姫子を起こさないでくださいね」
「わかってるよ。しばらく僕が看てるから、戻ってこなくていいよ」
少し眉を顰めて、山崎は部屋を出ていった。
「まったく。ホント、無茶が好きだよね」
沖田は額に置かれている手ぬぐいをとって、自分の額を合わせる。
「ちょっと下がったのかな、熱は」
どのくらいの熱だったのかはわからないが、今はそれほど熱くない。
でも息苦しいようで、姫子の呼吸は荒かった。
「…先に死ぬなんて、止めてよね、絶対」
姫子の熱い手を軽く握る。
「じゃあ…」
「起きたの?」
「総司も先に死なないでね」
開いたばかりの目が笑う。
その瞳を見て。
沖田も笑う。
そして。
「ごめんね」

沖田の唇が、姫子の唇に重なった。




「総司は飯に来てねえのか」
遅れて朝食にやってきた土方さんは広間を見まわして言い放ちました。
「姫が熱出してるって言ったらすぐに出てったぜ」
原田さんが答えます。
「まぁた体崩してんのか、あいつは」
あ、土方さん、溜息。
「今回はしょうがねえって。
山崎にきいたら姫しか出来ねえこと、てんこもりだったんだとさ。
それでもまあ、寝る間と食事の間は与えてたはずだって愚痴ってたけど」
「あとで滋養のつくもん食わせねえとな」
土方さんはどんなものがいいかと呟きながら席に着かれます。
「にしてもさ、総司が他人の体調気にするなんか珍しいよな」
ほとんど食べ終わった平助くんがお茶をすすりながら永倉さんに話しかけました。
「まあなあ、試衛館じゃ末っ子みたいなもんだったし、
妹が出来た気分なんじゃねーの?」
そうなんだ。
「そうだなあ、初めて出来た親友のような感じなのかもしれんな」
近藤さん、なんだかお父さんみたいです。
とても嬉しそうな。
「総司は素直でいい子なんだが、同年代とうまくやれた試しがない。
姫子が一緒に遊んでいるのを見るとほっとするよ」
「近藤さん、それ、同年代の俺や一くんに失礼っ」
「い、いや、そういう意味では…」
「でも確かに、総司は人付き合いがうまくはない」
「総司も一くんに言われたくはないと思うけどね」
平助くんの発言に少し笑ってしまいました。
そして斎藤さんに睨まれます。。
ごめんなさい。。
「悪ガキ2人がつるんで悪さしなきゃいいがな」
「あの2人もトシに言われたくないだろう!」
近藤さんのセリフに一同は笑いに包まれました。
「近藤さん!俺ぁマジメに言ってんだよ!」
試衛館という道場の空気が、少し垣間見れた気がします。




そして。
それから一月ほど。
私と姫ちゃんは。
というと。
省略させていただくほど。
すんなりと和解をしました。
と、いうのも。
私が、好きという気持ちを辞めた途端。
とっても楽になれたからです。
沖田さんのことを本気じゃなかったからなのか。
そう、単に一瞬の憧れだったからなのか。
そうでは、ない気はします。
それでも。
今の私にとって。
きっかけはどうあれ、諦める踏ん切りをつけられて。
そして自分にとっても周りにとっても。
もちろん沖田さんにとっても平和的解決につながったので。
スッキリしているのです。

ただ。

「千鶴ちゃん、歴史を変えちゃうかもしれないこと以外での隠し事は
もうイヤだから、だから…」
「なに?」
「包み隠さずに言うね?」
「うん」
「傷付けたらごめんね?」
「…うん」
ちょこっと覚悟をしました。

「総司にキスされた」

「・・・・え?」
『姫子、夜半にすまないが少し出てきてくれないか』
部屋の外からは山崎さんの声です。
きっと急ぎのお仕事です。
「あ、わかった、すぐ行く。
千鶴ちゃん、先寝ててね」
「あ…うん」
姫ちゃんはすぐに部屋を出て行きます。
残された私は。
頭を抱えました。
「【きす】…ってなに…???」
でもなんだか、聞き返すには勇気が要ります。
なぜかちょっと。
勇気が要ります。
だから私は。
すぐに姫ちゃんが部屋に帰ってきても。
次の日の朝一緒に起きても。
【きす】が何か尋ねることができませんでした。。




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