超音波で胎児治療 不要な血管ふさぐ 母子負担軽減、昭和大

May 14 [Mon], 2012, 11:00
共同通信社 5月14日(月) 配信
 子宮内の胎児の心臓から自分の体以外にも血液が送られ、心臓に負荷がかかる重い病気に対し、母親の腹の外から強い超音波を当てて不要な血管をふさぐ方法で治療することに成功したと、昭和大の岡井崇(おかい・たかし)教授(産婦人科)らのチームが14日、明らかにした。世界初という。

 従来は母親に全身麻酔をし、腹に刺した針に電流を流して血管をふさぐなどしていたが、流産や早産、感染症の危険があった。今回の方法は母子への負担が軽いという。岡井教授は「腫瘍のある胎児から患部を取り除くなど、さまざまなケースで応用が期待できる」と話している。

 治療したのは、一卵性双生児の片方にしか心臓がなく、一つの心臓が双方に血液を送る「無心体双胎」。心臓がない胎児は生存できず、健康な胎児も心臓がない胎児への血流を止めないと6割程度は心不全で死亡するとされる。

 岡井教授らは、通常の超音波検査で使う100万倍のエネルギーの超音波を直径約1ミリの範囲に集中的に当て、高熱を発生させる装置を開発。

 4〜5月に、妊娠16週の女性(32)の腹の外から、心臓がない胎児のへそ付近にこの装置で超音波を当て、血流の停止を確認。健康な胎児は順調に成長しているという。

 この病気は、日本では年間約30例あると推定されている。