音楽ソフトの功罪

October 18 [Thu], 2012, 2:01
大分前に日記に書いたことがありました。
15年くらい経つでしょうか。
ある青年が私に自分の曲を聞いて欲しいと来た事がありました。
彼はその時1718歳の高校生の年齢でした。
音楽が好きで、アニメ音楽に興味があり自分で作曲、編曲もし、所謂打ち込みで製作した自分の作品を聴いて欲しい、というものでした。
その作品を聴くと、若干の幼稚さはあるもののなかなか立派なものでした。
話を聞くと、音楽が好きで大分前から作曲をやってきて将来はアニメ専門の作曲家になりたいと言います。
当時私は大手レコード会社のTアニメやアニメ映画音楽の編曲や演奏を仕事としていくつか受けていました。
直接のプロデューサーやディレクター、作曲家、歌手には持ち込んでも相手にされないのが普通。
そんな人はたくさんいましたからそこで、ネットで調べて私レベルなら聴いてもらえるのではといったところでしょう。
実際その少年の作品のクオリティにはちょっと驚きました。
しかも彼は全く音楽教育を受けていませんし、楽器さえ何も弾けないと言います。
音楽的な知識もほとんどありません。
それでいて、これだけのものが出来るというのは天才と思ったものでした。
実際に少年も自分の才能と信じているようでしたし、両親も彼の才能に驚愕したようで、彼が作曲と能力伸ばす為に高校を中退し音楽に専念することを許可したといいます。
彼の部屋には当事数百万の機材があったようです。
私は彼にちゃんとした先生に就くなり、教育機関で音楽の基礎勉強をするように勧めました。
しかし、その後彼の作品は当事最先端の作曲ソフトを使えば、才能とはほとんど関係ナシに出来る事をしりました。
現在では当事のその少年の使った高額なソフトよりも優れた性能のソフトや、録音機材、編集ソフトが安価で手に入るようになっていると思います。
これは作曲という音楽とのかかわりの敷居を相当に低くしました。
科学の発達の素晴らしい部分だと思います。
しかし、それで作られる音楽は創造能力がほとんど無くとも、立派な体裁のものになる可能性があるのです。
その昔、我々がそれ副業 確定申告をやるには、最低限譜面が書けなければいけませんでしたし、和声をつけたり、楽器編成をデザインし、編曲しスコアを作り、それでもそれは不燃上の出来上がりで、実際に音に出して聴くことはほとんど無理な世界でした。
それが現在ではサンプリング音源で、実際のアンサンブルとは行かないまでも、エフェクターを駆使すればかなりの完成度の音源が出来上がってしまう。
素晴らしいことではありますが、そうして出来た自作品と、プロの専門家の能力と技術を結集して出来た商業音楽作品の差を客観的に判断できるほどの能力が無い若者もいるのです。
現在脚光を浴びている作品と自分の作品にさほどの差を認められない。
そこで、自分の能力を過大評価する人が出て来るのが問題なのです。
私のようにメジャーの作品に多少関わった程度の人間なら、少しは相手にしてもらえると考える若者は以外に多いのかもしれません。
彼らの作品は多少のメロディ創作は入っているし、使用楽器のデザインなど創作部分が皆無とは言いませんが、音楽の理従った当たり前の幼稚な進行の楽曲をソフトの力で厚化粧したに過ぎないのです。
しかし、その分野の作曲家や編曲家を夢見るには充分の出来になってしまうのが大問題。
自分の才能を信じて上京し、私レベルをきっかけに自分の音楽を売り込む術を探そうとするのです。
私の元に相談に来られても、最低限譜面が読めて書ける程度には音楽の基礎を勉強しないとネと助言するしかありません。
実際は譜面が読めない、書けないそんな青年でも本当に優れた作曲能力のある人がいるのかもしれませんが。
夢を潰すような助言ははばかられますが、おだててその気にさせるのも罪ですからね。
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