TEXTの価値とは?

April 28 [Mon], 2008, 13:03
毎度のことながら、探している本がある、というか本の片割れ。

本のタイトルは
Jatta, G., 1896. I cefalopodi viventi nel Golfo di Napoli (sistematica). Fauna und Flora des Golfes von Neapel, monographie 23.

かの?有名な、ナポリ海洋研究所が長年にわたり、地先、近海の海の生物に関し、
生物グループごとにまとめて出版を続けているシリーズの、イカタコ篇である。

かつて僅かに躊躇したばかりに買い損なって悔しい思いをした、そのときのカタログには
4to. VIII, 268p., 32 ll. and 31 tinted lithographs of which most are double-paged including 8 beautifully coloured (chromolithographs). The plates are by H. Herculiano and printed by Werner and Winter lith. Anstalt in Frankfurt and are of a very good quality.
とある。たしか5万ほどだったか。
折り込みの大判図版が31葉、クロモリト(多色多版刷り)がそのうち8葉。
想像するだけで、うっとりである。

昨年、ようやく見つけてUKの古書店から254.50 GBPで、購入。
麗しのイタリア図版の1葉がこれ。


なんか、図のレイアウトなどにイタリアっぽいおしゃれさが感じられる。
日本人のサイエンティストだったら絶対イカを斜めにレイアウトなんかしないはず。
そんなところに国民性の違いが見られたりする。
リアルに、うっとりである。

ところがである。

売りに出たのは図版 Atlas のみで Text がついていない!?
非常に美しい図版なので、科学的価値よりも美術品的価値が大きくなるのは判らなくもない。
読めないイタリア語のTextなんてそんなのいらないって、
どこかに放置され、埋もれ、失われていく。

悲しすぎます。
Textを必要としている人も世の中にはいる訳で、
Text はいずこ?

いや仕事用なので、とりあえず必要な部分の抜粋のXEROXコピーも、
じつは、全体のmicrofiche も持ってはいます。
でもやっぱり、Atlasとセットで、手に取って開いて、100年前の紙の匂いが....

と、やっぱりウェブ古書店をかぎ回る日々。おばかです。

古書の循環とは?

April 20 [Sun], 2008, 18:39
学会なんかがあり、ばたばたしているうちにまた間が空いてしまいました。
前回の続き、としたいところなんだが、実は肝心の本を知人に貸し出してしまい、現在続きが書けません。
てなわけで、はなしは遡るのだが、元本 Novitates Conchologicae のおはなし。

前に、学会疲れで状況判断が甘くなったタイミングで、
つい take place してしまったと書いたのは2年前の、やはり学会の後。
実はそれから実際に本を手にするまでにはだいぶ時間が空いている。

このときに肝心の本をカタログ掲載していたのが、
博物学・自然史系古書の老舗、オランダのAntiquariaat Junk。
実は僕の検索能力がありすぎたのか(笑)、ネットで引っ掛けたカタログの価格が、
なんと以前に売り立てたときのものをそのまま誤記していた?との連絡があり、
正しい価格とともにお詫びのメールが届いたのが数日後。で、どうする?と。
訂正された価格を見ると「Euro 1,600」と、
ええっ、以前のUSD1,200に比べると倍近いではないか!

書店側曰く、
この本は最近買い取った貝類関係古書コレクションのうちの一冊で
元を正せばこの本もJunkがその前所有者である顧客へ売ったもの、
USD1,200というのは、Junkがこのコピーを以前に売ったときの価格だという。
それがmany years agoなんだそうで、本は巡り、再びJunkのもとへ、
で、現在の価格はEuro1,600。

さすがはヨーロッパの老舗書店、そういう顧客のデータベースも残っている訳で。
きっと100年くらいにわたる帳簿が書誌情報なんかと一緒にデータベース化されているんだろうね。
そうした老舗の奥深さをかいま見た瞬間でもあったような。
また、自然に良い本の流れるルートは安定しているよう。
顧客と書店のあいだを同じ本が巡る間に時代とともに価格が上昇していく、
ってのは仕方がないとは思うが、
といわれても、USD1,200 でも結構いっぱいいっぱいだってのに....
でも国内に所蔵先はなく、見たい原記載がいくつか含まれているし...

という逡巡があり、ウェブカタログをチェックしながらのハラハラドキドキの期間が続く。
実際に覚悟を決めたのがその一年後。

しかし良かった!
見てやって下さい、この図版!



やや、褐色のシミが出ているとはいえ、その図版の美しさは失われていない。
やはりこの時代の最高傑作にあたる貝類図譜だと思う。
という熱狂が、今日に続く訳で、
相変わらずネット古書店巡りの日々は続いている。

きのうは妙な巡り合わせで、えらいはしご。
立石「宇ち多゛」→「栄寿司」→浅草「神谷バー」→根津「貴船」→有楽町CL
若林さんと2人のはずが
なぜか宇ち多゛で知り合ったあいちゃん、栄寿司で合流の石さん、
神谷で相席になった先生を巻き込み(引きずられ)つつ
当然今朝は二日酔い。

掘り出し物って?

April 08 [Tue], 2008, 15:05
ひゃあ、2年もあいてしまった。。。。汗
全然、備忘録になっていない。またのんびり始めます、懲りずに。

ウェブが発達して、ネットワークも高速化、ウェブ上の古書店もだいぶ増えて
かつ書店間での情報の流れがスムーズになってしまった昨今、
古書の値づけも平均化してきてるし、
ウェブ上の古書店で掘り出し物なんて存在するのか?
と思っていた今日この頃だったが。

ずっと気がかり(?)で探し続けているシリーズ本がある。

Novitates Conchologicae

ドイツの貝類研究者軍団が出していた雑誌というか、論文集。
2シリーズが存在し、
part 1が陸産(ed. by Pfeiffer, 5 vols)こちらはちょっとぼくには関係ない本。
part 2が海産(ed. by W. Dunker, 1 vol.)これについては以前にちょっと書いた。
本編のpart 2はいろいろいきさつもありながらなんとか入手。そのお話はいずれそのうち。

で、肝心なのはこのシリーズには補遺 supplement が存在すること。
補遺といいながら見事なモノグラフである。
もしかすると専門の人間でもあまり知られていないかもしれないのだが(実はあまり知らなかった)、
この補遺、全7冊ほどがあり、我々日本人研究者にとっては必須な

Dunker, G. 1882. Index Molluscorum Maris Japonici.


とか

Lischke, C. E. 1869-1874. Japanische Meeres-Conchylien.



なんて麗しいやつらがこの補遺のメンバーなのである。

で、時代も時代だし、図版もいいし、
当然お値段も高いんだろうなと思いながらも、そこは bibliophyl、
執念深く飽きずに、ことあるごとに検索をかけ続けていると

あった!

Romer, Eduard 1862. Monographie der Molluskengattung Dosinia, Scopoli, (Artemis, Poli).

ヒットした書店の webカタログには記述がないが、オリジナルの書誌には
[Novitates Conchologicae Supplement 1].
Theodor Fischer, Cassel, vii + 87 pp., 16 pls.
とある。

で、お値段はと、え? Euro 125 ??????
まっさか?え?!

カタログDBの記述を読むと、図付きとある、え?
モノクロ版だから?欠がある?
いやいや、それでも安すぎ。
Dieter Scherenbergの過去のカタログでは少なくとも完本は EUR 750 (!)とかいてある。
もしかしてテキストのみオリジナルで図版はカラ−コピーとか?
全編ゼロックス複写版?
DBに彩色の有無、図版数、状態などの細かい記述がなく、イライラする。
妄想は暴走する。

上の図のように、このシリーズの図版は写真と見まごうばかりに実に繊細、美麗、見事で、
図版を切り離してバラで売ったって1プレート、ゆうに1万くらいで商売できるほど。
(バラにされて売られているプレートを見るとbibliophileとしては涙が出ますが)
それが16枚揃ってって、ぜーったいありえない!

えーい、ままよ、と、勢い発注。
ゼロックス版でも最近は1万位するのもざらだし、まあいいやと(強気)。

で、ドキドキしながら対応を待つ。
書店の対応はなかなかよろしく、ほどなく荷物が届いた!(つづく)
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