回想2

February 18 [Fri], 2005, 23:04
彼は追ってはこなかった。
それはそうだろう。追ってくるくらいなら、彼はあんなことを言わない。
多岐はそういう人だ。
すこし、笑いが漏れる。

自分がこんなに驚いていることが、おかしい。
こんなにショックを受けていることが滑稽で。

笑えた。

クスクスと、声が漏れる。梨紅は、それを隠そうとはしなかった。
流れる涙にも気づかないで、誰もいない自分の部屋で
壁に背を預けて、笑った。

馬鹿みたい。
馬鹿みたいだ。

ついさっきまで、多岐に呼び出されるま では、あんなに信じていた。
多岐は自分と一緒にここを出て行くんだ。
私たちは一緒にいきていく。

そう、思っていた。でも・・・もう、それは・・・。

「約束・・・したのに・・・」

それはもう、ただの幻になってしまった。


そのとき・・・不意に梨紅のドアがなった。

回想

February 18 [Fri], 2005, 21:48
背を向ける。
立ち上がって、背を向ける。
彼女は、どこか、さっぱりとした表情をしていた。
どこか、あきらめたような・・・冷めた目をしている。
彼女の瞳が、冷めているのは、今に始まったことではなかったが、それでも。
いつもとは、何かが確実に違っていた。

視線を感じる。
彼は自分を、自分の背を見ている。
だからこそ、振り返らないと、彼女は決めていた。

彼が出した答えは、予測しなかったことではない。だけど、だからこそ。
信じていた。
そして、それは、裏切られた。

「梨紅」
名前を呼ばれるのが好きだった。

「ごめん、梨紅」
謝らないでほしい。

「わかってほしい」
「わかりたいわ。私だって。だけど・・・納得はできない。」

彼女はそれだけをいうと、その場から歩きだした。
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