memo

2006年11月30日(木) 14時05分





(あぁもう、だから今だよ今、抱きしめてほしいんだよ)





memo

2006年11月30日(木) 14時05分





クレヨン色鉛筆サインペン水彩絵具
青はどこまでも青で遠いから
何で塗っても嘘でしかないって分かってしまう




(空の青さって、何色なんだよ結局)





ストロベリーフェイク

2006年11月27日(月) 12時12分




外はきっとまだまだ暑いんだ、嫌になるくらいに
夜になっても気温は下がらず今日は熱帯夜になるでしょうって
天気予報士が言ってた




(にこやかにそんなこと言われても、腹立つだけだっつーの)




ソファに身体を沈めてかき氷を食べる十代目と
その横で雑誌を読む、おれ
二人だけでいるときはくっついても文句言わないって
おれしか知らない十代目の、秘密だったりして




「食べる?」




急に顔を上げて、何かと思ったらかき氷
おれがじぃっと見てたことを、物欲しそうな視線と勘違いなさったらしい
はいあーんなんて、いかにも人工的な赤さと香りがするそれをスプーンですくって
嬉しいです嬉しいですけど、おれのこと牛ガキと同レベルで見てませんか十代目
どうしよう、なんて固まってたら堪えきれなくなったみたいに、彼は笑った




「ひどいですよじゅうだいめぇぇー‥‥」




からかわれたことに気付いて思わずつぶやいた言葉は
自分で考えてた以上に情けなく響いて
また楽しそうに笑う十代目がかわいくてかわいくて
つられておれも笑った





ひとしきり笑った後に、吐かれた小さな溜息
それはたぶん、いちご味





Fin...






かわいい人は、きっと溜息まで甘いの


ないものねだり

2006年11月27日(月) 12時00分




世の中は徹底的に不公平なんだと思う
神様なんていたとしたらその存在はきっとものすごく人間に近い思考回路なんだ
慈悲の心とか、あったもんじゃないんだよ、ぜったいに




(‥‥なんだかなぁ)




自分がダメツナだなんてことは誰に言われなくたってずっと知ってたことで
良いところを挙げろと言われても特に何も思いつかない
寂しいけど仕方ないよ、なんて諦めもいい加減つくようになったはずなのに
おれを今背中から抱きしめているこの男は、ぜったい神様のお気に入りなんだ
顔が良くて―真剣な目で見つめられるとどうしていいか分からなくなる―
性格も良くて―天然も大概にしろ、と思うこともたまにあるけど―
運動神経は抜群で―手加減できないのは困るか‥‥―
背が高くて―中学生レベルは越えてるよ―
頭の回転が早い―成績が悪いのは野球に時間を使いすぎてるだけだ―
それなのに、それなのに




「やまもとの目から見たおれを、見てみたいなぁ」




だって全くもって理解できない
そりゃぁ、すごくすごく嬉しくてどうしようもなくなるくらいに
ドキドキとかしちゃってるんだけれど
どうしてそんなすごい山本がダメなおれなんかを、すきで、いてくれるの




「なに、それ」
「なんでもないよ」




おれは、おれのことをすきでいられないのに
どうしてだろうなって、思うから
もしかしたら、山本の目から見たら、おれの知らないおれのいいところとか
あるのかなぁって、思うから




ねぇ、神様
人間的ならぜったいに分かるでしょう、この気持ち
すきな人のすきなもをの、すきになりたいんだよ
たとえそれが、嫌いで仕方ない自分でも





Fin...





ぜんぶ、すきだけどなぁ
なんて言ってもらえたら、それはきっと極上のしあわせ




覚醒ロマンス

2006年11月22日(水) 21時50分



疎外感なんて、そんなものいつだって感じていたんだ
純血じゃないっていうのはどこに行ったってそういう目で見られる
慣れてたし当たり前だと思ってたし
―決してそれは諦めだなんて後ろ向きで格好悪い感情とは違うけれど!―
仕方ない、とは思ってた
そんなものなんだ、って思ってた
ただそのときにいつだって感じるもやもやした気持ちがなんなのかなんて分からないし
知りたくもないって見ないふりをしているうちに
本当に忘れてしまった、はずなのに





「何だよもー」
「あはは、ツナごめんって」





いつだって良く笑う、十代目は野球バカと一緒にいるときに
怒ったふうに、拗ねたふうに、楽しそうに、困ったように
いろんな種類はあるんだけどでもその根底にはいつだって好感があった
そんなの、イライラとかそりゃぁするし野球バカが気に食わなかったりもするし
でも十代目の笑顔を見るのはすきだから
必要以上に邪魔をするだなんて無粋なことはしたくない、と一応は思っていた
―十代目に慣れ慣れしく触ったり敬意を払わないのならば別だけど―
ただ、十代目と野球バカの会話に、入れない自分に時々
本当に時々だけどなんだか妙にもやもやした気持ちが渦巻くような感じがして




(なんだっつーんだよ、まじで)




やつあたりみたいに喧嘩を買ったりしては、それでまた疎外感を増幅させる悪循環
何がしたいのか分からないけど何かしたいし
何処にも行きたくないのに何処かへ行きたくてたまらなくて
我知らずに溜息をついた
それを聞かれたくない、いちばん弱みなんてみせたくない人間に聞かれてしまったことを
一生の不覚だと思った






「溜息つくと幸せが逃げるんだぞー」
「うるせぇよ」






いつ見ても能天気そうだな、と思う
こんなやつのどこがいいんですか十代目
ヘラヘラ笑って声をかけてきた野球バカに本当にイライラした





「関係ねーだろ、てめぇは野球だけやってりゃいんだよ」





(いつだって、十代目はお前ばっかり)
(昼休みの屋上は少し居心地が悪い瞬間があるんだ)
(でも認めてしまったらもう、今までみたいに笑えない気がして)
(右腕はぜったい、おれでありたくて)




「‥‥獄寺ってさー、寂しかったのか?」




きょとんとした顔で、黒い目でじぃっとこっちを見て、また能天気に笑う
いつだってお前はそうなんだよ
おれにないものだって両手に溢れるくらい持ってんだろ
寂しいなんてそんな感情、おれは知らないんだ
そんなの、いつだって
だって愛されるという感情を知らないなら寂しいなんて思うはずなくて
だから、だから





「んなわけねーだろが、果たすぞ」





凄んで見せてもこいつには効果なんてない、ばかだから
そんな強がるなよー、なんてまた笑って
おれの背中を叩いたてのひらは少しだけ温かくて
もしかしたら本当にほしかったのはこのてのひらなのかもしれない、なんて
血迷ったことを思ってしまった自分を呪いたくなった







Fin...





気付いてしまった、そのときから君は僕の大切な人だ




言えるわけない

2006年11月20日(月) 0時06分



どうしよう
ただなんとなく感情に任せて目の前で揺れる黒髪に手を伸ばしてしまったんだ
傍から見れば頭を撫でているように見えるんだけど
おかしい、おかしいだろう
男子中学生が男子中学生の頭を撫でる光景




(なにやってんだ、おれ)




いつもみたいにめいっぱい笑った、それはすごく光の白が似合うなぁって思って
それから、それから
よく分からないけど気付いたらそうしてしまっていた
触れた髪の毛は意外にも結構やわらかくて
しかも少し驚いたあと今度は照れたみたいに笑いやがるから




(すき、かもしれないっていうか、すき、なんだけど)




言えない、そんな甘ったるい言葉
拒絶されるされないとかそんな問題じゃない
どうしようもなくなってこの手のひらをどうしたらいいのか分からなくて
ちょっと迷って、形の良い頭を軽くひっぱたいてから手を離した




「お前、何がしたかったの?」




叩かれた部分を抑えて少し不服そうに言う山本が
ちょっと可愛いかもしれない、なんて





Fin...



愛し

2006年11月19日(日) 0時32分



何にも考えてなんていなかった
ただ触れたかっただけ繋がりたかっただけ
正しいとか間違いとかそんなの思う余裕なんてなかった



てのひら吐息言葉くちびる背中みみたぶ粘膜首筋



なんでもいいから君の一部になりたいんだよ
そうすればもう二度と離れたりなんてしなくていいんだ
君の想うことなにもかも手に取るように分かって
そうすればもう喧嘩だってしなくてすむ




だからだからだからだから
繋がりたくて重なりたくて
すきですきですきですきですきですきで







セックスをしても何も変わらないんだ
君は君で僕は僕で
そう思って、少しだけ泣いた
そんな僕を見て君は、笑った




2006年11月19日(日) 0時07分



派手に音を立てて白い雨が降る
朝は晴れてたのにな
この時期の空はひどく移り気だから
傘を常備している―というか、置きっぱなしなだけだけど―自分を、
今日は褒めてやりたいと思った、はずなのに




俯いた足元に水たまり、映る逆さまの景色、雨の音




顔を上げて気付いた、目の前の見慣れた背中
めんどくさそうに歩く後姿、この雨の中で傘も差さずに




「ごくでらー」
「あ?」
「なにお前、傘忘れたの?」
「うるせーな」




背景に雨景色を置いて、振り向いた眉間には相変わらずのしわがひとつ
水もしたたる良い男、なんて思って笑えた




「じゃぁおれも傘差さないで帰ろうかなー」
「はぁ?使わねーなら貸せよ」
「それはやだ」
「あぁ?」




空に向かって伸ばした手のひらは風を掴むことなんて出来なかったけど
落ちた雨粒が作る小さな水たまりは
たぶんずっと、忘れないでいられるかなって、思った





Fin...




原罪の宴

2006年11月18日(土) 23時47分


浅ましいほどに、欲望は止まる事を知らない
ぜんぶを手に入れてもきっと満たされないんだろうな
なんて思ったら、意味も分からず笑いそうになった
皺の寄ったシーツをいやらしいと思うのは
脳裏に焼きついて離れない、涙と常に背中合わせだから




ことの始まりがいつの事だったかなんてもう思い出せない
ただただ、初めて繋がったときのあの感覚は
ぜったい一生、忘れられない





「獄寺、起きてる?」
「んー、なんだよ」
「別に」
「あのなぁ、」
「すき」




目を瞑ったままの山本の髪に指を這わせた
小さく笑った、その姿はまるで猫みたいな




誰も悲しまずに傷つけずに幸せになれたら、なんて
それは夢みたいな話でしかなくて
綺麗事だけじゃ構成されないんだ、この世の中は




触れることも、想うことも罪だっていうなら
純愛も神も、くそくらえだ




Fin...



春咲センチメンタル

2006年11月18日(土) 23時38分




もう春物着れるなぁって感じのふわふわした風が吹く陽気が続くのに
たまに機嫌が悪くなったように、ひどく寒くなる日もある
今日はまさに、そんな日で
昨日までは笑けるくらいに青かった空には、灰色の雲が敷き詰められていた




「寒い、ですね」
「うん」




言葉も少なく歩くコンビニまでの道は思うより長い
隣を歩く十代目の肩が小さく、震えた




「あ、雪?」



先に気付いた十代目が呟いて
つられて見上げた、白い塵が落ちる灰色の空




「寒いはずですね」




この冬最後になるだろう雪を、ふたりで一緒に見れたことが妙に嬉しくて
空から視線を戻した、十代目の頬に雪が落ちて
溶けた雪が滴になって
なんだかまるで、横顔で泣いてるみたいで





「十代目」
「ん?」
「泣かないでください」
「泣いてないよ」





(分かってるけど)
(貴方のそーゆう顔に、おれは本当に弱いんです)






十代目の頬についた滴を指で拭って、手を繋いだ
落ちた白い欠片はアスファルトに染みて消えた
やっぱり春の始まりに降る雪は涙に似ていると、思う





Fin...




季節の境目のひとつひとつを見逃さないように
貴方と居れたら



プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:baby1loveyou
読者になる
2006年11月
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30
最新コメント
Yapme!一覧
読者になる