「シュガー・ラッシュ:オンライン」<7点> 

January 04 [Fri], 2019, 22:10


2019年の劇場鑑賞一発目として、わが子二人と共に映画館に足を運んだ。
キュートで、エキサイティングで、ユーモラスで、感動的な、お正月に子どもと観るに相応しい映画に仕上がっており、映画ファンとしても、父親としても、満足度は高かった。
 
世評は意外と分散している様子だが、個人的には、続編としての“大風呂敷”の広げ方を、舞台設定の必然性、物語構造の妥当性、そして王道的なテーマ性としても、等しく真っ当に纏めていると思う。
 
一方で、賛否が分かれている理由もよく分かる。
確かに、6年前の前作をよくよく思い返してみると、肝心要の主人公コンビのキャラ設定がぶれてしまっていることは否めない。
そして、そのことが前作で描き出されたテーマ性をも崩さんばかりに侵食してしまっていることは、特に前作ファンにとっては残念すぎる要素だったろうと思う。
 
ただし、そういう作品世界の根幹を揺るがしかねないストーリーテリングの脆さを度外視してでも楽しむべき要素がこの映画には溢れていて、そういう映画ファン、ディズニーファン向けの小ネタやメタ要素を見つけていくだけで、只々楽しい。
言わずもがな、歴代ディズニープリンセスが勢揃いした“楽屋ネタ”はアガらずにはいられなかった。

若干空気感の違うメリダに対して、アナが「あの子だけスタジオが違うの」とコソコソ言うシーンでは劇場で一人吹き出してしまったし、モアナが立ち上げた水柱を、アリエルが泳ぎ登り、エルサが凍らせて滑り降りてくる等々の助太刀シーンではわが子を差し置いてはしゃいでしまった。
 
 
とはいえ、そういった小ネタがハイライトとして先行してしまっていることからも、作品の質として前作を越えていないことは認めざるを得ない。
果てしないインターネット世界を描き出した描写も、よく造り込まれてはいるけれど、スピルバーグが「レディ・プレイヤー1」を公開した直後のタイミングでは、レース描写も相まって、どうしても二番煎じ感を拭えない。
それに2時間近い上映時間は、子どもには少々長過ぎたようだった。(4歳の息子には特に)。
 
 
それでもね、この映画が自分の子どもと初めて映画館で観たディズニー映画であることは事実であるし、お正月の良い思い出として残り続けるだろうと思うのだ。


「シュガー・ラッシュ:オンライン Ralph Breaks the Internet: Wreck-It Ralph 2」
2018年【アメリカ】
鑑賞環境:映画館(吹替版)
評価:7点

予告編

「EAST MEETS WEST」<5点> 

January 03 [Thu], 2019, 18:03


三が日の最終日、正月らしく国産の芳醇な娯楽を堪能できる映画を観ようと思い、この岡本喜八作品をチョイス。
数多の名作の中で、今作の評価が高くないことは認識していたけれど、日本映画史が誇る稀代の大巨匠による痛快な娯楽性を楽しめるのではないかと期待した。
結果、全く面白くなかったとは言わないけれど、世間の評価に違わず、かなり「微妙」な映画であることは否めない。
 
時代は幕末、米国から開国を迫られた幕府の使節団の中に密命を受け潜り込んでいた攘夷派の水戸浪士が主人公。
真田広之演じる脱藩浪士が、アメリカ西部に降り立ち、自身の使命と運命に挟まれながら奮闘する。
即ち、サムライとガンマンとニンジャによる夢の攻防戦を娯楽色豊かに描き出すことが最大のコンセプトの映画企画だったのだと思う。
実際、その通りの映画に仕上がってはいるのだが、正直言って全編通して上手くいっていない。
 
先ず、主人公の立ち位置が冒頭からいまひとつ確立されていないのが気になる。
彼が、どういうバックグラウンドを持っていて、どれ程の使命感を持って使節団の中に潜り込んでいたのかが、極めて曖昧なままストーリーは展開されるので、一つ一つの言動に厚みを感じることが出来ず、故に熱さも感じない。
「用心棒」のような主人公の流浪感を狙っていたのかもしれないが、それを表現するには全体的な演出が雑過ぎたと思うし、主演俳優のキャリア的にも浅かったのではないかと思える。
 
個人的に最大の雑音に感じてしまったのは、竹中直人演じる忍者が出自の下僕の存在。
演技プラン自体は、今尚続くお決まりの「竹中直人」そのものなので、彼のパフォーマンス自体を非難すべきではないと思うが、それを是とし、全編通してまかり通させてしまった演出には物凄く疑問が残る。
前述の通り、主人公の人物描写に深みが欠けているため、この映画は文字通り終始“精力的”にはしゃぎ回る竹中直人演じる“為次郎=トミー”のドタバタコメディ映画になってしまっている。
 
クライマックスの対決シーンも、展開的な面白さもなく、焦点も全く定まっていないため、盛り下がる。
恐らくは、「七人の侍」とそのリメイク作である「荒野の七人」をミックスしたような映画世界を見せたかった筈だ。
監督をはじめスタッフ的にも、キャスト陣的にも、本来それが可能な布陣だったと思うが、実現されなかったことは今更ながら残念だ。
 
ただし、二十数年の年月が経ち、国内外で素晴らしいキャリアを積み重ねてきた今現在の真田広之が、再び今作の主演を務めたならば、全く別物のクオリティの映画に生まれ変わるとは思う。
ストーリー上、主人公“上條=ジョー”はアメリカの地に留まっているわけだから、その後の彼の生き様を描いた続編の企画が持ち上がっても良いのではないかと思える。
年老いた“ジョー”のピンチに、ニンジャからインディアンに転身した“トミー”が大群を引き連れて助太刀する様を想像すると、馬鹿馬鹿しくもあるが、それはそれで胸熱だがな。


「EAST MEETS WEST」
1995年【日本】
鑑賞環境:インターネット(Amazon)
評価:5点

「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」<7点> 

January 03 [Thu], 2019, 13:58


原題にも用いられている「Now You See Me」とは、「見えてますね」というマジシャンの常套句の意。
この原題が表す通り、この娯楽映画シリーズは、“何が見えていて、何が見えていないのか”という“トリック”を全編に散りばめながらストーリーを展開させていく。
前作は、その思惑が100%達成できているとは言えないけれど、娯楽映画としての着想そのものはユニークだったし、実力派を揃えたキャスティングも功を奏し、及第点の仕上がりだったと思う。
あからさまな酷評も割りと多かったようだけれど、この映画が“マジック”を描いている以上、素直に騙され、それを楽しむことが、観客としてのマナーだとも思った。
 
 
なので、その続編である今作においても、間違っても「あんなマジックはあり得ない」などと、分かりきった難癖を付けるのは「無粋」というものだ。
映画のストーリー上で、どんなに荒唐無稽なマジックが展開されようとも、「わあ、すごい!」と楽しめる人は心ゆくまで楽しめばいいし、もしそれが出来ないような人は観なければいい。
 
と、少々傲慢な“予防線”を張ってしまった感も我ながら否めないけれど、個人的には前作同様に及第点の娯楽映画を堪能できた。
奇想天外で荒唐無稽な“マジック”を「武器」にした義賊チームによるケイパー映画として、作品のテイストを前作以上に振り切ったことで、より気兼ねなく楽しめる娯楽映画に仕上がっている。
 
ジェシー・アイゼンバーグをはじめ主要キャストは「黒幕」や「悪役」も含めて続投となっているため、安定感はあるものの、ストーリー展開的な驚きはそれ程得られない。(モーガン・フリーマンの役どころなどは、もはやベタ過ぎる)
 
ただ、だからこそ王道的な娯楽を楽しめるという、“ジャンル映画”としての面白味が生まれ始めているようにも見える。
これ以上の続編はおそらく蛇足になると思われるが、義賊チームにおける“チーム感”を更に高め、愛着を得られるようになるならば、例えば「ワイルド・スピード」のような大ヒットシリーズに成長するような「奇蹟」もありえなくは無い。


「グランド・イリュージョン 見破られたトリック Now You See Me 2」
2016年【アメリカ】
鑑賞環境:インターネット(Amazon・字幕)
評価:7点

予告編

スバラシネマAWARDS☆2018 

December 31 [Mon], 2018, 16:15
<スバラシネマAWARDS☆2018>



2018年大晦日
年末恒例「スバラシネマAWARDS☆2018」発表!!

今年は、予想を覆す鑑賞後の感想を抱くことが多かった。それほど期待していなかった作品が、自分の人生において愛すべき映画となったり、その逆もしかりで、評判が良く期待していた作品が個人的にはあまりハマらなかったり。
だけれども、その逆転こそが、映画を観るということの楽しみだと思うし、「想像通りの映画」ばかりだとしたら、それほどつまらないことはない。
「面白そう」「つまらなそう」という固定観念に囚われることなく、来年も幅広いタイプの映画を観ていきたいと思う。


鑑賞本数:70本 
平均点:7.0点(2018年12月31日現在)




作品賞



☆「シェイプ・オブ・ウォーター」

「夜明け告げるルーのうた」

「レディ・プレイヤー1」

「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」

「湯を沸かすほどの熱い愛」

「未来のミライ」

「カメラを止めるな!」

「アリアンヌ」

「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」

「ボヘミアン・ラプソディ」





監督賞



☆ギレルモ・デル・トロ
「シェイプ・オブ・ウォーター」


湯浅政明
「夜明け告げるルーのうた」

スティーヴン・スピルバーグ
「レディ・プレイヤー1」

中野量太
「湯を沸かすほどの熱い愛」

ロバート・ゼメキス
「マリアンヌ」





脚本&脚色賞



☆「湯を沸かすほどの熱い愛」

「シェイプ・オブ・ウォーター」

「カメラを止めるな!」

「マリアンヌ」

「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」





主演男優賞



☆アンドリュー・ガーフィールド
「アンダー・ザ・シルバーレイク」


役所広司
「孤狼の血」

ブラッド・ピット
「マリアンヌ」

ライアン・レイノルズ
「デッドプール2」

ラミ・マレック
「ボヘミアン・ラプソディ」





主演女優賞



☆サリー・ホーキンス
「シェイプ・オブ・ウォーター」


宮沢りえ
「湯を沸かすほどの熱い愛」

マリオン・コティヤール
「マリアンヌ」

シャーリーズ・セロン
「タリーと私の秘密の時間」

マーゴット・ロビー
「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」





助演女優賞



☆杉咲花
「湯を沸かすほどの熱い愛」


レイチェル・マクアダムス
「アバウト・タイム 愛おしい時間について」

アリソン・ジャネイ
「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」

キルスティン・ダンスト
「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」

黒木華
「来る」





助演男優賞



☆マイケル・シャノン
「シェイプ・オブ・ウォーター」


ザック・エフロン
「グレイテスト・ショーマン」

ジョシュ・ブローリン
「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」

ビル・ナイ
「アバウト・タイム 愛おしい時間について」

セバスチャン・スタン
「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」





ニューフェイス賞



☆濱津隆之
「カメラを止めるな!」


キム・テリ
「お嬢さん」

平手友梨奈
「響 HIBIKI」

チュティモン・ジョンジャルーンスックジン
「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」

ラミ・マレック
「ボヘミアン・ラプソディ」





キャスティング賞



☆「湯を沸かすほどの熱い愛」

「グレイテスト・ショーマン」

「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」

「ボヘミアン・ラプソディ」

「来る」





ナイスガイ・キャラクター賞



☆ウェイド・ウィルソン/デッドプール/ライアン・レイノルズ(ライアン・レイノルズ)
「デッドプール2」


ハーマン・ゴットリーブ博士(バーン・ゴーマン)
「パシフィック・リム:アップライジング」

野原しんのすけ
「クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ〜拉麺大乱〜」

日暮隆之(濱津隆之)
「カメラを止めるな!」

フレディ・マーキュリー(ラミ・マレック)
「ボヘミアン・ラプソディ」





ナイスレディ・キャラクター賞



☆逢坂セツ子(柴田理恵)
「来る」


イライザ・エスポジート(サリー・ホーキンス)
「シェイプ・オブ・ウォーター」

幸野双葉(宮沢りえ)
「湯を沸かすほどの熱い愛」

マリアンヌ・ヴェイタン(マリオン・コティヤール)
「マリアンヌ」

メアリー(レイチェル・マクアダムス)
「アバウト・タイム 愛おしい時間について」





最低(最高!)悪役賞



☆リチャード・ストリックランド(マイケル・シャノン)
「シェイプ・オブ・ウォーター」


エリック・キルモンガー(マイケル・B・ジョーダン)
「ブラックパンサー」

サノス(ジョシュ・ブローリン)
「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」

ジンガロ(ルカ・マリネッリ)
「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」

盲人(スティーヴン・ラング)
「ドント・ブリーズ」





特別賞



☆高畑勲
(映画監督・アニメーション演出家)






撮影賞



☆「シェイプ・オブ・ウォーター」

「悪女 AKUJO」

「グレイテスト・ショーマン」

「マリアンヌ」

「アンダー・ザ・シルバーレイク」





特殊視覚効果賞



☆「レディ・プレイヤー1」

「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」

「ジュラシック・ワールド/炎の王国」

「ゴースト・イン・ザ・シェル」

「トランスフォーマー/最後の騎士王」





美術賞



☆「シェイプ・オブ・ウォーター」

「レディ・プレイヤー1」

「犬ヶ島」

「アンダー・ザ・シルバーレイク」

「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」





衣装デザイン賞



☆「グレイテスト・ショーマン」

「女囚701号 さそり」

「シェイプ・オブ・ウォーター」

「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」

「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」





音楽賞



☆「ボヘミアン・ラプソディ」

「女囚701号 さそり」

「グレイテスト・ショーマン」

「夜明け告げるルーのうた」

「響 HIBIKI」





ミステリー・サスペンス映画賞



☆「マリアンヌ」

「お嬢さん」

「ゲティ家の身代金」

「アンダー・ザ・シルバーレイク」

「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」





アクション映画賞



☆「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」

「ジョン・ウィック:チャプター2」

「悪女 AKUJO」

「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」

「バーフバリ 伝説誕生」





SF映画賞



☆「レディ・プレイヤー1」

「シェイプ・オブ・ウォーター」

「クローバーフィールド・パラドックス」

「映画ドラえもん のび太の恐竜2006」

「ジュラシック・ワールド/炎の王国」





ファンタジー映画賞



☆「シェイプ・オブ・ウォーター」

「夜明け告げるルーのうた」

「レディ・プレイヤー1」

「犬ヶ島」

「未来のミライ」





コメディ映画賞



☆「カメラを止めるな!」

「クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ〜拉麺大乱〜」

「犬ヶ島」

「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」

「デッドプール2」





ラブストーリー賞



☆「シェイプ・オブ・ウォーター」

「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」

「マリアンヌ」

「アバウト・タイム 愛おしい時間について」

「アンダー・ザ・シルバーレイク」





ホラー映画賞



☆「来る」

「カメラを止めるな!」

「エスター」

「イット・フォローズ」

「ドント・ブリーズ」





アニメーション映画賞



☆「夜明け告げるルーのうた」

「映画ドラえもん のび太の恐竜2006」

「クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ〜拉麺大乱〜」

「犬ヶ島」

「未来のミライ」





日本映画賞



☆「湯を沸かすほどの熱い愛」

「夜明け告げるルーのうた」

「映画ドラえもん のび太の恐竜2006」

「未来のミライ」

「カメラを止めるな!」





劇場鑑賞作品賞(27作品)



☆「レディ・プレイヤー1」

「シェイプ・オブ・ウォーター」

「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」

「カメラを止めるな!」

「ボヘミアン・ラプソディ」





掘り出し物賞(期待値に対して大幅に満足度が高かった映画)



☆「映画ドラえもん のび太の恐竜2006」

「クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ〜拉麺大乱〜」

「湯を沸かすほどの熱い愛」

「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」

「マリアンヌ」





ガッカリ賞(期待値に対して大幅に満足度が低かった映画)



★「LUPIN THE VRD 血煙の石川五エ門」

「ナイスガイズ!」

「アナイアレイション -全滅領域-」

「エスター」

「メカニック:ワールドミッション」





ベストレビュー賞



☆「響 HIBIKI」
レビュー

「レディ・プレイヤー1」
レビュー

「映画ドラえもん のび太の恐竜2006」
レビュー

「湯を沸かすほどの熱い愛」
レビュー

「カメラを止めるな!」
レビュー





おヒサシネマ!賞



☆「七人のおたく」

「アイアンマン2」

「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」

「八日目の蝉」

「おもひでぽろぽろ」





ワースト男優賞



★ジョニー・デップ
「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」


トム・セレック
「未来警察」

木村拓哉
「検察側の罪人」

ジェイソン・ステイサム
「メカニック:ワールドミッション」

マーク・ウォールバーグ
「トランスフォーマー/最後の騎士王」





ワースト女優賞



★北川景子
「響 HIBIKI」


真木よう子
「孤狼の血」

ナタリー・ポートマン
「アナイアレイション -全滅領域-」

ブリー・ラーソン
「フリー・ファイヤー」

ミシェル・ウィリアムズ
「ヴェノム」





ワースト監督賞



★ヴィク・アームストロング
「メカニック:ワールドミッション」


アレックス・ガーランド
「アナイアレイション -全滅領域-」

ベン・ウィートリー
「フリー・ファイヤー」

ヨアヒム・ローニング エスペン・サンドベリ
「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」

ニマ・ヌリザデ
「エージェント・ウルトラ」





ワースト映画賞



★「メカニック:ワールドミッション」

「アナイアレイション -全滅領域-」

「フリー・ファイヤー」

「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」

「続・深夜食堂」






THE RANKING OF 2018-70MOVIES



1.「シェイプ・オブ・ウォーター」
2.「湯を沸かすほどの熱い愛」
3.「カメラを止めるな!」
4.「レディ・プレイヤー1」
5.「夜明け告げるルーのうた」
6.「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」
7.「ボヘミアン・ラプソディ」
8.「マリアンヌ」
9.「未来のミライ」
10.「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」


11.「映画ドラえもん のび太の恐竜2006」
12.「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」
13.「グレイテスト・ショーマン」
14.「アバウト・タイム 愛おしい時間について」
15.「レッド・スパロー」
16.「道」
17.「クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ〜拉麺大乱〜」
18.「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」
19.「ジュラシック・ワールド/炎の王国」
20.「犬ヶ島」

21.「お嬢さん」
22.「タリーと私の秘密の時間」
23.「アンダー・ザ・シルバーレイク」
24.「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」
25.「来る」
26.「カーズ」
27.「バーフバリ 伝説誕生」
28.「映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜」
29.「ゲティ家の身代金」
30.「ブラックパンサー」

31.「デッドプール2」
32.「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」
33.「響 HIBIKI」
34.「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」
35.「クローバーフィールド・パラドックス」
36.「グーニーズ」
37.「孤狼の血」
38.「ジョン・ウィック:チャプター2」
39.「バーニング・オーシャン」
40.「グレムリン」

41.「悪女 AKUJO」
42.「映画ドラえもん のび太の宝島」
43.「検察側の罪人」
44.「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」
45.「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」
46.「ゴースト・イン・ザ・シェル」
47.「パシフィック・リム: アップライジング」
48.「陸軍中野学校 竜三号指令」
49.「ドント・ブリーズ」
50.「ヴェノム」

51.「エスター」
52.「パラノーマン ブライス・ホローの謎 」
53.「女囚701号 さそり」
54.「キングスマン: ゴールデン・サークル」
55.「イット・フォローズ」
56.「怪盗グルーの月泥棒」
57.「トランスフォーマー/最後の騎士王」
58.「ゲット スマート」
59.「ナイスガイズ!」
60.「未来警察」

61.「エージェント・ウルトラ」
62.「ゴーストバスターズ(2016)」
63.「LUPIN THE VRD 血煙の石川五ェ門」
64.「映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館」
65.「フリー・ファイヤー」
66.「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」
67.「続・深夜食堂」
68.「アナイアレイション -全滅領域-
69.「トムとジェリー スパイ・クエスト」
70.「メカニック:ワールドミッション」



See you next year...☆★

「グレムリン」<7点> 

December 24 [Mon], 2018, 23:07


クリスマス・イブの夜。自身の子どもたちへのプレゼントを傍らに、彼らが寝静まるのを待ちつつ、クリスマスらしい映画を観ようと、今作の鑑賞に至る。
僕自身が3歳の頃の映画で、ポップアイコンとしての“ギズモ”の存在は勿論知っていたけれど、鑑賞自体は初めてだった。

良い意味でも悪い意味でも“ファミリー映画なんだろうな”というイメージだったが、想像以上に楽しめた。
時折ふいに展開されるエグいブラックユーモアを多分に孕んだ描写が特徴的で、徐々にクセになってくる。
映画世界全体のクオリティは決して完成したものではなく、雑多で大味だが、その決してただの“可愛らしいぬいぐるみ映画”ではない明確な「雑味」が、ファミリー層を越えて、ウケた理由なのだろう。

CG以前の時代らしいクリーチャーの味わい深い造形もさることながら、制限のある動きを表現するための巧みなカメラワークも見事。スティーヴン・スピルバーグをはじめ、名だたる映画人たちが集った作品だけの映画的な上手さを随所に感じられた。

恐怖に絶叫しながら、ものの1分程の間に3匹の凶悪グレムリンを惨殺したママが、実は色んな意味で最強だった。


「グレムリン Gremlins」
1984年【アメリカ】
鑑賞環境:インターネット(Amazon・字幕)
評価:7点

「パラノーマン ブライス・ホローの謎」<6点> 

December 23 [Sun], 2018, 23:30


「フランケンウィニー」と「グーニーズ」を掛け合わせたような娯楽性豊かなストップモーションアニメだったと思う。
丹精込めて作られているのであろう、主人公をはじめとするキャラクター造形と、その言動の一つ一つが味わい深く、この手法のアニメーションならではの魅力が滲み出ている。
今や飛ぶ鳥を落とす勢いのアニメーション制作会社ライカの力量を見せつける作品であることは間違いないだろう。

ただし、個人的には、お話的に通り一遍な印象を否めず、物語がクライマックスに突き進むほどに際立った新しさが無かったように思う。
ストップモーションアニメという伝統的な手法を、新たな技術力、表現力で追求しているからこそ、紡ぎ出される物語にも、新しい視点や価値観を加味してほしい。
そうすれば、このアニメーション制作会社の作品が、群雄割拠の業界内でトップに立つことも決して夢物語ではないだろう。


「パラノーマン ブライス・ホローの謎 ParaNorman」
2012年【アメリカ】
鑑賞環境:インターネット(Amazon・字幕)
評価:6点

予告編

「来る」<8点> 

December 23 [Sun], 2018, 18:00


結局、最も凶悪でおぞましい存在の極みは、お化けでも、妖怪でも、怨霊でもなく、「人間」であるということが、この物語の発端であり、着地でもあった。
その物語のテーマ性は、劇中の台詞の中にも登場するが、「ゲゲゲの鬼太郎」の時代から“ホラー”の中で延々と語られているものだろう。
ただし、そのある種普遍的なテーマ性を孕んだストーリーを、中島哲也監督が盤石のキャスト陣で映画化したならば、そりゃあ例によって“劇薬”的な映画になるに決まっている。

「下妻物語」以来のこの監督の作品のファンだ。特に直近の2作品「告白」、「渇き。」は、ただでさえ過激な原作世界に、中島監督ならではの悪意とインスピレーションを盛り込んだ映画づくりにより、クラクラしっぱなしの映画体験を食らわされた。
ビビットな映画的色彩の中で、醜く、滑稽な、人間の本質的な闇を浮き彫りにすることにこの監督は長けている。
そして、その人間描写をジメジメと陰鬱に描き出すのではなく、まるで悪魔が高笑いをしているかのような豪胆さ、即ち“エンターテイメント”を全面に打ち出してくる作風に、毎回ノックアウトを食らうのだ。

今作では、“ほぎわん”という恐怖の対象をある種のマクガフィン的にストーリーの主軸に据え、それに対峙する人間たちがそもそも抱えていたドロドロとした闇を、おぞましく、破滅的に描きつけている。
章立てされた群像劇的なストーリーテリングの中で、主要キャラクターを演じた俳優たちはみな素晴らしかったと思う。

妻夫木聡は、前作「渇き。」に引き続き、実に愚かなクソ野郎ぶりを見事に見せつけてくれる。
黒木華は、「リップヴァンウィンクルの花嫁」と似たようなキャラクターを演じているな〜と思わせておいて、一転、心の闇を爆発させる女性像を痛々しく体現する。
岡田准一は、もはや貫禄を帯びてきた俳優力で、途中登場ながら主人公としての存在感を放っていた。
松たか子、小松菜奈による中島映画歴代ダークヒロインコンビは、あまりにも魅力的な霊能者姉妹を演じ、彼女たちが再登場する続編を観たい!と思わせた。
青木崇高、柴田理恵をはじめとする脇役、端役の面々も、それぞれがキャラクターの存在感を放ち、映画世界をより重層的に彩っていたと思う。

と、総じて満足度の高い期待通りの映画であったことは間違いはない。
ただし、前述の過去2作と比べると、何か一抹の物足りなさが残っていることも否めない。
思うに、この監督と、このキャスト、そしてこのストーリーであれば、もっともっと弾け飛ばせれたのではないかと思える。
ラストの「対決」に至るまでの盛り上がり方は最高だったが、肝心の対決そのものの描写、そして映画の締め方が、この作り手にしては大人しく萎んでしまったように見えた。

いかにもなジャパニーズホラー的な起点から、自らそれを嘲笑うかのような終着へ導いているのだから、もっと爆発的で破壊的な顛末を見せて欲しかったと思うのだ。
この一抹のフラストレーションを、あの夥しい血流の中できっと生き抜いているであろう霊能者(姉)が祓ってくれることを望む。


「来る」
2018年【日本】
鑑賞環境:映画館
評価:8点

予告編

「ボヘミアン・ラプソディ」<9点> 

December 15 [Sat], 2018, 18:38


嗚呼、なるほど。この作品は、もう「映画」という領域の範疇を超えているのだと思った。
世代も、無知も、趣向も、もはや関係ない。
この映画と、描き出された人たちのことを何も知らなくても、スクリーンを通じて目の当たりにしたものに、只々、涙が止まらなくなる。
これは、そういう映画だ。

1981年生まれの自分は、クイーンのことを殆どよく知らないと言っていい。
もちろん、バンド名や、フレディ・マーキュリーという固有名詞は、どこかしらで幾度も耳にしたことはあるし、幾つかの代表曲についても耳馴染みはある。
ただし、どの楽曲もフルコーラスで聴いたことは無かったし、クイーンというバンドと、フレディ・マーキュリーという人物が、「時代」にとってどれほど重要で、どんなに愛されていたかということを、認識していなかった。

今作のインフォメーションを見聞きしても、昨今立て続けに製作されているバンドの固定ファン向けの半ドキュメンタリー的な映画なのだろうと、まったく興味を惹かれなかった。
たが、国内公開からしばらく経ち、各種報道番組で特集が連発される“過熱”ぶりを見るにつけ、一映画ファンとして流石に無視できない心境になり鑑賞に至った。

そして冒頭の所感にたどり着く。想定を大いに超えて、圧巻の映画体験であったことは間違いない。
無論、大前提として、クイーンという唯一無二のバンドが実際に存在し、彼らの音楽がそのまま使用されていることが、この映画の価値の9割以上を占めていることは明らかだ。
だが、その稀有な存在性の何たるかを、映画世界の中で“再現”しきったことが、やはりあまりに奇跡的なことだったのではないかと思える。

“再現”という言葉を使ったが、それはこの映画で描き出されたことの総てが“リアル”だというわけではない。
随所において、事実とは異なる経緯だったり、人物たちの言動を創作し、巧みに散りばめている。
だがしかし、その事実に対する改変が、イコール「虚偽」ということにはならない。
それは、クイーンというバンドの存在性、そしてフレディ・マーキュリーという人間を描く映画を生み出す上で、必要不可欠な“脚色”であり、だからこそ、今作は映画としてもきっぱりと優れているのだと感じる。

時代を越えて、国境を越えて、価値観を越えて、偉大な音楽がより一層多くの人に愛されていく。
映画に限らず、音楽に限らず、「表現」を愛する者にとって、それは何よりも幸福なことで、その多幸感にまた涙が溢れ出る。


「ボヘミアン・ラプソディ BOHEMIAN RHAPSODY」
2018年【イギリス・アメリカ】
鑑賞環境:映画館(字幕)
評価:9点

予告編

「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」<8点> 

November 29 [Thu], 2018, 23:55


何とも言えぬ後味。感情の深い部分にねっとりとへばりつくような余韻も残しつつ、潔さも感じる。
監督はソフィア・コッポラ。そう、彼女の映画はいつだって痛々しいほどに、潔い。

南北戦争の最中、負傷し南部の森の中を彷徨う北軍兵士の男が、自給自足の暮らしを営む女学院にたどり着く。女性の園に突如として現れた異分子(=男性)をめぐり、恐怖と、疑心と、抑えきれない欲望が渦巻く。
序盤から、ソフィア・コッポラらしい繊細かつ艶めかしい女性描写が際立っている。
森の中で鼻歌交じりに“キノコ”採取に勤しむ少女の描写からはじまり、溢れ出る欲情を抑え込みながら負傷兵の体を丹念に拭く校長(ニコール・キッドマン)、鬱積した人生からの解放を望む教師(キルスティン・ダンスト)、早熟で積極的な少女(エル・ファニング)、一人ひとりの女性の押し隠してきた感情が徐々に確実に露わになっていく様が、丁寧に描き出される。

この映画を「潔い」と感じたのは、まさにその女性たちの感情の変化に焦点を絞り、他の要素を極力排除していることだ。
舞台となる女学院の背景や、負傷兵の人物像については、敢えて表面的な表現に留め、不要なドラマ性を避けているように見えた。
そうすることで、女性たち個々人の人物像と感情が、シンプルに際立っていたのだと思う。

恐怖と疑心を経て、女性たちはときめき、欲情し、葛藤と嫉妬が次第に憎悪へと変遷していく。
その感情の流れのみに焦点をあて、没入していくことが、この映画で堪能すべき要素であり、この映画世界の魅力であろう。

今作は、1971年公開の「白い肌の異常な夜」のリメイクとのこと。同作が主演のクリント・イーストウッドが演じた負傷兵(男性)の目線で描き出されたのに対し、今作は女学院の面々の目線から描き出したことで、リメイクの価値、改変の価値を高めたのだと思う。
最初からソフィア・コッポラ自身が主導した企画だったのだと思うが、極めて的確なチョイスだったと思える。


「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ The Beguiled」
2017年【アメリカ】
鑑賞環境:DVD(字幕)
評価:8点

予告編

「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」<7点> 

November 27 [Tue], 2018, 23:46


昨年、世の好事家たちを唸らせたストップモーションアニメの今作をようやく観ることができた。
近年、ストップモーションアニメの進化が目覚ましい。
撮影技術の進化、3Dプリントをはじめとする造形技術の進化など、技術的な革新はもちろん大きかろうが、何よりも大きな要因は、観客も、作り手も、あらゆる作品に対して、本物の質感を強く求めるようになったことではないかと思う。

CG映像の隆盛に伴い、観客はもはやどんなリアルに見える映像を目の当たりにしても、驚かなくなった。映像上で何が起こったところで、「ああCGか」の一言で済ませてしまう。
言い換えれば、映し出される驚愕の映像がリアルであればあるほど、実際には触れないモノ、質感がないモノだと、無意識レベルで認識してしまっているのだと思う。
当然ながら、そういう感情を抱かせてしまった時点で、そこに観客の熱量は生まれない。観客の熱量を感じられないものに対して、作り手も熱量を注ぐことが出来なくなっている。

そこで再注目されている手段が、原点回帰的な特撮技術だったり、今作のようなストップモーションアニメなのだと思う。
人を形どったものに命を吹き込むというプロセスは、古来より世界中の文化が共通して培ってきたものであり、そこから溢れ出る芸術性と愛着感は、我々一人ひとりのDNAレベルに刷り込まれているのかも知れない。

そうして生み出された世界観とキャラクターが、これまた「物語」そのものの根幹に迫るテーマを紡ぎ出す。

「結末」があるからこそ、物語は美しく、価値が生まれる。
人は、心が弱ると、ついつい必要以上に「終幕」を恐れてしまう。
だが、結末を迎えた物語は、決してそのまま消えてなくなってしまうわけではない。

一つの物語を、また別の者が語り、紡いでいくことで、その価値は幾重にも折り重なり、新たな物語を生んでいく。
それは、「人生」の理とまったく同じだろう。

この世界は、そういうふうにできている。


「KUBO/クボ 二本の弦の秘密 Kubo and the Two Strings」
2016年【アメリカ】
鑑賞環境:Blu-ray(字幕)
評価:7点

予告編
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映画の善し悪しは、結局、「好き」か「嫌い」かだと思う。 つらつらと語ってみたところで、詰まるところ、それ以上でも以下でもない。 それで良いのだろうと思う。