タイトル未定

May 12 [Mon], 2008, 1:02
エスカレーターを駆け下りた先には
一面硝子張りの壁と、回転扉

勢いよく回転扉を抜けた先に立っていたのは、
大学一年生の時に好きだった、藤田君だった。

私は、彼の左腰骨の上を
ナイフで差したとき、泣いた。

「好きだった。」
倒れそうな彼を支えながら言った。
彼は、苦しそうな笑顔で
「ありがとう」と唇を動かした。

彼の顔に、
涙が落ちる。


彼を寝かせて、
そっと、キスをした。

何故、私は、彼を置き去りにして
逃げなければならないのか?

気持ちとは裏腹に、
階段を駆け下り、見知らぬ路地を走る。



駅の近くのロータリーにでた。
遠くには工場が見える。


私は、死ぬつもりだった。
本当は、彼を刺したあと、そのナイフで。


なのに、逃げている。
必死で。


でも、これで死ねる。


あのガスタンクに飛び込むんだ。
ポケットの中のマッチで、火を点けて。




そういえば、ガスタンクを真下から観たことが無かった。
丸い。丸い。
高架下のような、圧迫感。


少し、工場内を歩いていたら
飛行場が見えた。

色とりどりの、飛行機
思わず、レンズをむける、が、
少々遠すぎる。

近くで、撮りたい。


そんな衝動にかられているその時、
サイレンが遠くからきこえた。



高速道路は、下り坂だから
地面を蹴る必要はない。
スケートボードで、誰もいない道路を滑る。


飛行機を真下から見上げたり、
しながら、
一人の男の子と出会うのは、まだもう少し先のお話。
  • URL:https://yaplog.jp/areyouhollow/archive/190
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