理由

May 22 [Thu], 2008, 21:00
この度は宮部さんの直木賞受賞作の長編を読ませていただきました。思ったよりすいすい読むことが出来ずに読みきるのに1ヶ月ほどかかってしまいましたが・・・

【内容】
事件はなぜ起こったか。殺されたのは「誰」で、いったい「誰」が殺人者であったのか―。東京荒川区の超高層マンションで凄惨な殺人事件が起きた。室内には中年男女と老女の惨殺体。そして、ベランダから転落した若い男。ところが、四人の死者は、そこに住んでいるはずの家族ではなかった…。ドキュメンタリー的手法で現代社会ならではの悲劇を浮き彫りにする、直木賞受賞作。

【宮部みゆき】
1960(昭和35)年、東京生れ。’87年「我らが隣人の犯罪」でオール読物推理小説新人賞を受賞。’89(平成元)年『魔術はささやく』で日本推理サスペンス大賞を受賞。’92年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、『本所深川ふしぎ草紙』で吉川英治文学新人賞を受賞。’93年『火車』で山本周五郎賞を受賞。’97年『蒲生邸事件』で日本SF大賞を受賞。’99年には『理由』で直木賞を受賞。

【感想】
宮部作品を読むといつも思うのですがこれが本当に同じ作者が書いたものなの?と言う印象が強いです。今作品は謎解きやミステリーの類とは違い殺人事件を追ったルポタージュ形式のミステリー小説であります。多くの登場人物の人生を細かに語っているのでページ数も600頁以上とかなり長い小説になっていますが彼らのルポを読んでいかない限り事件の真相も明らかにはならないので読むことを止めることこそありませんでしたが途中でこの形式に飽きたのが事実です。勢いでどんどん頁をめくってしまうような小説とは少し違って読まないと先に進まない迷路に入ったような感じでした。感想としては作品の手法も斬新だし、バブル崩壊時と同時に崩壊してしまった家族やいろんな問題を抱えながら生きている家族の内情が手に取るように分かり興味深い作品だったのですが何かいつものように宮部ワールドにはまることは出来ませんでした。読み手の私の読む力の低さに問題があるのかもしれないですが・・・

評価★★★★★★(6点/10点満点)

パーフェクト・ブルー

May 31 [Thu], 2007, 14:27
この本は宮部さんの初長編だなんて全く知らないで読んでいたのですが、もうこの頃から宮部ワールドは確立されていてそんな昔に書かれた作品だとは感じないくらいに素晴らしい1冊でした。

高校野球界のスーパースターがガソリンを全身にかけられ焼死するというショッキングな事件が起こった。たまたま事件現場に行き合わせた弟の進也と、蓮見探偵事務所の調査員・加代子、そして俺――元警察犬のマサは、真相究明に乗り出す。社会的テーマと卓抜な人物描写で今日を予感させる鬼才・宮部みゆきの記念すべき爽快なデビュー長編。
高校野球界のスーパースターが全身にガソリンをかけられ、焼き殺されるというショキングな事件が起こった。俺、元警察犬のマサは、現在の飼い主、蓮見探偵事務所の調査員、加代子と共に落ちこぼれの少年、諸岡進也を探し当て、自宅に連れ帰る途中、その現場に遭遇する。犬の一人称という斬新なスタイルで、社会的なテーマを描く、爽快な読後感の長編デビュー作、待望の文庫化。


評価★★★★★★★★★★10点/10点満点

【宮部みゆき】
東京都江東区に生まれ、東京都墨田川高等学校卒業。小説を書き始めたのは23歳からで、法律事務所に勤務しながら講談社フェーマススクール・エンタティメント小説教室を受講する。
その後、1987年に短編の「我が隣人の犯罪」でオール読物推理小説を受賞し、文壇にデビューする。
その後、1988年「かまいたち」で第12回歴史文学賞佳作に入選、1992年「龍は眠る」で第45回日本推理作家協会賞を受賞、など様々な賞を受賞する。


物語はマサと言う名の犬の語りで進んでいきます。その着眼点が犬好きの私にはすごく楽しくってぐんぐん読むことが出来ました。サスペンス、家族愛、人間愛、動物愛からいろんな要素が含まれている話で本当にすごいスピードで読み終えてしまいました。マサのシリーズは他にもあるようなので宮部さんのほかの作品も読み漁りたいと思います。彼女は天才に違いないですね。

ブレイブ・ストーリー(下)

October 17 [Tue], 2006, 19:00
立ちはだかる困難を前に、ワタルの願いは叶うのか?大感動のフィナーレ!

天空を翔るファイアドラゴン、ジョゾの背に乗って北の帝国に向かうワタルたち。目指すは皇都ソレブリアにそびえる運命の塔。が、うちつづく闘いに傷つき、命を失う仲間もあらわれ・・・。ミツルとの死闘を制し、ワタルは女神と出会うことができるのか?現世の幸福と幻界の未来。最後に選ぶべきワタルのほんとうの願いとは――。運命に挑んだ少年の壮大なる旅を描いて、勇気と感動の涙をもたらす記念碑的超大作、ついに完結!

とうとうワタルの旅もフィナーレを迎えてしまいました。なんだか寂しいようなほっとしたような感じで今は幸福感でいっぱいです。人間にとって何が一番大切なのか私も知ることが出来ました。
小さなワタルの願いは自分の憎むべき人生を変えてもらうように女神様に頼むことでしたが、この旅を通じて何が一番大切かということを知り、自分が願うべき本当の答えを出すことが出来ました。人間は人を憎んだり差別したりする気持ちは誰にでもありますが成長の過程で物事の真意を知ることになります。それにはいろんな友達や経験を通じて知ることになるんですが、ワタルはこの旅を通じて友達の大切さ、平和の大切さなどを知って更に優しくたくましい少年に成長することが出来ました。自分の困難な人生を憎むのではなくまず自分が変わらないといけないという事が一番大切なんだと知ることになります。自分が変われば人生も変わる、人生は自分で切り開くものなんですよね。諦めた時点で終わりなんですよ。私自身にもいい教訓になったように感じています。

私が一番好きなキャラはファイアドラゴンのジョゾです。まだまだ子供のドラゴンなんだけどワタルの役に立とうと頑張る姿が健気で可愛かったです。それにやっぱり頼もしいキ・キーマです。ワタルのことを優しく見守る様はいいお兄ちゃんのようでした。

やがてワタルは成長と共にこの旅のことも忘れてしまうだろうけど、この経験で得たものは一生の宝物になることでしょう。

このお話はアニメ化されたのですが私はハリウッドで実写版の映画を作って欲しい!って真剣に思いました。スピルバーグかジョージ・ルーカス辺りが興味を持ってくれればいいのになぁ。

ブレイブ・ストーリー(中)

October 03 [Tue], 2006, 15:52
広大な異世界、幻界でワタルを待ち受けていたのは何か大冒険スタート!

僕は運命を変えてみせる――。剣と魔法と物語の神が君臨する幻界でワタルを待ち受けていたのは、さまざまなモンスターに呪い、厳しい自然、旅人に課せられた数々の障害だった。大トカゲのキ・キーマ、ネコ族のミーナらとともに、ワタルは五つの宝玉を獲得しながら幻界の旅をつづける。先をゆくライバル、ミツルの行方は?ワタルの肩にかかる幻界の未来は?胸躍る場面が次々展開する和製ファンタジーの金字塔!


中巻をとうとう読み終えました。上とはがらりと雰囲気も変えて『ハリポタ』のようなファンタジー一色になり上よりも続きを知りたいと言う気持ちが強くなってどんどん読み進めることが出来ました。これぞゲームの世界と言うような世界観でだい冒険の中でいろんな人に出会って成長していくワタルを見守っていると母親のような気持ちで読んでいました。

文中ですごく心に染みた部分があるので抜粋します。博士の言葉より

『差別も破壊も憎しみもあなたならば、友情も優しさも勇気もあなたじゃ。己だけはヒト柱になりたくないと焦るのもあなたならば、ヒト柱を要求する女神さまに怒りをおぼえるのもあなたじゃ。他種族を差別し、この世の不都合をすべて彼らのせいにして済まそうとする輩もあなたなら、我が身をかえりみず他者を助けようとするのもあなたなのじゃ。あなたは何度も命の危険にさらされた。あなたを殺そうとするものが、幻界にはおる。それもあなたじゃ。しかし一方で、何の損得勘定もなしにあなたを助け、あなたの力になろうとする仲間もおる。それもあなたじゃ。』

『運命を変えたい』そう願って旅を続けるワタルですがいったい自分が何を望んでいるのか、正しい道とは何なのかが分からなくなって迷っている時に言われた言葉です。どんな人間にも自分と違うものを差別してしまう心や、他人を憎んだりする心もあって、また人を好きになり心からその人の助けになろうとする気持ちもあったりと・・・人間の気持ちって複雑だなと改めて思いました。ワタルの旅する幻界はワタルの心を写しているということは・・・差別があるのもワタルの心、争いがあるのもワタルのせいだということになりますよね。

自分の幸せだけを追求したら誰かにしわ寄せが来る、しかし人の幸せだけを追求したらいつか自分がうまくいかなかった時にあの時こうすればよかったななんて後悔するかもしれない。人生ってバランスが大切だけど正しい選択をするのは難しいですね。人を羨んだり、見下したりと醜い部分も人間の心です。自分の仲間を大切にしてそれ以外のものを差別したり攻撃したりするのもまた人間の心です。完璧な人間なんていないから面白みのある世界になるんだけど、いじめや差別で傷ついている人も沢山いるのが現実です。ワタルはこの旅を通じてどのように成長するのかが本当に楽しみです。母を父を思いやる心も強くなるだろうし、父に対しての批判的な考えはどのように変化するのかも楽しみです。あともう少しワタルの旅を見学できるのが楽しくて仕方ありません。下巻はすぐに読み終っちゃいそうだな。なんだか寂しくもある複雑な気持ちです。

ブレイブ・ストーリー(上)

August 22 [Tue], 2006, 19:00
僕は運命を変えてみせる――。勇気と感動の冒険ファンタジー

小学5年生の亘は、成績はそこそこで、テレビゲームが好きな男の子。大きな団地に住み、ともに新設 校に通う親友のカッちゃんがいる。街では、建設途中のビルに幽霊が出るという噂が広がっていた。
そんなある日、帰宅した亘に、父は「この家を出てゆく」という意外な言葉をぶつける。不意に持ち上がった両親の離婚話。これまでの平穏な毎日を取り戻すべく、亘はビルの扉から、広大な異世界――幻界へと旅立った!



【宮部みゆき】
1960年、東京生まれ。87年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。89年『魔術はささやく』で日本推理サスペンス大賞、92年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、『本所深川ふしぎ草紙』で吉川英治文学新人賞を受賞。93年『火車』で山本周五郎賞、97年『蒲生邸事件』で日本SF大賞を、99年には『理由』で直木賞を受賞した。著者に『レベル7』『あやし』『模倣犯』『あかんべえ』『ドリームバスター』など多数。

宮部作品は『模倣犯』を読んだだけなのですが、なんとなくオカルト的な作品を書く作家というイメージがあります。しかしこの作品はいろんな要素を満遍なく盛り込んで大変面白い小説に出来上がっていました。映画化されたことがきっかけで読んだのですが宮部ワールドにどっぷりはまってしまい、初めはあまり引き込まれず中も下も読まないかなって思ったんだけど、中盤辺りから夫婦間の微妙なずれや、子供と大人、両親の関係などを鋭い視点で書かれてあったので大変興味深く読むことが出来ました。男の子特有の考え方、お父さんであって男である、そして母親であって女である両親の視点も理解できて引き込まれていきました。ファンタジーでありドロドロした人間模様であり面白い融合の作品を読むこが出来ました。中・下も読む予定なのでどんな展開になるか楽しみだなぁ。
P R
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