源氏物語絵巻 火葬 狩野派

2012年04月11日(水) 17時32分

源氏物語絵巻 狩野派 メトロポリタン美術館

源氏物語絵巻 狩野派 メトロポリタン美術館
源氏物語では火葬が行われている。当時は土葬、庶民は風葬が多かったが貴族階級では火葬だった。鳥辺山の「葵の上」、旧暦八月十五日の「紫の上」の火葬の場面がある。

この源氏絵巻が誰の火葬の場面なのかがわからない。呪願の僧正、導師の僧都らが描かれている。

二人とも時を隔てて奇しくも八月十四日に息を引き取る。「葵の上」は蘇生術を試みたためか、火葬と葬儀は八月二十日過ぎのことだ。

「紫の上」の手紙を焼く場面は八月十五日。この日に火葬されている。「竹取物語」で八月十五日に月へ帰ったかぐや姫から贈られた不死の薬を帝が焼く場面から、この日に火葬と手紙を焼いた。


茶毘を行う (火葬 Cremation)

念仏を唱える僧侶、葬送の人々、弔問の使者

寺々の念仏僧

従者たち、薄くたなびく煙
ざっと目を通すと、葬儀、火葬の場面は「葵の上」に書かれていた。

こなたかなたの御送りの人ども、寺々の念仏僧など、そこら広き野に所もなし。院をばさらにも申さず、后の宮、春宮などの御使、さらぬ所々のも参りちがひて、飽かずいみじき御とぶらひを聞こえたまふ。

そうすると、このメトロポリタン美術館所蔵(The Metropolitan Museum of Art)の「源氏物語絵巻」(Genji monogatari e-maki)は、第9帖「葵」(Chapter 9 Aoi)の巻なんだろうか。

鳥部山もえし煙もまがふやとあまのしほやく浦みにぞゆく

紫式部が仕えた一条天皇の中宮藤原彰子。1011年には一条天皇の葬儀で火葬が行われている。