山田あかねの一喜一憂日記

2004年10月05日
(記事数:1)

悲しい雨

2004年10月05日(火) 17:04
10月3日(日)に日本に戻ってきた。
成田に着くと、ものすごい雨。その上、気温もぐっとさがっている。
使い古された比喩だが、浦島太郎の気分。夏はすっかり終わっている。
待ち受けていたのは、成田→東京間の激しい渋滞。排気ガスと灰色の空、派手な看板の連なりに、しみじみ、故郷に帰ってきたんだと思う。

自宅の留守電には、女優・金久美子さんの訃報が入っていた。

金さんとは、tbsのお昼のドラマ「コスメの魔法」でご一緒した。放送は今年の1月〜3月だが、収録はちょうど去年の今頃から始まった。
収録前に、金さんと親しいプロデューサーから、金さんが胃の手術直後であることは知らされていた。けれど、そんな重篤な病気を抱えているようには全く見えなかった。
まず、とてもきれいな方だった。亡くなられて初めて年齢を知ったが、実年齢よりずっと若く見えた。現場ではいつも明るく、そしてとても元気そうだった。
そして、きっちり芝居を作ってこられていた。

金さんが演じられたのは、主人公(萬田久子さん)の親友の精神科医。知的でさっぱりしているキャラクターが金さんにぴったりだった。ひとつひとつのシーンをとても丁寧に演じられ、迷いのない方だった。
はじめての昼のドラマで、スケジュールをこなすのが精いっぱいの私を、きっと、駄目な監督だと思っておられたかもしれない。芝居は、ほとんど、金さんにはおまかせだった。ちゃんとお話する時間もなく、番組は終わり、金さんは旅立たれた。
すみませんでした。頼りない監督で。ひとことくらい伝えたかったな。

昨夜、金さんのお通夜に行く。
演劇、映画、テレビ界から届けられたたくさんの花が並んでいた。
金さんと親しい方から、いろいろな話を伺う。
昨夏には、癌であることを知り、余命1年と言われて、最後まで仕事をしたい、と仰り、
今年の春くらいまで、舞台、テレビドラマ、ナレーションなどの仕事を続けていたと言う。
抗ガン剤を打ちながら、演じ続けたそうだ。
ほんとに意志の強い方だったんだと思う。
頭の下がる思いだ。

金久美子さんのご冥福を心からお祈りします。

            山田あかね 拝



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作家・TVディレクター・映画監督
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