目から噴射して描く「涙アート」

October 14 [Mon], 2013, 11:26
やミウリスの民まで巻き込んで傭兵団を作るつもりなのだろうと想像する。普通の者が聞けば余りに馬鹿げた構想だが、アルフィリースなら、自分が心底恐れた親友の弟子ならばやってのけそうな気がするのだった。omega スピードマスター

「そう、上手くいくとは思えないがね」
「やってみもせずに挫けるのはよくないわ」
「若いな、だがそれが良いのだろうか。だが一つ聞きたい。もしここで有無を言わさず、私が君の首を落とすつもりだったら?」

 ハウゼンが毒気のない顔で問うたが、アルフィリースは毒舌を持って応じた。

「その時は申し訳ないですが、宰相の首を頂くことになったかと」
「馬鹿な、どうやって?」
「こうやって」

 アルフィリースがぱちんと指を鳴らすと、突如としてヴェンの後ろにエアリアルが、ハウゼンの後ろにターシャとラキアが出現した。ユーティもいつの間にか、アルフィリースの肩の上に乗っている。唐突な人間達の出現に面喰ったハウゼンだが、すぐに冷静さを取り戻す。

「そうか、魔術か」
「そういうこと。認識阻害の魔術ってやつよ」
「なるほど、アルドリュースはやはり魔術を多用していたのだな。でなければ、あれほど都合よく物事は運ばないか」

 ようやく納得のいったハウゼンを前にアルフィリースは得意げに語ったが、別に彼女が魔術を使ったわけではない。実際にはラキアが用いたわけであるが、そのような事をハウゼンに知らせる必要性もないとアルフィリースが考えたのだ。
 エアリアルは会食の時にくすねたナイフをヴェンの喉元に当てているわけではあるが、それにしてもヴェンは微動だにしなかった。ハウゼンよりも動揺が少なかったのはヴェンの方かもしれないと、アルフィリースは訝しんでいた。
 そして、ハウゼンが降参の姿勢を取る。

「ふむ、ここは私の負けだな。では先の約束通り娘は君に預けることとしよう。そして定期的に我が国からも騎士隊を派遣する。私に対して君が希望する事はそれでいいだろうか?」
「そうね、細かい事は追って話しましょう。それにしても貴方が話のわかる人物で助かったわ」
「何、我が家を血で汚したくなかっただけさ。お互いに怪我のない方がいいだろう? それでは再び場所を変えようか。細かい話は私の書斎でどうかな」
「構わないわ」
「では少し間をおいてから来たまえ。話し合いの準備をしておこう」オメガ アクアテラ

 アルフィリースが頷くと、ハウゼンはヴェンと共に彼は庭園を後にしようとする。その背中を見ながら、エアリアルがそっとアルフィリースに近づいた。

「アルフィ、あのヴェンと言う男」
「やっぱりエアリーも同じことを思ったのね?」

 アルフィリースが渋い顔でエアリアルの方を見る。

「あの人、想像以上に強いわ。もしかするとアルベルトに並ぶくらい強いかも」
「我はアルベルトなる者を知らないが、あの場でこちらが本気で彼らを殺そうとしていたら、我々も危うかった。おそらくあの騎士は、自分の首をかき切られようが、ハウゼンを守るために突進するのをやめなかっただろう。それほどの気迫を感じた。あれが騎士か」
「騎士ってのは人種が厄介ね。主人のためなら自分の命もお構いなし、か」

 去りゆくヴェンの背中を見ながら、アルフィリースは騎士という生き物の恐ろしさを実感すると共に、あれほど自分に忠義を尽くす部下が欲しいとも思うのだった。
 そして庭園から出ようとするハウゼンに、思い出したようにアルフィリースが声をかけた。

「ハウゼンさん! もう一つ先に聞いておきたいことが!」
「うん? 何だね?」
「トリュフォンという男の事、知りませんか?」
「トリュフォン?

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