1958年二輪車・バイク広告集(90)サンライト

January 04 [Thu], 2018, 13:31


1950年代二輪車・バイク広告集(90)

1958年



三輝工業株式会社

(東京都千代田区神田美土大町)

 厳密にいえば三輝工業は販売元で製作しているのは板垣株式会社(群馬県伊勢崎市本町)である。しかし、ここでは便宜上三機工業をサンライト製品の製造元と言っておこう。
 三機工業といえば各種電気装備部品を扱っていたが、29年頃より小型取付用の補助エンジンを扱うようになった。
 初期はローラー駆動用の50ccと60ccの取付エンジンのみであったが、その後車種を増やしてベルト駆動の完成車も製作したことがある。現在は50cc、60ccのローラー駆動式補助エンジンとVベルト駆動式の50cc、60cc、完成車としては90cc,125ccのキングモーペットと125ccクインモーペットの合計7種類の製品を出している。サンライトの完成車はいずれも自動変速装置を採用している。


キングモーペットC―1型 125cc

 
 125ccクラスとしては珍しい自動無断変速装置を採用している。これは現在125cc車でも3段から4段多段変速装置を採用したものが多く見られるとき、対照的な存在である。現在スクーターが殆ど自動無断変速装置を採用することによって操作の便宜を図ると同時に、初心者とか老人、婦女子に好評を得ている。

 単車型として自動変速装置を使用しているのはトーハツPA型90cc、それにキングモーペット90ccそしてこの125ccキングモーペット、姉妹車のクインモーペット125ccの4車ぐらいのものである。前に記したが同社が発売している完成車全部がグリップ操作だけで増減速のできる無断自動変速装を採用しているというのはなかなか徹底している。エンジンは板垣株式会社製の2サイクル・エンジンで、内径55X行程52.5mm―124cc、圧縮比6.5-1、最大出力7㏋/5700rpm、最高時速は85km、燃費60km/ℓ、登坂力も自動変速装置ではあるが比較的強力で⅓と発表されている。なお、第1次伝道はVベルトを使用している。

 フレームは標準のクレードル型でサドル下にセンターカバーを設け気化器やエアクリーナーなどをおさめている。このカバーは左右にそれぞれついている2個のノップを廻せばどちらでも自由に外せる。特に左側のカバーに小窓があってエアクリーナーのシャッター調整ができる。チェンケースは密閉式を用いている。

前輪の緩衝装置は油圧ダンバーを使用したテレスコープ型でストロークは上に110mm下35mmであるから相当長い。後輪はコイルスプリングのプランジャー型。緩衝ストロークは60mm。前後輪の寸法はメイハツのエースやスーパー型と同様に22吋リムを採用している。ブレーキのライニング幅は19mm、これは125ccのブレーキライニング幅としては平均より狭い。車体寸法は全長1920mm全幅670mm 軸距1250mm車重96kgというから国産車の125ccクラスでは極めて軽い。




クインモーペット C―2型125cc






 スクーターとオートバイの合いの子といった形態の車である。まず外観はハンドル下よりステップ兼用の風防?があり、腰かけ式のシートと相まってスクーターの形態を生み、全輪フォークが露出しているあたりと欧州モペット風の燃料タンク、そして後輪緩衝ユニットの露出している模様はオートバイのスタイルをかもし出している。

 このキングモーペットもチェンジペダルはなくグリップ操作による自動変速装置を備えている。フレームは外径51mm,内径43mmのパイプによるバックボーンタイプで、エンジン部はカバーされているが風防面積よりの通風により冷却を行っているが強制空冷ではない。左右並びに上面はカバーされてしまうので外からエンジン部は見えない。

 サドルはベッド式でスクーターの如く腰かける。サドル下のボックスは物入れとなっている。サドルの後部を持ち上げれば内部を見ることができる。全輪の緩衝装置はボトムリンクでしかも油圧ダンバーを使用している。緩衝ストロークはやわらかく上100mm 下30mmの130mmである。フォークは1本式のフォークでステアリングパイプの下から二股に分かれている。後輪緩衝はいわゆるスイング式で、これには油圧ダンバーは使用されていない。

 制動機構並びに操作は、先ず後輪ブレーキは風防延長の右側床に足踏みペダルがある。前輪ブレーキは自動変速機構なのでハンドル左側にクラッチレバーがないので、そこにブレーキレバーをもってきている。従ってハンドル右側は増減速用のグリップのみで、普通の二輪車の如くハンドル右側にはブレーキレバーはない。チェンケースは密閉式、前後輪は特殊サイズ20吋リムを使っている。

 エンジンは水平取り付けでシリンダ内径55X行程52.5mm=124ccはキングモーペットと変わりない。最大出力は6.8㏋/5500rpm、点火方式はフライホィールマグネットー。このマグネットーは自社製即ち板垣製である。最高時速80km、登坂能力は1/3。キングモーペットやクインモーペットに使用されている自動無断変速機構は、いわゆる大調車と小調車によるベルトマチック(と呼ばれている)で、回転数に応じて大調車と小調車の比が自動的に変化するものである。車体寸法は全長1900mm全幅650mm 軸距1280mm車重98kgで普通の125ccに比べると軽い。




キングモーペット903型 90cc



 先に述べた125ccのキングモーペットを一回り小さくした車で自動変速機構の単車スタイルの車としてはトーハツ・バーデーに次いで2番目である。従って125ccのキングモーペットより2年位前に製作発売されている。同社の本格的な完成車の第1号車でもある。やはり大調車と小調車による自動無断変速機構持つもので、90ccという中間排気量だけに夫人子供でもさして難しくあるまい。板垣製の2サイクル89ccのエンジン出力は4馬力。最高時速は65km、登坂力は1/5である。

 フレームはパイプ製の標準クレードル型。前輪緩衝油圧ダンバー使用のテレスコープ型、後輪プランジャー型でコイルスプリングのみ。緩衝ストロークは前が115mm、後が60mmである。この車も前後輪のブレーキはあるが、後輪ブレーキレバーはハンドル左である。右側はスロットル・グリップのみ、車体寸法は全長1920mm 軸距1230mm。燃料タンク容量は9L、タイヤ寸法は前後輪共24X2.5吋、なおバッテリは備えていない。照明装置の電源はフライホィールマグネトーで交流電源のため、警報器だけに乾電池を用いている。乾電池は東芝製の4.5V積層乾電池である。サドル下右側のツールボックス内に同居している。




サンライト SMR-31型50cc・32型60cc




 普通自転車のペダル下部水平取付けのゴムローラー駆動式の補助エンジンである。この式の補助エンジンには31型(50cc)と32型(60cc)の二種あるが構造取扱いの点で特に異なるところはない。

 他のローラー駆動方と同様にローラー駆動用のレバーがあって、これを上に持ち上げればローラーは後輪の外周面に圧着される。この場合、圧着力が2段に分かれていて、上段は特に降雨時にローラーがスリップするとか、上り坂でスリップするとか、または重荷を積んだ場合等伝道効率を高めるために用いる位置で、圧着力強い。下段の溝は普通の走行に用いる位置である。

 大抵のローラー駆動用補助エンジンは2段に圧着出来るのが普通である。31型の主なる仕様は40X39.7mm=49.9cc、最高出力1.8馬力。最高時速48km、32型内径43X行程39.7mm=57.6cc 最高出力2馬力、最高時速50km,機関重量6.4kg。 


サンライト SMB―30型50cc・34型60cc




 同じく取付用補助エンジンでこれはVベルト駆動である。普通自転車のフロントダウンチューブの下方に取付る。とりたてて特徴はもたないがベルト駆動の取付エンジンは音が少ないという利点がある。主なる仕様SMB30型(50cc)シリンダは40mmX39.4mm、49.9cc、最高出力1.7馬力、最高時速65km、SMB34型内径43X行程39.7mm 最高出力2馬力。フライホィールマグネットーを電源とするヘッドランプが附属する。


1958年「オートバイ」7月号 モーターマガジン社梶@より










■サンライト号、関東エリアを販売の主力としていた。東海地方ではローラー駆動の50ccを見かけたが乗ったことはなかった。ただ、その軽快な走りは私のホンダ赤カブ号より足は速かったけど上り坂はだらしなかった。歯切れのよい排気音は今でも聞こえてくる。タイヤが摩耗したり雨天は苦労したことだろう。

クインモペット号
 都会的なデザインセンスとオートマチック機構は新たなユーザーを獲得したのだろうか。積載専用の二輪車から通勤通学の乗用車に変わらんとする時代に一歩を記したクインモペット125cc。この時代はドイツ・イギリスでカバードモーターサイクルが流行っていた。ホンダカブ号より半年早く発売された。しかし強制空冷を持たない自動変速機構では “荷物を積むのが当りまえ” の時代、オーバーヒートしなかっただろうか?シートが低く、扱いやすくて乗りやすい。その割に車重軽い。時代が生んだ傑作車の一台と思います。

 1958年サンライト原付2種総生産台数は6,656台で前年3,215台と倍増している。ちなみにトップはホンダベンリーの47、593台、トーハツ37、159台、スズキコレダ31、859台、ヤマハYAU15,915台。総計は113,218台での順である。125ccクラスも自然淘汰の時期に入り、資金力あるメーカーに集約されてきた。しかし、今まで大手メーカーとして躍進してきたトーハツ(東京発動機)はこの年度末期に力尽きていく。





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