オープン 「名古屋郷土二輪館」ご案内

June 10 [Wed], 2015, 18:51


名古屋郷土二輪館 お披露目 
ごあいさつ







 本日はお忙しいところ、名古屋郷土二輪館のお披露目にお越しいただき、誠にありがとうございます。

 一昨年に定年退職して、皆様に展示室を開館すると公言して以来、今井オート、山口鉄工、夜西塗装はじめ皆様のご支援、ご協力をいただき、本日を迎えることができました。心から感謝申し上げます。

 お披露目にあたり、三つお話したいことがあります。


 一つは、開館に至る動機と経緯です。

 私は現在62歳と6カ月ですが、16歳からオートバイにのり始め、就職した22歳からBMW、ドゥカティを購入して名古屋コマンド倶楽部に10年間所属、旧車にも関心を持つようになり、ヤマハDT-Tで浅間ミーティングクラブに第5回から参加しました。

 27歳の頃に雑誌『モーターサイクリストの歩み』で、1953年(昭和28)3月に行われた名古屋TTレースを知り、詳しく調べていく中で、名古屋地区にもオートバイメーカーがあったことを知りました。それまで私はバイクメーカーといったらホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの4メーカーだけと思っていたので、名古屋にバイクメーカーがかってあったことは大変な驚きと同時に興味をもったものです。

 浅間ミーティングクラブ愛知支部で1981年(昭和56)に、T・Tレースと同じ東海3県下230kmのコースを旧車で巡る企画をしました。パールの山下選手を始め、当時の選手や役員、メーカーを訪ねはじめたのがきっかけとなり、メイド・イン・名古屋、愛知のオートバイやその歴史にこだわって今日まで収集が続いてきました。

 30歳で結婚、31歳でマイホームを建て、1984年(昭和59)32歳の時にこの場所で「名古屋T.T記念館」と称して約30台のオートバイを並べていたことがありました。本日参加いただいている吉廣様は当時、名古屋駅西で開店したばかりの生活倉庫(現在はビックカメラ)の店長で昭和61年に私の新聞記事を見て「名古屋バイク物語展」を企画、開催していただきました。この時の展示イメージが今につながっています。「T.T記念館」は仕事が忙しくなってきたことと、自転車関連部品も増え続け、整理もままならぬようになり、手を入れることなく放置したままになってしまいました。





 1999年(平成11年)47歳の時に『名古屋オートバイ王国』の本を出版。平成20年より昨年まで、鈴木さんの呼びかけで始めた「モーターサイクルフォーラム中部」で何回も講演をさせていただいた結果、オートバイや資料を実際に見せてほしい声が寄せられてきました。そこで、定年退職を機会に3年計画で展示の準備を進めてまいりました。展示場について、当初は友人と常滑市、美濃市、大府ちた農協「元気の郷」、レッドバロン等のいくつかの候補地や企業と交渉したりしたことがありましたが、最終的に自宅で行うことに決めました。


 二つ目は当館の特徴です。

 メイド・イン名古屋、愛知を中心とした代表的なキャブトン、トヨモーターのバイクをはじめ、ノーリツ自転車等を展示することから「名古屋郷土二輪館」と名付けました。広さは60uでオートバイ18台、自転車23台の合計41台と写真、設計図、ポスター等関連資料約500点を1階と2階で展示しています。大正時代に輸入された自転車やオートバイ、そしてレースに関連した資料も併せて展示しています。名古屋地区の二輪を通して、日本のオートバイ史、自転車史の一端も見る事が出来ると思っています。

 名古屋の周辺には乗り物に関する博物館がいくつかあります。長久手のトヨタ自動車博物館、岡崎の三菱自動車博物館、港区のJR東海のリニア・鉄道博物館、岐阜各務ヶ原の航空宇宙科学博物館、静岡のスズキ、ヤマハの企業博物館、本田宗一郎ものづくり伝承館、石川県小松市の日本自動車博物館等です。他に名古屋市昭和区には自転車貿易商八神商会の「サイクル・ギャラリー・ヤガミ」の自転車ミュージアムがあります。ここはオーディナリー等外国産のクラシック自転車コレクションが中心です。

 残念ながらオートバイも自転車もこの地域では産業としては衰退してしまい、企業でも行政でも失われた二輪メーカーの製品の系統的な収集、保存を考えてはいないと思います。当館は大変狭いところです。さっと見れば見学は10分とかからないでしょう。しかし、私が見てほしいのは昭和の時代を中心に、自転車やオートバイに夢を乗せ作り続けた人々のヒストリーです。1台のオートバイ、一枚の写真を通してエピソードやどんな物語があったのか感じとっていただきたいのです。

 30数年に渡って一つ一つ集めたのは、オートバイや自転車、その関連資料ばかりでなく、むしろ出会ってきた人々の証言こそが一番貴重であり、そのことを一つ一つ紡ぎ、名古屋二輪物語として語り伝えていきたいのです。例えば、1階一番奥に展示していますトライアンフ、AJS、BSAはじめ戦前の外国製輸入オートバイのパンフレットは、豊橋の磯田商店主が昭和10年代に日本から中国上海や満州に持ち込み現地で輸入オートバイの販売の商売をしていたときのものです。戦時中の豊橋市内は空襲で焼けています。これらのパンフレットは空襲を免れ、中国での敗戦から逃れて2度海を渡り、終戦後に風呂敷に包まれ再び日本に持ち帰り保存されていたのを譲っていただいたものです。






 トヨモーターの試作車雪上バイク等、これまで歴史の中に埋もれていたトヨモーター関連の数々の写真や設計図は、当時一人の技術者が倒産時に捨てられてしまうと、会社から自宅に段ボール箱に入れて持ち帰り、長い間物置にしまわれていたものです。会社の運命を背負って試作していたバイクであり、信望していた川眞田社長の人物伝をいつか本にしたいと考えていたそうです。そして、あなたが代わって書いてくれるならと私に託された資料なのです。

 一番手前に展示してありますオリンパススーパーツインは、片山産業が転業(現在は自動車整備とタクシー会社)時に、ブレーキハブ製造部品会社への支払いの代用として引き取られたバイクです。オリンパスの関連職員を訪ね歩いている中で、偶然にもその部品会社社長宅の大掃除に行った方がいて、機械倉庫奥にあったというのです。しかし、その話は、訪ねた時からさらに20数年も前の話だったのです。
 一度はあきらめたのですが、空振りでもいいと考え、思い切って社長宅を訪ねました。家族の方に尋ねるとそんなバイクは見たことがない、記憶がないとの返事でした。念のためと思い、倉庫を開けてもらい、懐中電灯を照らしながら機械と天井のわずかな隙間を這って行くと、一番奥になんとこのオリンパスが新古車のままねむっていたのでした。


 三つ目は本日の開館はゴールではなく、新たなスタートであると考えています。これまで関わってきました、関係者の大半の方々はこの数十年で亡くなられています。何度もお世話になったパール号の山下選手も一昨年に亡くなられ本当に残念な思いです。パール号はその存在はわかっていてもこの名古屋に戻すことは今日までに実現できていません。パール号を当館で展示できるよう努力し、皆さんに約束したいと思います。

 そして、今回の展示を準備していく中で、自転車とバイクのつながりは深くノーリツの岡本自転車は大正時代からエンパイア号シリーズの一つとしてオートバイをカタログに載せていたのは新発見です。純国産かどうかを調べる事ができればと考えています。また、今まで見ることのなかったツノダ自転車のツェンダップバイクの現車を、展示車の一台として加えられたことに喜びを感じています。
実用自転車の時代は長く、「中京輪界の時代をまとめていくこと」の実現にむけ努力していきたいと思っています。

あいさつと称して長々と書いてしまいましたことをお許しください。これからも気軽に足を運んでいただけるよう、末永くお付き合いをお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

最後に、私は昨年から狭心症の手術、胆のう摘出手術等で4回入退院を繰り返しました。何をするにも健康第一です。皆さんのご健勝を心よりお祈り申し上げます。本日は誠にありがとうございます。

2015年(平成27)6月6日

名古屋郷土二輪館 冨成 一也


ごあんない
「名古屋郷土二輪館」

  ■〒470-2211
  愛知県知多郡阿久比町大字草木字栄38番地

  ■開館日: 土曜・日曜日・祝日のみ
  ■予約制・見学無料
  ■☎ 090-4198-4771(冨成)





Comment
小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー 絵文字 プレビューON/OFF

不正な自動コメント投稿を防ぐため、チェックボックスにチェックをしてください。

利用規約に同意
 X 
禁止事項とご注意
※本名・メールアドレス・住所・電話番号など、個人が特定できる情報の入力は行わないでください。
「ヤプログ!利用規約 第9条 禁止事項」に該当するコメントは禁止します。
「ヤプログ!利用規約」に同意の上、コメントを送信してください。

ご来館ありがとうございます。
当方富成の友人で 事務局担当 です。
来館のお問い合わせは 直接富成の携帯までお願いいたします。 

見学の際は 事前予約 でお願いいたします。
 ■☎ 090-4198-4771(冨成)まで。








by 事務局  April 15 [Sun], 2018, 10:11

初めまして。富成様。5月5日(金)のお昼前ごろに1967年型前後ののカワサキA1のグループ4台で二輪館に立ち寄らせていただく計画を立案中です。祝日・休日はご案内では開館とのことですが、一応開館は予定通りされる状況か確認させていただきたいと思います。メンバーの中には福島県からA1SS自走で、カワサキA1サムライクラブ発起者:現最高顧問もメンバーです。私自身は愛知県豊川市の者です、よろしければURL欄に私個人のHPアドレスを記載しましたので、お立ち寄りください。ご返事お待ちしております。

by 伊東道弘 April 14 [Sat], 2018, 8:14

来館ありがとうございます。

by 事務局  December 08 [Tue], 2015, 11:47

明日来館予定です。

名古屋TTレースに興味がありいろいろお話が聞けたらと思っています。

できればゼッケン44番?高坂貫一のことが知りたいと思っています。

明日をたのしみにしています。よろしくお願いします。


by N December 05 [Sat], 2015, 15:36

コメントありがとうございます。

見学の際は 事前予約 でお願いいたします。

 ■☎ 090-4198-4771(冨成)まで。


by 事務局  September 19 [Sat], 2015, 12:07

「名古屋郷土二輪館」
是非一度お伺いさせて頂きます♪

予約は表記のお電話に直接で良いのですよね?

by チェント September 18 [Fri], 2015, 23:00

コメントありがとうございます。見学の際は
事前予約でお願いいたします。

予約先: ■〒470-2211
  愛知県知多郡阿久比町大字草木字栄38番地

  ■開館日: 土曜・日曜日・祝日のみ
  ■予約制・見学無料
  ■☎ 090-4198-4771(冨成)

by 事務局  September 10 [Thu], 2015, 18:09

初めまして

隣の半田市在住の太田(ハンドルネーム)と申します。

この度は素晴らしい博物館の会館を心よりお祝い申し上げます。

愛知は物作りに恵まれた環境であった上に数多の技術者が集い様々な二輪車を誕生させたものの残念ながら時代の流れに揉まれて消えて行ったメーカーが多々あったと聞いておりましたが、そのメーカーの志を後世へ繋ぐ博物館が知多の地に出来たのは本当に嬉しく思います。

是非とも一度拝見をさせて頂きたく思います故、どうかその際は何卒宜しくお願いを申し上げます。

by 太田流雲(ハンドルネームです) September 09 [Wed], 2015, 19:14

名古屋郷土二輪館 を見学希望される方は事前に見学予約をお願いいたします。
どうぞご遠慮なくおいでください。

名古屋郷土二輪館 館長 冨成 一也

開館日:土曜日、日曜日、祝日のみ
申し込み先: ■☎ 090-4198-4771(冨成一也)
 ■予約制・見学無料

by 事務局  June 25 [Thu], 2015, 14:08

はじめまして!
先日、新聞記事を拝見し、近くということも有り気になっていました。

本日、このブログを見つけ、二輪館前まで行ってみました。
一度拝見したいと考えていますが、その際には宜しくお願いします。

by ybitoh June 23 [Tue], 2015, 16:08
プロフィール
  • プロフィール画像
  • ニックネーム: 事務局 
  • 現住所:愛知県
  • 趣味:
    ・バイク- CB72
読者になる
2015年06月
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
https://yaplog.jp/5972/index1_0.rdf
メールフォーム

TITLE


MESSAGE

最新コメント
事務局 
» オープン 「名古屋郷土二輪館」ご案内 (2018年04月15日)
伊東道弘
» オープン 「名古屋郷土二輪館」ご案内 (2018年04月14日)
事務局 
» キャブトン ヒストリー (1) (2017年05月23日)
静じい
» キャブトン ヒストリー (1) (2017年05月22日)
事務局 
» 1959浅間レーサー 昌和クルーザー SL 125CC  (2016年09月29日)
野田
» 1959浅間レーサー 昌和クルーザー SL 125CC  (2016年09月28日)
事務局 
» オープン 「名古屋郷土二輪館」ご案内 (2015年12月08日)
事務局 
» オープン 「名古屋郷土二輪館」ご案内 (2015年09月19日)
チェント
» オープン 「名古屋郷土二輪館」ご案内 (2015年09月18日)
事務局 
» オープン 「名古屋郷土二輪館」ご案内 (2015年09月10日)
太田流雲(ハンドルネームです)
» オープン 「名古屋郷土二輪館」ご案内 (2015年09月09日)
事務局 
» オープン 「名古屋郷土二輪館」ご案内 (2015年06月25日)
ybitoh
» オープン 「名古屋郷土二輪館」ご案内 (2015年06月23日)
事務局 
» 1952年 二輪車・バイク 広告集(73)メグロ (2014年11月13日)
フォーラム掲示板 現在設定工事中です。