過去のない男

May 07 [Sun], 2006, 17:50



『過去のない男』

あらすじ
『ある夜、ひとりの男が列車でヘルシンキに流れ着く。公園のベンチで佇んでいた男は、突然暴漢に襲われ、身ぐるみ剥がされた上に瀕死の重傷を負う。運ばれた病院で死亡宣告を受けた男だったが、奇跡的に意識を取り戻し、いつの間にか港町にたどり着いていた。港湾のコンテナに暮らす貧しい一家に助けられ、男は徐々に回復するが、彼は過去の一切の記憶を失っていた。自分の名前も仕事も住んでいた場所も何ひとつ思い出せないまま、男はコンテナに暮らす人々に助けられながら、穏やかな生活を送り始める。そして、救世軍からスープが振る舞われる金曜日、コンテナの主人に誘われスープを飲みに行った男は、救世軍の女性イルマと出会う・・・。』(「DVDirect」より)


フィンランドの映画監督アキ・カウリスマキが人生の再生と希望を独特のタッチで描いた秀作ドラマ。
記憶を失った中年の男と、都会の片隅で暮らす貧しくも個性的で憎めない人々との触れ合いをユーモアと現代社会への皮肉を織り交ぜながら描き、過去のない男が前向きに人生を歩き出す姿を映し出しています。
サントラにクレイジーケンバンドの「ハワイの夜」が流れるあたり、カウリスマキ監督の日本通を窺わせます。
2002年カンヌ国際映画祭グランプリと主演女優賞をダブル受賞しました。




アキ・カウリスマキ監督作品は初めて観ました。
予告編を観る限りでは私好みの作風だろうなとは思っていましたが、実際に観てみて、「あぁ、やっぱり好みだったな・・・(笑)」と改めて再確認しました。
色合い、音楽のチョイス、ストーリーのテンポなど、全てが独特でスルメのような味わいのある作品だったなぁと思いました。
ウルグアイ映画の『ウィスキー』の雰囲気にも似てましたね。


記憶喪失モノというと、その人の過去を探ったり、それによって生じる様々な出来事をサスペンステイストで描いた作品が一般的ですが、この作品においてはそのような展開は一切なかったです。
瀕死のところを助けてくれたコンテナ暮らしのオジサン(妻子持ち)の「人生は前にしか進まない」と言う言葉が全てでした。
男は過去を省みる事なく、これから始まる未来を精一杯生きてました。
ストーリーは単純でしたが、その中にカウリスマキ監督独自の皮肉とペーソスを加え、作品全体をシュールで味わい深いものに仕上げていました。
言わんとするメッセージも押し付けがましくなく、気軽に鑑賞できる作品でしたね。


主演の男優さんが、蟹江敬三さんに見えて仕方が無かったです(笑)
この作品には、美人も男前も出てきませんが(こんな事言ったら蟹江敬三ファンに怒られるかな・・・)、出てくる人全てに哀愁が漂ってて非常に良かった!!
劇中で流れるクレイジーケンバンドの曲がシュールで面白かったです。
日本人ウケしそうな作品でしたね。





『過去のない男』
2002年  フィンランド・ドイツ・フランス映画  97分
●監督・脚本・・・アキ・カウリスマキ
●出演・・・マルック・ペルトラ カティ・オウティネン アンニッキ・タハティ ほか
●原題・・・MIES VAILLA MENNEISYYTTA

評価は★★★★(4点) お寿司ウマそうだったな・・・(笑)

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Comment
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マイコ
現象さんへ

こんばんは
こちらこそ、トラックバック&コメントありがとうございました。

あ、ホントですね!!
なんという偶然(笑)

良い映画でした。
監督の持論が押し付けがましくないのが素敵でしたね。
May 11 [Thu], 2006, 22:33
TBありがとうございました。
TBをもらって気づいたのですが、
この映画を見たのはちょうど1年前の今日でした。
んー、偶然。
May 10 [Wed], 2006, 23:14
マイコ
linさんへ

こんにちは
トラックバック&コメントありがとうございました。

とうとう私もカウリスマキ監督でビューしちゃいました(笑)
ホント、間も絶妙だし、なんといっても映像の色使いが好きでした。

今後も彼の作品をちょこちょこ観ていこうと思ってます!!

フィンランド三部作ですか!!
なかなか興味深いですね(笑)

単館上映されそうですね。
でも、私の地元じゃDVD発売を待つしか無理っぽいな・・・。

とりあえず、三部作の1作目である『浮き雲』を今度観てみたいと思ってます。

トラバは後ほど返しますね!!
May 10 [Wed], 2006, 18:24
マイコ
okaponさんへ

こんにちは
トラックバック&コメントありがとうございました。

良い映画でしたよね。
随所随所に目を見張る演出がしてあって、何度見ても楽しめそうです。

カウリスマキ監督作品は、初めてだったので、今後も色々な作品を観ていきたいなぁと思ってます!!

なんかハマリそう・・・(笑)
May 10 [Wed], 2006, 18:13
マイコ
latifaさんへ

こんにちは
トラックバック&コメントありがとうございました。

やっぱ、蟹江敬三さんに似てましたよね!!
良かった〜、賛同してくれる人がいて(笑)

途中から蟹江さんにしか見えなくて困っちゃいました〜。

ホント、味わい深い作品でしたね。
何度見ても楽しめそう!!

トラックバック返しは、少し待ってて下さいね。
必ず返させてもらいます。
May 10 [Wed], 2006, 18:04
マイコ
rippletonefrenchさんへ

こんにちは

お返事が遅くなってスイマセンでした。
野球観戦やらに行ってて、なかなか返せませんでした(笑)

おお!!
rippletonefrenchさんの好きな作品でしたか

私も好きでした

過去がないってどういうカンジなんでしょうね。
確かに過去がなくとも人生は進んでいくし、生活も出来るとは思いますが、どういう心境になるんだろう・・・とふと思ってしまいました(笑)

イルマのおめかし姿は可愛かったですね
初恋とか言ってましたね!!(笑)

ジュークボックスいいですよね!!
私もそう言われたら、家に遊びに行っちゃいます

主人公が渋くてかっこよかったですね。
だって、始めの方ではロングブーツはいてたんですよ

映画自体のメッセージも押し付けがましくなく、サラリと鑑賞できたトコが良かったですよね。
May 10 [Wed], 2006, 18:00
こんちは。
これ俺も無茶苦茶好きです、あの間は絶妙だよねw
フィンランド三部作の最後になる作品"LAITAKAUPUNGIN VALOT"(「街外れの灯」)が2006年のカンヌのコンペに出品されているらしいんで、日本で公開されるかもしれないっすね。
(参考LINK:カンヌ映画祭
TBさせて頂きましたw
May 09 [Tue], 2006, 23:39
ほんとにこの監督の作品は、かめばかむほど味のでる「するめ」映画ですね。
自分は、もう大好きな作家ですよ。ちなみにこの監督、こうみえてすごく政治的なメッセージも強い作家なんですよ。NYの映画祭でイランのキアロスタミ監督を締め出したアメリカの体制を批判したり・・・その辺含めて、すごく信頼できる作家です。
May 09 [Tue], 2006, 10:58
マイコさん、こんにちは〜(^_^)/
>蟹江敬三さん似
爆笑!!!!!!似てる、似てる!!可笑しくて今PCの前で笑ってしまっています。
スルメの様な・・・っていうのも言えてます
アキ・カウリスマキ関連の文書いたことあるので、TBさせてもらっちゃいますネ♪
May 08 [Mon], 2006, 8:21
rippletonefrench
マイコ様

これ!ワタクシの大好きな映画なのですよ。

普通は記憶を意地でも戻そうとかいう展開になるのに、
過去のない男のままで淡々とストーリーが続くところが好きです。

けして美人ではない(失礼)イルマが初デートで(ちょっぴり)
おめかししたり、(かわいいな〜)
救世軍のカタブツそうな女性が食料配給のとき
「私も若いときは歌ってたのよ」なんて言って歌ったり。
その歌にあわせてみんな踊ったり。
人生ってこうこなくっちゃ、と思いました。
過去は過去。人生はやはり前にしか進まない。
このメッセージはワタクシの心にフィットしました。

そして主人公がイルマを誘うときの言葉!
「うちにはジュークボックスがあるんだが…」
ジュークボックス!!(確か拾ったんですよね)

こんなシャレたこといいやがって!コノ〜!みたいな(笑)
普通ないよ!!言われてみたい!!(笑)

May 07 [Sun], 2006, 21:18