第5話 (両手に花) その1

September 23 [Sun], 2012, 13:43
キーン コーン カーンコーン


「以上で今日のホームルーム を終了する。 皆気をつけて 帰るんだぞ。」

ホームルーム終了を、告げた沢田先生は出 席簿やその他の荷物を持っ て、急いで教室から出ていく。

担任が教室を出ていくと、残った生徒たちが、騒ぎ出す。
部活に行くものは、大荷物を抱えて、
駆け足で教室を出ていき、部活をしてない、帰宅部たちは、ゲーセンでも寄るかなどと、話している者たちもいる。

そんな騒がしい、新たなクラスメイトたちを、見渡しながら、藤田学(ふじたまなぶ)は座ったまま、大きく伸びをした。

「さてと帰るとしますか」

学は荷物をまとめ、帰り支度 をする。

「はいそうです ね。 それじゃあ藤田さん お手数 だとは、思いますが、今日は 宜しくお願いします」
隣 の席で同じく帰り支度をして いる、初春が学に話しかけてく る。

「あ〜別に構わないよ。 お手数ってほど、めんどい訳 じゃないし 君たちみたい な、美少女なら大歓迎」

ぐっと親指を、突き上げ爽やかな、笑顔を向ける。
アニメなら、歯がキラーンと光ってただろう。

「そんな…美少女じゃないで すよ。 御坂さんに比べたら 私なんて」

学の爽やかな、好青年のような笑顔と、さりげない褒め言葉に顔を真っ赤にしながら、ブンブン首をふって否定する初春。

「でも本当にいいんです か?」

ちょっと落ち着いた初春は、申し訳なさそうな顔をして、学を覗き見る。


「別に構わないよ。
こっちの学区には、あまり知 り合いもいないしどうせ今 日は暇だしな」


「でも…」

「まぁ俺の事はいいから…早 く行かないと もう佐天が校 門で待ってるぞ」
なおもすまなさそうにする初春を、
友人の名をだしにして、学は話を終わらせる。

ちなみにそのだしにされた友人佐天はと言うと、担任が教室を出ていくと同時に、猛ダッシュで教室を出ていっていたりする。

「そうですね。 急がないと駄目ですね」

会話を切 り上げすぐさま教室を出てい く二人であった。

「よし俺たちも行くぞ!」

藤田たちが教室から、仲睦まじく出てい くのを(長田の目にはそう見えた)確認した長田は、親友の将真 の席まで来てその腕を 引っ張る。

「あ〜わかってるよ。そんな に慌てなくても、飯代分ぐら いは、ちゃんと働くって」

自分の右腕を掴んでいる、長田の左手を、自分の左手でその手を離させた将真は、長田に先に行けと促す。

それを承服出来ないと最初は不貞腐れた表情を見せた長田だが、将真が睨むとしぶしぶ、先に行くと一言告げ教室を出て行った。

「あ〜いて、あのノウキンバカ力で、掴みやがって……まぁいいこれも
3週間の食費の為だ。
さーお仕事お仕事」
そう言って将真はあくまでビジネスと割りきって、猛る親友の後を追うのだった。

2

「遅〜い!初春もっと急ぐ」

「って何で私だけ…注意され るんですか!」

藤田が初春と一緒に校門につ いた時、既に校門では佐天が 待っていた。
そして見つけるなり、初春を 指差して今の言葉を放ったの だ。

「藤田は、初春に合わせて遅 くなっただけでしょ」

「佐天さんが早すぎるんですよ」

「初春が遅いのよ!」


「まぁまぁ二人とも、他の下 校する生徒もいるんだし、校 門の真ん中にいるのは邪魔だ ぞ」

言い争う二人の横を、はや歩きで次々と避けて行く、他の学生逹を見てばつが悪そうな顔をした二人は

「すみません」 「ごめん ご めん」 そう言いつつ周りの学生逹に片手で拝みながら、学のいる門の端っこ に移動してくる。

端っこに移動した三人は、 校門を出て目的地へと移動し ていく。

学逹が、校門を出た後に、その様子をくいいるように見ていた、長田が直ぐに校門を出たが、学逹は尾行者逹に気づかなかった。
勿論将真も長田の後を追ったのは言うまでもない。



「本当にすみません。藤田さ ん、私のせいで無理言っ ちゃって」

「そうだよ。
初 春が 今日でないと、駄目だ からって言うから」


「佐天さんが予約して、な かったからじゃないです か!」

したり顔で自分に言ってくる、親友に
鋭い突っ込みを初春はいれる。
そもそもの原因は佐天なのだから、それを忘れてもらっては困る。


「いや〜予約いるって知らな かったし〜」

佐天が頭を掻きながら言う。

「言わなくても、わかります よ普通。
あのお店の本店が、第一学区 にある時から、予約制だった んですよ。
支店だって同じに決まってる じゃないですか!それに事前 にチェックしておくのが、普 通じゃないですか」

ジト目で恨ましげに佐天を見る初春

「だから謝ってるじゃない」

と言いながら、佐天 は隣を、歩いてる初春に(学 は後ろで少し離れてる)手を 合わせて謝る。

「私が今日の 非番を手に入れるのに、どれ だけ、どれだけ苦労したと 思ってるんですか!」

初春は、声を張り上げて絶叫 する。

「まぁまぁ、初春もそれぐら いで、許してあげなよ。 今回は俺が奢るから それに 免じてさ」

少し離れてた、学が追いつい て来て初春をなだめる。

言いたい事を言って、気が済んだのか、学に言われた初春は、おとなしくなる。

「わかりました。
藤田さん」

そう言って大きな溜め息を一つ吐いた


「そうだよ、藤田の言うとお りだよ。
結局食べれるから、いいじゃ ない 」

初春が機嫌を治したと思った佐天は、
学に追随する。


「……佐天さんは、反省して下さい」


初春はそんな調子のいい、親友に釘をさすが、小声でまた、地面を見ながらだったのでその呟きは本人しか聞こえなかった。

いや実は学には聞こえていた。





(はぁ〜女子の相手って疲れ る…)

学は佐天と初春を見 て強くそう思い、こうなっ た事の始まりを思い出すの だった。



昼休憩、ご飯を食べ終わった 三人は、楽しくお喋りしてい た時刻は、12時20分。
昼からの授業は13時から開始だからまだまだ時間に余裕はある。
3人はご飯を食べ終わった心地よい満腹感に満たされていた。

満腹になった佐天が、藤田さんの蒼天中って どんなところ?藤田さんの能 力は? と好奇心一杯で色々聞いてきた 。
学はそれに他のクラスメートたちに 答えるような、 適当な感じ ではなくちゃんと答えた。
理由は佐天が図々しく興味本 意などではなく、礼儀正しく 自分の事も話した後聞いてき たからだ。



自分がゼロ 無能力である 事 それで一度は道を踏み外した 事など。

初春はそんな親友の話をつらそうな様子で見ていた。


佐天の独白を聞き終えた学は、今度は自分の番とばかりに、すらすらと語り出す。

「僕はレベル1ですよ」



「レベル1ですか?
……初春も レベル1です。
ねぇ初春」

学の答が意外だったのか、一瞬硬直した佐天だったが、隣の親友に話をふる

「はっはい。
しかも小学校の低学年 から、ずっとです」

と話を振られた初春が、しょんぼりした感じで答 える。

それを最後に3人の会話がなくなり、沈黙の時に入るがしばらくすると
学が優しい眼差しで二人の少女を見る。

「気にする事ないよ初春さ ん。
僕何て能力開発受けた時か ら、ずっと変わらずレベル1 だから」

優しい声で学は初春を慰める。


「そうだよ初春。
あんたが落ち込んでるんな ら、あたしはどうなんのよ?
あたし何てこの学園都市にき た時から、ずっとレベル0な んだよ」

佐天が開きなおった感じで、言う。

「そうですね。
すみません佐天さん。
わかっ てるんですよ レベルが低い とか高いなどより、もっと大 事な事はあるって、でもやっ ぱり…レベルは高くなりたい ですよ…」

初春は下を向きながら、悲し げに言う。

「大丈夫だよ初春さん」

「藤田さん?」

「君も佐天さんも、まだまだ 思春期の真っ只中。 いくらでも成長する。この時 期の人間の成長率は目を見張 るものがあるんだよ」

学が励ますように二人の少女に諭すように喋る。

「もちろん努力すれば、必ずレ ベルが上がる何て安っぽい事は言わない。 でも仮にレベルが上がらな かったとしても、その努力の 結果は別の事の下地になるん だよ」

学は我が子を 見守る親のような、眼差しで初春と 佐天の二人を見ている。

「そうですよね。 能力何て 些細なものですよね」

初春が僅かに笑みを浮かべながら、しみじみと言う。

「そうだよ。 大事なのは心なんだ。

例えば外見と、綺麗に しようとか、そういう事はす ぐに出来る。
高い化粧品買ったり、高級な服買ったり、あるいは整形手術でもすればいい。学園都市の技術を持ってすれば、金さえだせばどんなデブスも超美人に大変身さ」

でもと学は続ける

「だがそれは上っ面だけだ、心つまり中味の方は、そうはいかない美人だからと言って性格がいいわけじゃない」

学は言いながら本当にそうだと思 う。
現に学はいやと言うほど見て きた。 醜い性根を持つ者たちを。
常盤台ほど入学条件になるほど厳しくはないが、 蒼天中も能力至上主義だった 。
高位能力者はまる で自分たちが選ばれし、存 在のように振る舞い、レベル 0など奴隷のような扱いだ。
中には酷いやつらがいて、無 能力者狩りをする者たちさえ もいた。学が蒼天中をやめた のは、そんな能力至上主義の 馬鹿どもと、やり合いその内 の一人が、偉いさんの息子 だったのでパパに泣きつい て、学校に圧力というわけ だ。

まぁすでにそんな学校の雰囲 気に嫌気がさしてきてたの で、学的には渡りに船だったが。

学は蒼天中の事を思いだしながら、
二人にときつづける。
二人は、黙ってそれを聞く、途中から二人は正座している。


「学園都市のカリキュラムは 強い能力者を、生み出す事に 躍起になっている。
だが能力開 発をする者たちは、それを受 ける者が幼い子供たちだ と、言うのを理解してない。
能力に限る事じゃないが、銃 を手渡して打ち方だけ教え てはい終わり。 その銃で人が簡単に殺せる、 その銃は暴発する時もあるな んて事は教えない、学園都市 のカリキュラム何てそんなも のさ。
まあ中には例外もいる が、僅かしかいない。
力を行使するものには強い自 制心が必要なんだよ。
残念ながら、その自制心 を持つ能力者は、少ないが ね」

喋りすぎた学は 持って きてる、水筒のお茶を飲む。

「さて話しがずれたね。確か 僕の能力を聞きたいんだった んだよね。 一つ最初に確認しときたいん だが、僕の能力を聞いても君 たちは怒らないかい?」

学は、そう言うと佐天と初春を意味深な眼差しで見ながら言った。
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