トラとウマがどうしてこうなった

October 03 [Mon], 2011, 0:45


1/4ほどノンフィクションだったらどうする?その2






部屋がしんと静まり返る。

さっきまで泣きじゃくって絶望の言葉を叫んでいた彼女は、俺の胸に縋り付いた体勢のまま、驚いたように大きく目を見開いて俺を見上げている。
それはそのうち、絶望、悲愴、そういった感情を複雑に入り混ぜた表情に変わっていく。


「どうして?」


か細い、震えた声をしぼりだす彼女。



「どうして、おこるの?」


悲しそうに歪んでいく目には、涙が滲み始めていた。



「わたしはこんなにつらいのに!わたしはこんなにくるしんでいるのに!どうしておこるの!?どうしてしかるの!?わたしがわるいの!?わたしがいけないの!?わたしはだめなの!?」


彼女は俺の服を掴んでぐいぐいと引っ張る。
さっきまでのように泣きじゃくり、しゃくりあげ、それでも自分の思いを吐き出している。
その表情には悲しみがあり、絶望が見てとれ、かつ傲慢さが見え隠れした。


「しにたいっていっちゃだめなの!?おこるの!?わたしがわるいから!わたしがしにたいっていったから!いっちゃだめなんだ!わたしがだめなんだ!だめなわたし!わるいわたし!わるいことしたからしかられたの!やっぱりだめなんだ!しにたいっていっちゃ!だってまえにもおこられたもん!わたしがだめだったの!だめなわたし!わるいわたし!」



彼女はそこで、はっとした表情をして止まった。
それから俺の顔をじっと見つめたまま、か細い、震えた声でこう言った。



「・・・・わるい、わたしは、しななくちゃ」


その言葉を契機に、彼女は再び叫び始めた。



「しななくちゃ!しななくちゃ!しななくちゃ!だってわたしはわるいこだから!いらないこだから!わるいこはいらないの!いちゃいけないの!しにたいなんていうこはいちゃいけないの!わたしはいちゃいけないの!しななくちゃ!しななくちゃ!はやく!しななくちゃ!しななくちゃ・・!しな、なくちゃ・・!し、な、・・・・」



だんだんと力が無くなり、彼女の体が沈み込んでいった。
それでもまだ意識はあるようで、俺の服を掴んだまま呪文をつぶやいている。
だがすぐに意識を持っていかれてしまうだろう、両のまぶたがとても重いはずだ。
彼女の精神がどれだけおかしなことになっていようと、薬の力には勝てない。

ついには糸が切れたようになってしまった彼女を、俺はベッドに運んで寝かせた。


穏やかに眠っているように見えるが、もしかしたら悪い夢を見ているのかもしれない。
しかし、もしかしたら幸せだった頃の夢を見ているかもしれない。
それが彼女にとって幸せなことなのかどうかはわからないが、できれば俺はそうであってほしい。


眠る幼馴染を見つめながら、俺は目が覚めた時になんと声をかければいいか、それだけを悩むのだ。





だがしかしマニュアルには頼らない

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