【SANGA(神々の戦い)】 18「最終章」

August 18 [Mon], 2014, 5:53
18、「最終章」


[一輪の花]

 今でも忘れられないあの日、あの夜
 僕は一輪の花に出会った
 その花は僕に教えてくれた

 泣きなさい、怒りなさい、
 愛しなさいと
 そう、ありのままに、ありのままに
 風は大気の汚れを吹き跳ばし
 雨は大地を洗う 
 涙は心を洗う
 そう、心が疲れたら泣こう
 涙で洗い流そう
 今が心から泣くとき、今が涙を流すとき  
 その涙で一輪の花を咲かせよう
 疲れたら花を見よう
 花はいつもそこにある
 そう、君の胸の中に


 今でも忘れられないあの日、あの夜
 僕は一輪の花に出会った
 その花は僕に教えてくれた

 空を飛ぶ小鳥をごらん
 森の木々を飛び回るリスをごらん
 みんな初めから自由なんだ
 だから彼らに自由という言葉はいらない
 だって自由が当たりまえだから
 君は苦しいと自分を縛り
 君は悲しいと自分を縛る
 小鳥と何が違うの?どこが違うの
 自由をもっと楽しもう
 誰にも止めることは出来ない
 だって、君は初めから自由だから


 今でも忘れられないあの日、あの夜
 僕は一輪の花に出会った
 その花は僕に教えてくれた

 君は、生きるのが不安だと云う
 人は生れ、そして死に
 君は不安という妄想に
 恋をしてしまったようだ
 おおいに恋をするのも良い
 おおいに恋を楽しんで
 一生懸命、 恋を生きて
 全身全霊で恋を味わって
 もし、疲れたときは戻っておいで
 きっと、一輪の花が癒してくれる
 そしてその花はこう言うんだ
 お帰りなさいと




 今でも忘れられないあの日、あの夜
 僕は一輪の花に出会った
 その花は僕に教えてくれた

 一輪の花を見たいと君は云う
 僕はいつだって咲いてるよ
 いつだって君と一緒
 何故そんな質問するんだい?
 僕は何処にも行かない
 後にも先にも僕は君と一緒
 淋しいこと聞かないで
 君は僕を困らせようとしてる?
 心を止めてほしい
 心の奥深いところ見て
 僕は小さく小さく咲いているよ
 君のための花
 僕の声を聞くことは簡単なこと
 だって、僕は君で君は僕だから


由美子が風輝を偲び曲を作り、摩耶の作詞による作品となった。

由美子にとってもかけがえのない存在フウキだった。

時を同じくしてエジプトのピラミッドの一部が何者かの手によって
破壊される事件が世界を震撼させた。

そこにはKIZUNAと銘打った犯行声明文が地元警察と新聞社に投稿されていた。

それは、キリスト圏・イスラム圏・各宗教宗派に対しての犯行声明だった。 

我々「ONE」は人間の作った宗教を全面的に排除する。

唯一絶対神である、神は人間は作ったが宗教は作っていない。

世界人類の覚醒と世界の絶対平和のため。

という身勝手なくだりだった。

当然、世界の目はONEへ向けられた。

世界中のマスコミは一斉にONEへの活動を誹謗中傷し集中攻撃した。

エレボスの思惑通りに事は運んだ。

ピラミッドの事件以降世界からはONEの事を口にする者はいなくなった。

イギリスのとあるビルのオフィイスでマーラが呟いていた。

「人間とはそんなものよ、時代がどうであれ情報に左右されるのは世の常。

一番可愛いのはしょせん自分の身の安全。

世界に君臨する者はいつの世も民衆を誘導してやらんとな。

それも我々エレボスの勤め」

マーラは勝ち誇っていた。


そのころ東京では、旧SANGAの面々に由美子も加わり
居酒屋の一室に集まっていた。

シバが話し始めた。

「今日は大変お疲れ様でした。本当にみんな久しぶりだね。

元気そうでなによりだよ。

今日は、本当にこれで良いのか?

もう一度みんなの意見を聞きたいと思って集まってもらった。

フウキ君は我々に、ある意味人間として、

いや、魂が覚醒する切っ掛けを与えてくれた。

そして目指す目的はSANGA(安住の地)のはず。

たとえ、我が身が滅びようとも魂は永遠に不滅。 

今、やらずして何時、やるのか?

フウキ君が生前、ことある事に言っていた言葉を思い出して欲しい。

ひとりが変われば自ずと廻り、そして地域社会、

そして世界が変わると何時も言っていた。

それが今なんじゃないかって僕は思うんだ。

思い起こしてほしい。

あの久慈氏が晩年は180度人間が変わった。

たったひとつの詩と摩耶さんとの出会いで。

人間は瞬時に変われるんです。

僕はフウキ君の志を繋げて行きたいし実現したいんだ。

フウキ君の死後、僕は臆病になっていた。

今、気が付いたんだ。僕達は志半ばなんだってね。

みんなの意見を聞きたい」


摩耶が言った「私もこの数年何かを置き忘れているようで、

しっくりこなかったの。

今、シバさんの言葉で何が足らなかったのかが解りました。

SANGAは志半ばだったって事に。

そして私も志半ばだったって事を、

そしてこれが私の天命だって事を」


インドラが涙目で言葉を発した。「僕も摩耶さんと同じです。

今、此処に何で僕がいるのか。

どうあるべきか解った気がします。

僕もフウキさんの目指した世の中になって欲しいです」


花梨が言った「SANGAの中で私が一番先にフウキさんと出会い、

土地柄が札幌でもあって、一番長く接してきました。

フウキさんは何時も前を見て歩いてました。

私のこの世で尊敬するフウキさんがやってきたことを、

完結させたいと思います」


ラトリが言った「僕もフウキさんを追っかけて札幌の大学を受験し、

半ば強引に親に願い出て住んだ札幌。

フウキさんから色々と学んできました。

僕もSANGAを愛してます。

そしてライフワークと自覚してます」


私もいいですか?

由美子が口を開いた。

「私は晩年のフウキさんしか知りません。

でもフウキさんの話は花梨さんから、ことある事に聞いて来ました。

私は、ろくすっぽ会話も出来ない徳島の田舎の娘でした。

フウキさんが切っ掛けを与えてくれたおかげで人前で表現できました。

ここにこうして居れるのもフウキさんのおかげです。

皆さんの邪魔にならないようにしますので、

どうか、どうか私を仲間に入れて下さい」

シバが「ここに居ると言うことはもう仲間なんですよ。

フウキ君が最後に見つけてくれた大事なSANGAの仲間です」

全員が拍手をした。

アグニが話し始めた「僕もみんなと同じです」

簡単に云い終えたアグニはバックから包み物を取り出した。

「今日はみんなに視てもらいたい物があるんです。
これは僕が小樽の喫茶店でパラレルのフウキさんに貰った緑色の石なんです」

包みを開けて花梨に手渡した。

「例のエジプトテロ事件の前に、小樽でフウキさんから預かった石なんです。

何故、僕が預かったのか未だに解らないんです。

皆さん手にとって感じてみて下さい」

由美子が「あの〜〜う、フウキさんと会ったんですか?」

シバが説明した「パラレルワールドのもうひとりのフウキ君が
半霊半物質でアグニの前に現われたんだ」

「それって幽霊ですか?」

「ウ〜〜ン。とも違うかな・・別世界のフウキ君ってとこかな」

「由美子ちゃん、後で教えてあげるね」花梨が言った。

摩耶が切り出した。

「前回と同じ活動内容でするの?

それとも違う方法か何かで?」

アグニが言った。
「此処に居るのが歌い手2人・詩・書・絵・小説・癒しの波長」

インドラが続いた「これらを複合して統合するとどうなりますかね・・・」

「あっ・・・」突然、由美子が声を上げた。

全員、由美子に集中した。

「由美子ちゃん、どうかしたの?」

花梨が声を掛けた。

摩耶も視線を由美子に向けた。

由美子はじっと目を伏せて何かを視ていた。

そして由美子の片手には緑の石が握られていた。

由美子は石を握って直ぐ、身体に振動が走った。

そして次の瞬間、自分の身体を眼下にして宇宙空間をさまよっている自分を感じた。

間もなく風景が変わって今度は白い宮殿のような処に自分が座っていた。

右側を視るとあの懐かしい顔がそこにあった。

「フウキさん、お久しぶりです」

手を振っているフウキがにこやかに立っていた。

その横には見慣れた顔もあった。

「あっ、ヘルさんもお久しぶりでございます」

由美子はサンガにトリップしてたのだった。

しかも由美子はヘルを知っていた。

ヘルが「これから数年後の地球の姿を見せてあげよう。

その世界は望む望まざるに係わらず、進む道は自分で決めているのです。

そこは嘘隠しの出来ない自分の行く地球の姿です。

大きく分けると地球は2方向に分かれる」

由美子が初めに垣間見た世界は、

薄暗くチョット獣臭いジメジメした何とも云えない、

よどんだ空気の世界だった。

人間は様々で、ブツブツ何か独り言を言ってる者。

目が血走った修羅の形相のような者。

長い髪に半裸同然の出で立ちで男に媚びを売る女性。

等々、自分の欲望丸出しの世界がそこにあった。

胸に声が聞こえた。

「ここは将来の地球の姿、自分最優先の世界」

次に垣間見た世界は、ほんのり暖かく初夏の日差しのように心地よい、

そして秋のような透き通った空気が本当に遠くまで見通せた。

道を歩く人は皆、輝いていて、にこやかでピュアな感じがする。


先ほどとは全く違った世界がそこにあった。

「もうひとつの地球の将来」

声が胸に響いた。

次の瞬間SANGAの仲間の中に座っていた。

花梨が「由美子ちゃん、トリップしたの?」

「はい、身体から飛び出したと思ったらフウキさんと
ヘルさんの居る世界に行きました。

そしてヘルさんが近未来の地球は二つに分かれていて、

その二つの地球を少しだけ視せてもらいました。

サンガのヘルさんが云うには、

地球は近い将来二つに分離するそうです。

ひとつは自己中心的で欲望のままに我を通そうとする世界。

今の世の中の灰色な部分をデフォルメしたような世界。

もうひとつは調和の取れた、神の世に近い世界みたいです。

フウキさんもサンガにおりました。ニコニコ笑ってました」

話を聞いていたシバが口を開いた。

「ちょっとごめん・・・みんな、僕の話を聞いてくれるかい。

今の由美子ちゃんの話を聞いていて思ったんだけど。

今から云うね。

もう一度、SANGAの存在意義を確認しないかい。

僕は今まで、この世の中を楽園的な世の中に修正できないかなと考え、

行動してきたところがあるんだ。

百匹目の猿じゃあないけど、

僕達SANGAの影響が知らず知らず廻りに及ぼすだろうと考えていた。

でも、それは思い上がりではないかなと思ったんだ、たった今。

由美子ちゃんがサンガで視せられた近未来の世界は、

ズバリ二方向に分離されていて双方の世界が存在する。

今のこの世を良しとする利己主義の世界と調和を求める人間、

いや本来の魂のすがた。

当然、どちらを選ぶのも各自次第ってわけ。

だから近未来は分離されているんだ。

で、僕らの意義は後者の調和を求める人の少しでも手助けになればと思うんだ。

あくまでもガイドのような縁の下の力持ち的な・・・・どうだろうか?」

花梨が言った「私も今、そんな気がします。

私は歌の世界を通してだけど、

同じ歌でもその時々で伝わり方が違うのね。

原因は色んな要因があると思うけど、

それって原因のひとつにこちら側があるような気がするの。

最初の頃は、只がむしゃらで心に余裕がなかったの。

でもちゃんと伝わったのね。

そのうち馴れてくると客席の反応を気にしたり、

歌う側も馴れてきたっていうか新鮮味が欠けたっていうか・・
と同時に心に穴が開くことがあったのね。

そこいくとKIZUNAのような自然発生のパワーって凄いなって思うの。

それに作られたものって冷めるのも早いような気がするの・・
それは此処のみんなも感じてると思うけど」

由美子も深く頷いた

「私も押しつけにならないKIZUNAの歌のように
自然発生的な歌も良いかなって思いました」

全員一致でSANGAの今後の方向性が決定された。

活動は再開する。

但し自然発生的な方向性を目的とする。 

全ての教義的なものは無く、あくまでも個人の自主性を最優先し尊重して活動する。

SANGAに類する作品は著作権フリーとし、

宣伝活動は個々の判断によるものとする。


摩耶作詞・由美子作曲の作品「一輪の花」がネット配信され
世界中で歌われることとなった。

その後、地球はサンガの予言通り二方向に別れていった。

2026年、争いのない平和に満ちた地球が再構築された。

もうかつての地球を思い起こす者は無かった。

新生地球には国境は無く、人種や差別、言葉の違いや性別さえも無くなっていた。

かつての地球的習わし、常識の類はこの新生地球にはもはや存在していなかった。

真実の文明に支えられた地球は宇宙の仲間入りを果たし、

霊的文明へと進化を遂げていた。

将来の地球が光り輝く星になりますように、願いを込めてSANGAここに完結。

THE END
  • URL:https://yaplog.jp/10382222/archive/19
Comment
小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー 絵文字 プレビューON/OFF

不正な自動コメント投稿を防ぐため、チェックボックスにチェックをしてください。

利用規約に同意
 X 
禁止事項とご注意
※本名・メールアドレス・住所・電話番号など、個人が特定できる情報の入力は行わないでください。
「ヤプログ!利用規約 第9条 禁止事項」に該当するコメントは禁止します。
「ヤプログ!利用規約」に同意の上、コメントを送信してください。