コンピューターと文学1 7月25日提出期末レポート 

July 24 [Wed], 2013, 21:12
・青空文庫と日本ペンクラブ電子文学館の使い勝手。
 青空文庫と日本ペンクラブ電子文学館を比較してみると、二つの方向性の違いがよくわかる。青空文庫はそもそも著作権の切れた作品で、有名なものを掲載しているので作品数は膨大だ。当然、検索のシステムなどもよく整備されているように思える。検索エンジンから索引も作家別、作品別に分かれている。日本ペンクラブ電子文学館はその会員、つまり権利者からの許諾を得てホームページ上に掲載する。その分作品数は少なくなってしまうのはしょうがないことだといえるだろう。しかし、その分ページのレイアウトはシンプルでとても見やすいと思う。小説、詩、短歌、俳句、川柳、戯曲、シナリオなどといったジャンルごとに区分わけされており、検索エンジンなんて要らないのではと思えるほどにさっぱりとしたものだ。
 内容のほうを見ていくと、青空文庫は真っ白な背景にずらっと並ぶ文字を目で追っていかなければいけないのに対して、日本ペンクラブ電子文学館は背景色とフォントも選ぶことができて見やすくなっている。ただ、長編ものの場合は青空文庫も日本ペンクラブ電子文学館もどこまで読んだのかわからなくなってしまうように思える。それに先ほども言ったが日本ペンクラブ電子文学館は内容数が青空文庫に比べて少なく、たまに覗くぶんには楽しめるかもしれないが一日も読み漁っていれば興味のあるもの面白そうなものは大抵読みつくしてしまうだろう。これは作品掲載の都合上、仕方のないものであるのかも知れないが。それであれば、他の細かなサービスを充実させてみてはどうかと思う。青空文庫には(一部現在閉鎖中ではあるが)掲示板があり、資料室や、運営方針、リンクがトップページに並んでいる。私はあまり掲示板などを使用することはないが、そういうものがあって活動しているという事実があるだけでもどこか安心感がある。別に日本ペンクラブ電子文学館を青空文庫に似せる必要はないのだが、現在の状態では日本ペンクラブ電子文学館は閉塞感で息が詰まってしまいそうな雰囲気がある。読者にも品格が求められているような気がしてしまうのだ。実際はそんなことはまるでないのだろうが。
 私的なことかもしれないが、私はページを新しく開くときいつも新しいウィンドウではなく新しいタブで開く。長時間そうしてネットサーフィンをしていると、タブの数が膨大になってしまってあのページはどこにあるのかと探してしまうことがよくある。前置きが長くなってしまったが、日本ペンクラブ電子文学館の作品をタブで見ると全て「日本ペンクラブ電子文学館」と表示されていてどんな作品を開いていたのかまるでわからない。青空文庫ではしっかりと作品名がそのままタブ名になるからこっちはわかりやすい。細かいところかもしれないがこういうところがしっかりしているかどうかでも、ユーザーがページを評価する要因になると私は思う。
 こうしていろいろと比較してはみたが、青空文庫と日本ペンクラブ電子文学館はどちらも電子書籍を扱っているが、方向性はまるで違う。青空文庫は著作権の切れた作品を広く公開し、そういった古典に親しもうと活動している。日本ペンクラブ電子文学館は日本ペンクラブ会員の表現の場も兼ねながら、日本の近代文学の軌跡を一望することを目的としている。青空文庫も日本ペンクラブ電子文学館も互いが似せる必要はまったくない。もちろん良いと思ったことは共有できれば望ましいが、目指す方向性が違う以上目指す形も違ってくるはずだ。そういったところを長所として伸ばしていくことができれば、青空文庫も日本ペンクラブ電子文学館も自然と住み分けができてくるはずだ。趣の違うユーザー層を獲得し、青空文庫も日本ペンクラブ電子文学館もいずれ必要とされる存在になるのが望ましいことなのではないだろうか。そして時には共同で企画を立ててみるのも面白いかもしれない。
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