現夢戦争―続き編― 

2006年12月22日(金) 21時20分
空が煩かった。
気が付いたら日陰にいた。どうやら眠ってしまったらしい。
―悪い癖だ。

視線を感じて振り向くと、さっきの男がいた。
こっちに気が付いたみたいだ。
―男の腕は赤く染まっていた。
―――…え?
『……無事か?』
突然話し掛けてきて、正直驚いた。
『……え…』
言葉が出なかった。
『…質問を変える。気が済んだか?』
男は哀芽との間に5m位の距離をあけ、そこから近付こうとしなかった。
―意味が分からない。
男はじっと哀芽を見つめ、様子がおかしい事に気付いたのか、首を傾げ、目線を剃らした。
哀芽は、記憶を辿ってみる。
――あ……。私、確か…。彼の腕に目をやる。
『………その…右腕…』
男は顔を挙げ、自分の右腕に目をやる。
『………かすり傷。』
―――違う。多分、私がやったんだ。…でも、確かに交したよね?
『……わざと…当たりました…?』
―何を聞いているんだろう。心配なんかしていない。この人が…家族を殺したんだもん。本当は、そんな傷だけじゃ気が済まない。
………でも、なんだろ。この罪悪感…。
『……こうしなきゃ気が済まないだろ…』
男は溜め息をつきながら言った。
――――え?
「こうしなきゃ気が済まないだろ。」
――何ソレ。
何その態度。他に言う事あるんじゃないの?
「気が済まないだろ」
―人の大事な人達を次々殺して、「気が済まないだろ」ふざけないでよ。
――でも…それを口に出せないのが…最低な私だ…。
『………さない…。』
涙が溢れてきた。
『……許さない…!』
哀芽は膝だちながら、男を睨みつけ、さっきの殺意がまた戻ってきた。
男は溜め息をつき、上から哀芽を見下しながら、
『………あれは、俺じゃない。』
―――は?
ここまで言って罪逃れ?
今更、言い訳?
冗談じゃないわよ……。

震えが止まらず、ただ黙って睨みつけるしか出来なかった。

『………行くぞ』
――は?
行くって何処へ?
この人はさっきから何をほざいているの?

―――絶対に行かない。

男は立ち上がろうとしない哀芽を見てまた1つ、溜め息をつき、振り返った。

『………来ないと死ぬぞ』
―――死……ぬ………。

極度の震え、恐怖が私を襲ってきた。
……お母さん…お父さん。……………お兄ちゃん…。
男は静かに哀芽に近付いてきた。
哀芽の元へとしゃがむ、肩に触れられた。

『……!?…やッ!…』

哀芽は強く振り払った。
肌と肌が弾く、嫌な音が響いた。

『……さ…わん…ないで…の…人殺し……!』
哀芽は自分の両腕を抱き、そのまま蹲った。

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2006年12月22日(金) 18時47分
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親友Sのブログー!
素敵な小説連載中
―綺 羅 星 の 様 に 輝 く 様―

名前とかユニークで、登場人物・ストーリー等現実感溢れる感動ものばかり。
私は現在ハマり中。
泣きたい方は是非見てやって下さいー!(え
つーか、見ろ

現夢戦争―続き編― 

2006年12月21日(木) 20時55分
『!?…き……きゃあ!』
――目を閉じてみた。恐らく、もう目覚めないだろう。良いよ……そっちの方が…ずっと楽。
――こんな筈じゃなかったのにな…今頃、慈雨と二人でドキドキしながら、高校の門をくぐってたのかな。
そう考えると、自然に涙が出てきた―…。

死 に た く な い よ…。
その時だ、上の方で物凄い爆発音が聞こえた。驚いた哀芽は、震える手を抑えながら言うこと聞かない瞼を開け、恐る恐る空中を見上げる。

――何か………居る

現実では有り得るだろうか。…いや、今の出来事自体有り得ない。
空中では何やら人型の様な者が、空を飛んで、得体の知れない機械へ何かをしていた。

――――何………あれ…

開いた口が塞がらず、唖然としていた矢先、得体の知れない機械が次々へと爆発していく……。

人型は振り返り、哀芽の所へと降りてきた。

――――!!や、やだ!殺されるッ!!

震えが止まらず、腰を抜かした哀芽が、ズルズルと少しずつ後ろへ下がる。

人型は……どうやら男の人みたいだ。どうやらコイツが今までの大将であろう。そう思うと、怒りと憎しみ、殺意が一片に私を襲ってきた。


―――コイツが………。
男は哀芽の前で止まった。
―――コイツが……!

『……によ…』
怒りが収まらなかった。
『…何よッ!あんたね!?私の…家族や大切な人達を奪った最低野郎はッ!!』
男は答えなかった。
『よくも…平気な顔で私の前に現れた者ね…。』
哀芽は近くに転がっていた機械の破片を拾い、男めがけて突き刺した。

男は見事交わした。
哀芽は狂った様に破片を振り回し、泣きながらわめいた。涙が出てきたせいか、力が抜け、破片を地面へ落とし、そのまましゃがみこんでしまった。

―――力が出ない。

哀芽は、全てを思い出した様に泣き出し、狂う様にわめいた。

男は、何も言わずただじっと私を見つめ、立ち尽くしていた。

現夢戦争―続き編― 

2006年12月21日(木) 18時06分
辺りを見回しても、何故か慈雨の姿が見えない。
『慈……雨…?』
―――嫌な予感がした。
『…だ…嫌だ…慈雨!どこにいるの!?慈雨――!』
哀芽の一言一言が、森の奥深くまで谺している。
それがやけに静かで、何だか気味悪い。
『………じ……う…』
どんなに叫んでも、慈雨の姿が見えない。人影さえも見えない。
――嗚呼。神様―。貴方は慈雨までも奪うのですか?私にどうしろと言いたいのですか?


さっきから、空襲の音が耳にこびりついて離れない。

ドガン…!

ミサイルの音が段々と近付いてくる。

――!?

哀芽の近くにも、ミサイルが落ちてきて、あっというまに火の海になった。

『……も…やめてよ。』
――許さない。お父さんやお母さん。そしてお兄ちゃんまでも死においやって、もしかしたら慈雨までも……。
『もうやめてよ!何がどうしたいのよ!!私からこれ以上何を奪う気!?許さない。許さないからァ!!』


哀芽は空を思うがままに飛びまわって、好きかってに爆弾を落としまくる得体の知れない機械共に向かって、泣きながら叫んだ。

すると、それに応えるかの様に爆弾を哀芽の元へ
落としてきた。

現夢戦争―続き編― 

2006年12月20日(水) 20時48分
慈雨に連れられ、一旦保育園の裏へと出た。見付からない様に、少々森の中へ移動し、日陰にもたれかかった。
『……哀芽…。』
涙が止まらなかった。
――…どうなってるの?
――…お父さんは?
――…お母さんは?
「おばさんとおじさんが……。」
――…違う。お父さんもお母さんも、死んでなんかいない。

『哀芽。戦争よ。今、ここで戦争が起きてるのよ』
――…戦争?
『戦争って…?』
慈雨は、溜め息混じれに言った。
『戦争も分からない?』
『違う!違う!どうして戦争なんて…今更…。』
私の奇声が、森の奥へと谺する。
『………哀芽。少しは大人になりな。いつまでも私や渚さんが傍にいるから大丈夫。なんて甘い考え、通用しないわよ。』
慈雨のきつい言葉で、私は言葉を失った。

―ドガンドガン
突然の爆風と、突然の空襲で、私達は飛ばされそうになった。
―――…ほんの一瞬だった。だから、何が起きたのかよく分からない。だけど、明らかに目の前で何かが燃えている。
『……お兄…ちゃん』
血の気が引いた。
『…お兄ちゃん…お兄ちゃーん!!』
――そう。目の前で、さっきまで在った筈の保育園が、あっというまに火の海へと化していた。
『哀芽!駄目よ!』
『嫌だ!お兄ちゃん!お兄ちゃーんっ!』
『死にたいの!?』
―――…!…死…ぬ?
『今はとにかく逃げるの!またさっきの空襲が来るわ!!』
私達は夢中で走った。森の奥へ奥へと―…。
――今、目の前で起こった事はまるで、現実を見ようともしない私に、無理矢理見せ付けるかの様に、余りにも残酷に起きた。空は、やはり暗いままだった―。


―走り続けて、どれくらい経つだろう。
『はぁ、はぁ。哀芽、大丈夫?』
『…はぁ………ぅん』
木にもたれかかり、お互いに息を切らしながら、慈雨が……泣いた。
――当たり前だよね。保育園の中には、慈雨の家族だって…居たんだもん。
私だけが、辛いんじゃないんだもん。
『慈……雨ぅう―。』
慈雨につられて、私も泣いた。
――どうしてこんな事になったんだろう。
―私達は、何かいけない事をしましたか?
―神様…、私は貴方を一生恨むでしょう。
―私達の…、大事な物を次々と奪う残酷な貴方を…。

―もう…、戻れない。






――ここは?どこ?また…夢の中?
見慣れた暗闇があった。
確か……、今朝同じ物を見た様な気もする…。

――でも…、もうどうでもいい。
いっそ、このまま眠り続けていようか………。


―――芽………。
―!?
―――哀………芽…。
―まただ。誰かが呼んでる。もしかして、慈雨かな?や、違う。誰だろ…。
視界が段々と暗闇に慣れてくる。
―男……の人……?
―――哀芽。起きるんだ。今すぐ、現実の世界に。
―え?どうゆう意味?貴方は誰?
―――ここはまだお前の夢の中。厄介な奴らが来る前に現実へ戻るんだ。
―え?な、待って…よ…。
言い終わらない内に気が遠くなってきた。


―――――――…どれ位時間がたっただろう。木と木の間から、微かに光が漏れている。
『ん―――…慈…雨?』

現夢戦争―続き編― 

2006年12月20日(水) 18時45分
――6:15分。春だから、空は微妙に薄暗い。でもこんなに?


哀芽と渚は、出来るだけの非常食を持って、近所の避難場所へと向かった。
上は嫌な音を響かせながら、思い思いに飛び回っていた。
―…涙が出てきた。
20分位した所に、古い保育園がある。そこが、哀芽達の避難場所だ。
中には……、沢山の人がいた。凄い傷をおっている人もいた。
――…私は…、まだ状況が読めない。
『哀芽?大丈夫?怪我ない?』
『…………ん。』
『……哀芽?』
聞き覚えのある声が、私を呼んだ。
『慈……雨?』
慈雨だ。普段はとてもクールで、何事にも冷静な慈雨が、珍しく息をたててこっちへ向かって来た。
『哀芽…、さっき保育園の方に連絡があって……、その……、おばさんとおじさんが…空襲に巻き込まれて…。』
―――嫌な予感がした。
『し…死んでしまったって………。』
―頭が真っ白だ…。
――…空襲?やめてよ。
ここは平成。特にニュースではそんなの放送されてなかった。
………ほら。慈雨までそんな事言うから、お腹が…。『…哀芽……。』
――なんで?どうしてそんな顔をするの?
やめて。やめてよ。そんなの、嘘だよね?
信じたくないよ。
『……哀芽。ちょっと外…出よ?裏なら人目につかないから。』

現夢戦争‐genmusensou‐ 

2006年12月20日(水) 17時38分
――4月、桜の花びらが一本の道にじゅうたんをひいて、愛らしい小鳥達の歌を聞きながら、学校へ通う。今日から私は高校生。
小さい頃からずっと一緒だった大親友の
宇都 慈雨(うつみ じう)
と二人で受験した高校に、二人一緒に通う。
素敵じゃない?
ああ。朝が待ち遠しい。


現 夢 戦 争
―genmusensou―


―ここはどこだろう。
真っ暗で何にも見えない。
―……誰?
暗闇の先に誰かいる。
―……誰なの?
顔は何も見えない。…ただ、頬から何やら光ものは見えた気がする―…。
―…泣…いてる?

―――――芽……。

??何を言ってるの?聞こえないよ。

――――哀………芽……。
!?誰?貴方は誰?どうして私の名前を??


…ドガン………

何やら大きな大砲の様な音で目が覚めた。

『――…夢?』
春だから、外はまだ微妙に薄暗い。
ふと時計に目をやると、ボヤけて見える時刻は5:50位。
『哀芽!!』
お兄ちゃんの渚(なぎさ)が、荒くドアを開けた。
『お兄ちゃん?どうしたの?こんな朝早くに…。』
『哀芽!外を見てみろ!』『え……?』
何をそんなに息を切らせているのか、哀芽は訳も分からず言われるままにカーテンをあけてみた。
『…………何……これ』
それまでは、哀芽の地域には近所の家が沢山あった。…が、朝なのに空には黒い煙があがって、暗くなっていた。
ところどころで何かが燃えるような火が見える。
上では得体の知れない物が何台も飛び回っていた。
『……さっき、変なデカイ音が聞こえただろ?驚いて見てみたら…このありさまだ。』
意味が分からなかった。
『とにかく、ヤバイからここから逃げるんぞ!』
『…何!?何処に逃げるの!?お父さんとお母さんは!?』『……………まだ…分からない。でも、きっと無事だ…。』
『…まだ、出張から帰って来てないの?』
『……うん。』

〔―住民の皆さんに、至急お知らせします。急いで町内の避難場所に集合して下さい。繰り返します……〕警察が何を言っていろのか分からなかった。
―――…避難場所?
『哀芽!逃げるんだ!』
――…逃げるってどこへ?――…避難場所って何?
『哀芽!!』


―…空は…、あんなに暗かったっけ………?
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