藤田正美の時事日想:政権交代はしたものの鳩山政権が悪戦苦闘しているように見える。普天間基地の移設問題ではパンドラの箱を開けてしまって、二進も三進もいかなくなった。
ウルトラCの解決策があれば別だが、そうでなければ本来的には現行案でいくしかない。日本政府、米政府、沖縄が何とか妥協案としてつくりあげたのが現在の案だから、それをぶっ壊してしまえばまた延々と交渉を重ねるしかなくなる。そうなったら普天間基地そのものが居座ることにもなりかねない。
これも大問題だが、国民新党と連立を組んだ負の面が急激に膨らんでいるようにも見える。郵政改革・金融担当の亀井大臣に振り回され続けている。最初はいわゆる「モラトリアム法案」、そして2009年度第2次補正での亀井大臣と菅副総理とのバトルである。
いちばん気になるのは、亀井大臣が「連立だから対等である」と発言したことだ。しかし先の衆議院総選挙で国民新党の得票率は小選挙区で1%、比例で 1.7%にすぎない議席は小選挙区で得たわずか3議席である。しかも綿貫民輔氏や亀井久興氏といった大物議員が落選している。その意味では国民新党が国民の大きな支持を得たとはとうてい言えない。
●連立パートナーに振り回されている民主党
参議院で少数与党にならないように民主党は社民党や国民新党と連立を組んだ。それによって国民新党が「キャスティングボート」を握ったとはいっても、国民新党の政策を強引に推し進めようとするのは筋違いと言うべきである。「連立だから対等だ」などと言うのは古強者の政治家の詭弁(きべん)にすぎない。
民主党の小沢幹事長は、連立が壊れてしまえば来年の参院選まで鳩山内閣がもたないと計算しているのかもしれない。せっかく得た政権の座を確実なものにするためには、国民新党や社民党の“わがまま”を聞いても、多数与党を維持すべきだということなのだろう。確かに政治の論理としてはその通りかもしれない。しかし有権者はどうだろうか。
有権者の間では、普天間問題やら景気対策などで民主党の政治手腕が心許ないと思っている人が増えているように思える。支持率がやや低下しているのもその表れだろう。しかし、日本の有権者は思ったよりもよほど辛抱強い。ある経営者団体で「民主党にパイプがないため困っている」と言いながら、「政権が交代したことは良かったと思っている」という声を聞いた。少なくとも国民は民主党にもう少し時間を与えようとしている。支持率がまだ高いのがその証左だと言ってもいい。
その意味では、いかに連立だとはいえ、民主党が連立パートナーに振り回されないことが肝心だ。国民は、民主党に圧倒的多数の議席を与えたのであり、国民新党やら社民党に議席を与えたのではない。もし自分たちの政策を通さなければ連立離脱だと彼らが言うのなら離脱させればいい。実際のところ政権から離脱したこれらの少数政党は、ますます存在が希薄化していくだけである。
インドのマンモハン・シン首相は、米国との原子力協力締結にあたって、連立パートナーの強硬な反対を押し切った。インドの電力需要を満たすためには、米国をはじめとする原子力先進国からの技術導入が必要不可欠と判断したからである。連立を離脱した勢力に代えて他の政党を巻き込んで国会を乗り切るという離れ業を演じた。そして今年行われた総選挙では、事前の予想を裏切って、国民会議派が圧勝した。
●空虚な時代にしてはいけない
友愛を掲げる鳩山総理だけに、強引な政権運営はやりにくいかもしれない。それに政治資金問題もまだ尾を引いている。検察の捜査が終了しても、来年の通常国会では自民党から追及されることは間違いない。しかし、だからこそ鳩山総理は右顧左眄(うこさべん)すべきではない。むしろ今は、政治的信念を高く掲げることによって、国民に訴えかけることこそ必要である。もしここで政権を維持することにきゅうきゅうとしてしまえば、国民は民主党政権に失望し、肝心の来年の参院選も危うくなってしまう。
もっと恐ろしいのは、自民党に失望した有権者が民主党にも失望してしまうことだ。そうなったら二大政党制どころか、政治的無関心が日本社会を支配してしまい、政治的にはただただ混乱ということにもなりかねない。そういう「空虚な時代」には、極端なナショナリズムが顔を出す危険性も高まるのである。
ウルトラCの解決策があれば別だが、そうでなければ本来的には現行案でいくしかない。日本政府、米政府、沖縄が何とか妥協案としてつくりあげたのが現在の案だから、それをぶっ壊してしまえばまた延々と交渉を重ねるしかなくなる。そうなったら普天間基地そのものが居座ることにもなりかねない。
これも大問題だが、国民新党と連立を組んだ負の面が急激に膨らんでいるようにも見える。郵政改革・金融担当の亀井大臣に振り回され続けている。最初はいわゆる「モラトリアム法案」、そして2009年度第2次補正での亀井大臣と菅副総理とのバトルである。
いちばん気になるのは、亀井大臣が「連立だから対等である」と発言したことだ。しかし先の衆議院総選挙で国民新党の得票率は小選挙区で1%、比例で 1.7%にすぎない議席は小選挙区で得たわずか3議席である。しかも綿貫民輔氏や亀井久興氏といった大物議員が落選している。その意味では国民新党が国民の大きな支持を得たとはとうてい言えない。
●連立パートナーに振り回されている民主党
参議院で少数与党にならないように民主党は社民党や国民新党と連立を組んだ。それによって国民新党が「キャスティングボート」を握ったとはいっても、国民新党の政策を強引に推し進めようとするのは筋違いと言うべきである。「連立だから対等だ」などと言うのは古強者の政治家の詭弁(きべん)にすぎない。
民主党の小沢幹事長は、連立が壊れてしまえば来年の参院選まで鳩山内閣がもたないと計算しているのかもしれない。せっかく得た政権の座を確実なものにするためには、国民新党や社民党の“わがまま”を聞いても、多数与党を維持すべきだということなのだろう。確かに政治の論理としてはその通りかもしれない。しかし有権者はどうだろうか。
有権者の間では、普天間問題やら景気対策などで民主党の政治手腕が心許ないと思っている人が増えているように思える。支持率がやや低下しているのもその表れだろう。しかし、日本の有権者は思ったよりもよほど辛抱強い。ある経営者団体で「民主党にパイプがないため困っている」と言いながら、「政権が交代したことは良かったと思っている」という声を聞いた。少なくとも国民は民主党にもう少し時間を与えようとしている。支持率がまだ高いのがその証左だと言ってもいい。
その意味では、いかに連立だとはいえ、民主党が連立パートナーに振り回されないことが肝心だ。国民は、民主党に圧倒的多数の議席を与えたのであり、国民新党やら社民党に議席を与えたのではない。もし自分たちの政策を通さなければ連立離脱だと彼らが言うのなら離脱させればいい。実際のところ政権から離脱したこれらの少数政党は、ますます存在が希薄化していくだけである。
インドのマンモハン・シン首相は、米国との原子力協力締結にあたって、連立パートナーの強硬な反対を押し切った。インドの電力需要を満たすためには、米国をはじめとする原子力先進国からの技術導入が必要不可欠と判断したからである。連立を離脱した勢力に代えて他の政党を巻き込んで国会を乗り切るという離れ業を演じた。そして今年行われた総選挙では、事前の予想を裏切って、国民会議派が圧勝した。
●空虚な時代にしてはいけない
友愛を掲げる鳩山総理だけに、強引な政権運営はやりにくいかもしれない。それに政治資金問題もまだ尾を引いている。検察の捜査が終了しても、来年の通常国会では自民党から追及されることは間違いない。しかし、だからこそ鳩山総理は右顧左眄(うこさべん)すべきではない。むしろ今は、政治的信念を高く掲げることによって、国民に訴えかけることこそ必要である。もしここで政権を維持することにきゅうきゅうとしてしまえば、国民は民主党政権に失望し、肝心の来年の参院選も危うくなってしまう。
もっと恐ろしいのは、自民党に失望した有権者が民主党にも失望してしまうことだ。そうなったら二大政党制どころか、政治的無関心が日本社会を支配してしまい、政治的にはただただ混乱ということにもなりかねない。そういう「空虚な時代」には、極端なナショナリズムが顔を出す危険性も高まるのである。
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