子供の言い訳も大人の縮図 

November 14 [Tue], 2006, 17:58
 金銭の絡むいじめの結果自殺した子供がいるが、
加害者である子供は、

  『利子を要求したのは本気じゃない
            ただの冗談のつもりだった』
といったそうだ。
 さて、この子供の発言を大人はどう判断するであろう。

 もし、この冗談のつもりだったという言葉を信用するなら
いじめられてた子供が素直に、もしくはしぶしぶながらでも
要求された利子を含む金銭を手渡したとき
 『冗談だった、そんなのいらない』
といって、受け取りを拒否しただろうか? 
否、受け取っていたに違いない。のみならず更なる要求を、
それも前回を上回る金額を要求していただろう。
 もし、自殺という手段に訴えることなく子供が抵抗していた
ならば、異なるさらなるいじめがあったに違いない。
 
 大人はこう考えるかもしれない。
そういう理不尽に対し抗し切れなかった子供にも問題がある。
一概にいじめをしていた子だけを責めれる問題ではない、と。
 そういう大人にこそ言いたい。
いじめられた子供、いじめた子供 どちらに対しても
大人だからという理由だけで、実情も経過も何も知らない癖に
何もいう権利はない、まして人に押し付ける権利など皆無だと。
 
 知らなかった。そういうつもりじゃなかった。相手が勝手にやった。
 本気じゃなかった。そこまで思いつめてるとは思ってなかった。
 わからなかった。etc・・・・・

 大人がみせる汚い部分、卑怯な部分、言い訳、弁解、責任逃れ
それらの縮図がそれらの言葉にあふれている。
 そういう大人を真似てるだけだ。こういえば許されると、
許されるかもしれないと子供心ながらに知っているのだ。
仮に、こう言えと指示されていたならば・・・・もう言葉にもならない
絶望がそこに残るだけだ。
 どう言い訳しても、いじめを行っていた子供の犯したことは
消えやしない。それを知っていた大人も、知らなかった大人も
見てみぬ振りをしていた同級生たちも、誰もその罪から
なにを言い訳にしても逃れることはできない。
むしろそれを知らしめることこそが、今の子供たちには
酷かも知れないけれど必要なのではないか、と思わすにいれない。

いじめと自殺 

November 14 [Tue], 2006, 16:59
 もう、毎日といっていいほどの自殺報道といじめ報道。

 いままで水面下で昔から続いてたものが、いっときの
報道を呼び水にして表面化しただけだという人も、きっと
多いのだろうとは思うのだが、その一面だけをみるのでは
なく別の面もみてほしい。

 いままでずっと信号を送りながら気がついてもらえなかった
子供たちが、これらの報道をきっかけに こういう方法で
訴えればわかってもらえる、気づいてもらえるという
間違った逃げ道を見出す手伝いになってしまっては
いないだろうかということが一つ。

 二つ目は、自分以外にも多くの同類がいる。そして
彼らは自殺という手段でもって自分の苦しみを代弁した。
それでも自分の周りのいじめは変わらない、ならば
今度はわたしが自分の身で訴えよう。そして知らない誰か
同じ境遇の人の救いとなれるかも。という歪んだ自己犠牲
精神の発露を冗長させてやしないか。

 三つ目は、同じ境遇の人が自殺というショッキングな
手段でもっていじめのひどさつらさを訴えたにも関わらず
何も変わらない同じ毎日の繰り返しに絶望を感じて安易に
同じ自殺という目の前の例にならってしまいやしないか。

 あげればきりがないのだけれども、このような自殺や
自殺予告の同時多発な事態は決して放置していいもの
ではないだろう。そこに大人の自殺事件が散見されれば
一層子供には悪影響を及ぼす。規範となるべき大人が
安易に自殺という手段をとることの罪を、しっかりと
自覚して欲しいものだ。

 

ひぐらしのなく頃に 

November 11 [Sat], 2006, 14:02
 いやぁ 噂に聞いてはいたんだけど、深夜放送だったので
観ようと思いつつ観れなかったんだけど、レンタルに並んでたのを
見かけて早速借りてきました。
 1,2,3と連続で借りてきたんだけど、すごく面白いです。
 面白いといってもギャグとかそういう意味で面白のではなく
物語の構成がって意味ですけどね。なんせ中身は実に
ゾクゾクくるようなホラーですから。それも西洋ものにありがちな
みえみえの怖さ(突然の効果音や異類登場など)ではなく
じわじわと忍び寄ってくる影を思わせるような、静かで不気味な
そんな怖さ。一つのストーリーが4話構成で出来上がっているん
だけれど、この4話一組が終わると、同じ登場人物によって
まったく異なるストーリーが織り成されるのがアニメとしては新鮮です。
この手法はノベルゲーム(かまいたちの夜など)によく使われるもの
だけれども、こういう連続の映像作品としてみると、またちがった
怖さを覚えさせられます。

 内容的にかなりえぐいものがあったりで、こりゃ深夜放送にしか
できないのもうなずけるというものでしたが(汗)
 怖いもの見たさに一度機会があれば ご覧になってくださいまし。

 あーただし4話一構成なんで、はじめのストーリーを追いたい場合
レンタルするときは1,2巻同時でないとすごく居心地悪くなりますよ?
各巻3話収録なんで、1巻だけだと結末がみれませんから(笑)

 お奨め度  ☆☆☆☆☆  恐怖度 ☆☆☆☆  
 キャラ萌え度 ☆〜☆☆☆ 

隣之怪 壱談 

November 01 [Wed], 2006, 18:48
 新耳袋の原作者の一人、木原浩勝さんの手がけた怪談物の
新シリーズってことでレンタルして観たんだけれども、
既出の新耳袋とはちがって、一編が長編の作品だったので
期待半分不安半分だったんだけど、この壱談に関しては
不安が勝っちゃいましたね。
 新耳袋的な解のない怪らしさものは、しっかりあるのだけれども
むしろあるからこそ前振りとなるドラマ部分が妙にすわりが悪くて
いただけなかった感がいなめない。はたして80分強も使う
必要があったのだろうかと疑問に感じた。
 導入部が冗長的過ぎてて、肝心の本題部に突入したときに
おそらくこう来るであろうという予測がついてしまって
ゾクッとくるものがあまりなかった。
 ラストシーンなどは、まさに典型というか王道というか
あまりにありきたりな演出だったので残念だ。

 既出の映像作品の新耳袋は、映像作品ではあるものの
聴くだけでも充分その怖さというか不可解さが伝わる
作品だったんで好きだったんだけどね。
この【隣之怪】というシリーズは、木原さんが手がけるけれども
そういった新耳袋的な特徴利点を踏襲したものではなく、
完全に映像作品としてのみ成立する出来なので
(少なくともこの壱談に関しては)、視覚的情報に偏向しすぎ、
そのせいで先が見えすぎるきらいがあった。
 ホラー作品としてはいまいちとしか評しようがない。

 映像作品としては好きになれなかったけれど、テーマ
そのものについては充分ホラーだと思う。

 ずっと撮り続けて来たホームビデオに、あるとき不可解な
ものが映ってることに気がつき、いままでのテープを見直すと、
全てのテープに同じようなものが・・・

気がつくことではじめて覚える恐怖、というのは
実際に体験したらと思うと、確かにびびります。
気がついたからこそはじまってしまった恐怖。
もし気がつかなければ何事もなく済んでたのか・・・
ま、済むはずはないんだけど。

想像力の欠如 その2 

October 31 [Tue], 2006, 23:34
 いじめと同様に、最近話題になったものに履修不足がある。
 これは成績至上主義が生み出した悪弊の権化にみえる。
 
 が、いまはこのことをいいたいのではなく、この履修不足から
派生して起こった事件だ。つまり履修不足を起こしたとある
学校の校長先生が自殺した事件、それである。

 果たしてこの事件を知った人たちは、どう感じただろう、
どう思っただろう? 責任感のある人だ、とか立派な人だなどと
思った人はいるんだろうか・・・
 俺は、すごく迷惑な、そして自分勝手で無責任な人だと思った。

 死んでお詫びする、命をもって訴える

 そんなことをするぐらいなら、生きてその思いに正直になって
精一杯責任を果たしてほしかった。
 校長のとった行為はあまりに偽善にまみれてて、自己満足に
塗り固められた行為にしか、俺に目には映らない。
 死をもって償って全ては解決するのか、そんなこと少し想像力を
働かせればすぐにわかること。そう、なんも解決しない。
彼の死という新たな問題が物議をかもすだけ。
 生きてその責任を背負うのが嫌だったからとしか映らない。

 生徒になんの責任も無い、と遺書にあったがわかりきったこと。
死をもって訴えるものでもない。

 教育者の想像力の欠如、こういう人がいるのだから
学校内でのいじめの問題がいつまでも解決をみないのは
悲しいかな当然と思えてくる。監督すべき大人(教師)に
そもそも事態を想像するという能力が、致命的に欠如しているの
だから・・・・・

想像力の欠如 その1 

October 31 [Tue], 2006, 23:13
 ここ最近多発してるいじめによる自殺。
 今も昔も、まったく変化が無い学校でのいじめの実態。
 問題だ問題だと、幾度と無く過去に問題視され、論議され
対策を講じるだの、しっかりと現場監督をするだのと言って来た
その端からこの手の事件はあとを絶たず起こる。
 いじめに関しては、学校のみならず大人になってもついてまわる
社会の病気ではないかな。仕事先、趣味の集まり、チャット、掲示板
果ては家庭内にもあるそれは、自分の心の弱さが招く気がする。
 この場合の弱いとは、いじめられる側ではなくいじめる側にある。

 人をいじめることで自分の精神状態にかかる負担を解消する人。

 孤立を恐れるがために、力のあるものの行為に迎合する人。

 擁護することで同様の憂き目に会うのを恐れて黙する人。

などなど、すべては己の中にある心の弱さが招くものではないか。
想像力の欠如も大きな要因の一つだろうと思う。
 ゲームや映画などの暴力的な表現がしばしば物議をかもしているが
それも想像力の欠如から派生している。自分の身に振りかかれば
果たして自分はどう思うのか。いま自分がとってる言動を、相手は
どう受け止め、どう感じているのだろうか。

 みんながやってるから
 まきこまれたくないから
 自分は関係ないから
 一度は注意したけど、聞いてもらえなかったから
 etc・・・・

 色んな理由付け、しかもそのほとんどがあとづけのそれらが
いかに自分を貶めているか、気づかない人が今はあふれている。

 いじめられる側にも当然、そうされるだけの理由があるだろう。
けれどもそれを免罪符に、自分たちがとった言動が免赦される
わけではない。 
 またいじめられる側は、安易に死を選ぶべきではない。
自分に終止符をうつことは、たしかに自分自身のみの世界で
あるならば一番適切かつ有効な手段ではある。けれども、
自分も社会の一部であること、第3者との関係性をもたずに
存在できるものではないことをわからなければいけない。
 自分がとる行動が、結果として周囲にどれほどのショックを
迷惑を、そして問題を残すことになるか。考えなければいけない。
 いじめる側も、いじめられる側も 想像力の欠如が根底にあるのだ。

 

書架崩壊 

October 28 [Sat], 2006, 13:08
 いやぁ、参った。
 昨夜風呂にはいってたときなんだけど、急に部屋のほうで
ガラガラッ!ドサドサッ!バタンッ! とまぁ ど派手な崩壊音が
鳴り響いてビックリしてあわてて風呂場のドア開けてみたら
数ある書架の二つがぶっ倒れてて、本が散乱してました。
 狭い部屋なのに、次から次へと増えていく本たちの収納場所を
急造の書架を少数生産(手製)して誤魔化してきたんだけど、
ここにきてとうとう無理がきたようだ(汗
 
 書架の再生産が適う状態でもなく、さりとて本をこのままにも
できず、仕方ないのでこれもなにかの思し召しだと
蔵書の一斉整理&処分を、深夜にもかかわらず決意し
作業をはじめたのであった。

 懐かしい本、何度読み返しても楽しい本、一度読んだきりの本
ずっと読み返したくて探してた本etc・・・・
 どれも処分するには踏ん切りがつかぬ、されど踏ん切らねば
しまう場所すらない、さぁどれを取捨選択するかと
悩みながらの作業なんで、当然まったく進まない(苦笑)

 結局気がつけば朝の7時・・・・考えに考え、断腸の思いで
処分する決断をつけた本たち、その数 なんとおよそ500冊・・・
内訳はというと 新書と文庫ががほぼ200づつ。ハードカバーが
およそ50強で、漫画が少々。よくもまぁ溜め込んだものだと
思う人もいるかもしれないけれど、こういった慙愧の念に耐えない
大処分は数えること10数回・・・・つまり生まれてから通算すれば
かるく数千は超えちゃうわけでした。
 ちなみに今回の大処分後の蔵書なんですけれども、
それでも300ほど残ってたりします(^^;

 近所や持参できる範囲の知人で、本を読むって奴が
ほぼ皆無という状態なんで譲る(という名目で、実は外書架?)
こともできず、この近辺まで買取してくれる古本屋もなく
(あっても、小説は買取しないとこが多く、搬送労力のが高くつく・・・)
オークションにだすことも考えたけど時間的余裕がそれを許さない。
 しかたなく、小説を出張買取してくれるお店を(出張料の安いとこ)
探して売りに出すことにしました。

 小説ってどれくらいで買い取ってもらえるのか、ってことに
興味がある人がいるかもしれませんが、はっきしいってびた一文です。
 文庫だと、状態がよく発行日が近く、それなりの知名度のある作家の
作品であれば一冊10円。それ以外は買取拒否される場合も多々です。
拒否の一番の理由は当然需要が無いの一言に尽きます。
 これが新書になると一層厳しい。一部のジャンルを除いてほぼ
一律1冊10円。唯一の救いは、文庫ほど拒否率が高くないこと。
 ハードカバーは、これはものによってピンキリ。されどまぁ
ほとんどの場合、一冊50円がいいとこでしょうね。
 こんな不遇な小説とは打って変わって、漫画はすごいです。
コミックでも人気作なら1冊150円とかの買取があるくらいなのだから
羨ましいというかずっこいというか・・・・

 結局今回の出張買取では、出張費(1200円)と買取拒否本の
引取り料(600円)を差し引いて 2200円と相成りました。
 一冊あたり10円にも満たない結果に、いつものことながら
唖然とするほかありません(涙)

 こまめにオークションにだして整理しようと思うこともあるのだけれど
いつ読み返したくなるかわからない、まだ読みたい、という
個人的な不安衝動があったり、落札者サイドとのトラブルの話を
よく耳にしたりするので、そういうことがあると面倒だなぁっと
思う怠惰さが邪魔して、実践に及べないまま今に至るのである。

 もう少し、市内中心部に住んでたりすれば古書店売買の手間も
還元率も上がるのだろうけれどと思うのもまた、むなしいばかり。
 
 それがわかってながら、新刊を買い求め、古本屋を巡り、
次々と蔵書を溜め込むのだから自業自得と諦念するしかないのだ。

消えぬ想い 

October 26 [Thu], 2006, 21:46
 読んでいた小説を片手に、
俺は君の事を思い浮かべる。
小説の中の人物を君に重ね合わせながら・・・・

 しんみりと、胸をつくような小説だった。
ジーンと胸を熱くし、
自然と涙が零れ落ちてしまうような
俺好みの小説だった。

 泣こうと想って泣くわけじゃない。
 泣きたくて読むわけでもない。
 たまたま手にした小説、
 たまたま自分の琴線に触れて
 読み進めていくうちに、堰を切ったような波が
 気がつけば涙を喚起させる。

 感動、悲しみ、同情、哀れみ・・・・
自分の過去に重ね合わせることもあれば
物語に没入し、感情を投影させることもある
それらはダイレクトに胸をつき
ときに。。。。涙が零れる

 一度、そういうシーンを目にすると
込みあがってくる胸の熱さを再度味わいたくて
止まりそうになる、溢れ出た涙をとめたくなくて
何度も何度も・・・・
胸の熱さが冷めるまで
涙が枯れ尽きてしまうまで
繰り返し、繰り返し、読み返す

 きがつくと 小説は私の手を離れて
瞳を閉じ、溢れた想いはそのままに
ストーリーを、登場人物を、現実の自分に置き換え、
何度も何度も繰り返し 再生している自分がいる

 かつて好きだった人を
 かなうことの無い想いを募らせた恋を
 今なお想い尽きぬあの人を
 自分と彼女を
 気がつけば投射している

 そのたびに想う
涙しながら、夢想しながら、 想うことがある
あ〜 私はいまなお彼女が好きなんだなぁっと
ただ小説に、夢想に、
彼女を投影しているからではなく
感情のままに言葉を溢れさせたとき
衝動に任せたまま 涙したとき
俺は 彼女のことが好きなんだなぁっと
ただ わかるのだ

 理屈ではなく
 ただただ 彼女がいとおしいのだ
 好きなんだ、、、いまもなお

 不思議だ
すべてが終わったときには
さまざまな想いが溢れ、暴れ
支離滅裂だったものが
今過ごすこの瞬間に
揺り返し来るそれは
ただただ純粋な そして静かな想いだけ

 他人にしてみれば
未練って一言で片がつけられるものなのかもしれない
けれども 自分にとってそれは 
いまなお亡くせ無いもの、必要としているもの
・・・好き・・・なんだ

 だからこそ涙する
君を重ね合わせながら
自分の思いに真正面からぶつかって
だからこそ実感させられる真実
どれだけ忘れようとしても
もうとっくに忘れたつもりになっていたとしても
いまなお想いは消えていないのだと
思い知らされる
そして
それが嫌ではない自分に気づかされる
実感させられる

 女々しいというなら笑うがいい
自分の気持ちを、想いを
なにもなかったかのように誤魔化すぐらいなら
笑われることを選ぶ
いま、こうして涙できる自分が
間違っているとは想わない
そう、これが俺の中にある真実なのだから
本当の俺なのだから・・・・

Kanon〜カノン〜 TVアニメ 

October 24 [Tue], 2006, 4:47
Kanon〜カノン〜

元がいわゆるアダルトパソコンゲーム。だからといって
そこで退いてしまってはもったいない作品です。

 元がパソコンゲームだからこそ、しっかりと作りこまれた世界観や
キャラクター像がある。それらをフルに生かすべく作りこまれ計算された
その綿密なシナリオ設定があったればこそ、多くの人の支持を受け、
人気を保ち、コンシュマー機にも移植され、アニメにもなったのだと思う。

 キャラクターごとのエンディング要素を取り入れ、
各話30分、全13話に凝縮したテレビアニメ版Kanon〜カノン〜
 テレビ版ではメインヒロインは合計5人。彼女たちの持つ個性を生かす設定は
様々な萌え要素を余すことなく取り入れることに成功してます。

 【昼の学校では先生や周囲に疎まれ、誰もいない深夜の学校では
  刀を片手に独り、謎の魔物と対峙を続ける少女】
 
 【クリスマスの夜、次の誕生日まで命が持たないことを姉から知らされ、
  にもかかわらずどんなときでも笑顔を絶やさない少女】
 
 【なぜか名前以外の記憶はなく、ただ所在のわからない憎しみだけを
  あらわにして主人公の前に現れた少女】
 
 【共に暮らしてた主人公に淡い恋心を抱きながらも伝えきれぬまま、
  7年後の今、今なお思い続ける人と再会を果たした少女】

 【タイヤキに目がなく、ドジで幼げ、気がつけばいつも主人公の前に現れ
  笑いかけてくる赤いカチューシャをした少女】

 それぞれがそれぞれの彼女たちだけの特別なドラマを秘め、
ストーリーを織り成します。
 ミステリアスに、幻想的に、ファンタジックに、
そして・・・それぞれがそれぞれの悲しみを秘めながら。

 どの少女に心惹かれ、どの少女の結末に涙を覚えるか。
自分の琴線の敏感な部分を探るよい指標になるかもしれません。
個人的には王道とも言うべき最後の少女の物語が一番。
次点は個人的萌え要素にばっちし適合の一番目の少女の物語がお気に入り。

 一番ジーンときたのは 12話の後半、 
赤いカチューシャの少女が、幼き日主人公とした3つの願いを叶える約束、
7年後の今、その最後の願いを口にするシーン

 最後の願いは 私を忘れてください。
           はじめからいなかったものと思ってください。

 どんな思いでそんなことを願ったのか
 幼き日の約束、かなえると約束した最後の願いを
 このような形で告げられたときの主人公の胸の内

 もちろん、他のお話にも いっぱいジーンとくるものはありましたけどね。

 涙腺指数 
     第1話〜第7話  ☆☆    第8話〜第10話  ☆☆☆☆
     第11、12話  ☆☆☆☆☆ 第13話(最終話)  ☆☆

鬼女の都 

October 23 [Mon], 2006, 17:20
 この小説は本格推理ものや伝奇もの、SFものなど多彩な
ジャンルで好作を世に出し続けているお気に入りの作家
 『菅浩江』さんの作品です。

 タイトルは伝奇っぽいですが、中身は読み応え抜群の本格推理もの。

 京都を舞台とした創作小説で人気の女性藤原花奈女が、
ある日謎の言葉を残して自殺を遂げる。
彼女の自殺の影に見え隠れする謎の人物
 『ミヤコ』 
彼女の告げる「京都の秘密」とはなんなのか。
 花奈女を慕う少女吉田優希は、彼女の死の真相を追う。
 その優希の前で次々と不思議な事件が連続して起こる・・・・

 といった感じなんですが、おもいっきり端折ってますので
いつものことながらあらすじ紹介は苦手なのでご勘弁を(苦笑)

 この作品の読みどころは、なんといっても京都の、いや京に
秘められた幻想と現実の交錯ですかね。
 現代において一般知識として流布している京の情報が
綿々と京に暮らす人々にとってどう映るものなのか。
生粋の京人の常識はそうでないものにとってはこだわり。
真実を知ってほしい、わかってほしい けれども直接訴える
すべを京人は持ち合わせていない。古い時代の京の因習を
綿々と受け継ぐ、迂遠で婉曲でか細い、それは伝える言葉ではなく
相手に気づいてもらう言葉。それが京の言葉。
 それこそがまるで京そのものにかけられた呪詛であるかのように。

 京人の記憶にある京都の真実の姿と、世間で認知される京都らしさ
その齟齬がこれほどに大きいものなのか、史実としての真実と現代では
これほどに乖離してしまっているのかと、驚かされます。

 人の言葉の機微とは、指し手と受け手の中でときに絶望的な
すれ違いを起こしてしまう、その一過程が描かれています。
 相手個人のほんの一面を垣間見ただけなのに、それで全てを
理解したつもりになったり。一度完成された人物像は生半なことでは
修正がきかなくて、それが元で大きな間違いを犯すことになったり。
 目に見えるものだけにとらわれ、その内奥にある何かを気にかける
ことができなかったり。
 個人と個人、個人と集り、個人と歴史、常識と真実
それらあらゆる対比の中でときとして生まれる矛盾と絶望・・・

 ただ単なる謎解きだけではなく、人という機微についてや
歴史の中の真実についてや、言葉の表と裏など
いろんなことについて考えさせられる、気づかされる
 そんな一作でした。

   詳伝社 NON NOVEL 鬼女の都   菅 浩江
                           税別905円
   初版は平成13年9月です。

   
   幻想度  ☆☆☆☆    キャラクター魅力  ☆☆☆
   ロジック  ☆☆☆☆    読後印象度     ☆☆☆☆
にゅ〜こめんと だよ♪ 
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»  (2006年10月23日)
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