東京ラーメン店の説明

January 07 [Mon], 2013, 23:05
その上、ラシイヌの典雅流麗な詩的格調が劇的文体の見事な創造を妨げなかつたことは、特に注意すべきで、これまた、モリエエルの自由奔放な即興的諧謔が、人間生活の苦味に浸つて、その色彩を鈍らさなかつたことと共に、後世の作家は、そこに多くの学ぶべきものを発見したのである。
 ところで、この仏蘭西劇の神ラシイヌには、やはり、多くの人間と同様、公平に見て少くとも三つの欠点がある。
 第一に、「言葉の綾」が今日から見て、少々神経に触りすぎるところがある。第二に、心理を追ふことに急で、人物の輪郭がぼやけてゐる。第三に、哲学が皆無である。その得意とする恋愛問題でさへも、それは問題となるまでに思索されてゐないのである。
 この点で寧ろ、コルネイユに軍配をあげる批評家もあるくらゐであるが、そのコルネイユは、時代の進むにつれて、少しつつ領土を失つて行くのに反し、ラシイヌは、益々多くの信奉者を作りつつある。
 十八世紀に至つて、繊細微妙な恋愛劇作者マリヴォオ(Marivaux, 1688-1763)が先づ、彼の直系と目される。しかも、ラシイヌの悲劇は、ここで、喜劇となつてゐることを忘れてはならぬ。つまり恋愛心理の悲劇面から急にその眼を喜劇面に転じたところに、マリヴォオの十八世紀的感覚が動いてゐる。
 この時代に、ヴォルテエル(Voltaire, 1694-1778)も亦戯曲を書いてゐる。彼は自分の豊富な才能を信じてゐたから、悲劇であれ喜劇であれ、なんでも書きまくつた。彼は、また英吉利に旅をして、どえらい土産を持つて来た。英語を三年間勉強して、シェイクスピヤを読んだのである。
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:z4trfcdx
読者になる
2013年01月
« 前の月  |  次の月 »
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
最新コメント
ヤプミー!一覧
読者になる
P R
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
http://yaplog.jp/z4trfcdx/index1_0.rdf