進展。 

2006年10月16日(月) 20時04分
学祭の季節がやってきた。




「まだ学校にいる?」

学祭準備中で部活もなく、帰りが遅い日、決まって彼からメールが来た。

「いるよ」

「んじゃ一緒に帰ろ(笑)」


正直。私はそんな彼のペースにいつの間にか巻き込まれていたと思う。


彼と話せば話すほど、彼といることが自然に思えてきていた。


ただ、彼女のことが気になって一定の距離から近付かれることに恐れを抱いていたけれど。



私は結局自分を守りたかったのだ。

人の彼氏をとったと言われたくなかったのだ。


彼のことは好きだったけれど、そんな想いが錯誤して友達という楽な関係に甘えていた。



それが壊される。


私は怖かった。






この頃になると彼は私をいろんなとこで誘ってくるようになっていた。


「日曜日遊びに行かない?」



もう別れたのかな…とは思ったけど、彼のそんな誘いには乗る気にはなれなかった。


「ごめん、用事あるから…」



その頃、私はなんだか彼女とうまくいかなくなった時のキープにされてるのかと思って嫌だったのだ。


別れたにしてもまだ日が浅いし…



でも彼のことはもちろん嫌いじゃなかったし、むしろ好きだった。


友達として、気兼なく話せるのがとにかく心地良かったし、もしかしたらそれ以上の感情も多少なりともあったのかもしれない。



ただ、今までの心地よい距離感を彼がどんどんぶち壊そうとしていくその強引さに脅えつつ、



私はどんどん巻き込まれていった。




そして、少しずつ、彼を友達として見れなくなっていった・・・・・・・・・








ある日の帰り道。 

2006年10月15日(日) 13時25分
9月初旬。

部活が終わって、私は駅までの道のりをその日は一人で歩いていた。



すると、なんだか後ろから陸上部らしき人達の声が遠くから聞こえてきてたような気がしたけど、特に気にすることもなく私は歩いていた。

その日私がはいていた裾にリボンの入ったズボンを穿いていたのだけれど、歩いているうちにほどけてしまったので、立ち止まってそのリボンを結びなおそうとした。



すると、彼が私を抜かして行って、気まずそうに振り向いた。



私はめちゃめちゃびっくりして、

「え〜っそんなすぐ後ろにいたなら声掛けてくれればよかったのに!!」

って思わず言ってしまった。


すると彼と一緒に帰っていたと思われる佐藤君と鈴木君が(仮名)ニヤニヤしながら私に言った。

「岡田さ〜、ゆず香さんの数メートル後ろくらい後ずっと後ろ向きで歩いててさ〜、ここまでの間に200回くらい振り向いてんの(笑)」

「自分が一緒に帰ろうって行ったくせにさ〜、ゆず香さんが前歩いてるの見た瞬間どんどんペース早くなってくしさあ」


私は、はっ!?てな感じだったけど彼らの話し方が面白過ぎて思わず笑ってしまった。



それからまた特に佐藤君の攻撃がすごかった。


「岡田はゆず香さんと一緒に帰りたいんだよな!?え、い〜ってい〜ってわかってるって」

「なっ・・・・」



明らかにうろたえる彼。


「二人って仲良いよね〜?」

「あぁ、いつも朝おんなじ時間の電車だから」

私はこの彼がからかわれているという状況を楽しみつつもなんとかしなければという思いでさらりと言った。


「何言ってんの。岡田が合わせてるに決まってんじゃん(笑)」

「ん〜でも前からずっとこの時間だったし・・・」

「・・・そうなんだって!!」

彼は明らかに焦ってて、不謹慎ながらもなんだか面白かった。


佐藤君たちははじめは偶然だったかもしれないけど今は・・・って言いかけてやれやれって感じで笑ってた。




電車の中では、鈴木君が冗談ぽく

「ゆず香さんさぁ、岡田に告られても振ってやって!それで7打数6安打にしてやってよ〜(笑)」

と言って来た。


打数は告白した回数、安打はOKをもらった回数のことらしかった。



私は鈴木君がそんなこと言うと思ってなかったのでかなりうろたえた。


「い、いや、ありえないから!!だいたい岡田君彼女いるでしょ!」



当然、彼も、「そうそう!お前ら何言ってんだよっ」っていうと思っていた。



しかし、彼のその後の一言は意外なものだった。


「・・・でももうすぐ別れるよ、たぶん。今席あの人と前後なんだけどなんか後ろからの視線厳しいし・・・今までも付き合った人もって2〜4ヶ月くらいだし・・・」


私がこの人何言ってんだろうと呆然として見ていると、彼がはっとしたように言った。




「で、でもまぁ俺からは振らないけどね!!終わるときは終わるっていうか・・・」









私はこのとき、まさかこの先この人と3年間も付き合うことになろうとは、微塵にも思ってもいなかった・・・・




彼と彼女の距離。 

2006年10月13日(金) 12時35分
それから間も無くだったと思う。


彼が少しずつ彼女とうまくいかなくなってきたようだった。


私とのメールにも、



「あの人もゆず香さんみたいに単純だといいのに…」


「なっ…!!失礼なっ単純で悪かったねっ」


「ん〜だってあの人すごい繊細なんだもん…」


確かに彼女は体も細けりゃ心も繊細そうな雰囲気の子だった。


「も〜それを支えてあげるのがあなたの役目でしょっ」


二人の間に何があったのかは知らない。


でも彼はだんだん自信をなくしているように見えた。

私は話を重くしないように笑いながら「頑張れ」って言うこと以外どうすることも出来なかった。


でもだんだん彼からのメールの回数が増えて来たのは気になってはいた。



9月が終わる頃には、毎日毎日彼からメールが来ていた。






その頃彼と彼女が別れていたことを知ったのは、もっとずっと後のことだった………


彼女に恋する彼。 

2006年10月12日(木) 15時45分
彼は、本当に彼女を大事にしていたと思う。




合宿後のある日、彼女の誕生日があった。


彼はその日デートだった。


「何買ってあげればいいかわかんないからいっぱいお金持って来た〜、ホラ」


「うわっ一時的金持ち〜(笑)」


彼は財布を見せながら悪戯っぽく笑ったけれど、それは照れ隠しだとわかっていたので、私はからかって遊んでいた。


彼が彼女の話をするときはいつもそうだった。



照れ隠しに、不自然ににやけて、でもどこか嬉しそうで。




そんな彼を、彼女にも見せてあげたかった。



彼女のことを話す時の、彼の優しい目を。

恋をしていた彼の表情を。




そうしていれば、不安に思うことはなかったかもしれなかったのに……………


私は。今でも時々そう思う。

合宿の夜。 

2006年10月11日(水) 18時52分
高校入って初めての夏休み。


そして、初めての合宿に行った。


合宿の場所は長野県の山奥だった。


そこはひどく虫が多くてしかも大きくてすごく嫌だったけど、その古い古い民宿のような合宿所はどこか趣があった。


きつい練習。

真夏の日差し。

そして、仲間との楽しい時間。




私は走ることはあまり好きじゃなかったけど、自分に合う種目を見つけてそこそこの成績が残せるようになってからは、陸上部が自分の居場所となった気がしてとにかく部活が好きだった。



とにもかくにも、ある日の夜、あのゲームをすることになった。



全員が男子たちが眠る大部屋に集まり、なぜか真っ暗な部屋で懐中電灯の光をたよりにそれは始まった。

まったくのお遊びゲーム。


でも私はそのゲームを純粋に楽しむことができなかった。



彼女の言葉が私の頭をよぎる・・・


「岡田君の名前は言わないで欲しいんだぁ・・・・・・」



言わないよ。


言わないけど・・・・・・・・・・・




私より先に彼の順番が来た。



「2年生は〜、○○先輩。1年生は・・・」







「ゆず香さん。」







なんとなくわかってはいた。

だって部内で彼と一番仲が良かったのは私だったから。



でも、このことを彼女が耳にしないか本当に気が気じゃなかった。



もし、彼女が結果を気にして誰か陸上部の人に聞いたら?


彼が、私の名前を言ったことを知ったら・・・・?



彼女は、私をどう思うだろう・・・・・・・・







可愛い彼女。 

2006年10月08日(日) 18時35分
ある日、ある陸上の大会があった。

私は瑞穂陸上競技場に向かうため、地下鉄のホームで電車を待っていた。

周りを見渡してみると同じように競技場に向かうであろう高校名の入ったジャージを着た人がたくさんいたので、私は同じ学校の智子などはいないかなぁ〜と思ってキョロキョロしていた。


そうしたら、階段の向こうから彼が歩いてくるのがわかった。


なんとなく私はやばっと思って、慌ててホームの中ほどに行って、柱の影に隠れた。


まあいいやとは思っていたものの、ここで彼と会ってしまえば競技場の駅までと、駅から競技場までの道のりをずっと彼と歩かねばならない。


それがなんだかきまずかった。


私がもうすぐ電車来るかな〜と思ってふっと後ろを振り返ったら、彼が私の1mくらい後ろに立っていた。


「うひゃっ・・・・・・・!!び・・・びっくりしたぁ・・・お、おはよ〜・・・」


私は驚いてなんだか変な声を出してしまった。


彼はそんな私の反応が可笑しかったのか、少し笑いを噛み締めるようにしながら、

「いやぁ・・・後ろから驚かそうかなぁって思ったんだけど、驚かさなくても驚かれた(笑)」

と言って笑った。









私は今、大学に通うのにその地下鉄の駅を使っている。


そして、その柱を見るたびに彼のことをふと思い出してしまったりする。


振り向いたら、彼がそこに立っているような気がして・・・・・





その日、彼女がサークルの練習を終えた帰りに競技場に彼の応援に来ていた。


私が通路を歩いていると、数メートル先にスタンド席の手すりに手をかけて彼を探している彼女がいた。

私はそんな彼女をほんの2、3秒見入っていた。

茶色くてストレートの髪が風になびいていて、一生懸命トラックを見つめる彼女があまりにけなげでかわいらしかったから。

彼女のかばんからは、サークルの帰りであろうことがよくわかる用具がはみ出していた。


私はジャージにぼさぼさの髪で、なんだかみすぼらしいと思った。

いつも可愛い格好をしている彼女と違って、私は・・・部活のときなどはすっぴんでジャージ、ぼさぼさの頭。



するとふと彼女が私に気づいて、「あ、ゆず香ちゃん!」と言って笑った。

彼女はどうやら競技の時間なども全然知らずに来ていたらしかったので、私は彼が競技に出る時間などを教えてあげた。




かわいいな・・・・・・・




私はなんだか変だった。


急に朝彼と二人で笑いながらここへきた自分を思い出していた。


こんな子に心配かけて私何やってるんだろうって思った。

なんだか苦しかった。


私はなんとなく早くそこから逃げ出したくなった。

じゃあ、私これからアップがあるから・・・と言うと、彼女は屈託のない笑顔で手を振った。


「うん、教えてくれてありがとう☆じゃあね、バイバイ、頑張って!」





私は、苦しかった。





彼と彼女の邪魔者。2 

2006年10月08日(日) 18時01分
私は驚いて、自分でも動揺しているのがわかった。


彼は、なんだか不機嫌な顔をしていた。


「あ・・・お、おはよ〜」

私がそういってにっと笑うと、彼は不満そうにいった。

「おはよ〜じゃないし・・・今日なんで話しかけてくれんかったの?すぐ後ろにいたでしょ?」

やっぱり知ってたのか・・・


彼はたぶん無視されてると思ったんだろう。

そりゃ今まで一緒に喋って登校してた人がいきなり無視するようになったらいい気分はしないだろう。

彼は明らかに不満そうだった。


「あ〜・・・うん。じゃあ今度からはそうするよ」


私の微妙な表情を読み取ったのか知らないけど、彼はそれ以上深く追求しなかった。



数日後、私は今度は気づかなかった振りして彼より先に学校行ってしまえばいいんだ!と思いつき、早歩きで行こうとした。

そうしたら、気がついたらある人影が私の横に来て、ちょっと頭下げながら私の顔を覗き込んできた。


「おはようございま〜す」


彼だった。

なんかもうそのニヤッと悪戯っぽく笑う彼を見たら可笑しくなってきてしまって、私の口元が思わずほころんだのがわかった。


なんか、もうどうでも良くなってきていた。


別に悪いことしてる訳じゃないんだから、私がこんなに避けることはないのかも、って。




ただし、彼女の前では喋らないようにしようと思った。

無駄な心配をするのもされるのも、嫌だったから。




それからというもの、私と彼はまた、朝会うことがあれば他愛もない会話をして学校へ行くというスタイルに戻っていた。

でも私からは話しかけず、彼から話しかけてきたときだけそうした。






・・・今から思うと、こんなのもまた私の自己満足だったのかもしれない。

彼女の前じゃなきゃいいかっていう軽い気持ちで私はいたのだが、実際には彼女の友達などには見られていたので、後から聞いた話、彼女はそういった情報を耳にしていたようだった。


その時の彼女の気持ちを考えると、私は今でも胸が痛む。


彼も彼で、彼女のことはとても大事にしていたが、彼女のそういう気持ちにはまったく持って鈍感だった。







彼と彼女の邪魔者は、私だった。


彼と彼女の邪魔者。 

2006年10月08日(日) 17時06分

「ねぇゆず香ちゃん、あの・・・、陸上部が合宿のときにやるやつ知ってる・・・?最後に一緒にいたい人はみたいなやつ」



これは、毎年恒例の合宿の夜の遊びで、まあ要するに世界でたったふたりしかいなくなっちゃうとすれば、この中で誰を選ぶか、みたいなものだ。

もちろん私は先輩から聞いて知っていた。

「あのね・・・えっと、実は私の友達がさ、岡田君(彼の仮名)と付き合ってるんだけどね・・・それでね、あの、ゆず香ちゃん、その時岡田君の名前は言わないで欲しいんだぁ・・・」


彼女は、めちゃめちゃ赤くなって恥ずかしそうにそう言った。


私ははっとした。


私・・・・・警戒されてるんだ・・・



もちろん私は彼女と彼が付き合っていることを知っていたから、笑顔でこう答えた。

「うん、友達っていうか・・・本人だよね?笑 大丈夫だよ、私山田君言おうと思ってたし!」

そういうと彼女はまたちょっと恥ずかしそうな顔をして、はにかんだように笑った。




かわいいな・・・・・・・


恋をしている女の子の顔だった。




私はなんだかショックだった。

私は彼と彼女を応援してるつもりだった。

彼ののろけ話を聞くのが自分の役目だと思っていた。


私と彼は部活の仲間なんだから、部活の話とかするのは別に普通だと思ってた。



でも、よく考えてみればさ・・・

自分の彼氏がいくら部活の仲間とはいえ女の子と朝登校してたらさ・・・

いい気するわけないよね・・・


彼女はどんな思いで私と彼のことを見ていたんだろう・・・



私は、ただ二人を邪魔してただけだったんだな・・・・・・・・



私は、その日彼と目が合わせられなかった。

次の日から、私は電車の車両を変えて、わざと彼と会わないようにした。


もう関わらないようにしたほうがいいのかも・・・


そんな思いでいっぱいだった。

でもやっぱり同じ部活だしクラスも隣だったので廊下とかでばったり会ってしまうこともあった。

その時は話しかけられればさりげなく会話はしたが、彼女に見られたくなくて早めに切り上げてそそくさとその場を立ち去った。




なんだかつまらなかった。

せっかくできた男友達を、失った気分だった。




そんな状態がしばらく続いたある日、いつものように朝電車を降りたとき、彼が辺りをきょろきょろ見渡していたのが遠めに見えた。

あっやば・・・


そんな思いが働いて自販機の横に隠れようとしたけど、一瞬彼がこっちを見たのがわかった。


気づかれたかな・・・


そう思ってちょっとドキドキしたけど、彼は何事もなかったかのように階段を下りていくのが見えたので、私は「気づいてないか・・・良かった」と思った。


でも、そうじゃなかった。彼はその日、ありえないくらいゆっくりとしたペースで歩いていた。

私も負けじとゆっくりのペースで歩いたけど、なんか少しずつ距離が縮まってしまっているのがわかった。



気づいたのかなぁ・・・・・


なんで急に車両を変えたのとか聞かれたくないな・・・と思いながらも、彼の背中を見ながらなんとかそのまま学校へ到着した。


でも私はもうすぐ校舎に入るという中庭のところで、一瞬足が止まった。


彼が、校舎の入り口で急に振り返ったのだ・・・・


彼の彼女。 

2006年10月07日(土) 22時46分
彼は、私と同じ陸上部のほかに、いわゆる非公認部活というか、サークルにも入っていた。


彼の彼女はそのサークルのメンバーの一人で、彼と同じクラスの子でもあった。

細くって、可愛くって、女の子らしくって、でも大人っぽくて。

私とは全然違うと思った。




なんだか悲しかった。



彼に彼女が出来たことじゃない。


それはなんだかほっとしていた。友達でいられる、そう思ってほっとした。




悲しかったのは、彼女の存在を彼からではなく、人づてに聞いたことだった。




私、そんなこと、聞いてない。




なんだかそれが無性に悲しかった。



もちろん私に報告しなければならないことではなかったけれど、これだけ会う機会があったのだから教えてくれたっていいじゃない、って・・・



なんとなく、仲間はずれにされた子供のような気分だった。




それまでもそれからも何度か朝電車で会うことはあったけれど、それでも彼は彼女の話をしようとしなかった。

だから私も初めはその話に敢えて触れないようにしていた。




しばらくして私がさりげなくそっちへ話を持っていくと、少しずつ話してくれるようになった。

なんか話すときの照れた表情が面白くて、ちょっとひやかして遊んだりした。

そして彼女の話を時々してくれるようになった。




私はそんな友達の関係がとにかく心地よくて、彼女の話を聞いたりして、
相変わらず時々一緒に登校したり帰ったりするという友達のスタイルを続けていた。




私は・・・・・・・・・・




その時の彼女の想いに、そのときはまだ気づいてあげられていなかった。



ある日、体育で同じだった彼女が、授業中に私へ突然、話しかけてきた・・・・







出会い。 

2006年10月06日(金) 15時39分
2003年4月。


私と彼は同じ高校に入学し、たまたま同じ陸上部に入部した。


でも私は短距離、彼は長距離専門だったから、それほど接点はなかった。




ただ、偶然、朝の通学電車の時間帯が同じだったらしく、ある朝駅の改札口でたまたま目が合った。



「あ、えと…確か同じ陸部だよね?」


話しかけたのは私だった。



でも話しかけたはいいけどお互い名前もうろ覚えで私は少し焦っていた。


でも。そんな気まずさはすぐ消えた。


彼との学校までの10分足らずのお喋りはあっという間に過ぎた。



なんか自然に話せたのだ。

なんか、ウマが合うなって思った。



それから時々、改札で会った日は部活のこと等を話ながら登校するようになった。



私はなんだか嬉しかった。

気の合う男友達ができたって思って。



私はいつの間にか、その短いお喋りを楽しみにするようになり、たまたま会えると嬉しくなった。



それからしばらくして、時々他愛もないメールをするようになった。


部活の帰りも時々一緒に帰ったりもした。



というか、彼が私の帰る時間を見計らって帰るというわざとらしい行動に出始めた。

私が部室から出てくると、校舎の近くで話してた友人と別れる。

すると、必然的に、駅までの道のりで不自然なほどにゆっくりと歩く彼に自然に私が追いついてしまう。



彼が、私のことを気にし始めたのはわかっていた。

私だけじゃなくて、同じ部活のみんなもわかっていた。



でも、私は気づかないフリをした。



なんだか怖かったのだ。

せっかく出来た男友達を、失ってしまうような不安に襲われたのだ。


ずっとトモダチのままでいたかった。


だから私は、彼の「わざと」に気づかないフリをし続けていた。



彼のことは確かに好きだった。


でもそれは男性としてではなかった。



だから少し苦しかった。





そんな日々が、2ヶ月ほど続いたある日、ちょっとした転機が訪れた。




彼に、可愛い彼女が出来たのだ。
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