ごぶざたしております。やっと怒涛の期末が終わって仕事が落ち着いたので、またぼちぼち更新してゆきたいと思います。
さて、本日は早稲田の学園祭で開催された「作画の錬金術師嘆きの丘の聖なる技in早稲田祭」にいってきました。
COROMOというアニメーターを目指す学生団体さんの主催で、ミロスの作画監督の小西賢一さんとアニメーションディレクターの押山清高さんをお招きし、実際にミロスの画像をみながら作画技術について語っていただくという素敵な企画です。来場者は若者が圧倒的に多かったのですが、学生だけでなくもうプロとしてお仕事をされている方や鋼ファンの方も結構来ていたようでした。
内容は二部構成で、前半はゲストのお二人が手がけられた気になるシーンの解説と質疑応答、後半はお二人がセレクトしたここは注目してほしい名シーンと質疑応答でした。
以下、許可をいただきましたので内容と感想をぼちぼちと。メモとっていないので、間違っていたらごめんなさい。
【前半】
・アバンで少年アシュレイが両親の様子を見に行こうと部屋を出るシーン
絵コンテではただ部屋を出て走っていくアシュレイだったが、そのままだとテレビ的なシーンになってしまうので工夫して欲しいとの監督からのお言葉が。
そこで、まっすぐ部屋を出るのではなく、机をよけてちょっと体をひねる演技を追加。また、スリッパを履いていてはダッシュできないし、木の扉は重いから開ける動作も重々しくなるのでは・・・などと推測し、気持ちはあせりつつも動きは慎重に・・・という演技をこころがけてみたものの自分的には失敗。逆に、その後アシュレイを追いかけるジュリアのスカートがはためくシーンの演技はうまくいったのではないかとのこと。
・メルビンとエドアルの最初の戦闘
メルビン攻撃の前にふっと自分の手を見る演技を加え、観客に「こいつ何かやるぞ」と思わせたかった。
また、メルヴィンの氷の攻撃を受けてエドの練成した防御壁が崩れるところ、煙が上がっていますがこの煙の表現が実はちょっと手がかかっていて他のところは違うらしい。こういう細かいところは絵コンテでは指示が出ていないので、担当アニメーターさんの好みや力量にまかされているそうです。今日の画面ではよくわからなかったので、DVDが出たらじっくり確認しようと思います。
あと、エドのオートメールがクローズアップされる際、動きがないとただのイラストのようになってしまうので コートや腕をかすかに揺らす動作を加えた。あまり動かしすぎると不自然になってしまうので、揺らし加減を調整するのが難しかった。
・中盤、ミロスにもぐりこんだジュリアの仲間達がかく乱のために街に爆弾を投下するシーン
超ベテランのアニメーターさんが担当したシーンだが、この方ミロスでは爆発シーンばかり描かれていた そうです(笑)ミロスではアシュレイの電撃シーンなども多かったが、すべて手書きでCGではないとのこと。
【後半】
・ジュリアとアシュレイがジュリアの自室で語るシーン
山口明子さんと秦綾子さんが担当。ベテランのアニメーターさんだが、なにげない日常のシーンの描写がとてもお上手。ジュリアのしぐさや回想シーンで小さいジュリアがイヤリングをつけてもらったときにくすぐったがるシーンを絶賛していました。ミロスではアクションシーンが多いので、反面こういう日常の演技がおざなりにならないようかなり気を配ったとのことでした。
・ジュリアがアシュレイに服を破られるシーン
若手さんが担当されたそうですが、人物二人の動作が絡むシーンはやはり難しいらしい。このシーンでは動きと止めのバランスが絶妙で、迫力のあるシーンになったとのこと。
・ラストの病院のシーン
アシュレイのところは大貫健一さんが担当。ベッドから体を起こす動きがすばらしい。
ジュリアのところはまた別のアニメーターさんが担当されたそうですが(残念ながら名前を忘れてしまいました)女性の手の表現ににこだわりがある方だそうで。確かにイヤリングを持つジュリアの手はふっくらして柔らかそうでしたネ。そして足を失ったジュリアが杖で立ち上がるシーンも絶賛してました。
・冒頭の汽車戦闘シーン
狼キメラの変身シーンを担当した動画マンはおもしろい動きを描く方だそうです。確かにインパクトのあるシーンでした。
戦闘シーンの迫力は空間設計の素晴らしさの賜物。エドとキメラを遠景から俯瞰で回り込むシーンは何度見ても良いシーンです。この辺りは映画の予告に使う関係で早い段階で製作したものなので、まだエドの動きの方針が定まっていなかった。そのため、狼キメラに攻撃を受けたエドが橋げたをキックして戻ってくるところは、ハンドボールの宮崎大介選手の動きを参考にして絵を描いたそうです。
・後半、地下のメルヴィンとの戦闘シーンからジュリアが鮮血の星を飲み込むまで
前半はうつのみや理さんが担当。後半は担当がめまぐるしく変わる急がしいシーン(笑)鮮血の星を手に入れたジュリアが手をぎゅっと握りしめる動きは押山さんが「うまくいったところ」とおっしゃってました。
その後、鮮血の星を飲み込むジュリアは小西さんが、エドは押山さんが担当したそうです。
・アルがジュリアを助けて、二人が谷に落ちるところ
えーと、画面に見入ってしまっていてお話の内容は忘れてしまった・・・すいません(笑)
私がミロスで好きなシーンは、冒頭のアシュレイが体を横にして机の脇をすり抜けるところ・アバンのエドアルとアシュレイの戦闘シーンからタイトルバックまで・列車の戦闘シーンから谷に落ちるところまで・地下のアシュレイとの戦闘シーンでやりを練成した兄さんが一回転して攻撃に入るところなんですが、今回全部取り上げられていたのでとても嬉しかったです。
友人が好きだといっていたジュリアがハンカチをたたむシーンも入っていたので「おっ」と思いました。やっぱりアニメーターさんが特に力をいれたところって、ちゃんと見ている側にも伝わるものなんだなと思いました。
そしてミロスはアクションが素晴らしいと思っていたのですが、それ以上にアニメーターさんが日常の演技に非常に心をくだいていたということが意外でもあり嬉しくもあり。そういうところで手を抜かないからこそ、素晴らしい作品ができるんだということを実感しました。
質疑応答ではかなり専門的な質問が多かったのですが、鋼ファンと思われる方から「今回の絵は毛先が丸いですがなぜですか?」という質問がでました。ミロス公開の時感想でよく言われていたことですね。スタッフ側もこのことはご存知だったようで、小西さんは意識して丸くしたわけではなく結果としてこういう絵になったとの回答でした。
今回の映画では絵的に直線ではなく曲線で、丸くふわっとした絵柄を意識したとおっしゃっていました。理由としては、ハードな内容をハードな絵で表現するよりは、ハードな内容をソフトな絵で表現したかったからとのことでした。
ただ、絵柄的には原作や一期アニメからのファンの方のご希望に添えることができなかったかもしれない、申し訳なかったとおっしゃったときは声を大にして「そんなことはありません!」といいたかったです。
確かに絵の好みはあるので、今回の絵はダメという方もいらっしゃるとは思いますが、違うスタッフが作るのですから同じにする必要はない。むしろ、今までとは違った新しい鋼を見せてくださったことにありがとうございましたと感謝の気持ちをお伝えしたかったです。
どこの現場でもスタッフは全力投球でアニメ製作に携っていると思いますが、ミロスは特にスタッフの熱い意気込みを感じました。小西さんが動画チェックを行っていたり動画を描いていたり(本来作監の仕事ではない)現場からの提案を受けて監督が後から指示を変更したり調整したりということが多々あったようで、スタッフの熱意がどんどん作品のレベルを上げていったんだということを、今日のお話を聞いていて強く感じました。
最後に小西さんと押山さんがリクエストに答えて落書きをしてくださったのですが、アルとエドの後ろ姿、ジュリアや他のキャラをさらさらと描いてくださって目が釘付けでした。この落書き、後ほどじゃんけん大会で来場者にプレゼントされたのですが、クジ運のない私はあえなく一回戦で敗退・・・ううう、欲しかったよう・・・(涙)
あ、あと今日の上映で使用した画像はDVD収録用の修正画像だったそうですが、実は違いは全然わからなかった(汗)DVD化の際にロイの指パッチンシーンの追加も検討したらしいんですが、やっぱり新シーン追加となるとかなりいろいろ調整をしなければいけないので、企画の段階で倒れたそうです。ロイファンのみなさん、残念でした・・・
ミロスの公開も終わってしまって寂しいですが、来年はDVDもでるし、関連書籍の販売の予定もあるそうなので楽しみです。
小西さん、押山さん、貴重なお話をありがとうございました。また主催のCOROMOさん、素敵なイベントを企画してくださってありがとうございました。ぜひまた楽しい企画をやってくださいね。楽しみにしております。
さて、本日は早稲田の学園祭で開催された「作画の錬金術師嘆きの丘の聖なる技in早稲田祭」にいってきました。
COROMOというアニメーターを目指す学生団体さんの主催で、ミロスの作画監督の小西賢一さんとアニメーションディレクターの押山清高さんをお招きし、実際にミロスの画像をみながら作画技術について語っていただくという素敵な企画です。来場者は若者が圧倒的に多かったのですが、学生だけでなくもうプロとしてお仕事をされている方や鋼ファンの方も結構来ていたようでした。
内容は二部構成で、前半はゲストのお二人が手がけられた気になるシーンの解説と質疑応答、後半はお二人がセレクトしたここは注目してほしい名シーンと質疑応答でした。
以下、許可をいただきましたので内容と感想をぼちぼちと。メモとっていないので、間違っていたらごめんなさい。
【前半】
・アバンで少年アシュレイが両親の様子を見に行こうと部屋を出るシーン
絵コンテではただ部屋を出て走っていくアシュレイだったが、そのままだとテレビ的なシーンになってしまうので工夫して欲しいとの監督からのお言葉が。
そこで、まっすぐ部屋を出るのではなく、机をよけてちょっと体をひねる演技を追加。また、スリッパを履いていてはダッシュできないし、木の扉は重いから開ける動作も重々しくなるのでは・・・などと推測し、気持ちはあせりつつも動きは慎重に・・・という演技をこころがけてみたものの自分的には失敗。逆に、その後アシュレイを追いかけるジュリアのスカートがはためくシーンの演技はうまくいったのではないかとのこと。
・メルビンとエドアルの最初の戦闘
メルビン攻撃の前にふっと自分の手を見る演技を加え、観客に「こいつ何かやるぞ」と思わせたかった。
また、メルヴィンの氷の攻撃を受けてエドの練成した防御壁が崩れるところ、煙が上がっていますがこの煙の表現が実はちょっと手がかかっていて他のところは違うらしい。こういう細かいところは絵コンテでは指示が出ていないので、担当アニメーターさんの好みや力量にまかされているそうです。今日の画面ではよくわからなかったので、DVDが出たらじっくり確認しようと思います。
あと、エドのオートメールがクローズアップされる際、動きがないとただのイラストのようになってしまうので コートや腕をかすかに揺らす動作を加えた。あまり動かしすぎると不自然になってしまうので、揺らし加減を調整するのが難しかった。
・中盤、ミロスにもぐりこんだジュリアの仲間達がかく乱のために街に爆弾を投下するシーン
超ベテランのアニメーターさんが担当したシーンだが、この方ミロスでは爆発シーンばかり描かれていた そうです(笑)ミロスではアシュレイの電撃シーンなども多かったが、すべて手書きでCGではないとのこと。
【後半】
・ジュリアとアシュレイがジュリアの自室で語るシーン
山口明子さんと秦綾子さんが担当。ベテランのアニメーターさんだが、なにげない日常のシーンの描写がとてもお上手。ジュリアのしぐさや回想シーンで小さいジュリアがイヤリングをつけてもらったときにくすぐったがるシーンを絶賛していました。ミロスではアクションシーンが多いので、反面こういう日常の演技がおざなりにならないようかなり気を配ったとのことでした。
・ジュリアがアシュレイに服を破られるシーン
若手さんが担当されたそうですが、人物二人の動作が絡むシーンはやはり難しいらしい。このシーンでは動きと止めのバランスが絶妙で、迫力のあるシーンになったとのこと。
・ラストの病院のシーン
アシュレイのところは大貫健一さんが担当。ベッドから体を起こす動きがすばらしい。
ジュリアのところはまた別のアニメーターさんが担当されたそうですが(残念ながら名前を忘れてしまいました)女性の手の表現ににこだわりがある方だそうで。確かにイヤリングを持つジュリアの手はふっくらして柔らかそうでしたネ。そして足を失ったジュリアが杖で立ち上がるシーンも絶賛してました。
・冒頭の汽車戦闘シーン
狼キメラの変身シーンを担当した動画マンはおもしろい動きを描く方だそうです。確かにインパクトのあるシーンでした。
戦闘シーンの迫力は空間設計の素晴らしさの賜物。エドとキメラを遠景から俯瞰で回り込むシーンは何度見ても良いシーンです。この辺りは映画の予告に使う関係で早い段階で製作したものなので、まだエドの動きの方針が定まっていなかった。そのため、狼キメラに攻撃を受けたエドが橋げたをキックして戻ってくるところは、ハンドボールの宮崎大介選手の動きを参考にして絵を描いたそうです。
・後半、地下のメルヴィンとの戦闘シーンからジュリアが鮮血の星を飲み込むまで
前半はうつのみや理さんが担当。後半は担当がめまぐるしく変わる急がしいシーン(笑)鮮血の星を手に入れたジュリアが手をぎゅっと握りしめる動きは押山さんが「うまくいったところ」とおっしゃってました。
その後、鮮血の星を飲み込むジュリアは小西さんが、エドは押山さんが担当したそうです。
・アルがジュリアを助けて、二人が谷に落ちるところ
えーと、画面に見入ってしまっていてお話の内容は忘れてしまった・・・すいません(笑)
私がミロスで好きなシーンは、冒頭のアシュレイが体を横にして机の脇をすり抜けるところ・アバンのエドアルとアシュレイの戦闘シーンからタイトルバックまで・列車の戦闘シーンから谷に落ちるところまで・地下のアシュレイとの戦闘シーンでやりを練成した兄さんが一回転して攻撃に入るところなんですが、今回全部取り上げられていたのでとても嬉しかったです。
友人が好きだといっていたジュリアがハンカチをたたむシーンも入っていたので「おっ」と思いました。やっぱりアニメーターさんが特に力をいれたところって、ちゃんと見ている側にも伝わるものなんだなと思いました。
そしてミロスはアクションが素晴らしいと思っていたのですが、それ以上にアニメーターさんが日常の演技に非常に心をくだいていたということが意外でもあり嬉しくもあり。そういうところで手を抜かないからこそ、素晴らしい作品ができるんだということを実感しました。
質疑応答ではかなり専門的な質問が多かったのですが、鋼ファンと思われる方から「今回の絵は毛先が丸いですがなぜですか?」という質問がでました。ミロス公開の時感想でよく言われていたことですね。スタッフ側もこのことはご存知だったようで、小西さんは意識して丸くしたわけではなく結果としてこういう絵になったとの回答でした。
今回の映画では絵的に直線ではなく曲線で、丸くふわっとした絵柄を意識したとおっしゃっていました。理由としては、ハードな内容をハードな絵で表現するよりは、ハードな内容をソフトな絵で表現したかったからとのことでした。
ただ、絵柄的には原作や一期アニメからのファンの方のご希望に添えることができなかったかもしれない、申し訳なかったとおっしゃったときは声を大にして「そんなことはありません!」といいたかったです。
確かに絵の好みはあるので、今回の絵はダメという方もいらっしゃるとは思いますが、違うスタッフが作るのですから同じにする必要はない。むしろ、今までとは違った新しい鋼を見せてくださったことにありがとうございましたと感謝の気持ちをお伝えしたかったです。
どこの現場でもスタッフは全力投球でアニメ製作に携っていると思いますが、ミロスは特にスタッフの熱い意気込みを感じました。小西さんが動画チェックを行っていたり動画を描いていたり(本来作監の仕事ではない)現場からの提案を受けて監督が後から指示を変更したり調整したりということが多々あったようで、スタッフの熱意がどんどん作品のレベルを上げていったんだということを、今日のお話を聞いていて強く感じました。
最後に小西さんと押山さんがリクエストに答えて落書きをしてくださったのですが、アルとエドの後ろ姿、ジュリアや他のキャラをさらさらと描いてくださって目が釘付けでした。この落書き、後ほどじゃんけん大会で来場者にプレゼントされたのですが、クジ運のない私はあえなく一回戦で敗退・・・ううう、欲しかったよう・・・(涙)
あ、あと今日の上映で使用した画像はDVD収録用の修正画像だったそうですが、実は違いは全然わからなかった(汗)DVD化の際にロイの指パッチンシーンの追加も検討したらしいんですが、やっぱり新シーン追加となるとかなりいろいろ調整をしなければいけないので、企画の段階で倒れたそうです。ロイファンのみなさん、残念でした・・・
ミロスの公開も終わってしまって寂しいですが、来年はDVDもでるし、関連書籍の販売の予定もあるそうなので楽しみです。
小西さん、押山さん、貴重なお話をありがとうございました。また主催のCOROMOさん、素敵なイベントを企画してくださってありがとうございました。ぜひまた楽しい企画をやってくださいね。楽しみにしております。
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