七日目 (藍染side.) 

November 24 [Thu], 2005, 9:15
 死の世界から移動して一週間が経とうとする。
藍染はそれをぼんやりと確認するように思った・・・しょうもない思考だ、そう卑下しつつ。

「何ほうけとります?」
「市丸」
 ひらりと、つかみ所の無い笑いに不快感は抱かない。
藍染は何も変わらず・・・眉ひとつ動かずに反応する。
それが市丸は気に入らないのか、少し不満そうな表情で続けた。
「恋しいとか思っとります?」
「思って欲しいか?」
「さぁ、」
「御前も・・・・未練があるんじゃないか?ごめんなんて謝りいれて」
「見取ったんか・・・・・」
「は、」
 短い息は、呆れか。
市丸は少し眉間にシワを寄せる。
嫌がらせが裏返されてしまって良い気分はしない。
「体勢も安定してきた」
「そうですな」
「しょうもない思考もしたくなる」
「・・・・・えらいおかしな台詞かと」
「恋しいね」
「おや、肯定」
 少し嬉しそうなトーン。
藍染はそれ以上答えなかった。
 もう市丸を視野になどいれていない、思いふけ。

 声が聞きたい。
笑っている表情、
怒っている表情、
泣いている表情、
何でも構わない。
何でもいいから、見たい。


「愛おしいね」

「へぇ」
「抱きしめて、鳥籠に入れておきたいほど」
「そりゃぁ愛じゃなくて束縛かと」
「そういう愛もあるよ、市丸」
「そうですか?」





藍染だと妙に重くて淡々としてしまうのは・・・・何故でしょう。すみません
市丸の口調もわかりません、更にすみませーん・・・ごふ!

アンケート結果 

August 10 [Wed], 2005, 1:35
ひーーー!すみません、7月末とか良いながらすっかり8月です。ぼんやりしてました、何か忘れていると思っていたらこれでした(おい)
サイト自体では告知していなかったブログだけのアンケートで沢山の票を頂きました。嬉しい限りです、ご協力有難う御座いました!今後票数をいかして頑張りたいと思います

1位 日乱
2位 剣卯
3位 藍卯
4位 卯ノ花さん
5位 京七
6位 十番隊
7位 十一番隊
8位 藍染さん
8位 恋ルキ
10位 イヅ雛


ある意味今一番旬?なのが一位でした。それよりも二位と三位が・・・・!
ひとつひとつのコメントと具体的な票数は下のつづきよりどうぞ



一日目 (藍染side.) 

July 12 [Tue], 2005, 19:52
 ふと男は先ほどまで己の眼鏡を握っていた拳に目を向ける。
ずっと付けてきた眼鏡は折って欠片も無くなってしまった。
別に何の未練も無い。

 ただぼんやりと頭でこだまする声。


―――貴方は・・・・眼鏡をかけているべきです

 似合うのかと問いただしてみれば、首を横に振られて。
呆れた表情で訂正された。

―――何を隠されているのかは存じ上げておりませんが、その方がそれも和らげるかと

 かなりの暴言だった。
なのに、何の苛立ちも感ず・・・ただ、笑ってしまった。
 そうはっきりと言う人も珍しい。
だから君を傍においていたんだ・・・・この込み上げる感情は何なのだろう。


「何ほうけとります?」
「市丸・・・・」
「後悔なさってるはると?」
「それは御前だろ」

 後悔などしていない。


 ただ・・・・・何故、連れてこなかったのだろうと、ぼんやり男は己に問いただしてしまった。

四日目 (修兵side.) 

July 12 [Tue], 2005, 19:20
俺が不甲斐なくて、君を

君を守れず、俺の・・・・・


あぁ、俺は君を守れなかった




 山奥にふたつの墓がある。
男が両手で持つほどの大きな石が並んで、誰かが自分で作り上げた墓だ。
石には刀で彫ったと見られる名前が書かれていた。
綺麗とは言えないけれど、意志は垣間見える。
 木と木の間からこぼれる光りがそれを輝かせて、修兵は少し目を細めた。

「悪りな・・・・ここ数年来てなくて」
 ぽつりとつぶやく声は誰に向けたのか。
 修兵は墓の前まで来ると、両手に持った花束をひと墓にひとつずつ置く。

 もはや、修兵には何の言葉も思いつかなかった。
後少しでと言うところで友人をふたりなくし、そして生き残った自分だけが九番隊の副官の座まで上り詰めのに。
己の隊長を身を来ることしか出来なかった。
 なんて不甲斐ないのだろう。
ふたりの分まで、頑張って・・・頑張るだけ頑張って、そしたらふたりの待つ場所に逝こうと思っていたのに。
 器の小ささに呆れる。
プライドは昔はかなりと言って良いほどあった。
エリートとして馳せていた自分が、一瞬にして崩れ去ったあの時。
仲間をかばって死んでいった彼女を見て、プライドなんて壊れてしまった。

「俺は・・・・まだ許されるか?」

 守れなかったふたりに、止めることも出来なかった隊長。
それでもまだ見守ってくれるだろうか。


「俺はまだ止まれない・・・・」
 止まって終ったら、ふたりの元へ逝こう。

「だから・・・・」

 俺をまだ、見守っていてくれ。

五日目 (日番谷side.) 

June 25 [Sat], 2005, 13:23
 藍染の反乱により数名の隊長失踪、それによる被害は相当のものだった。
残った人数で立て直すのも相当な時間がかかると誰もがそう思っていた。
 特に三と五と九番隊は他の隊が援助する形まで取っている。
五番隊は上官二名がどちらもいないため、数隊でのバックアップだ。
 俺もそのひと隊で、人望があつかった藍染の行動に酷く衝撃を受けているのが目に見えた。
雛森が一番そうだと思うし、副官から以下下は皆そうだろう。

 何故だろうか。
俺は藍染なら何かしでかすと思っていた。
良いことか悪いことかなんてわからない。
ただ、藍染が笑っているだけの温厚な男だとは思っていなかった。
それがこういう惨劇だとは考えていなかったが。
 俺だけじゃないと思う。
多分・・・・他の隊長もそう思っている。
藍染の起こした行動に驚きも大きかったが、何故かそうかもしれないという頷きが見えた。
隊長で一番心を痛めたのは・・・藍染ではなく、東仙な気がした。


 それだと目に見えてわかる人が、目の前に見えた。
彼女も五番隊の手助けをしている。
「・・・・・日番谷隊長」
 気付いたのかにこりと笑って出迎えてきた。
俺は軽く手を挙げて応答する。
「卯ノ花、どんな感じだ」
「だいぶ立ち直って来てますね・・・・」
 五番隊配属の者のことだ。
俺の簡易な質問にも卯ノ花はちゃんと返答していた。
怪我人も多いというのに気配りのある人はやっぱり凄いなと心で思う。
「なぁ卯ノ花」
 彼女は誰よりも藍染と古い友人だった。
なのに、藍染が消えた事を報告した時のあの表情は・・・・いかにもで、驚きよりため息の方が多かった気がした。
誰よりも・・・奴の消息を気にし、そしてわかっていたんじゃないだろうか。
「日番谷隊長、私は彼を止めることが出来なかった・・・・いや、止める気は無かったと思います」
「・・・・・・・・・」
「隊長皆、そう思っていたと思います・・・・彼は頑固ですからね」
 にこりと微笑んで、俺の考えを読まれてしまった。
止めれそうにねぇから伏せていたような・・・・一番不甲斐ないのは隊をまとめる隊長なんだ。
「そのせいで・・・市丸隊長と東仙隊長がいなくなられたのが・・・・・一番、つらいですね」
「そうだな・・・・」

 バタバタと廊下を走る者がいる。
霊圧がだんだんこちらに近づいてくるのに気付いて卯ノ花がにこりと笑って今の話しを終わりにさせてしまう。
俺もそれに不満はないのでそうしておいた。
「卯ノ花隊長今・・・・日番谷隊長!?失礼しました」
「いや、で。どうだ?」
「はい」
 足を屈した部下に日番谷は一度目を瞑った。
全て偽っているのは藍染達だけじゃない・・・信頼されている隊長は皆、暗闇を隠している。
上手く事がまとまれば良いと。
都合の悪いことは見せないでおく・・・一番良くて、一番悪いことだ。
それを自覚して、皆上にたっている。





隊長さんたちは皆何かを隠していると思います。特に下には気付いて欲しくないことを。暗い事は隠しておくのが一番だと思うよーな・・・死神もある意味上層部は暗闇だと思いまして・・・かなり捏造も良いところです

五日目 (恋次side.) 

June 20 [Mon], 2005, 1:39
「あ!恋次くんだ。こんにちは〜」
 聞き慣れない声に恋次は驚きを隠せなかった。
つい少し警戒しながら振り向くと、大きく目をぱちぱちさせて笑う女の子が目に入る。
えっと・・・・誰だっけ?とか思いながら恋次は首を傾げそうになった。
「あれ?初めましてだっけ?!」
「・・・・え、えぇ」
 悪気零、純粋に話しているのだけ恋次には伝わった。
怪我した時に治してくれた人かと思いもしたが記憶にない。
そんなに忘れっぽかったかと思いつつもさっぱり思い出せなかった。
「朽木さんと同じクラスで、黒崎くんの友達で・・・・えっと、井上織姫です」
「あぁ・・・・一護と一緒に来た旅禍の」
 記憶になくて当然だ。
そういえば、何故かさっぱり理解できないが、何故か一護の方が先に回復して昨日見舞いに来られた時に話していた旅禍のひとりだと思い出す。
回復能力が優れていて、四番隊でもお墨付きだと聞いていた。
旅禍で瀞霊廷に来るくらいだ・・・・かなりの霊力を持っているのも頷ける。
「もう歩いて良いんだね」
「あぁ・・・」
「黒崎くんね。恋次くんの事気にしてたから・・・・何かそれでかな、私も心配で。良かった」
 お世辞という分類では無いと思った。
何故かテレくさくなる。
こういう性格の人と最近触れて、会っていなかった。
多分貴重なのだと思う・・・・そうお目にかかれないタイプだ。
「そりゃ・・・・どうも」
「いぇ朽木隊長さんの方はどお?」
お見舞いにでも行こうかな。
 そう呟かれて、恋次はチャレンジャーな人だと、感心してしまった。





短くてすみません・・・・!「恋次くん」発言でこうもありかな、と。
正式にアップする時はもう少し書きたいと思っておりますです

二日目 (一角side.) 

June 15 [Wed], 2005, 1:08
「斑目三席!」
「わーわー卯ノ花隊長!マジ勘弁して下さい!!」
「走らないで下さいっ」
「貴方が追わなかったら走りません!」
「逃げないで下さい!」
「無理です!もう大丈夫ですから!!!」

 一角と卯ノ花の世にも奇妙なおいかけっこに十一番隊員全員が唖然とした。
十一番隊、隊舎で安静していた一角とそれの診療に来た卯ノ花がどういう展開でそうなったのか誰にも理解できない。
ただそれを見ていた剣八がぼんやりと肩に乗るやちるにぼやいた。
「あいつら・・・・何してんだ?」
「さぁ〜?なんだかんだいってつるりんも卯ノ花さんに合わせて走ってるよねぇ」
 やちるの言葉は、四番隊と最悪の相性だが、十一番隊全員彼女だけには逆らえない・・・が含んでいるように聞こえた。
勿論、隊長の剣八も筆頭である。
「あ!隊長と副隊長!」
「更木隊長っ止めて・・・下さいっ!」
 長い間追いかけっこしていたからか卯ノ花が少し息を切らし掛けている。
隊長であるから体力もあるのだが、十一番隊の体力は霊圧に比例しなくてもずば抜けているからだ。
「やちる」
「剣ちゃんやっぱりあまぁい」
 くすくすと笑いながらやちるが一瞬にして一角に飛び移り思いっ切り頭をかじった。
よくあることなのだが、かなりの痛みに少し気が動揺する。
とそれと同時に剣八の足が一角の前に出てきて、それに気付かず足を引っかけた。
ずてん!と音をたててこけると、卯ノ花がたどり着き、服の裾を掴んだ。
「捕まえ・・・ましたよ」
「何やってるのー?卯ノ花さん」
 被害を避けたやちるが特定席である剣八の肩に乗って笑う。
卯ノ花は少し息を整えてから声に出した。
「今日から・・・職場復帰を許可しようと思ったのですが、鍛錬も行いたいと言うので」
「あーそうだ。卯ノ花、俺はもう良いか?」
「え?後で看ますからお待ち下さい」
「御前体力持つか心配だとか言ってる割には走ってんじゃねぇよ」
「すみません・・・・」
「剣ちゃん心配してるだけなんだよ〜」
「黙ってろ!」
 やちるの言葉に剣八はいきなり一角の背中を蹴り飛ばした。
卯ノ花はえぇ?!と声を上げて驚き、やちるは楽しそうに笑っている。
テレ隠しと思われる行動なのだが・・・・一角には良い迷惑だ。
「ちょっ・・・隊長!?」
「更木隊長。いきなり蹴られるとは何ですか。そもそもですね、更木隊長と草鹿副隊長が報告書ならび始末書を書かれないから斑目三席がお困りで職場復帰を強く求めたのですよ」
 一気にふたりの説教を始める卯ノ花に一角は止めようとした手が虚しく伸びていた。
いつのまにいたのかわからない弓親が凄いなぁなどと横で嘆いている。
それを一角は横目して助けろよ、と思う。
「はぁい」
「ん」
「わかってるんですか?本当に」
 わかってないと思う、と一角と弓親は即座に思ったが口にはしなかった。
卯ノ花が少し疑った表情をしている中でそんな事を発したら上司に何をされるかわからない。
「それと斑目三席に鍛錬を行わせないで下さい、私が良いですと言うまで。そうしないと更木隊長も許可しませんからね」
「はぁ?!」
「えぇ!?」
 隊長の監視なんてされたら本当に鍛錬が出来ない。
一角はかなりの動揺を見せたが、意外にも剣八は変わらなかった。
「ということだ、一角。てめぇわかってんだろうな」
 一瞬にして重い霊圧を感じた。
一角は「はい・・・・」と素直に剣八と卯ノ花に返事をすると、卯ノ花はにこりと笑顔を見せる。
その返事が良かったようだ。
「よろしくお願いしますね。じゃぁ更木隊長の診療しましょう」
「あー手っ取り早くしてくれ」
「そう言わないで下さい」
 卯ノ花と剣八、そしてその肩にのったやちるの後ろ姿を一角と弓親は少しの間目で追いかけてしまった。
いつのまにかまるく収められているからだ。
何をしているんだろう・・・・とつい己に呆れてしまう。
「凄いねぇ・・・・・」
「そうだな・・・・」
 ふたりのぼやきは、誰に向けられた言葉なのか。
お互いはそれをよーく理解しながら、どうしたものか・・・・と思ってしまった。





最強伝説!(笑)
180話で見せた卯ノ花の黒脅しは平には通用するけど、十一番隊の問題児(剣八やちる一角)辺りには聞かないと思います。弓親は抵抗しないので含みません(笑)

二日目 (茶渡side.) 

June 09 [Thu], 2005, 2:09
 一護は徐々に回復していった。
心配はいらないほどにはなったが、まだベットから出るなと四番隊卯ノ花隊長の指示により一護はうんざりした表情を見せながらおとなしく寝ていた。
茶渡は『一護は女性の指示には弱い』と改めて認識する。
母親に似た雰囲気の人に・・・一護は弱いのだ。
 横でつきっきりだった織姫と雨竜と茶渡だったが、何もしないで一日過ごすのはよくないという話しになり、織姫は四番隊のお手伝いに、雨竜と茶渡は破壊された建物の掃除に行くことにしたのだった。
一護を残してだが、彼もそれを大いに賛成していたので良しとなったのだ。


「あれれ?前のチャド君だっけ?」
「・・・・・・・・・・京楽、さん」
 お互い名前をぼんやりと思い出しながら話した。
京楽の横で七緒がうんざりそうな表情をしている。
「チャドじゃなくて茶渡、だ」
「そうなの?一護君がそう言ってたけど・・・君、なんでココに?」
 八番隊の瓦礫掃除を、だ。
 つい自分が壊してしまったのだからと思い八番隊に出向いた茶渡だったのだが、京楽がそれを発見して今に至る。
「働きさんだね」
「隊長も見習ったらどうですか」
「あら、七緒ちゃん厳しいっ」
「誰が七緒ちゃんですか!」
「・・・・・・・・・」
 ふたりの会話についていけない茶渡はぼんやりとそれを見る。
するといきなり京楽が茶渡ると目を合わせた。
「今度、良かったら僕とお茶でもしないかい?君は面白かったからね・・・話しが聞きたいよ」
「・・・・・・・はぁ」
「隊長?」
「さーじゃぁ僕も仕事しますか!」
「早くしてください!!」
 一方的に誘われ、そして一方的にお別れをされてしまった。
茶渡はよく状況が掴めずその場で立ちつくしてしまった。





縁があると良いなって。一護は目覚めが早いと思います(笑)
学力良いのに莫迦扱いされる一護ですから・・・そう思います

四日目 (剣八side.) 

June 07 [Tue], 2005, 0:28
 どうにかしてそろそろ休ませる事は出来ないだろうか、と剣八は卯ノ花の後ろ姿を見て思う。
何を言っても四番隊のトップが休むはずがない。
誰よりも広い範囲で、適切な治療を行える人物であるから疲労も多いのに。
 彼女の荷物を減らすことが出来るのならば、多分人が癒えて治ってくれることだ。


「後もう一日だけでも安静にしていて下さい」
「書類見るくらいなら安静だろ?」
「日番谷隊長」
「なぁ、卯ノ花。どの隊長も今は欠けるべきじゃねぇだろ」
 少し念を押すような感覚に卯ノ花は少し困った表情を見せる。
誰よりもそれをわかっているからだ。
 日番谷の隊長は著しく良くなっている。
後は癒えていくのを待つだけなのだが、重体なのに三日で起き、四日目には職場復帰は無茶な気がした。
どう止めて良いのかわからない。
彼に脅しという言葉は聞きやしない・・・・・隊長を止めるのは難しいと卯ノ花は思った。
「どうせ戻っても松本におとなしくしてろと言われるだけだ。動かないでおくから書類整理くらいさせてくれ。十番隊は他の隊にも借り出されてせわしないから大変だろ」
「・・・・・・・・・・わかりました」
 諦めるように目を瞑ると、日番谷は悪いなとだけ呟いてゆっくりと歩いていく。
卯ノ花はそれをぼんやりと目で追う。
不甲斐ない自分が許せなかった。

「おい」

「・・・・!!?」
 はっと気付くと、剣八が卯ノ花のすぐ後ろで、壁に肘を置き、手を頬に乗せている。
困った表情のまま卯ノ花は見上げると、剣八が苦笑いを見せた。
「何泣きそうな顔してんだ」
「してません・・・・・・いつからいらっしゃったんですか」
「日番谷が廊下に出てきた頃だな」
「始めからじゃないですか・・・・」
 だんだん言葉が小さくなっていく。
卯ノ花は目が合わせられなくなり、目線を下に下げた。
「なぁ卯ノ花」
「はい」
「御前にも休めって言ってたように聞こえたぞ」
「だから困ってるんです・・・・」
 自分が苦労をかけなければ、卯ノ花の疲労も減るとわかって強引に職場復帰を求めたのだろう。
その心遣いが苦しかったのだと剣八には容易く想像出来た。
 相変わらず自分に厳しい奴だと呆れ思う。
「倒れたら笑ってやれ」
「・・・・・へ?」
「笑ってろ、御前は」
 慰めてなんて得意では無い。
剣八なりの努力に理解したのか、卯ノ花はゆっくりと顔を上げてにこりと笑った。

三日目 (乱菊side.) 

June 05 [Sun], 2005, 8:32
 四番隊から来た地獄蝶の伝言を聞いた瞬間、乱菊はまさにすっ飛ぶような勢いで走った。
がむしゃらに頭が真っ白になった気分で、ただ目的地まで走る。

 声が聞きたかった。
話しを聞いて欲しかった。

 貴方の目が、見たかった。



「隊長!!!」

 勇音とぶつかりそうになりながらも、日番谷がいる部屋に勢いよく入った。
目の前に少し首を左右に振る日番谷が見える。
ベットに座って、地面に足を伸ばしながら、「早いな」なんて笑われたら、どう答えて良いのか・・・乱菊にはわからなかった。
伝言の『今し方日番谷隊長が目を覚まされました』では無かったのかと疑いたくなる。
3日も寝て置いていきなり起きて軽い挨拶なんて。
 動かなくなった乱菊に日番谷は少し困った表情を見せる。
「松本?」
「隊長の馬鹿・・・!!」
「はぁ?!って・・・たっ!!!」
 いきなり抱きしめられ、身体の自由があまり利かないのもあって、そのままベットに日番谷は頭を打った。
それと同時に身体に強い衝撃を受ける。
「ったたた・・・・・松本ー・・・・・いてぇよ」
「重体だったんじゃないんですか・・・・・・・?」
 こもった声がかすかに聞こえる。
強く強く抱きしめられて、身体が少し痛かったが、日番谷は拒否する事は出来なかった。
「重体だろ?3日も寝てたら・・・・十番隊の方はどうだ?」
「・・・・・大丈夫、です」
「悪かったな・・・・ひとりでまかせて」
「・・・・・・・隊長のばかぁぁぁ・・」
 声を上げて、泣き出した乱菊を・・・・日番谷はどうして良いのかわからなくなる。
少し力を出して乱菊の髪をすくった。
「泣くなよ」
「泣きたく・・・なり、ますよぅ・・・ひっく」
「元気出せよ」
「隊長こそ」
「俺は今御前が泣きやんでくてたら元気だから」
「嘘つき」
「嘘ついてねーよ」
 そして離して欲しかった。
抱きしめ返したいが、今の身体であまり力は出したくない。
嬉しいのに、泣いても嬉しいと思ったのに、今は勘弁して欲しかった。
「なぁ、松本」
「はぃ」
「御前こそ元気出せよ」
「元気です」
「嘘つき」
「嘘です」

 お互いゆっくりで良いから、ゆっくり傷を癒していこう。
君がいれば立ち直れる。
元気出せるから。
ゆっくり、一緒に歩いていこう。
P R
説明
書いてる人/孝史(タカシ)

鰤の藍染反乱後の1週間を捏造しています
それと少し違うのがある程度でス

隊長さんたちが大好きです(しつこいヨ)
贔屓してるのもろわかりなのは許してあげてください