羽付き人。第一話。

January 23 [Fri], 2009, 11:52
大人になれば、あの広い青の世界に行けると真剣に信じていた幼少期。

母親がよく言うセリフは

“成さばなる成さねばならぬ、何事も”

そんな母親に育ててもらったおかげか、僕はその頃から少しずれた人生を送っている。



第一話
大きな誤解から、さよなら






「ねぇ、吏人〜聞いてるの?」

甘ったるいベリータルトとほろ苦いカプチーノの香り。
そしてベリータルトよりももっと甘ったるい裕砂の声に現実世界に戻された。

「吏人またアタシの話聞いてないし」

ムッとしている裕砂の背後の窓には晴天の空が。
さっきまでただそれを眺めていたのだ。

どうしてか昔から晴れた日の空が大好きで、飽きずに一日中眺めていた。
そんな僕は友人らによく呆れられていた。
そして今も、僕の態度に裕砂は怒りが満ちた表情をしている訳で。

「ごめん」

「そればっかり」

またやってしまったか。
完全にご機嫌斜めな裕砂。

「アタシたちなんで付き合ってるの?」

「アタシのこと本当にスキなの?」

攻め立てる裕砂。
僕はゆっくりと口を開いた。

「裕砂がスキって言ったから」

僕の言葉に裕砂の顔は再び引きつった。

「ふざけないでよっ!!」

大きな声とともに頬にぴりりとした痛みが起こった。
何が起こったか分からず、裕砂を見つめた。

裕砂の頬に涙が零れ落ちる。

「裕砂・・・・」

「別れてあげる、じゃ・・・」


去って行く後ろ姿。
彼女の表情にはない晴れた空が再び瞳に映った。


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mko(蒔麻カズマ)
趣味、創作小説・ドール。

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