ヒルガオ4(斎藤工編)

June 09 [Thu], 2016, 6:50
頷いたはいいものの、私の心の中は不安でいっぱいだった。

もしかしたら私は本当に旦那を裏切ってしまう…。

それと同時にこれから起こる出来事に心も踊っていた。
いけない。やはり来るべきではなかった…。
しかし一体どこまで行くのだろう?
車はどんどん山奥へと進んでいく。

「着いたよ」

そこは私が憧れていた温泉宿だった。

「ここ、来たかったの!」

はしゃぐ私に微笑みかけながら

「良かった」

と工は言った。

その微笑みにドキっとする。

「行こう」

工に促されて後を付いていく。

そこはひとつひとつの建物が並んでいて、はなれになっている宿だった。
ここで…二人きり…。
私の心臓は今にも飛び出しそうなくらい高鳴った。
と同時に主人への罪悪感がまた顔を出す。

「今は旦那さんの事は忘れて」

私の心を見透かしたように工は言った。

部屋で昼食を取る。
海の幸や山の幸が豊富で、とても美味しい。
幸せだ。
ご飯だけで幸せになれる私はなんて単純なんだろう。
工はそんな私を見て笑いながら、

「実は貸切風呂を予約してあるんだ」

と言った。

「えっ?!」

まさか…一緒に入るの?
私は動揺した。

「あはは。そんな顔しなくても大丈夫だよ。ゆきさん、先に入って」
「あ、うん」

やはり温泉は気持ちいい。
お湯に浸かりながらそんな事をぼんやり考えていたら

「ゆきさん?」

え?!
工の声がした。

「な、何?」
「やっぱり一緒に入りたい」
「だめよ!」
「なんで?」
「だって恥ずかしいもの」
「恥ずかしがらないで。片時も離れたくないんだ。見ないから安心して」
「…」

「入るよ?」

と、本当に工が入ってきた。
鍛えられた肉体。
男らしい筋肉。
お風呂の中で必死に体を丸める私の後ろから、工が私を抱き寄せる。
そのまままた唇を奪われる。
もう私は抵抗出来ないでいた。
このままどうなってもいい。
私は工の魅力に勝てない。
体を洗いっこしようと言われたが、さすがにそれは断って先に部屋へ戻った。

「ふぅ…」

一息ついたところで工が戻ってきた。
と同時にまたグイっと抱きしめられる。
いつもより力が強い。
振りほどけない。
あっと言う間に唇を塞がれる。

「もう何も言わないで」

浴衣がはだけさせられていく。
抵抗できない。
いや、しないのだ。
もう旦那の事は頭の片隅にもなかった。
工の腕の中に溺れていく。
もう後戻りはできない。
私は覚悟を決めた。
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