After The Rainbow!! 3

September 06 [Tue], 2011, 0:54

◆◆◆
家まで帰りつくためには、今歩いている、河川敷を通らなければならない。
この河川敷には沢山の人が訪れてくる。
早朝は、犬の散歩で賑わい、日中は、日が暮れるまで子供たちが下の土手で遊んでいる。
夕方からは、ランニングをしている人がよく目につく。
そう、ここはいつ来ても、人で賑わっているのだ。

そんな河川敷が僕は大好きだった。
人々に愛されているから。という理由でもあるが、それよりも、もっと感動的な光景に目を奪われ、それ以来、ここの河川敷は僕の宝物となった。

春には、河川敷の道に沿って植えられている桜の木が見事に咲き乱れ、夏には、川のせせらぎと共に、触れ合う家族の絆。
秋には、上流の方に生えている紅葉が流れてきて、冬には雪が降り積もる。

どの季節にも、ひとつとして同じ顔がなく、そこに心奪われてしまったのだ。

それは僕の横を歩く、幸希も同じで、暇があれば二人でこの河川敷まで足を運んでいる。

「ちょっと! 話聞いてるの?」

考え事に更けており、全く話を聞いていなかった。

幸希は怒った顔をして僕を睨み付ける。

一方、樹は、横で「またか」とへらへら笑っている。

「ごめん。聞いてなかった。もう一回話してくれる?」

少し心細く話した僕に幸希は

「もう一回だけだよ?」

と、再び話をしてくれた。

「それでね、次の大会までもう日にちを数えるくらいしかないじゃん? 乾先輩は受験勉強に励みたいからって次の大会で陸上部を退部するんだって。あとの二人もそう。だからさ、先輩達に何か思い出に残せるような事をしたいなって」

彼女らしい考えだ。

自分の事は後回しにして、他人の幸せを真っ先に願う。

幸希はそういう奴だ。

もちろん、そんな幸希が俺は好きだ。

といっても恋愛感情とはまた違う。別の意味での"好き"だ。

「うん。いいんじゃないかな」

ここで反対するやつは、根こそぎ精神腐っているやつとしか思えない。

案の定、樹も賛成し、あとは今ここにはいない、咲の意見を聞くだけになった。


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  • アイコン画像 ニックネーム:幸村。
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  • アイコン画像 現住所:鹿児島県
  • アイコン画像 職業:小中高生
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