宵闇遊戯 

June 07 [Mon], 2010, 23:18
オフィスを抜け出た瞬間、四肢に絡むのはむっとするような人いきれ。
迫りくる雨期に湿り気を帯びた気配は、ねっとりとこの肌を這い上る。

不自然に白っぽい街頭は道行く者の生気を奪い、
さながら生きた人形のごとく照らし出す。



あ〜したてんきにな〜ぁれ

色褪せた帰り道は鼻唄と共に花開く。




私の足は彼らの疲弊を踏み砕き、朗らかに夜を舞う。




誰もが追いつけぬ事を知りながら、
私は今宵も、さあおいで、と微笑みかける。


やがては溶ける朝露に、密かな喘ぎが吐息を落とし。


微かに聞こえたあの声は、


一体


だれの



ものだった?
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