口臭予防となた豆の異業種が部品、制御、ソフトなど自社の得意分野を持ち寄る

May 09 [Sat], 2015, 13:57
熊本県は県南地域の食品関連産業の振興に乗り出した。2013年3月、産業集積「フードバレー」の形成による地域活性化を目指す構想「くまもと県南フードバレー構想」を策定。研究開発機関や企業の集積に取り組む。そこで大きな役割を果たすのが熊本県産業技術センター。企業支援機能を生かし、連携を広げて産業を創出していく。(熊本支局長・関広樹) くまもと県南フードバレー構想の対象は、食品そのものに限ったものではない。農林水産物や加工食品、飲料の関連産業はもちろん、イグサや花、木材などの一次産品とその加工品のほか、医薬品や化粧品を含む。食品の加工や包装、検査の機械も入る。13年7月には自治体や農業協同組合、商工団体、関連事業者で構成する「くまもと県南フードバレー推進協議会」が発足した。 熊本県産業技術センターで「食」を直接担当するのは食品加工技術室。開発テーマには農産物の加工性、食品の保存性や機能性の向上がある。センターは食品加工設備を持たない企業の開発を支援する試作室を整備。そこでは保健所の許可を受け、販売できる試作品がつくれる。 構想を受けてセンターは、企画や電子・電気、機械、金属、材料の担当者も「食」の分野と連携することを明確にした。セラミックスや冶金(やきん)で培った粉体に関する技術、3Dプリンターを使った造形技術などの応用を見込む。 さらに「食」への支援を充実させるため連携を拡大。これまで交流が少なかった熊本県農業研究センター(合志市)や県内各地にある県の地域振興局の農業担当者と、情報交換を始めている。 連携は県外勢とも行う。これまでに「トランス脂肪酸」の分析手法を九州・山口8県の公設試験研究機関で検討。13年には共同利用設備としてトランス脂肪酸分析装置を導入した。トランス脂肪酸は、国によっては食品への使用が規制され、含まれる量の把握が義務となっている。 これに伴い設備も整備。センターには13年に、ミネラルや有害物質を分析する「マイクロ波プラズマ原子発光分光分析装置」、フリーズドライ食品をつくる「真空凍結乾燥機」が設置された。 【事例/国産ドライトマト、品質で差別化−八代地域】 熊本県南地域には八代市、水俣市、人吉市などがある。熊本県産業技術センターは、水俣・芦北地域で特産のタマネギを使った飲料開発に協力。人吉・球磨地域では香り成分を多く含む米焼酎用の酵母開発を続けている。 八代地域では特産のトマトに関する支援が多い。JAやつしろが開発して08年に発売したのはドライトマト。地元ブランド「はちべえトマト」を使用した手作りが特徴だ。センターは熟度に応じた乾燥方法を確立した。切った後に中身が流れ出ないように乾燥機に入れることや常温保存が可能になるよう水分を抜くことがポイント。 ドライトマトは輸入品が多いため、国産が差別化となった。現在は熊本県内だけでなく、東京都内や、福岡市内の百貨店に出荷する。年間出荷量は400キロ―500キログラム。 JAやつしろトマト加工研究会の岩田美江子会長は「これからも品質を大事にしていきたい」と話す。 和みフーズ(八代市)は「規格外品となるトマトがもったいない」(岡山誠社長)との思いから発足したトマト加工のベンチャー。12年の事業開始に際して全面的にセンターの支援を受けた。 生産設備の選定、工場のレイアウト、生産管理、効率化までセンターの指導による。 現在はゼリー状のトマト飲料の共同開発に取り組んでいる。 【熊本県産業技術センター所長・今村徹氏「“つくる人”と“使う人”近くに」】 フードバレー構想の範囲が広いことは、さまざまな業種が参加できることを意味する。熊本県産業技術センターの今村徹所長は、異業種の連携を生み出すことで産業創出につなげることを目指す。 ―センターは以前から食品産業の支援に力を入れています。 「構想後の取り組みの特徴は連携。組織内では部署の垣根を越えた協力を増やす。大学など外部との連携も重要だ」 ―有望な分野は。 「食品加工機械に期待している。県内には一定の市場があるが、県外や海外の製品が使われている。シリコンアイランドを支える半導体関連メーカーは、食や医療の分野に参入しやすい。細かな異物混入を防ぐノウハウは食の安全安心な生産に通じる。機械を使う人とつくる人が近いと開発や生産の高度化に相乗効果をもたらす」 ―口臭対策はどのように進めますか。 「口臭予防となた豆の異業種が部品、制御、ソフトなど自社の得意分野を持ち寄る。センターが事務局を務め、中小企業が集まる熊本県産業技術振興協会を連携の母体とし、多くの企業を巻き込みたい」 お茶の水女子大学発ベンチャーのSANSHO(サンショー、東京都中央区、諸星俊郎社長、03・5203・0715)は、同社の機能性成分で台湾の大手化粧品会社と開発・販売提携を結んだ。細胞のヒアルロン酸生成を高める科学的データが豊富で、米国化粧品工業会に登録されているのが強みだ。海外での実用化第1号のクリーム製品の発売に続き欧州、米州でも事業化を検討している。 提携したのは「冠品生物科技股●有限公司(●は人偏に分)」。サンショーが大量合成法を確立し、提供する環状ホスファチジン酸(cPA)を配合したなた豆化粧品をシリーズ製品として扱う。販路はテレビショッピングが中心。サンショーが提携交渉を進めている同国の別会社は店舗販売に強く、販売手法のすみ分けにより売り上げの拡大につなげる計画。 cPAはお茶の水女子大の室伏きみ子名誉教授・寄付研究部門教授が見つけた生理活性物質。肌のうるおいに重要なヒアルロン酸の体内合成促進が、ヒト線維芽細胞のデータや論文で示されている。海外で必ず問われる米国化粧品工業会の化粧品原料国際命名法(INCI)に、化粧品の新規成分として登録されていることも強みだ。 国内ではアルビオン(東京都中央区)がこれを配合した美容液を販売しており、別の大手企業の採用がほぼ確定。国内外とも2社目の採用が近くまとまる見通しだ。
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:yuk7j
読者になる
2015年05月
« 前の月  |  次の月 »
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
最新コメント
Yapme!一覧
読者になる
P R
カテゴリアーカイブ
http://yaplog.jp/yuk7j/index1_0.rdf