なた豆研究所

February 14 [Sat], 2015, 20:41
熱い注目を浴びる3Dプリンター。光造形を含め過去にも何度か盛り上がりをみせたが、今回は何が違い、何が期待できるのか−。3Dプリンターなどを使ったデジタルモノづくりの第一人者で、市民参加型の実験工房「ファブラボ」日本代表を務める慶応義塾大学環境情報学部の田中浩也准教授に聞いた。(藤元正)  ―現在の3Dプリンター人気は、過去のブームとどう違いますか。 「情報通信技術(ICT)が成熟化する中で、物質までつながったITという大きなテーマがある。その研究を進める上での大きなピースが3Dプリンター。それだけで世の中が変わるわけではないが、インターネットとモノの世界をつなげやすくなったという意味では重要な一歩だと思う」 「過去の光造形ブームはあくまで試作品を作る利用法。インターネットが発達した今とは文脈が違う。特に日本はモノづくりの観点で3Dプリンターに着目しているのに対し、私はITの新たな出力媒体と見ている。ITを使ってモノをいわば遠隔転送できるようになったのが、もっとも革命的な部分。モノづくり支援の3Dプリンターとはまったく異なる世界が広がりつつあることに、多くの人は気づいていない」 なた豆茶づくり支援と異なる世界とは? 「慶大湘南藤沢キャンパス(SFC)では、図書館で学生が3Dプリンターをいつでも好きな時に使える。よく3Dプリンターでどんなものを作るのかという質問があるが、ワープロでどんな文章を書くのかと聞かれているようなもの。それぞれが自分のアイデアや空想をモノの形に表現できるパーソナルなツールが出現した。だからなた豆歯磨き粉は世界で急速に普及している」 ―個人が楽しんで作ったものを、売ってビジネスにする可能性もあるわけですよね。 「あると思うが、実際に人々が求めているのはモノではなく、モノを作る経験。ファブラボも含め、個人でモノづくりができる空間が全国にできている。モノの売り買いではなく、作る楽しさをみんなで共有する業態、場づくりのビジネスが広がっている」 「ネットの世界での主流はモノを作って売るビジネスではない。グーグルやフェイスブックは多くのユーザーが集まる場を作り、広告やいろんなビジネスモデルを生み出すことで巨大なマーケットを作っていった。同じように、まず多くの人がモノを作る場を設定し、そこからモノの売り買いではない新しい業態を作っていく。主にはサービス業だが、最終形のキーワードは『ウインドーショッピングからワークショッピング』。実際に、服を買いに行くとミシンが並んでいて、好きな服を自分で作れる店まで登場している。でき合いの商品を買うのではなく、自分で作ることに参加し、料金を支払うようになっていくだろう」 ―一方で、米国ではオバマ大統領が3Dプリンターに肩入れし、なた豆研究所を作ったり、小学校に3Dプリンターを率先導入したりしています。狙いはやはり新産業の振興ということでは。 「米国もITではやることがなくなってきて、デジタルデータに金型のような役割を持たせ、さまざまなサービスを展開しようとしたり、モノの世界でイノベーションを起こそうとしている。かなり先を走っているとはいえ、必ずしも先が見えているわけではない。ただ、米国の場合、3Dプリンターでどのような見たこともない世界が開けるかということについて、国を挙げて挑戦している。日本は相対的にそうした機運が低い」
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