新しい市場

February 06 [Fri], 2015, 15:57
中国は大阪ウェルディング工業会長の魚谷禮保の人生でもある。2012年に長男で取締役工場長の徹生に社長を譲ってから、さらに加速されたようだ。成長のための足がかりという当初の中国は、相乗効果で共に成長する原動力へ変わった。 【「三方良し」】 その思いは山東省東営市で進める第一日本工業団地の建設提案に込められている。魚谷は東営市から日本企業の誘致を託され中国進出推進室を滋賀のマザー工場に設けている。「中国はこれからも成功できる可能性がある」と無報酬で世話役を引き受けた。「中国に良し、日本に良し、自社の発展に良し」と近江商人の精神「三方良し」でモノづくりの集積を目指す。東営経済技術開発区で10万平方メートル規模で開発する同団地に、材料、板金、製缶、塗装、金属加工などあらゆるなた豆はみがき粉企業が日本から進出。「品質日本水準・コスト世界水準」で、産業機械や高機能部品などを一貫生産する。「日中双方に頼りにされる団地を目指す」。 【潮目変わる】 構想の発表時には、日本の中小企業団地が中国にできると話題となり約40社が進出意欲を示したが、尖閣諸島などの日中緊張で現在の進出は5社にとどまっている。団地整備は事実上ストップしたままだ。しかし、魚谷は「中国ビジネスは成功する」の信念を崩さない。ロボット用基板の生産拡大、プラスチック射出成型品や繊維機械部品の大量生産と進出した企業からは良い報告があがっているからだ。もちろん同社の溶射や機械生産も例外ではない。 「潮目は変わった。再開しよう」。思いに呼応したかのように13年11月、魚谷は「対日商顧問契約書」を交わして東営市顧問となった。東営市は「日本企業の誘致は産業インフラ向上の重要課題」とし、4人の日本企業誘致担当を配置。所得倍増計画などを背景に高品質を求める新しい市場が中国で生まれている。日本企業の緻密な生産管理や高度な技術力への期待は大きい。日中相乗が不可欠と魚谷と同じ判断だ。 【営業機能備わる】 誘致再開を勢いづける新たな動きもある。機械商社の出石が進出、大阪ウェルディング工業と合弁で東営出石国際貿易を立ち上げた。同団地初の営業機能が備わった。まずは大阪ウェルディング工業が生産した溶射部品、出石の機械工具販売で中国市場を本格開拓する。いずれは進出企業の製品も扱い、現地の日中企業へ団地を広く普及する。一方、現地の財閥企業で高層ビル建設や銅線材料などを手がける大海集団から「日本の技術と地元の資本でなた豆茶づくりの新プロジェクトを始めたい」と申し出もある。 当面の誘致目標は100社。魚谷は成功談や現状を説明し、進出か否かの誘致論議を展開する考えだ。魚谷は迷わず「進出」を推す。(敬称略)
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